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おまけ 2人のその後
友人と出かけます 1
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友人と遊びに行くことになった。
昨日の夜に、彼にデートのお誘いを振られてから決まったことだ。
友人とは、以前から会いたいと話していたのだが、友人は社会人として仕事もプライベートも充実した日々を送っているようでなかなか暇が出来ず、(私はいつでも暇なのだが)やっと今日、時間が出来たということだ。
彼も後輩くんの家にお邪魔するのでいないわけだし、彼に、「家に呼んでもいいですか」と尋ねてみたが、却下された。
それでは、と友人の家に遊びに行ってもいいかと提案したがそれも駄目で。
私は内心驚いていた。
てっきり彼は私を外に出したくないからとりあえず家にいてほしい、と考えているのではないかと思っていたからだ。
私の友人は、私と違って外にどんどん出て行くアクティブな人なので、外に出かけるなら友人は喜びそうだけれど、彼はそれでいいのだろうか。
私たちのことを気遣って、譲歩してくれているのかしら。
もし我慢しているなら、ヤンデレゲージが上がらないか不安ではある。
しかし、嫌なら外に出なくてもいいのだと言ってみたが、彼はかえって、「家には絶対に呼ぶな」「相手の家にも上がるな」と言う。
私は首を傾げた。
では、どこに行くのがいいですか、と聞くと、「公共の、人が多い場所」と答える。
私は、予想外の答えに驚いた。
何だ、もしかして彼は驚くほど心が広かったのか……?
それとも、友人がいれば安心して外に出てくれて構わないとか、そんな感じだろうか。
いや、私が考えすぎていただけで、彼は私の外出に対して案外寛容なのかもしれない。
先日は、一人で出掛けるな、と言われたから出掛けない方がいいのかと思ったけれど。
一人じゃないならいいということだろうか。
それとも私の自由を尊重してくれている?
理由はいろいろと考えられたが、深い思考がそんなに得意ではない私は、まあいっか、と疑問を放り投げた。
彼がいいと言っているから、いいのだ。
しかし彼は、一つだけ釘を刺した。
「あの店には絶対に行くな」「店の近くも通るな」
あの店と言ったら、イケメン店員さんがいるあの店である。
ハンドマッサージの件はまだ許しがたいらしい。
彼は少し、イケメン店員さんのことを意識しすぎているような気がする。
あくまで店員と客の境界を超えるような接触はなかったと思うし、そんなに警戒するほどのことだろうか。
まあ、彼が嫌なら近づかないことにしよう。
友人にもメールで伝えておいた。
友人は非常に残念がっていた。噂のイケメン店員に是非会ってみたかったらしい。
今度一人か、他の人と一緒に行ってくれ、ということを伝えると、私と二人で行きたいのだという。
友人は私なんぞよりもよっぽど人脈が広く友達も多いのに、わざわざ私を指名して行きたいと言ってくれるなんて、嬉しく思う。
結局、友人とは街を適当にうろつくという話になった。
服を見たり、適当に食べたり、それからお菓子屋さん巡りも外せない。
友人は、雑貨屋さんも見て回りたいと言う。
それを伝えると、彼も一つ頷いた。
彼は今朝、家を出るのが非常に後ろめたい様子だった。
朝ごはんの時はいつもより表情が硬く、箸が進んでいなかったので私がパンを千切って彼の口元に持っていった。
そうすると彼は口を開けてパンを入れると、もぐもぐと黙って咀嚼していた。
何となく、親鳥にでもなったような気分だった。
悪くない感じだ。
彼が私にやたらと食べさせたがる気持ちが分かる気がした。
玄関では、私をぎゅうぎゅうに抱きしめてなかなか離さなかった。
私も、行かなきゃいいのに、なんて思ってしまって、暫く彼の背中をぽんぽんしていた。
しかし、流石に約束の時間に送れてはまずいと思い、頃合いを見て彼に「遅刻しますよ」と声を掛けた。
彼は名残惜しそうに私から離れると、私の髪をするりと撫でた。
髪の一房を掬い上げられ、彼の唇がそこに落ちる。
「行ってきます」の声に、私は「行ってらっしゃい」を返した。
彼が出て行って、扉が閉まって、私もぼちぼちと出掛ける準備を始める。
友人とは街のとあるカフェで待ち合わせている。
