122 / 122
第七章 エピローグ
(ネタバレ)登場人物紹介・語句説明・二部予告
しおりを挟む
〈鵺の呪いとは〉
九百年あまり前、宮中に帝を悩ませる怪物が現れた。その退治を仰せつかった武将・英治親は、郎党の雷郷、同じく郎党のリンを連れて参内した。黒雲の中に怪物がいるとみた英治親はそこをめがけて矢を放つ。矢は見事に命中し、怪物は地面に落ちた。そこをすかさず雷郷が飛びかかって止めを刺した。息絶えた怪物の姿を確認すると、頭は猿、胴体は猪、手足は虎、尾は蛇という凶々しい姿だった。その鳴き声が鵺という鳥に似ていたことから、この怪物は鵺と呼ばれるようになった。
鵺が出現した目的は帝を呪うことだったが、道半ばで殺されてしまったため、その殺意は自らを討った英治親に向けられた。その部下であり、直接手を下した雷郷と、その場に居合わせたリンも治親諸共鵺に呪われることになる。
鵺射殺事件からおよそ一年後、鵺の呪いにより英治親、雷郷、リンはその生涯を閉じた。だが、呪いは終わらない。鵺は彼らを何度も人間に転生させ殺し続ける。その回数は三十三回。そして三十四回目の転生者である周防永、唯蕾生、御堂鈴心は今度こそ鵺の呪いに打ち勝とうと足掻き始める。
〈登場人物〉
唯 蕾生
15歳。高校一年生
生まれつき人よりも力が強く、何かと不自由で理不尽な目に会ってきた
幼少の頃出会った永に心を救われる。それ以降は永を頼りきって生きている
力が強くて箸などを折ってしまうため、おにぎり、ハンバーガーといった手掴みの食べ物を好む
英治親の郎党・雷郷が転生した姿
周防 永
15歳。高校一年生
頭脳明晰で口から先に生まれてきたような男。蕾生の幼馴染
都市伝説やUMAなどのオカルトと呼ばれるものが大好きで、ネット界隈では多数のハンドルネームを使いこなす
剣道と弓道を嗜み、特技はレース編み
九百年ほど前の武将、英治親が転生した姿
御堂 鈴心
13歳。高校一年生(飛び級)
高明な陰陽師一族・銀騎家の分家に生を受けたが、現在は当主の銀騎詮充郎に養育されている
一緒に住んでいる銀騎星弥を姉妹のように慕っている。言葉遣いは丁寧だが、性格は冷静できつい
長らく銀騎研究所内を出たことがなかったため、現在の常識にやや疎い
英治親の郎党・リンが転生した姿
銀騎 星弥
16歳。高校一年生
蕾生と永の隣のクラスで学級委員をしている。不思議と周りから好感度を集める乙女ゲームの主人公(永談)のような少女
高明な陰陽師一族・銀騎家に生まれるが、本人に陰陽師の力はないらしい
祖父の詮充郎とは距離をおいて暮らしている分、兄の皓矢を特に慕っている
鈴心のことを猫っ可愛がり、目の中に入れても痛くないし、なんなら食べちゃいたいと思っている
銀騎 詮充郎
74歳。銀騎研究所所長、銀騎家現当主
高明な陰陽師一族の当主ではあるが、本人に陰陽師の力はない
およそ30年前、長らく未確認生物と思われていたツチノコを発見、その生態を研究し、新種生物として登録することに成功した
鵺の呪いに異常な興味を抱き、何度も永達に接触し、彼らの呪いの解除究明を邪魔してきた
銀騎 皓矢
28歳。銀騎研究所副所長、銀騎家次期当主
強力な陰陽師の力を有し将来を嘱望される青年。同時に詮充郎の教えを受け、一流の生物学研究者でもある
祖父の詮充郎を第一に考え、常に手足となって動く。星弥と鈴心を常に気遣う家族思いな面もある
専用の式神・瑠璃鴉(愛称ルリカ)を常に側に置いている
銀騎 紘太郎
享年28歳。銀騎詮充郎の一人息子
銀騎家開祖以来の天才とうたわれた陰陽師かつ科学者
前回の三十三回目の転生時において命を落とした
佐藤 斗羽理
見た目は二十代後半なのに、詮充郎の助手を二十年以上勤めている不思議な女性
助手に徹していた頃は無表情で感情の読めない、まるで機械のような性格だったが、蕾生の鵺化により豹変
