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第二十八話 静寂の中の悲鳴
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第二十八話 ― 静寂の中の悲鳴 ―
「あなたの気遣いは、本意ではない」
その一言が、夫人の胸の中で嵐となって荒れ狂っていた。
──将軍であり、夫でもある人を思っての行動が、何故いけないのだろう。気遣うことのどこが間違いなのか。理解できないまま、心がじくじくと痛んでいた。
まるで胸に小さな棘が刺さったかのように、じわじわと毒が回る感覚。
さらに追い打ちをかけるように、第二皇女は薄ら笑いを浮かべ、囁いた。
「寝所から追い出された、哀れな女ね」
──抵抗していたはずの寝床のことが、なぜこんなにも胸をえぐるのか。その言葉は、夫人の最も深い場所にある不安を暴き立て、容赦なく突き刺さった。
結婚とは、こんなにも難しく、痛ましく、惨めなものだっただろうか。
「ふさわしくない」と周囲から言われ続け、どこまでも自信が削られていく。
まるで自身の存在が、音を立てて崩れていくようだ。
──父と母は穏やかだったのに。
なぜ、私だけ……。
気づけば思考はすっかり後ろ向きだった。深い泥沼に足を取られたように、身動きが取れない。
「──もう、考えるのはやめよう。ちゃんと話そう。逃げていても仕方ない」
絞り出すような声で自分を奮い立たせ、夫人は将軍の元へ向かった。いつの間にか夜が明け、朝の光が世界を包み込んでいた。
時間の感覚すら失っていた。
将軍の寝所の前に立つ。けれど、足が鉛のように重い。
「また、『本意ではない』と責められたら──」
その恐怖が、全身を硬直させる。それでも、震える足を一歩一歩、まるで魂を削るように進めていく。
だが、近づいたとき、何かが違うと気づいた。律がいた。だが、その表情はいつもより硬い。凍りついたような、見慣れない顔。
──嫌な予感がする。胸騒ぎが、ざわめく。
足を止め、扉の前で立ち尽くす。
そこに将軍がいるはずなのに、まるで目の前に立ち塞がる山のように、扉が重く見えた。その向こうに、未知の闇が広がっているような錯覚に陥る。
ーーーーーーーーー
一方その頃――第六王子の客室では、
「作戦会議」が開かれていた。
しかし、それはもはや会議とは呼べない、嵐のような状況だった。
「ご無礼をお許しください!」
侍女・明蘭が、まるで嵐の女神のように堂々と詰め寄ってきた。
その形相は、まるで火を噴くかのようだ。
「えっ、なになに? なんか怖い!?」
王子はとっさに袖で顔を半分隠すが、明蘭は構わずぐいと一歩前に。
「お嬢様が、あんなに傷ついているのに、何もせずにおわらせるのですか?!」
その声は、まるで雷鳴のようだった。
「うちのお嬢様を、あんなに傷つけるなんて……許せません! わぁぁぁぁん!」
突然の号泣に王子が氷り固まる、他の侍女2人も追い打ちのように泣き出した。それは、まるで洪水のように、止めどなく溢れ出す悲しみの声。
「うわぁぁん! お嬢様は地元じゃ“嫁にしたい娘”で評判だったんですよぉ! 金の履物を履いて迎えに行けって言われてたのにぃ!」
「そうよそうよ! 嫁の貰い手なんていくらでもいたのに!ぐすっ……なのに、なんであんな冷たくするのよ~!私達のお嬢様を返してよぉ!」
責められる王子、必死で両手を振る。まるで溺れる者が藁を掴むように。
「ご、ごめんなさい!? 僕が悪いの!? え、でも違──え? あれ?」
「将軍があんな顔なのが悪いんだ! あの顔で誘惑するなんて!」一人が叫び、もう一人がそれに続く。
「しかも第二皇女! あの女だけじゃ済まない! これからどんどん群がってくるのよ! お嬢様が一人で泣いてる間に!」
「だったらいっそ、私たちが見張って、将軍を封鎖しましょう! 将軍を寄せ付けない!」
話が完全に暴走していく中、王子が両手をブンブン振って必死に止めに入る。汗が噴き出し、顔は真っ青だ。
「待って待って! そうじゃないの! 将軍だって、ずっとずっと嫁っ子ちゃんが好きなんだよ?!」
「……え?」
号泣していた三人が、ピタリと涙を止めた。その場の空気が、
一瞬にして凍りつく。
「な、なんでそれを早く言わないんですかーーー!!」
一斉に王子へ三身一体で詰め寄る。その勢いは、まるで津波のようだった。
