空晴ラビット 1

やました

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第2章

第18話 同じ目的

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「うぅ……、」

時間が経つにつれ、サフィアちゃんはどんどんぐったりしはじめていた。

カッ!!

サフィアちゃんは授業で習った魔法陣を出現させる。
でも、それはすぐに消えてしまい、効果はあまりなかった。

「うわぁん!どうしたらいいの!?」

キュトアちゃんは頭を抱えている。
私もどうしたらいいか分からない。
誰か……、マリアさん!早く来て!

私はそう祈った。その時、

ザンッ!!

「ぐああああ!!」

サフィアちゃんの後ろにいた魔ノラが不気味な雄叫びを上げた。
みるみる魔ノラは薄れ、砂のように朽ちていく。

何が起こったの?

完全に魔ノラが消失すると、そこに人影が現れた。

「大丈夫か?あんた……」

人影はサフィアちゃんにそう言った。
でも、サフィアちゃんは恐怖のあまり固まっている。

「た、助かった…?」

キュトアちゃんはそう言ってその場で膝から崩れ落ちた。

「……お前ら、ノラか?こんな時間に出歩いたら危ないじゃないか。」

人影は私達に話しかけた。
あれ?……この声、どこかで。

「あ、あー!お兄ちゃん!?」

私は、ハッとして叫んだ。

「……な!?ミヨコなのか!?」

私は人影の主に駆け寄った。
フードを被っていて見えずらいが、やはりお兄ちゃんだ。

「お兄ちゃん、どうしてここに…。」

「それはこっちのセリフだ!なんでミヨコが人間界に……。」

そう話していると、キュトアちゃんはサフィアちゃんの無事が分かると驚いたように兄を見つめた。

「え、何何?ミヨコちゃんのお兄さんなの!?」

「……よく分からなかったけど、ありがとう、お兄さん。」

サフィアちゃんは立ち上がりそう言った。
兄は、……いや、大丈夫なら良かったと言うと、何かの気配を察したのか私達の後ろの方へ目を向けた。

すると、マリアさんがテレポートで現れた。

「貴方達、大丈夫なの!?」

「「「マリアさん!!」」」

私達はマリアさんを見ると安心して駆け寄った。わんこさんは相変わらずマリアさんに抱きつく。

「……貴方、誰なの?」

マリアさんはお兄ちゃんを見てそう言った。

「あ、マリアさん、あのね、私のお兄ちゃんなの。魔ノラに襲われたサフィアちゃんを助けてくれて……。」

「え、魔ノラに!?」

マリアさんはビックリしてサフィアちゃんの方を見た。

「だ、大丈夫だったの?」

「えぇ、ミヨコちゃんのお兄さんに助けてもらったの。」

サフィアちゃんがそう言うと、マリアさんは私達前へ出た。

「ミヨコさんのお兄さんね、助けてくれてありがとう。失礼だけど、フードを取ってもらえるかしら。」

……マリアさん、お兄ちゃんを警戒してる?

「何故?取る必要はない。気配で分かるだろ?俺はノラだよ。」

「それは分かっているわ。ノラなら、尚更放っておけない。なんの目的で人間界へ?」

「……。」

兄は黙り込む。

「答えなさい!」


「……君たちと同じだよ」

そう言うと、お兄ちゃんはテレポートをした。

「な!?待ちなさい!!」

マリアさんはそう言って駆け寄ったけど、兄は姿を消してしまった。

「お兄ちゃん……。」

二人の会話についていけなかった。
何の話をしていたんだろう。

「……ミヨコさん、その、貴方は知っていたの?」

マリアさんは私を見てそう言った。

「……え、な、何を……?」

私はその言葉の意味がわからず返答に困った。

「……まぁいいわ。とりあえず、ホテルへ戻りましょ。ここはもう危ないわ。」

マリアさんがそう言うと、私達はホテルへ戻った。
何だか色んなことがあった1日だった。
皆は疲れてすぐ眠りについたようだ。

……マリアさんとお兄ちゃんの会話。どういう意味だろう。目的が同じ……。
『君たちと』って天使たちのこと?

ますます分からない。
私はモヤモヤする思いを胸にいつの間にか眠りについた。


19話につづく。









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