時間は十分にあったので、ゆっくりと支度をして、家を出た。
***
待ち合わせ十分前に約束の場所についた。
今までの経験と、彼女の性格から考えれば、友人ももうついている頃だ。
案の定、友人は店に入ってすぐのテーブルに座っていて、私に気付くと手を挙げて見せた。
私も小さく手を振り返すと、友人とテーブル越しに向かい合って座った。
「久しぶり~、生きてたんだねぇ」
生きてたんだ、というのは友人のいつもの挨拶だ。
メールも、ひと月に一度くらいの頻度の時もあるし、会うことなんてなかなかないので、友人は冗談めかして、私と会うたびにその言葉を用いる。
私は、苦笑を一つ零した。
友人は、コーヒーを一口飲んで、まだ半分ほど残っているカップを私に見せた。
テーブルにはサンドイッチと思しきものが一口二口程齧られた跡がある。
「久しぶり、それは朝ごはんです?」
そうふぁよー、と彼女はサンドイッチを頬張って答えた。
「また寝坊しました?朝、食べる時間なかったですか?」
私の質問に、友人のサンドイッチを詰め込んだ口ではもう答えることも出来ず、うんうんと頷いている。
友人は、学生時代から寝坊はしょっちゅうで、朝は教室で何かしら食べていたり、何も持ってきていないときなんかは机に突っ伏して機嫌が悪いのを隠しもせずにクラスメイトを睨みつけていたものだ。
そんな人だが仕事はちゃんとしたところに勤めているそうだし、働いているからには仕事の時は寝坊もしないのだろう。
「ていうか、一段と肌白くなった?」
サンドイッチを飲み込み、コーヒーで口を潤すと、友人は口を開いた。
「そうかなあ。自分じゃあんまり分からないんですけど」
そう答えた私に、友人は「病人みたいだ」と笑った。
そんなに不健康そうに見えるだろうか。
筋トレをここのところさぼっていたのがいけなかったのかもしれない。
「そっちこそ、また黒くなりましたねぇ」
私を病人のようだとからかった友人だが、対して彼女は随分と焼けたようだった。
小麦色……を少し通り過ぎて黒くなっている。
学生時代はテニス部で、その中でも一番焼けていた彼女だが、社会人になっても焼けるというのはある意味すごいのではないだろうか。
もしかして日焼けサロンにでも通っているのだろうか、と思ってしまうほどの焼け具合だ。
「まあねぇ、今年は、海、二回行ったし。あと、キャンプも行ったんだよね」
彼女はピースをして顔の近くに持っていくと、にこにこして二回を強調した。
夏を満喫していたらしい。
海に、キャンプは、言葉だけを聞けば羨ましいような気がするが、実際に行くかとなると、私の腰はずっしりと重くなる。
お家が一番なのだ。
根っからの引きこもり人間である私は、外出に積極的ではない。
たまには、こうして街に出て、友人に会うくらいはしたいけれど。
「彼氏と、行かなかったの?」
海とか、と聞く友人は、聞いている割に興味がなさそう、というよりは、答えが分かっているという様子で、コーヒーカップに視線を落としていた。
「行かないですねぇ」
お互い、どちらかと言えばインドアですから、そう言葉を続けるまでもなく、友人はだよねぇ、と相槌を打った。
「そういえばさ、イケメン店員がハンドマッサージしてくれるっていうとこ、何で駄目なの?やっぱり彼氏に止められた?」
話はイケメン店員さんに移り変わる。
私は一つ頷くと、以前ハンドマッサージを受けたら酷く彼が怒ったのだという話をした。
彼女はそれを興味深そうに聞いていた。
「へえー、やっぱり怒ったんだ。殺されなくてよかったね?」
私は、友人の言葉に一瞬ぎくりとした。
彼氏がヤンデレているらしいことは友人にも話していない。
しかし友人は、何ということなく口を開けて笑っている。
冗談で言っただけらしかった。
「ていうかさあ、出掛けるなら一言声かけてよねー?時間あったらついていくしさ」
私は、友人の言葉を有難く思った。
彼は、私一人で出掛けてほしくないと言っていたし、友人がついていれば安心だ。
「ありがとう。でも、忙しいんでしょ?」
「いや、空けようと思えば空けれるし……あんまり一人で出掛けるタイプでもないと思ってたから、油断してたなあ」
街に行ってたなら一緒に行きたかった、と机に突っ伏して大げさに嘆く姿を見て、くすりと笑ってしまう。
いい友人を持ったなあ、としみじみ思う。
