空晴ラビット 1

やました

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第1章

第5話 帰り道

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B組に来た私とキュトアちゃんは、サフィアちゃんの姿を探した。

「あ!いた!サフィアー!」

キュトアちゃんは手を振ってサフィアちゃんを呼んだ。

「……あれ?サフィアちゃん、何か困ってるみたい?」

よく見るとサフィアちゃんにくっついている女の子がいた。

「サフィア?その子は?」

黒髪ショートに猫耳……
スカートから可愛らしい尻尾が顔を出している。

「猫……の半魔獣さん?」

キュトアちゃんは首をかしげてそう言った。

「そうなの。いきなりくっついてきて……。」

サフィアちゃんはちょっと困ったような複雑な顔をしている。


「……とも…だち。」

すると黒猫の少女はぽつりとそう呟いた。


「あー!そっか!一緒に帰りたいんだね!」

キュトアちゃんはひらめいたようにそう言った。

「お名前はなんて言うんですか?」

私は優しくそう聞いてみた。

「……ナル。」


「ナルちゃんかー!ちっちゃくて可愛いねー!」

キュトアちゃんはナルちゃんの頭をポンポンと撫でた。

「……ちっちゃく…ない。」

ナルちゃんはサフィアちゃんにギュッと掴まった。
キュトアちゃんはあらら、ごめんね!と笑った。

「もう、とりあえず行きましょ。私、早く帰りたいわ。」

サフィアちゃんはそう言って歩き出した。そこにナルちゃんはくっついて歩いていく。

「ふふ、まるで親子みたい。」

私はその様子が可愛らしくてそう言った。

「あはは!確かに!私たちも行こ!」

私とキュトアちゃんも二人のあとをついて行った。





「そう言えば、ミヨコちゃんはどこに住んでるの?寮?それともこの近く?」

キュトアちゃんは私にそう聞いてきた。

「私はあの山の上に家があるの」


「えぇ!?あんなところに!?」

「た、大変ね……。」

キュトアちゃんとサフィアちゃんは驚いたようにそう言った。

「ナルちゃんはどこなの?」

今度はナルちゃんにキュトアちゃんは聞いてみた。

「……寮。」

「そっかー!私たちと一緒だ!」


やっぱり皆遠いところから来てるのかな。この村で通ってるのは私だけなのかも……。

一通り話したあと、学校の寮まで着いてしまった。

「じゃあ、ここで解散ということで!明日も宜しくね!」

「うん、また明日ね。」

「えぇ、また明日。」

「……また明日。」

皆はそう言って寮へ入っていった。

私はそれを手を振って見送ると、自分の帰り道を歩きだした。




階段を一気にかけ上がり、私はやっと家にたどり着くことが出来た。
空は夕焼けで赤く染まりきり、暗くなり始めている。

「買い物したらちょっと遅くなっちゃったな……。」

今日はお肉がとっても安く手に入り、調子にのって買いすぎてしまった。

カレー……かシチューにしようかなぁ……。

そんなことを考えていると、家の庭の方で僅かに光がさしているのが見えた。

……?なんだろう。

十字架の祠の方からだ。

眩い光はどことなく懐かしいような、暖かい感じがした。

私はこの光を知っている……?




静かに、恐る恐る庭の方へ出た。


「やぁ、君は……うさぎの魔獣族かな?」

真っ白な羽……。キラキラと光る髪。それに圧倒的なオーラ。
この人は……。

「て、天使……」

私は思わずそう口に出てしまった。


「ご名答!いかにも、私は天使だよ。」

その天使の男性はニコッと私に笑いかけた。

「だ、誰……?」

確かに懐かしい感じがしたのだが、私はこの人を知らない……。知らない人だった。

「あぁ、私、ラティモアと申します。以後お見知りおきを。」



6話に続く。

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