詮充郎に瀕死の重傷を負わせ、銀騎の家宝・幽爪珠を奪って行方をくらませた
雨都 梢賢
蕾生達の前に現れたパリピ風の青年。怪しげな関西弁を話す
昔から永達を支援してくれていた僧侶の家系の子孫だと言う
雨都 楓
三十二回目の転生時にハル達を支援した女子高生
〈語句説明〉
萱獅子刀
英治親が鵺を討伐した時に帝から賜った宝刀。現在までに何度も紛失と発見を繰り返す
銀騎の元にあると思われていたが、三十三回目の転生時に紛失していたことが判明
なお、その切先片のみ詮充郎が保管していた鵺の遺骸から出てきた
慧心弓
英治親愛用の弓。鵺を射った武器。現在までに何度も紛失と発見を繰り返す
永によれば、三十二回目の転生時に消失している
翠破
英治親が使った一対の矢のうちのひとつ
三十二回目の転生時に、雨都楓が鵺を射った時に刺さったまま身体に取り込まれた
詮充郎が保管していた鵺の遺骸からその鏃のみが出てきた
紅破
英治親が使った一対の矢のうちのひとつ
永によればかなり前の転生時に鵺の身体に取り込まれたらしい
鵺化した蕾生がその鏃のみを吐き出した
幽爪珠
代々当主に受け継がれている銀騎家の家宝
元々は銀騎家開祖の銀騎朝詮が鵺の爪から作ったもの
現在は詮充郎の手によりその姿がかわっている。蕾生の鵺化後、佐藤斗羽理に奪取された
〈二部予告〉
雨都梢賢の招きによって彼の故郷を訪ねた永、蕾生、鈴心。
雨都家が隠れ住んでいるというその里には、別の理由で同じように隠れ住んでいる一族がいた。
里の長・藤生家、その分家の眞瀬木家、そして藤生家の厚意で里に暮らす雨都家は奇妙なバランスを保ちながら暮らしている。
しかし雨都梢賢が三人に助けを求めた理由はその里に関することではなかった。梢賢は三人にある母子家庭を紹介する。
昔、雨都家から離反した分家の雨辺家、その子孫だった。彼らは鵺をうつろ神と呼んで盲目なまでに信仰していた――
九百年あまり前、宮中に帝を悩ませる怪物が現れた。その退治を仰せつかった武将・英治親は、郎党の雷郷、同じく郎党のリンを連れて参内した。黒雲の中に怪物がいるとみた英治親はそこをめがけて矢を放つ。矢は見事に命中し、怪物は地面に落ちた。そこをすかさず雷郷が飛びかかって止めを刺した。息絶えた怪物の姿を確認すると、頭は猿、胴体は猪、手足は虎、尾は蛇という凶々しい姿だった。その鳴き声が鵺という鳥に似ていたことから、この怪物は鵺と呼ばれるようになった。
鵺が出現した目的は帝を呪うことだったが、道半ばで殺されてしまったため、その殺意は自らを討った英治親に向けられた。その部下であり、直接手を下した雷郷と、その場に居合わせたリンも治親諸共鵺に呪われることになる。
鵺射殺事件からおよそ一年後、鵺の呪いにより英治親、雷郷、リンはその生涯を閉じた。だが、呪いは終わらない。鵺は彼らを何度も人間に転生させ殺し続ける。その回数は三十三回。そして三十四回目の転生者である周防永、唯蕾生、御堂鈴心は今度こそ鵺の呪いに打ち勝とうと足掻き始める。
〈登場人物〉
唯 蕾生
15歳。高校一年生
生まれつき人よりも力が強く、何かと不自由で理不尽な目に会ってきた
幼少の頃出会った永に心を救われる。それ以降は永を頼りきって生きている
力が強くて箸などを折ってしまうため、おにぎり、ハンバーガーといった手掴みの食べ物を好む
英治親の郎党・雷郷が転生した姿
周防 永
15歳。高校一年生
頭脳明晰で口から先に生まれてきたような男。蕾生の幼馴染
都市伝説やUMAなどのオカルトと呼ばれるものが大好きで、ネット界隈では多数のハンドルネームを使いこなす
剣道と弓道を嗜み、特技はレース編み
九百年ほど前の武将、英治親が転生した姿
御堂 鈴心
13歳。高校一年生(飛び級)
高明な陰陽師一族・銀騎家の分家に生を受けたが、現在は当主の銀騎詮充郎に養育されている
