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第717回。アヒルのよーいどん!
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いま脳内で再生された?
アヒルのよーい、どん!
懐かしいよな。昔、ジャスコとかのゲームコーナーに必ずあったもんな。
いまメダルゲームっていうと結構でっかい筐体の競馬のやつとか、二段になった台がズズズって動いててメダルを落とすとルーレットが回ったりジャックポットになったりするやつか。
アレはアレで面白いけど、なんといっても私らが子供のころに流行っていたのが
アヒルのよーい、どん!
だった。
これは要するに競馬と一緒で、可愛いアヒルちゃんたちが池の中で競争するので順位を予想するというもの。ちなみにちゃんと1着2着の連勝もあった。
1番から6番ぐらいまでだったかな?アヒルちゃんがいて、そこに子供が血よりも大事な小遣いをメダルに換えて投入する。だからほのぼのとしたイメージと外見とは裏腹に結構シビアなゲームだった。何しろメダル落としならある程度は自分の技量や物量でなんとかなるが、こっちは完全に運だ。
子供のころからおじいちゃんに連れられて行ったコンクリートに暗いシミが浮いた競輪場で、その建物の雰囲気そのままの紳士たちの怒号と歓声、そして宇宙的な言語感覚で生み出される珠玉のヤジの数々を聞いていた私もついにそっち側になるわけだ。
血走った眼で金網をがっしゃんがっしゃん掴んで言葉にならない声をあげてたり、故郷へ帰れ!と叫んだり、車券を金網の隙間からねじり込んで係員にこっぴどく怒られてたり…。
最終レースが終わって、通称オケラバスと呼ばれる無料シャトルバスに乗り込んでいく紳士たちの背中を刺すような濃いオレンジの夕陽よ。
当時まだ6歳か7歳ぐらいの私に向かって延々と公営ギャンブル陰謀説を語る薄毛で眼鏡のズレた紳士、まだ生きてるだろうか。絶対当たらないように出来ている、絶対当たらないような操作がある、と力説していたっけな。
そんな人が居る一方で、ちゃんと予想が当たって機嫌がイイ紳士はフードコートでおじいちゃんを待っている競輪場にしては珍しいがオッサンからすると食わせ甲斐のありそうな人懐っこいガキ(肥満児)こと私を見つけて
「おお坊主、子供がこんなとこいるの珍しいな。焼きそば食うか?ガハハハッ」
と言いつつ焼きそばからコーラからご馳走してくれたりもした。
ちなみにこの競輪場は何年か前にリニューアルしたので、現在では明るく清潔な皆様でお楽しみ頂けるアミューズメント施設になっております。(…残念ながら)
で当時、近所にデカいジャスコがあって、そこの二階にナムコのゲームコーナーがあった。そこに、この、アヒルのよーい、どん!があったんだよ。さほど広くはないスペースのど真ん中にどーんと置かれていた。
早速100円を11枚のメダルに換えてコレがタネ銭ならぬタネメダルになる。
そういえば今はお幾らぐらいなんだろうなゲーセンのメダル。
一時期、100円で8枚ぐらいまで上がってたよな。せめて10枚は欲しいところを1枚オマケで11枚っていうのは愛知県だけかね…?
なんとなくコーヒーチケットの
1杯300円のコーヒーのチケットが11枚綴りで3000円
っていう換算に近いなって思ってたんだけど。
でまあメダルにするわな。
んで賭けるわな。
筐体から可愛い声で
アヒルのよーい、どん!
って音声が流れる。
スタートすると、池に見立てた水色の板の上を機械仕掛けのアヒルちゃんたちがぎーこぎーこ前後に揺れながら丸っこい長方形のコースを進んでゆく。テッテレッテテッテレッテという軽快な音楽を今でも覚えている。
ふたたびうらぶれた競輪場の光景がオーバーラップする。
行けぇー!まくれぇー!そこだ、差せ差せ!
やがてゴール。お手元のパネルに当選番号が表示され、当たった人には倍率と賭けた枚数に応じてジャラジャラジャラー…そして外した奴の背中には競輪紳士の背後霊が。
他にもメダルゲームは色々あったし、ウルトラ兄弟とか怪獣・宇宙人が縦・横・斜めに揃うとメダルがもらえるやつも相当やってた。あれは父が出るとゼットンと戦って勝つとゴールドメダルがもらえるんだけど、幾ら賭けても父が出るとゼットンと戦うし、勝つとゴールドメダルになっちゃうし負けると当然パアだった気がする。
あとパックマンが走るルーレットのやつもあった。これはジャスコじゃなかったかもしれない。
駅前にあった西武百貨店のA館の最上階がゲームコーナーで(B館の最上階は上下2フロアぶちぬいて映画館になっててゴジラとかドラえもんがかかっていた)そこでやってたんだっけな…。
アヒルのよーい、どん!は一人でやっても全然面白くなかったので友達同士で行った時に。
一人の時は、そういう他の黙々とやれる方で遊んでいた。
今じゃ見かけないのかな…?自分がゲームコーナーに足を運ばなくなっちゃったし、家族向けの乗り物とかクレーンゲームが多いんだろうか。
あとあのデッカイ競馬のやつは、なんか複雑そうだし怖いんでやってない。
たまに夜中のドンキとかで、メダルでしか遊べないパチンコを延々やってる紳士を見ると、それは正直ああはなりたくねえなと思ってしまう。日ごろその紳士がどれだけ素晴らしいジェントルメンなのかも知らないくせに。
競輪場の紳士たちも、日頃はきっとジェントルメンだったのだろうな。
だからってあの場での振る舞いが正当化されることもねえけど。
アヒルのよーい、どん!
懐かしいよな。昔、ジャスコとかのゲームコーナーに必ずあったもんな。
いまメダルゲームっていうと結構でっかい筐体の競馬のやつとか、二段になった台がズズズって動いててメダルを落とすとルーレットが回ったりジャックポットになったりするやつか。
アレはアレで面白いけど、なんといっても私らが子供のころに流行っていたのが
アヒルのよーい、どん!
だった。
これは要するに競馬と一緒で、可愛いアヒルちゃんたちが池の中で競争するので順位を予想するというもの。ちなみにちゃんと1着2着の連勝もあった。
1番から6番ぐらいまでだったかな?アヒルちゃんがいて、そこに子供が血よりも大事な小遣いをメダルに換えて投入する。だからほのぼのとしたイメージと外見とは裏腹に結構シビアなゲームだった。何しろメダル落としならある程度は自分の技量や物量でなんとかなるが、こっちは完全に運だ。
子供のころからおじいちゃんに連れられて行ったコンクリートに暗いシミが浮いた競輪場で、その建物の雰囲気そのままの紳士たちの怒号と歓声、そして宇宙的な言語感覚で生み出される珠玉のヤジの数々を聞いていた私もついにそっち側になるわけだ。
血走った眼で金網をがっしゃんがっしゃん掴んで言葉にならない声をあげてたり、故郷へ帰れ!と叫んだり、車券を金網の隙間からねじり込んで係員にこっぴどく怒られてたり…。
最終レースが終わって、通称オケラバスと呼ばれる無料シャトルバスに乗り込んでいく紳士たちの背中を刺すような濃いオレンジの夕陽よ。
当時まだ6歳か7歳ぐらいの私に向かって延々と公営ギャンブル陰謀説を語る薄毛で眼鏡のズレた紳士、まだ生きてるだろうか。絶対当たらないように出来ている、絶対当たらないような操作がある、と力説していたっけな。
そんな人が居る一方で、ちゃんと予想が当たって機嫌がイイ紳士はフードコートでおじいちゃんを待っている競輪場にしては珍しいがオッサンからすると食わせ甲斐のありそうな人懐っこいガキ(肥満児)こと私を見つけて
「おお坊主、子供がこんなとこいるの珍しいな。焼きそば食うか?ガハハハッ」
と言いつつ焼きそばからコーラからご馳走してくれたりもした。
ちなみにこの競輪場は何年か前にリニューアルしたので、現在では明るく清潔な皆様でお楽しみ頂けるアミューズメント施設になっております。(…残念ながら)
で当時、近所にデカいジャスコがあって、そこの二階にナムコのゲームコーナーがあった。そこに、この、アヒルのよーい、どん!があったんだよ。さほど広くはないスペースのど真ん中にどーんと置かれていた。
早速100円を11枚のメダルに換えてコレがタネ銭ならぬタネメダルになる。
そういえば今はお幾らぐらいなんだろうなゲーセンのメダル。
一時期、100円で8枚ぐらいまで上がってたよな。せめて10枚は欲しいところを1枚オマケで11枚っていうのは愛知県だけかね…?
なんとなくコーヒーチケットの
1杯300円のコーヒーのチケットが11枚綴りで3000円
っていう換算に近いなって思ってたんだけど。
でまあメダルにするわな。
んで賭けるわな。
筐体から可愛い声で
アヒルのよーい、どん!
って音声が流れる。
スタートすると、池に見立てた水色の板の上を機械仕掛けのアヒルちゃんたちがぎーこぎーこ前後に揺れながら丸っこい長方形のコースを進んでゆく。テッテレッテテッテレッテという軽快な音楽を今でも覚えている。
ふたたびうらぶれた競輪場の光景がオーバーラップする。
行けぇー!まくれぇー!そこだ、差せ差せ!
やがてゴール。お手元のパネルに当選番号が表示され、当たった人には倍率と賭けた枚数に応じてジャラジャラジャラー…そして外した奴の背中には競輪紳士の背後霊が。
他にもメダルゲームは色々あったし、ウルトラ兄弟とか怪獣・宇宙人が縦・横・斜めに揃うとメダルがもらえるやつも相当やってた。あれは父が出るとゼットンと戦って勝つとゴールドメダルがもらえるんだけど、幾ら賭けても父が出るとゼットンと戦うし、勝つとゴールドメダルになっちゃうし負けると当然パアだった気がする。
あとパックマンが走るルーレットのやつもあった。これはジャスコじゃなかったかもしれない。
駅前にあった西武百貨店のA館の最上階がゲームコーナーで(B館の最上階は上下2フロアぶちぬいて映画館になっててゴジラとかドラえもんがかかっていた)そこでやってたんだっけな…。
アヒルのよーい、どん!は一人でやっても全然面白くなかったので友達同士で行った時に。
一人の時は、そういう他の黙々とやれる方で遊んでいた。
今じゃ見かけないのかな…?自分がゲームコーナーに足を運ばなくなっちゃったし、家族向けの乗り物とかクレーンゲームが多いんだろうか。
あとあのデッカイ競馬のやつは、なんか複雑そうだし怖いんでやってない。
たまに夜中のドンキとかで、メダルでしか遊べないパチンコを延々やってる紳士を見ると、それは正直ああはなりたくねえなと思ってしまう。日ごろその紳士がどれだけ素晴らしいジェントルメンなのかも知らないくせに。
競輪場の紳士たちも、日頃はきっとジェントルメンだったのだろうな。
だからってあの場での振る舞いが正当化されることもねえけど。
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