「それじゃやっぱり、イケメンの店員には会うわけにはいかないんだ?」
そう、机に顎を乗せて上目遣いに言う彼女には申し訳ないけれど、ごめんね、と謝った。
昨日の夜に、彼にデートのお誘いを振られてから決まったことだ。
友人とは、以前から会いたいと話していたのだが、友人は社会人として仕事もプライベートも充実した日々を送っているようでなかなか暇が出来ず、(私はいつでも暇なのだが)やっと今日、時間が出来たということだ。
彼も後輩くんの家にお邪魔するのでいないわけだし、彼に、「家に呼んでもいいですか」と尋ねてみたが、却下された。
それでは、と友人の家に遊びに行ってもいいかと提案したがそれも駄目で。
私は内心驚いていた。
てっきり彼は私を外に出したくないからとりあえず家にいてほしい、と考えているのではないかと思っていたからだ。
私の友人は、私と違って外にどんどん出て行くアクティブな人なので、外に出かけるなら友人は喜びそうだけれど、彼はそれでいいのだろうか。
私たちのことを気遣って、譲歩してくれているのかしら。
もし我慢しているなら、ヤンデレゲージが上がらないか不安ではある。
しかし、嫌なら外に出なくてもいいのだと言ってみたが、彼はかえって、「家には絶対に呼ぶな」「相手の家にも上がるな」と言う。
私は首を傾げた。
では、どこに行くのがいいですか、と聞くと、「公共の、人が多い場所」と答える。
私は、予想外の答えに驚いた。
何だ、もしかして彼は驚くほど心が広かったのか……?
それとも、友人がいれば安心して外に出てくれて構わないとか、そんな感じだろうか。
いや、私が考えすぎていただけで、彼は私の外出に対して案外寛容なのかもしれない。
先日は、一人で出掛けるな、と言われたから出掛けない方がいいのかと思ったけれど。
一人じゃないならいいということだろうか。
それとも私の自由を尊重してくれている?
理由はいろいろと考えられたが、深い思考がそんなに得意ではない私は、まあいっか、と疑問を放り投げた。
彼がいいと言っているから、いいのだ。
しかし彼は、一つだけ釘を刺した。
「あの店には絶対に行くな」「店の近くも通るな」
あの店と言ったら、イケメン店員さんがいるあの店である。
ハンドマッサージの件はまだ許しがたいらしい。
彼は少し、イケメン店員さんのことを意識しすぎているような気がする。
あくまで店員と客の境界を超えるような接触はなかったと思うし、そんなに警戒するほどのことだろうか。
まあ、彼が嫌なら近づかないことにしよう。
友人にもメールで伝えておいた。
友人は非常に残念がっていた。噂のイケメン店員に是非会ってみたかったらしい。
今度一人か、他の人と一緒に行ってくれ、ということを伝えると、私と二人で行きたいのだという。
友人は私なんぞよりもよっぽど人脈が広く友達も多いのに、わざわざ私を指名して行きたいと言ってくれるなんて、嬉しく思う。
結局、友人とは街を適当にうろつくという話になった。
服を見たり、適当に食べたり、それからお菓子屋さん巡りも外せない。
友人は、雑貨屋さんも見て回りたいと言う。
それを伝えると、彼も一つ頷いた。
彼は今朝、家を出るのが非常に後ろめたい様子だった。
朝ごはんの時はいつもより表情が硬く、箸が進んでいなかったので私がパンを千切って彼の口元に持っていった。
そうすると彼は口を開けてパンを入れると、もぐもぐと黙って咀嚼していた。
何となく、親鳥にでもなったような気分だった。
悪くない感じだ。
彼が私にやたらと食べさせたがる気持ちが分かる気がした。
玄関では、私をぎゅうぎゅうに抱きしめてなかなか離さなかった。
私も、行かなきゃいいのに、なんて思ってしまって、暫く彼の背中をぽんぽんしていた。
しかし、流石に約束の時間に送れてはまずいと思い、頃合いを見て彼に「遅刻しますよ」と声を掛けた。
彼は名残惜しそうに私から離れると、私の髪をするりと撫でた。
髪の一房を掬い上げられ、彼の唇がそこに落ちる。
「行ってきます」の声に、私は「行ってらっしゃい」を返した。
彼が出て行って、扉が閉まって、私もぼちぼちと出掛ける準備を始める。
友人とは街のとあるカフェで待ち合わせている。
時間は十分にあったので、ゆっくりと支度をして、家を出た。
***
待ち合わせ十分前に約束の場所についた。
今までの経験と、彼女の性格から考えれば、友人ももうついている頃だ。
