10 / 26
第1章
第8話 日常のはじまり
しおりを挟む「じゃあ、私はもう学校に行きます。朝食ありがとうございました。この後ラティモアさんは……」
「もうラティでいいよ。俺はまた"探し物"を探してくる。世話になったね。」
"探し物"
この天使の男が現れたのはそれが目的らしい。何を探しているのかは分からないけど、その割にはとても呑気に見える。
「……じゃあ、行ってきます。ラティさんもお気をつけて。」
「うん!言ってらっしゃぁい!」
陽気に手を振るラティさんに見送られて、私は学校へ向かった。
「はぁ、はぁ、やっぱり遠いよぉ……」
学校まで片道1時間。これを毎日続けなければならない。
序盤からこれじゃまずい……。毎日走り込みでもしてみようかな?
そう考えてると後ろから私を呼ぶ声が聞こえてきた。
「おーーい!!ミヨコちゃーん!おっはよーーー!!」
私は後ろを振り返る前にキュトアちゃんに抱きつかれた。
「ふぇ!?キュトアちゃん……!お、おはようぅ」
「ちょっと、キュトア……朝から騒がしいわね……。ごめんね、ミヨコちゃん。」
「だ、大丈夫だよ。サフィアちゃんもおはよう!」
私はそう言ってサフィアちゃんの方を見ると、サフィアちゃんにぴったりくっついたナルちゃんが目に入った。
「……わたしも……いる……。」
ナルちゃんはサフィアちゃんの後ろに隠れながら片目でじっと私を見ていた。
「はわわ、ナルちゃんもおはよう!」
「ん……、おはよう……」
ナルちゃんはもじもじしながらそう言った。
すっかりサフィアちゃんにべったりのようだ。
「ねー!ねー!時間割を見ると、午後から人間学を学ぶんだって!何するんだろうね!ワクワクするね!」
「その前に午前中はしっかり国数英を勉強しなきゃ。ね、キュトア?」
「うぇ!?はぅ~~~」
サフィアちゃんがそう言うと、キラキラ目を輝かせていたキュトアちゃんは、がっくりと沈んでしまった。
「まったく……。ミヨコちゃん、悪いけどキュトアの監視お願いね……。」
「う、うん!分かったよ!!」
私は任されました!とばかりに頷いた。
「え~~ん!ミヨコちゃんまで~~」
教室の手前まで来ると、サフィアちゃんとナルちゃんと別れ教室に入った。
昨日とは違い、周りと打ち解けた1年生たちが楽しそうに会話をしている。
チャイムが鳴り、先生が入ってくると全員速やかに席についた。
朝礼が終わると、中学のときと同じように何の変哲もない授業が始まる。
キュトアちゃんは眠そうにあくびをした。
それを見ながら私はバレないようにふふふっと笑っていた。
9話に続く。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
妻が通う邸の中に
月山 歩
恋愛
最近妻の様子がおかしい。昼間一人で出掛けているようだ。二人に子供はできなかったけれども、妻と愛し合っていると思っている。僕は妻を誰にも奪われたくない。だから僕は、妻の向かう先を調べることににした。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる