蒼い炎

海棠 楓

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クラスメイト

第32話

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 真司は二学期開始早々いやなものを見た、と思った。本当にそっくりだった。せっかく忘れていた、身代わりの気分をまた思い知らされた。
「何なんだよ、男子校によく来れるな」
 真司は思いきり嫌味たっぷりに言った。
「真司?」
 キャラと似合わぬ発言にみんな、特に樹はぎょっとした。真司はなおも続けた。
「先生に言ったほうがいいんじゃない? 部外者だよ」
「なんだよ、真司らしくねーよ」
 少し戸惑う樹に、真司はさらに噛み付いた。
「俺らしい、ってどんなだよ。俺のことどれだけ知ってるんだよ」
「……ごめん。確かに俺みっちのことよく知らない。でもいつもと違うんだよ、いつものみっちと……」
「いつもいつもそんなに俺のこと見てるわけ」
 真司は自分が最低なことを言っているのはわかっていた。しかし、この腹立たしさ、やりきれなさ、嫉妬や悲しみをどこにぶつけていいのかわからなかった。
「……なんかやけにつっかかるな」
 少し笑って樹は真司を宥めた。
「教室戻るよ」
 ぷい、と樹に背を向けて真司は歩き出した。
「手貸すよ」
「いらないよ。一人で……あっ」
 真司はバランスを崩し、転んだ。心配そうに樹が駆け寄る。
「ほら、だから言わんこっちゃ……」
 腹が立つ、のに一人じゃ何もできない。余計に腹が立つ。悔しい。
「俺に構わないで! そんなにやさしいのは足が不自由だから同情してるの?!」
「そんなんじゃない! ……みっちは高校入って初めてできた友達だから……特に大事な友達だから。  その友達がたまたま足が不自由だっただけだよ」
 真司のそばへ樹が近づき、しゃがみこんで手を差し伸べた。
「教室、戻ろっか」

 完敗。
 深海真司は、速水樹と彼女の仲を祝福します。
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