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13.悪因悪果の末路
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場所は昨日ぶりの職員室の応接スペース。
そこで俺は如月と座っていた。
あの3人は錦野先生に別室で事情聴取をされている。
「……ねえ、あれ本当なの?」
「あん?本当も何も実際にそうだったんじゃねえの?」
「そうだけど。でもいつの間にあんなの録音したの?昨日結局昼休み終わっても戻ってこないし、荷物もないし……」
「別になんでもいいだろ」
イジメにあっても教師すら味方をしてくれないことを知った俺は、ならばとボイスレコーダーを持つようになった。何かあった時に自分で証拠を確保するためだ。
それをこいつに話す気は無いけど。
小学生などは直接罵倒したり暴力を振るったりと、明確なイジメが多い。しかし成長するにつれて、バレないように知恵を使うようになるのだ。
あかりをシカトした件も、あいつらは履歴が残るメッセージアプリではなく通話でシカトを指示した。そうすることで通話履歴は残るが、その内容は残らない。
今回は幸いにもボイスレコーダーのおかげで真相は簡単に究明できたが、これが無かったら警察を呼んでもっと大事になっていたかもしれない。
「じゃあ、なんであんなことしたの?授業なんて、誰とも関わらない神谷君らしくないよ?」
「俺らしく……ね。別にそれで助かったんだからいいじゃねえか」
慣れないことをしたのは認めるけど、俺らしいとか勝手に決めんじゃねえよ。
「それに、錦野先生とも仲いいんだね」
「は?別に良くはないだろ」
「でも今日も神谷君に頼ってるし」
「先生だって面倒ごとはないに越したことはないし、誰かがやってくれるならそのほうがいいだろ」
「ふーん、まあそういうことにしとくね。……ふふ、でもこれで、神谷君も友達できるんじゃない?」
「は?ふざけろ。そんなもんいらねえよ。そもそもレコーダーしかけるような気持ち悪い奴に近づこうなんて思わねえだろ」
「そうかなあ。それで少なくとも私を含めた3人は助かったし、悪用してるわけじゃないから別にいいと思うけどなあ」
「お前こそ今度はちゃんとした友達作れよ」
「うぐっ。……私もしばらくはいいかなあ。ずっと、一人で強い神谷君に憧れてたし。……結局告白は勘違いされたままだけど」
後半はゴニョゴニョ言ってて聞き取れなかった。
「え?なんて?」
「べ、別になんでもない!」
やがて、別室から錦野先生が出てくる。
「一通り事情は聞いたわ。本人たちも一応認めてるからあとは職員会議で処分は決めるわ」
「そうですか」
「あと、神谷君、あなたと話がしたいそうだけど?」
「俺と……?別に構いませんが」
俺たちは3人がいる部屋へと入る。
泣いている者、俯いている者、こちらを睨む者と三者三様だった。
「なんだ?話って」
「……アンタどういうつもり?」
問いかけてきたのは予想通り、一ノ瀬だった。
「あ?」
「いつから、というかどうやって気づいたのよ」
こいつ、まだ反省してねえのかよ。
「ハァ。お前らがきっと何か企んでるんじゃねえかと思って昨日レコーダーを仕掛けた。あとはそれ聞いて会話にあった名前を検索すれば一発だったぞ。まさかこれほど早くボロを出すとは思ってなかったけどな。証拠が残らないようにしてるんだろうけど無駄だ。後ろめたいことがあればどこかで綻びが生じてしまう」
子供の姿になった某高校生探偵だってわずかな手がかりから事件解決しちゃうしな。
「……」
「悔しいか? これからどんな目で見られるか怖いか? イジメられたヤツはそれ以上の苦痛と恐怖を毎日味わってんだ。他人を犠牲にして自分たちだけいい思いしようなんて考えが甘すぎるんだよ」
冷たい視線を浴びせる。
「話はそれだけか?」
「…………」
「ああ、そうだ。俺からも言いたいことがあったんだ」
いまだ不機嫌さを隠さずに再び睨みつけてくる一ノ瀬。
「テメエが誰を好きで嫌いかなんてどうでもいいし勝手にすればいい。……けどな、ソレを人に押し付けんな。テメエの中で処理しやがれ。あと横の2人。お前らもただ流されるだけじゃなくてもっと自分の頭で考えろよ。自分の行動くらい自分で責任取りやがれってんだ」
一見、金髪の安藤が仕切ってると思われがちだが、彼女は単純でバカだ。そんな頭はない。一ノ瀬がうまく操っているのだろう。
黒髪ショートの北大路は二人の陰に隠れている。おそらく、彼女は自分が標的にされるのが怖くて一緒にいるのだろう。
そうやって流されて逃げていればラクだろうが、いくら逃げ続けても自由にはなれない。
自由は自分の意志で勝ち取らねばならない。
ま、これで処分が決まればおとなしくなるだろうし、あいつらのこれからなど微塵も興味がない。
ミジンコのほうが興味があるくらいだ。
俺もしばらくは好奇の視線に晒されるかもしれんが、数日もすればなくなるだろう。
あとはあかりのほうだな。あいつがいつまでも引きこもってしまうようでは困る。
一刻も早く俺の『ぼっち城』を取り戻さねば……!
そのために、帰ってもうひと仕事するとしよう。
そこで俺は如月と座っていた。
あの3人は錦野先生に別室で事情聴取をされている。
「……ねえ、あれ本当なの?」
「あん?本当も何も実際にそうだったんじゃねえの?」
「そうだけど。でもいつの間にあんなの録音したの?昨日結局昼休み終わっても戻ってこないし、荷物もないし……」
「別になんでもいいだろ」
イジメにあっても教師すら味方をしてくれないことを知った俺は、ならばとボイスレコーダーを持つようになった。何かあった時に自分で証拠を確保するためだ。
それをこいつに話す気は無いけど。
小学生などは直接罵倒したり暴力を振るったりと、明確なイジメが多い。しかし成長するにつれて、バレないように知恵を使うようになるのだ。
あかりをシカトした件も、あいつらは履歴が残るメッセージアプリではなく通話でシカトを指示した。そうすることで通話履歴は残るが、その内容は残らない。
今回は幸いにもボイスレコーダーのおかげで真相は簡単に究明できたが、これが無かったら警察を呼んでもっと大事になっていたかもしれない。
「じゃあ、なんであんなことしたの?授業なんて、誰とも関わらない神谷君らしくないよ?」
「俺らしく……ね。別にそれで助かったんだからいいじゃねえか」
慣れないことをしたのは認めるけど、俺らしいとか勝手に決めんじゃねえよ。
「それに、錦野先生とも仲いいんだね」
「は?別に良くはないだろ」
「でも今日も神谷君に頼ってるし」
「先生だって面倒ごとはないに越したことはないし、誰かがやってくれるならそのほうがいいだろ」
「ふーん、まあそういうことにしとくね。……ふふ、でもこれで、神谷君も友達できるんじゃない?」
「は?ふざけろ。そんなもんいらねえよ。そもそもレコーダーしかけるような気持ち悪い奴に近づこうなんて思わねえだろ」
「そうかなあ。それで少なくとも私を含めた3人は助かったし、悪用してるわけじゃないから別にいいと思うけどなあ」
「お前こそ今度はちゃんとした友達作れよ」
「うぐっ。……私もしばらくはいいかなあ。ずっと、一人で強い神谷君に憧れてたし。……結局告白は勘違いされたままだけど」
後半はゴニョゴニョ言ってて聞き取れなかった。
「え?なんて?」
「べ、別になんでもない!」
やがて、別室から錦野先生が出てくる。
「一通り事情は聞いたわ。本人たちも一応認めてるからあとは職員会議で処分は決めるわ」
「そうですか」
「あと、神谷君、あなたと話がしたいそうだけど?」
「俺と……?別に構いませんが」
俺たちは3人がいる部屋へと入る。
泣いている者、俯いている者、こちらを睨む者と三者三様だった。
「なんだ?話って」
「……アンタどういうつもり?」
問いかけてきたのは予想通り、一ノ瀬だった。
「あ?」
「いつから、というかどうやって気づいたのよ」
こいつ、まだ反省してねえのかよ。
「ハァ。お前らがきっと何か企んでるんじゃねえかと思って昨日レコーダーを仕掛けた。あとはそれ聞いて会話にあった名前を検索すれば一発だったぞ。まさかこれほど早くボロを出すとは思ってなかったけどな。証拠が残らないようにしてるんだろうけど無駄だ。後ろめたいことがあればどこかで綻びが生じてしまう」
子供の姿になった某高校生探偵だってわずかな手がかりから事件解決しちゃうしな。
「……」
「悔しいか? これからどんな目で見られるか怖いか? イジメられたヤツはそれ以上の苦痛と恐怖を毎日味わってんだ。他人を犠牲にして自分たちだけいい思いしようなんて考えが甘すぎるんだよ」
冷たい視線を浴びせる。
「話はそれだけか?」
「…………」
「ああ、そうだ。俺からも言いたいことがあったんだ」
いまだ不機嫌さを隠さずに再び睨みつけてくる一ノ瀬。
「テメエが誰を好きで嫌いかなんてどうでもいいし勝手にすればいい。……けどな、ソレを人に押し付けんな。テメエの中で処理しやがれ。あと横の2人。お前らもただ流されるだけじゃなくてもっと自分の頭で考えろよ。自分の行動くらい自分で責任取りやがれってんだ」
一見、金髪の安藤が仕切ってると思われがちだが、彼女は単純でバカだ。そんな頭はない。一ノ瀬がうまく操っているのだろう。
黒髪ショートの北大路は二人の陰に隠れている。おそらく、彼女は自分が標的にされるのが怖くて一緒にいるのだろう。
そうやって流されて逃げていればラクだろうが、いくら逃げ続けても自由にはなれない。
自由は自分の意志で勝ち取らねばならない。
ま、これで処分が決まればおとなしくなるだろうし、あいつらのこれからなど微塵も興味がない。
ミジンコのほうが興味があるくらいだ。
俺もしばらくは好奇の視線に晒されるかもしれんが、数日もすればなくなるだろう。
あとはあかりのほうだな。あいつがいつまでも引きこもってしまうようでは困る。
一刻も早く俺の『ぼっち城』を取り戻さねば……!
そのために、帰ってもうひと仕事するとしよう。
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