「た、たすけてええええええええ!!」
その叫びに、優雅な救世主が現れた。
「まぁまぁ、楽しそうね? 私も混ぜて?」
第一皇女が、ふわりと裾を翻しながら登場。その姿は、まるで絵画から抜け出たかのように完璧だ。
「お茶は? ちゃんとあるわよね?」
姉上に抱きつく王子。その目は、感謝の涙で潤んでいた。
「姉上ぇぇぇ~! ありがとぉぉ~!」
「よしよし、泣かないのよ、かわいい弟ちゃん♪」
その場にいた侍女たちも、一気に毒気を抜かれて座り込んだ。まるで、嵐が去った後の静けさのようだった。
「ところで、肝心の嫁っ子ちゃんは?」
皇女の一言に、明蘭がはっとする。その顔に、血の気が失せていく。
「将軍様にお話したいと……朝方、お一人で……」
「……戻ってきてない? それなら──晨!」
それまで部屋の角で固唾を飲んで見守っていた晨はすぐさま捜索に走る。
その表情は、一瞬にして険しくなっていた。
中庭の東屋。そこに、ひとり座る夫人がいた。
その姿は、まるで一枚の絵のようだった。寂寥感に満ち、儚い。
晨は、ホッと息をついて、静かに近づいた。夫人を安心させようと、そっと。
ぼんやりと足元を見つめていた夫人。
影に気づいて顔を上げると、晨が微笑んでいた。
その笑顔は、夫人の凍りついた心に、わずかな温かさを灯した。
自然と笑顔がこぼれる──その、本当に微かな、しかし確かな光が灯ったその瞬間。
第二皇女の姿が、夫人のすぐ背後から、音もなく現れた。まるで影の中から現れた悪夢のように。彼女の手に、何か鋭い光を放つものが握られているのが、夫人の視界の端に映った。
──刃?
夫人の脳裏に、その言葉が過ぎったと同時に、反射的に、考えるよりも早く、体が動いていた。
「っ……晨!」
そこからはまるで時がゆっくりと流れ始める。まるで感覚が麻痺したように
夫人は、皇女と晨の間に割って入るとゆっくりと皇女の振り上げられた腕がおりてくるのを目の端に見ながら皇女を見ていた
ドスっ
鈍い音ともに感覚が戻り、鋭い、熱い痛みが夫人の胸を貫いた。
「あ、………くっ………ぐぅ……」
夫人の視界が、まるで水中にいるかのように、ゆらゆらと揺れる。音も、全てが遠のいていく。自分の胸元を押さえると、そこから鮮やかな、おぞましい赤い血が、じわり、じわりと、まるで花が咲くかのように、しかし絶望的に、広がっていった。
「うっうわぁぁぁぁぁぁぁぁあああ~~~~~~~~~~~!!」
晨が絶叫し、崩れ落ちる夫人を、とっさにその腕に抱きかかえた。
キーーーーーーーーーン
と、耳鳴りがして世界が真っ白になった
全てが遅く、不鮮明に映る。目の前で、夫人から血が溢れ、その温かさが腕に伝わる。その事実が、晨の思考を停止させた。
『誰かが遠くて叫んでいる。………俺か?』
白い世界から抜け出すと
『お嬢様!お嬢様~~~!姉さま!姉さま~~~~~~」
子供頃不安になるとしがみついて読んでいたように叫んでいた
「なぜ邪魔をするの……! なんで皆、邪魔をするのよ……!お前さえ……そう、お前さえいなければ……」
第二皇女は、狂気的な笑みを浮かべ、手にしていたものを見せつけた。
それは、まさしく夫人の血で濡れた刃だった。まるで花束のように、血の刃を掲げて、彼女は嗤う。
「お前さえいなければ……! お前さえいなければ、お母様に嫌われる事も、将軍様も私のものになるのに! 消え失せろ、この汚れた女!」
その場に駆け寄る墨影兵たち。混乱と恐怖のざわめきが広がる。
「奥様!!」
律も、その声を聞きつけ、瞬時に駆けつけた。目の前で血に染まる夫人を見て、その顔は青ざめ、怒りに震える。
「早く! 手当を! 急げ!」
「……大丈夫……」
夫人はかすれた声で、晨の腕の中で、僅かに微笑もうとする。晨の頰に手を伸ばした、しかし、手を届かず、その力なく開かれた瞳は、そのまま閉じられ、意識を失った。まるで、全てが闇に溶けていくかのように。
律は、その怒りを押し殺し、凍えるような憎悪の眼差しで第二皇女を睨みつけた。その瞳には、燃え盛る炎が宿っていた。
「何故ここに居るか、説明していただきましょう」
そして墨影兵に命じ、皇女を別室へと連行した。皇女は抵抗することなく、ただ狂気の笑みを浮かべながら、引きずられていった。
夫人は晨の腕の中で、静かに、しかしその存在の重みを残しながら運ばれていった。
「大丈夫です。大丈夫ですよ。」
