空晴ラビット 1

やました

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第1章

第4話 天使

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入学式が始まり、体育館には40人の生徒が集まった。
キュトアちゃんは開始早々眠ってしまっている。
殆ど普通の入学式と変わらなく、ぼーっとする時間だけが流れていった。

「続いて、新入生代表挨拶、お願いします」

「はい!」

1人の女の子が元気よく返事をして立ち上がった。
礼儀正しくお辞儀をしてステージに上がっていく。

「えーと、新入生代表、わんこです!
……んー、なんだっけ……えー、とにかく!みんな仲良く高校生活楽しみましょう!よろしくお願いします!!以上!!」

そう言ってその子はお辞儀をしてステージを降りていった。

名前からして犬の魔獣族だろうか。
なんて自由な挨拶……。

しばらく司会者は目を点にしていたが、ハッとして司会を再開した。

「えっと、では続いて……。これから生徒の皆さんに支給したい物がございます。」

そう言って小さな箱が支給された。
中を開けると、銀の十字架が付いたチョーカーが入っていた。

「このチョーカーは人間界に行く際、耳としっぽや魔獣の気配を消したり、ちょっとした防御陣を創り出すことができます。ただし、使い方には十分注意してください。使い方は授業で習います。」

凄い……。こんなものが支給されるなんて。
これで人間界に行ける。お母さんとお父さんを探しに行けるんだ……!

「尚、天使の留学生徒には支給されませんのでご了承ください。」

えっ……。天使?

とつぜん生徒内がざわついた。

「おや、言い忘れておりました。生徒の中には1人、天使の留学生徒を設けております。生徒会長として、皆さんの中心となる生徒です。」

この学校が天界によって作られたのは知っていたけど、生徒の中に天使がいるなんて。
「へ~天使がいるんだ!すごぉい!初めて見る!」

キュトアちゃんはワクワクした顔でそう言った。

「では、これで入学式を終わります。生徒の皆さんは各教室へ戻っていただきます。Bクラスから順番に教室へお戻りください。」

アナウンスが流れてBクラスの生徒達がぞろぞろと教室へ戻っていく。

ぼーっとそれを眺めていると、一人の女の子がたたずんだまま立っていた。

「なによ……あの代表挨拶は…」

その子はそう言って最後に体育館を出ていった。

「ねー!ねー!あの子じゃない?天使なのって!」

キュトアちゃんはそういって私に抱きついた。

「えっ!そ、そうなの?」

「だって、耳や尻尾なかったし……気配もなんか私たちと違う感じがした!きっとそうだよ!」

確かに、キラキラしたブルーの髪のその女の子は、私たちとは違う不思議なオーラを感じた。
あの子が、天使……。





教室に戻ると、教科書の説明とロッカーの整理をした。
それが終わると、チョーカーを身につけることが義務付けられた。

チョーカーは肌身離さず付けておくこと。

先生はそう言って帰りの挨拶をすると教室を出ていった。


「ミヨコちゃーん!かわいいよね!このチョーカー!なんだかオシャレしてるみたい!」

キュトアちゃんはニコニコしながら私の席にやってきた。
確かにかわいくて素敵なチョーカー……。
キュトアちゃんによく似合っている。

「ふふ、そうだね。」

私はそう言って笑った。

「あ!B組も終わったみたい!私これからサフィアと帰るけど、ミヨコちゃんも途中まで一緒に帰らない……?」

キュトアちゃんはそう言って、お願い!のポーズをした。

「え!いいの?嬉しい……!」

私はそう言うとキュトアちゃんはすごく嬉しそうに私の手を握って教室を出た。

優しい友達が出来て本当によかった。

私はキュトアちゃんの背中を見ながらそう思った。


5話へ続く



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