案の定、友人は店に入ってすぐのテーブルに座っていて、私に気付くと手を挙げて見せた。
私も小さく手を振り返すと、友人とテーブル越しに向かい合って座った。
「久しぶり~、生きてたんだねぇ」
生きてたんだ、というのは友人のいつもの挨拶だ。
メールも、ひと月に一度くらいの頻度の時もあるし、会うことなんてなかなかないので、友人は冗談めかして、私と会うたびにその言葉を用いる。
私は、苦笑を一つ零した。
友人は、コーヒーを一口飲んで、まだ半分ほど残っているカップを私に見せた。
テーブルにはサンドイッチと思しきものが一口二口程齧られた跡がある。
「久しぶり、それは朝ごはんです?」
そうふぁよー、と彼女はサンドイッチを頬張って答えた。
「また寝坊しました?朝、食べる時間なかったですか?」
私の質問に、友人のサンドイッチを詰め込んだ口ではもう答えることも出来ず、うんうんと頷いている。
友人は、学生時代から寝坊はしょっちゅうで、朝は教室で何かしら食べていたり、何も持ってきていないときなんかは机に突っ伏して機嫌が悪いのを隠しもせずにクラスメイトを睨みつけていたものだ。
そんな人だが仕事はちゃんとしたところに勤めているそうだし、働いているからには仕事の時は寝坊もしないのだろう。
「ていうか、一段と肌白くなった?」
サンドイッチを飲み込み、コーヒーで口を潤すと、友人は口を開いた。
「そうかなあ。自分じゃあんまり分からないんですけど」
そう答えた私に、友人は「病人みたいだ」と笑った。
そんなに不健康そうに見えるだろうか。
筋トレをここのところさぼっていたのがいけなかったのかもしれない。
「そっちこそ、また黒くなりましたねぇ」
私を病人のようだとからかった友人だが、対して彼女は随分と焼けたようだった。
小麦色……を少し通り過ぎて黒くなっている。
学生時代はテニス部で、その中でも一番焼けていた彼女だが、社会人になっても焼けるというのはある意味すごいのではないだろうか。
もしかして日焼けサロンにでも通っているのだろうか、と思ってしまうほどの焼け具合だ。
「まあねぇ、今年は、海、二回行ったし。あと、キャンプも行ったんだよね」
彼女はピースをして顔の近くに持っていくと、にこにこして二回を強調した。
夏を満喫していたらしい。
海に、キャンプは、言葉だけを聞けば羨ましいような気がするが、実際に行くかとなると、私の腰はずっしりと重くなる。
お家が一番なのだ。
根っからの引きこもり人間である私は、外出に積極的ではない。
たまには、こうして街に出て、友人に会うくらいはしたいけれど。
「彼氏と、行かなかったの?」
海とか、と聞く友人は、聞いている割に興味がなさそう、というよりは、答えが分かっているという様子で、コーヒーカップに視線を落としていた。
「行かないですねぇ」
お互い、どちらかと言えばインドアですから、そう言葉を続けるまでもなく、友人はだよねぇ、と相槌を打った。
「そういえばさ、イケメン店員がハンドマッサージしてくれるっていうとこ、何で駄目なの?やっぱり彼氏に止められた?」
話はイケメン店員さんに移り変わる。
私は一つ頷くと、以前ハンドマッサージを受けたら酷く彼が怒ったのだという話をした。
彼女はそれを興味深そうに聞いていた。
「へえー、やっぱり怒ったんだ。殺されなくてよかったね?」
私は、友人の言葉に一瞬ぎくりとした。
彼氏がヤンデレているらしいことは友人にも話していない。
しかし友人は、何ということなく口を開けて笑っている。
冗談で言っただけらしかった。
「ていうかさあ、出掛けるなら一言声かけてよねー?時間あったらついていくしさ」
私は、友人の言葉を有難く思った。
彼は、私一人で出掛けてほしくないと言っていたし、友人がついていれば安心だ。
「ありがとう。でも、忙しいんでしょ?」
「いや、空けようと思えば空けれるし……あんまり一人で出掛けるタイプでもないと思ってたから、油断してたなあ」
街に行ってたなら一緒に行きたかった、と机に突っ伏して大げさに嘆く姿を見て、くすりと笑ってしまう。
いい友人を持ったなあ、としみじみ思う。
「それじゃやっぱり、イケメンの店員には会うわけにはいかないんだ?」
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