一緒に住んでいる銀騎星弥を姉妹のように慕っている。言葉遣いは丁寧だが、性格は冷静できつい
長らく銀騎研究所内を出たことがなかったため、現在の常識にやや疎い
英治親の郎党・リンが転生した姿
銀騎 星弥
16歳。高校一年生
蕾生と永の隣のクラスで学級委員をしている。不思議と周りから好感度を集める乙女ゲームの主人公(永談)のような少女
高明な陰陽師一族・銀騎家に生まれるが、本人に陰陽師の力はないらしい
祖父の詮充郎とは距離をおいて暮らしている分、兄の皓矢を特に慕っている
鈴心のことを猫っ可愛がり、目の中に入れても痛くないし、なんなら食べちゃいたいと思っている
銀騎 詮充郎
74歳。銀騎研究所所長、銀騎家現当主
高明な陰陽師一族の当主ではあるが、本人に陰陽師の力はない
およそ30年前、長らく未確認生物と思われていたツチノコを発見、その生態を研究し、新種生物として登録することに成功した
鵺の呪いに異常な興味を抱き、何度も永達に接触し、彼らの呪いの解除究明を邪魔してきた
銀騎 皓矢
28歳。銀騎研究所副所長、銀騎家次期当主
強力な陰陽師の力を有し将来を嘱望される青年。同時に詮充郎の教えを受け、一流の生物学研究者でもある
祖父の詮充郎を第一に考え、常に手足となって動く。星弥と鈴心を常に気遣う家族思いな面もある
専用の式神・瑠璃鴉(愛称ルリカ)を常に側に置いている
銀騎 紘太郎
享年28歳。銀騎詮充郎の一人息子
銀騎家開祖以来の天才とうたわれた陰陽師かつ科学者
前回の三十三回目の転生時において命を落とした
佐藤 斗羽理
見た目は二十代後半なのに、詮充郎の助手を二十年以上勤めている不思議な女性
助手に徹していた頃は無表情で感情の読めない、まるで機械のような性格だったが、蕾生の鵺化により豹変
詮充郎に瀕死の重傷を負わせ、銀騎の家宝・幽爪珠を奪って行方をくらませた
雨都 梢賢
蕾生達の前に現れたパリピ風の青年。怪しげな関西弁を話す
昔から永達を支援してくれていた僧侶の家系の子孫だと言う
雨都 楓
三十二回目の転生時にハル達を支援した女子高生
〈語句説明〉
萱獅子刀
英治親が鵺を討伐した時に帝から賜った宝刀。現在までに何度も紛失と発見を繰り返す
銀騎の元にあると思われていたが、三十三回目の転生時に紛失していたことが判明
なお、その切先片のみ詮充郎が保管していた鵺の遺骸から出てきた
慧心弓
英治親愛用の弓。鵺を射った武器。現在までに何度も紛失と発見を繰り返す
永によれば、三十二回目の転生時に消失している
翠破
英治親が使った一対の矢のうちのひとつ
三十二回目の転生時に、雨都楓が鵺を射った時に刺さったまま身体に取り込まれた
詮充郎が保管していた鵺の遺骸からその鏃のみが出てきた
紅破
英治親が使った一対の矢のうちのひとつ
永によればかなり前の転生時に鵺の身体に取り込まれたらしい
鵺化した蕾生がその鏃のみを吐き出した
幽爪珠
代々当主に受け継がれている銀騎家の家宝
元々は銀騎家開祖の銀騎朝詮が鵺の爪から作ったもの
現在は詮充郎の手によりその姿がかわっている。蕾生の鵺化後、佐藤斗羽理に奪取された
〈二部予告〉
雨都梢賢の招きによって彼の故郷を訪ねた永、蕾生、鈴心。
雨都家が隠れ住んでいるというその里には、別の理由で同じように隠れ住んでいる一族がいた。
里の長・藤生家、その分家の眞瀬木家、そして藤生家の厚意で里に暮らす雨都家は奇妙なバランスを保ちながら暮らしている。
しかし雨都梢賢が三人に助けを求めた理由はその里に関することではなかった。梢賢は三人にある母子家庭を紹介する。
昔、雨都家から離反した分家の雨辺家、その子孫だった。彼らは鵺をうつろ神と呼んで盲目なまでに信仰していた――
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる