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幼なじみ
第19話
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夏休みが開け、二学期が始まった。急成長の中にある生徒たちは、長い休みの間に各々何かしらの変化を遂げているように見えた。声が低くなった者もいれば、真っ黒に日焼けしたものもいる。が、とりわけ異彩を放っていたのは――。
「深海っ。おはよー」
級友に声をかけられて振り向いた真司は、夏休み前の彼とは確かにどこか違っていた。真司を見た誰もがそう感じた。しかし、どこがどう変わったのかと問うと、恐らく誰も答えることはできまい。
「おはよう。久しぶり」
「ふっ深海……夏休みなんかあったのか?」
恐る恐る勇気のある級友がナゾの真相を探ろうとした。
「うん……いろいろあったよ」
「そっそうだよな、長い休みだもん、いろいろあるよな」
「三年三組深海真司、三年七組緋砂晃司、職員室まで来るように」
晃司は毎度のこととして、真司がこのような呼び出しを受けることは初めてだった。二人は揃って職員室へ行った。
「……谷口先生が昨日見たんだ。お前達が自転車に二人乗りで夜に繁華街を走っていたのを。どうなんだ?」
「ごめんなさ……」
「そーだよ、俺がムリに真司連れ出したんだよ」
真司の言葉を遮って、晃司が挑発的な言葉を返した。
「……やっぱりそうか。いいかげんにしろ、緋砂。おまえがどうなろうと知ったこっちゃないが、深海まで巻き込むな。深海はおまえのただ一人の友達だろう」
真司ははらはらして先生と晃司を交互に見やっているが、晃司は面白くなさそうに突っ立っている。
「……なんだ緋砂その態度は! だいたいおまえは今怒られてるんだ、人を見下すような態度はやめろ! ……おまえってやつは本当、この学校のガンだよ」
気怠そうに顎を突き出し、その生活指導を見下していた晃司は、今度は思い切り顎を引いて生活指導を睨み上げた。
「へぇ……で、そのガンに勉強でも運動でもトップかっさらわれる気持ちって、どんなもんです?」
ぐうの音も出ないといった悔しそうな生活指導の目を尻目に、二人は職員室から出た。
「晃司、もう晃司! なんであんなこと言うのさ! 昨日は俺が晃司に連れて行ってって頼んだのに……」
「おまえと俺じゃ、立場が違うんだよ。俺はもうトコトンおちてる。おまえはこの先いくらでもおちてけるから、おちねーよーにしたんだよ」
「深海っ。おはよー」
級友に声をかけられて振り向いた真司は、夏休み前の彼とは確かにどこか違っていた。真司を見た誰もがそう感じた。しかし、どこがどう変わったのかと問うと、恐らく誰も答えることはできまい。
「おはよう。久しぶり」
「ふっ深海……夏休みなんかあったのか?」
恐る恐る勇気のある級友がナゾの真相を探ろうとした。
「うん……いろいろあったよ」
「そっそうだよな、長い休みだもん、いろいろあるよな」
「三年三組深海真司、三年七組緋砂晃司、職員室まで来るように」
晃司は毎度のこととして、真司がこのような呼び出しを受けることは初めてだった。二人は揃って職員室へ行った。
「……谷口先生が昨日見たんだ。お前達が自転車に二人乗りで夜に繁華街を走っていたのを。どうなんだ?」
「ごめんなさ……」
「そーだよ、俺がムリに真司連れ出したんだよ」
真司の言葉を遮って、晃司が挑発的な言葉を返した。
「……やっぱりそうか。いいかげんにしろ、緋砂。おまえがどうなろうと知ったこっちゃないが、深海まで巻き込むな。深海はおまえのただ一人の友達だろう」
真司ははらはらして先生と晃司を交互に見やっているが、晃司は面白くなさそうに突っ立っている。
「……なんだ緋砂その態度は! だいたいおまえは今怒られてるんだ、人を見下すような態度はやめろ! ……おまえってやつは本当、この学校のガンだよ」
気怠そうに顎を突き出し、その生活指導を見下していた晃司は、今度は思い切り顎を引いて生活指導を睨み上げた。
「へぇ……で、そのガンに勉強でも運動でもトップかっさらわれる気持ちって、どんなもんです?」
ぐうの音も出ないといった悔しそうな生活指導の目を尻目に、二人は職員室から出た。
「晃司、もう晃司! なんであんなこと言うのさ! 昨日は俺が晃司に連れて行ってって頼んだのに……」
「おまえと俺じゃ、立場が違うんだよ。俺はもうトコトンおちてる。おまえはこの先いくらでもおちてけるから、おちねーよーにしたんだよ」
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