31 / 70
クラスメイト
第31話
しおりを挟む
夏休みが開け、二学期。
樹は相変わらず会う人会う人との久々の挨拶に忙しそうだ。次第に樹を中心とした人の輪ができる。
そんなところへ、真司がやってきた。輪はどよめいた。真司は車椅子ではなく、松葉杖で登校してきたのだ。
「みっち?!」
「歩いてんじゃん!」
口々に話し掛けた。
「夏休みの間、頑張って……やっと、ここまで」
笑って見せる真司ではあったが、実はかなり疲れていた。練習ではここまでの距離を歩いたことはなかった。
「いけるか? 顔色わりぃじゃん」
樹が心配そうに真司に寄った。そして、
「頑張ったんだな」
夏休み前のことなど何もかも忘れてしまったかのように、樹が屈託なく笑いかけた。ここで真司ははっきりと自覚した。
樹が好きだ。
その後も、始業式で立っているのが辛いと感じた時には、何も言わなくても樹は先生から椅子を借りてきてくれた。
式が終り、教室へと戻る途中、門のところに一人の女生徒が立っていた。
「……え?」
樹の顔が引きつっていた。その女生徒こそ、うわさの樹の彼女だった。
真司も驚いたが、彼女も真司の顔を見て驚いていた。
「ほら、コイツだよ。前に話したろ? お前にそっくりって言ってた……」
「話があるの。門で待ってるから」
そう言い残して彼女はその場を立ち去った。
樹は相変わらず会う人会う人との久々の挨拶に忙しそうだ。次第に樹を中心とした人の輪ができる。
そんなところへ、真司がやってきた。輪はどよめいた。真司は車椅子ではなく、松葉杖で登校してきたのだ。
「みっち?!」
「歩いてんじゃん!」
口々に話し掛けた。
「夏休みの間、頑張って……やっと、ここまで」
笑って見せる真司ではあったが、実はかなり疲れていた。練習ではここまでの距離を歩いたことはなかった。
「いけるか? 顔色わりぃじゃん」
樹が心配そうに真司に寄った。そして、
「頑張ったんだな」
夏休み前のことなど何もかも忘れてしまったかのように、樹が屈託なく笑いかけた。ここで真司ははっきりと自覚した。
樹が好きだ。
その後も、始業式で立っているのが辛いと感じた時には、何も言わなくても樹は先生から椅子を借りてきてくれた。
式が終り、教室へと戻る途中、門のところに一人の女生徒が立っていた。
「……え?」
樹の顔が引きつっていた。その女生徒こそ、うわさの樹の彼女だった。
真司も驚いたが、彼女も真司の顔を見て驚いていた。
「ほら、コイツだよ。前に話したろ? お前にそっくりって言ってた……」
「話があるの。門で待ってるから」
そう言い残して彼女はその場を立ち去った。
0
あなたにおすすめの小説
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
雪色のラブレター
hamapito
BL
俺が遠くに行っても、圭は圭のまま、何も変わらないから。――それでよかった、のに。
そばにいられればいい。
想いは口にすることなく消えるはずだった。
高校卒業まであと三か月。
幼馴染である圭への気持ちを隠したまま、今日も変わらず隣を歩く翔。
そばにいられればいい。幼馴染のままでいい。
そう思っていたはずなのに、圭のひとことに抑えていた気持ちがこぼれてしまう。
翔は、圭の戸惑う声に、「忘れて」と逃げてしまい……。
推し変なんて絶対しない!
toki
BL
ごくごく平凡な男子高校生、相沢時雨には“推し”がいる。
それは、超人気男性アイドルユニット『CiEL(シエル)』の「太陽くん」である。
太陽くん単推しガチ恋勢の時雨に、しつこく「俺を推せ!」と言ってつきまとい続けるのは、幼馴染で太陽くんの相方でもある美月(みづき)だった。
➤➤➤
読み切り短編、アイドルものです! 地味に高校生BLを初めて書きました。
推しへの愛情と恋愛感情の境界線がまだちょっとあやふやな発展途上の17歳。そんな感じのお話。
【2025/11/15追記】
一年半ぶりに続編書きました。第二話として掲載しておきます。
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!(https://www.pixiv.net/artworks/97035517)
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
交錯する群像劇
妖狐🦊🐯
BL
今宵もどこかのお屋敷では人と人による駆け引きが行われている
無垢と無知の織りなす非情な企み
女同士の見えない主従関係
男同士の禁断の関係
解決してはまた現れて
伸びすぎたそれぞれの糸はやがて複雑に絡み合い
引き合っては千切れ、時には強く結ばれた関係となる
そんな数々のキャラクターから織りなす群像劇を
とくとご覧あれ
告白ごっこ
みなみ ゆうき
BL
ある事情から極力目立たず地味にひっそりと学園生活を送っていた瑠衣(るい)。
ある日偶然に自分をターゲットに告白という名の罰ゲームが行われることを知ってしまう。それを実行することになったのは学園の人気者で同級生の昴流(すばる)。
更に1ヶ月以内に昴流が瑠衣を口説き落とし好きだと言わせることが出来るかということを新しい賭けにしようとしている事に憤りを覚えた瑠衣は一計を案じ、自分の方から先に告白をし、その直後に全てを知っていると種明かしをすることで、早々に馬鹿げたゲームに決着をつけてやろうと考える。しかし、この告白が原因で事態は瑠衣の想定とは違った方向に動きだし……。
テンプレの罰ゲーム告白ものです。
表紙イラストは、かさしま様より描いていただきました!
ムーンライトノベルズでも同時公開。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる