三味線声優 しゃみきちとももの物語

桃香

文字の大きさ
40 / 50

40.がっかり

しおりを挟む
急に声をかけられた相手は、昔事務所でレッスンを一緒にやってた人達でした。

「ここで何をやってるの?」

「えっ?あっ。。
今からちょっと三味線弾こうかなあ、、、ってね。。
練習だよ」

慌てふためいてる中、いちこちゃんはニコニコしてるし、
たるはみんなには猫にしか見えてないから、猫らしく顔をあらってシラーってしてるし、

「こちらの方はいちこちゃんって言ってね、一緒に三味線の練習をしてるんだよ」

「はじめまして、いちこです」

「はじめまして、昔、ももちゃんと一緒にレッスンしてた
仲間なんです」

「そうなんですか」

いちこちゃんの挨拶が終わった頃にはたるはいなくなっていました。

「ねぇ!私も三味線ききたい!!
聞いてもいい?」

「えーまだ初心者だから。。」

「でも練習してるんでしょう?聞きたい!」

「分かった、じゃ少しだけ、、」

「やったー!みんなー!!みんなも一緒に聞こう!!」

彼女がそう言うとぞろぞろ人が出てきました。

「きゃー!!
1人じゃないの??」

「うん。今ね舞台の練習帰りだったからみんないるんだ」

10人ぐらいの人達が「三味線?」「ききたい!」とか、
「私聞いたことないー」とかとか声が飛びかってる。。

パニックー!!

どうしよう。。まだひよっこだよ。。
しゃみきち?どうする??

『最近作ったメロディーを弾いてみたら?』

あっあれは、、出来たばかりだよ?

『でも楽しそうに作ってたじゃない?』

あ。。そうだね。
楽しかったし、即興だから面白かった。

『その気持ちを聞いてもらおう!』

分かった!


しゃみきちに勇気づけられ、私は先日作った即興のメロディーを
1分程弾きました。

ダーン、ダーン、タンタンタン

ティティティ、タンタンタン

ダーン、ダーン、ダーン

「終わりました、以上です」

。。。

。。。。

。。。。。


「、、、じゃみんな帰ろうか」


「えっ?あっ何かごめん。まだまだだから。。」

「今度舞台やるんだ、良かったら、、来てね」

友達とその仲間さん達はぞろぞろ帰って行きました。
時折聞こえてくる言葉。「あれ、上手いの?」「何か間違えてたの?分からないなあ。。」

。。。

悔しかったし。悲しかった。

まだまだって言ったのに、あの反応傷つくよ。。
酷いよ。。

「ももちゃん。。」

「いちこちゃん。。」

「あの曲、良かったよ」

「でもみんなの反応が。。」

「酷いね。。嫌な予感はしてたよ。聞きたい、聞きたいって、
シーンとなるのは予測ついてよ」

「いちこちゃん、そうなの。。?」

「ももちゃん、前にもあったでしょう?」

「。。あった。。レッスン中に。。。。過去。。」


涙がいっぱい出てくる。
昔もあったし、イヤな予感は察知してたのに。


「ももちゃん、頑張ったにゃ」

「たる?どこにいたの?」

「全部聞いてたにゃ。
三味線弾けない人は大変さも分からないし、好き放題言うにゃ。
気にしないにゃ。これからもいっぱいいっぱい言われるからにゃ」

「たるも言われた?」

「言われたにゃ。古くさいとか、誰も聞かないとかにゃ、とか辞めろとか、、にゃ」

「酷い。。悲しくなかったの?」

「悲しかったにゃ!だけどね、そう言う意見もまた、正解だからにゃ」

「そうなんだね。。」

「やめちゃダメにゃよ、続ける事が大事なんだからにゃ。
何を言われても続けるにゃよ。続けた先に答えが見えてくるんだからにゃ」

「たる。。
私やめないよ!」

「うんにゃ。」

『しゃみきち的には楽しかったよん』

しゃみきちもありがとう。。

「まだまだひよっこなんだから、どんどん挑戦しよう!
ももちゃん!」

「いちこちゃん。。ありがとう」

「そうだにゃ。いろいろ言われるけどいろいろな事に挑戦して恥をかいてくるんだにゃー」

今回ちょぴり悲しい気持ちになったけど、仲間に支えられて
じゅんきーみたいに楽しんでくれる方もいる、
私達が出来る音楽をどんどんやるぞぉーって気持ちになりました。



☆☆☆
ももLevel 3
三味線 Level 3
勇者Level 2

変わらず。











しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

魅了の対価

しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。 彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。 ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。 アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。 淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

処理中です...