自分に言い聞かせるように晨は祈る思いで、涙と怒りでぐしゃぐしゃになりながら言っていた。
「あなたの気遣いは、本意ではない」
その一言が、夫人の胸の中で嵐となって荒れ狂っていた。
──将軍であり、夫でもある人を思っての行動が、何故いけないのだろう。気遣うことのどこが間違いなのか。理解できないまま、心がじくじくと痛んでいた。
まるで胸に小さな棘が刺さったかのように、じわじわと毒が回る感覚。
さらに追い打ちをかけるように、第二皇女は薄ら笑いを浮かべ、囁いた。
「寝所から追い出された、哀れな女ね」
──抵抗していたはずの寝床のことが、なぜこんなにも胸をえぐるのか。その言葉は、夫人の最も深い場所にある不安を暴き立て、容赦なく突き刺さった。
結婚とは、こんなにも難しく、痛ましく、惨めなものだっただろうか。
「ふさわしくない」と周囲から言われ続け、どこまでも自信が削られていく。
まるで自身の存在が、音を立てて崩れていくようだ。
──父と母は穏やかだったのに。
なぜ、私だけ……。
気づけば思考はすっかり後ろ向きだった。深い泥沼に足を取られたように、身動きが取れない。
「──もう、考えるのはやめよう。ちゃんと話そう。逃げていても仕方ない」
絞り出すような声で自分を奮い立たせ、夫人は将軍の元へ向かった。いつの間にか夜が明け、朝の光が世界を包み込んでいた。
時間の感覚すら失っていた。
将軍の寝所の前に立つ。けれど、足が鉛のように重い。
「また、『本意ではない』と責められたら──」
その恐怖が、全身を硬直させる。それでも、震える足を一歩一歩、まるで魂を削るように進めていく。
だが、近づいたとき、何かが違うと気づいた。律がいた。だが、その表情はいつもより硬い。凍りついたような、見慣れない顔。
──嫌な予感がする。胸騒ぎが、ざわめく。
足を止め、扉の前で立ち尽くす。
そこに将軍がいるはずなのに、まるで目の前に立ち塞がる山のように、扉が重く見えた。その向こうに、未知の闇が広がっているような錯覚に陥る。
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一方その頃――第六王子の客室では、
「作戦会議」が開かれていた。
しかし、それはもはや会議とは呼べない、嵐のような状況だった。
「ご無礼をお許しください!」
侍女・明蘭が、まるで嵐の女神のように堂々と詰め寄ってきた。
その形相は、まるで火を噴くかのようだ。
「えっ、なになに? なんか怖い!?」
王子はとっさに袖で顔を半分隠すが、明蘭は構わずぐいと一歩前に。
「お嬢様が、あんなに傷ついているのに、何もせずにおわらせるのですか?!」
その声は、まるで雷鳴のようだった。
「うちのお嬢様を、あんなに傷つけるなんて……許せません! わぁぁぁぁん!」
突然の号泣に王子が氷り固まる、他の侍女2人も追い打ちのように泣き出した。それは、まるで洪水のように、止めどなく溢れ出す悲しみの声。
「うわぁぁん! お嬢様は地元じゃ“嫁にしたい娘”で評判だったんですよぉ! 金の履物を履いて迎えに行けって言われてたのにぃ!」
「そうよそうよ! 嫁の貰い手なんていくらでもいたのに!ぐすっ……なのに、なんであんな冷たくするのよ~!私達のお嬢様を返してよぉ!」
責められる王子、必死で両手を振る。まるで溺れる者が藁を掴むように。
「ご、ごめんなさい!? 僕が悪いの!? え、でも違──え? あれ?」
「将軍があんな顔なのが悪いんだ! あの顔で誘惑するなんて!」一人が叫び、もう一人がそれに続く。
「しかも第二皇女! あの女だけじゃ済まない! これからどんどん群がってくるのよ! お嬢様が一人で泣いてる間に!」
「だったらいっそ、私たちが見張って、将軍を封鎖しましょう! 将軍を寄せ付けない!」
話が完全に暴走していく中、王子が両手をブンブン振って必死に止めに入る。汗が噴き出し、顔は真っ青だ。
「待って待って! そうじゃないの! 将軍だって、ずっとずっと嫁っ子ちゃんが好きなんだよ?!」
「……え?」
号泣していた三人が、ピタリと涙を止めた。その場の空気が、
一瞬にして凍りつく。
「な、なんでそれを早く言わないんですかーーー!!」
一斉に王子へ三身一体で詰め寄る。その勢いは、まるで津波のようだった。
「た、たすけてええええええええ!!」
その叫びに、優雅な救世主が現れた。
「まぁまぁ、楽しそうね? 私も混ぜて?」
第一皇女が、ふわりと裾を翻しながら登場。その姿は、まるで絵画から抜け出たかのように完璧だ。
「お茶は? ちゃんとあるわよね?」
姉上に抱きつく王子。その目は、感謝の涙で潤んでいた。
「姉上ぇぇぇ~! ありがとぉぉ~!」
「よしよし、泣かないのよ、かわいい弟ちゃん♪」
その場にいた侍女たちも、一気に毒気を抜かれて座り込んだ。まるで、嵐が去った後の静けさのようだった。
「ところで、肝心の嫁っ子ちゃんは?」
皇女の一言に、明蘭がはっとする。その顔に、血の気が失せていく。
「将軍様にお話したいと……朝方、お一人で……」
「……戻ってきてない? それなら──晨!」
それまで部屋の角で固唾を飲んで見守っていた晨はすぐさま捜索に走る。
その表情は、一瞬にして険しくなっていた。
中庭の東屋。そこに、ひとり座る夫人がいた。
その姿は、まるで一枚の絵のようだった。寂寥感に満ち、儚い。
晨は、ホッと息をついて、静かに近づいた。夫人を安心させようと、そっと。
ぼんやりと足元を見つめていた夫人。
影に気づいて顔を上げると、晨が微笑んでいた。
その笑顔は、夫人の凍りついた心に、わずかな温かさを灯した。
自然と笑顔がこぼれる──その、本当に微かな、しかし確かな光が灯ったその瞬間。
第二皇女の姿が、夫人のすぐ背後から、音もなく現れた。まるで影の中から現れた悪夢のように。彼女の手に、何か鋭い光を放つものが握られているのが、夫人の視界の端に映った。
──刃?
夫人の脳裏に、その言葉が過ぎったと同時に、反射的に、考えるよりも早く、体が動いていた。
「っ……晨!」
そこからはまるで時がゆっくりと流れ始める。まるで感覚が麻痺したように
夫人は、皇女と晨の間に割って入るとゆっくりと皇女の振り上げられた腕がおりてくるのを目の端に見ながら皇女を見ていた
ドスっ
鈍い音ともに感覚が戻り、鋭い、熱い痛みが夫人の胸を貫いた。
「あ、………くっ………ぐぅ……」
夫人の視界が、まるで水中にいるかのように、ゆらゆらと揺れる。音も、全てが遠のいていく。自分の胸元を押さえると、そこから鮮やかな、おぞましい赤い血が、じわり、じわりと、まるで花が咲くかのように、しかし絶望的に、広がっていった。
「うっうわぁぁぁぁぁぁぁぁあああ~~~~~~~~~~~!!」
晨が絶叫し、崩れ落ちる夫人を、とっさにその腕に抱きかかえた。
キーーーーーーーーーン
と、耳鳴りがして世界が真っ白になった
全てが遅く、不鮮明に映る。目の前で、夫人から血が溢れ、その温かさが腕に伝わる。その事実が、晨の思考を停止させた。
『誰かが遠くて叫んでいる。………俺か?』
白い世界から抜け出すと
『お嬢様!お嬢様~~~!姉さま!姉さま~~~~~~」
子供頃不安になるとしがみついて読んでいたように叫んでいた
「なぜ邪魔をするの……! なんで皆、邪魔をするのよ……!お前さえ……そう、お前さえいなければ……」
第二皇女は、狂気的な笑みを浮かべ、手にしていたものを見せつけた。
それは、まさしく夫人の血で濡れた刃だった。まるで花束のように、血の刃を掲げて、彼女は嗤う。
「お前さえいなければ……! お前さえいなければ、お母様に嫌われる事も、将軍様も私のものになるのに! 消え失せろ、この汚れた女!」
その場に駆け寄る墨影兵たち。混乱と恐怖のざわめきが広がる。
「奥様!!」
律も、その声を聞きつけ、瞬時に駆けつけた。目の前で血に染まる夫人を見て、その顔は青ざめ、怒りに震える。
「早く! 手当を! 急げ!」
「……大丈夫……」
夫人はかすれた声で、晨の腕の中で、僅かに微笑もうとする。晨の頰に手を伸ばした、しかし、手を届かず、その力なく開かれた瞳は、そのまま閉じられ、意識を失った。まるで、全てが闇に溶けていくかのように。
律は、その怒りを押し殺し、凍えるような憎悪の眼差しで第二皇女を睨みつけた。その瞳には、燃え盛る炎が宿っていた。
「何故ここに居るか、説明していただきましょう」
そして墨影兵に命じ、皇女を別室へと連行した。皇女は抵抗することなく、ただ狂気の笑みを浮かべながら、引きずられていった。
夫人は晨の腕の中で、静かに、しかしその存在の重みを残しながら運ばれていった。
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