33 / 70
クラスメイト
第33話
しおりを挟む
翌日。
真司が登校すると樹の姿はまだなく、小林が飛んできた。
「な、な、真司、樹の彼女の友達紹介してもらって、3・3でコンパとかいいと思わない?」
小林の頭の中ではすでにかなりいろんなことができあがっているらしく、顔がウハウハだった。
確かに、と真司は考えた。ここで女の子と付き合えれば、この先こんなに辛く苦しい思いをしなくて済むかもしれない。
そんな話をしていたら、タイミングよく樹が登校してきた。
「おーい樹ー!」
嬉々として小林が呼ぶと、振り返った樹の顔は死んでいた。
「ふられた?! 昨日の話ってソレだったんか……」
小林もさすがにテンションを下げた。が、それも一瞬のこと。
「せっかくお前の彼女に友達紹介してもらおうと思ってたのにー!!」
樹が何をしたというのだ。
「真司、お前妹とか姉ちゃんいない?」
「いるけど中二だよ」
「あっそうだ、樹、お前兄ちゃんいたよな、兄ちゃんの彼女の友達とか……」
調子付いて小林がそんな話を持ち出すと、樹の顔色が変わった。
「んなのいねーよ! 第一兄貴は行方不明で……」
そこまで言って樹は我に返った。
「……ごめん」
「い、いいよ、こっちこそしつこくてゴメンな」
口ではそう言いつつも小林は、もちろん真司も、内心驚きを隠せなかった。あの樹があんなに取り乱すなんて。
真司が登校すると樹の姿はまだなく、小林が飛んできた。
「な、な、真司、樹の彼女の友達紹介してもらって、3・3でコンパとかいいと思わない?」
小林の頭の中ではすでにかなりいろんなことができあがっているらしく、顔がウハウハだった。
確かに、と真司は考えた。ここで女の子と付き合えれば、この先こんなに辛く苦しい思いをしなくて済むかもしれない。
そんな話をしていたら、タイミングよく樹が登校してきた。
「おーい樹ー!」
嬉々として小林が呼ぶと、振り返った樹の顔は死んでいた。
「ふられた?! 昨日の話ってソレだったんか……」
小林もさすがにテンションを下げた。が、それも一瞬のこと。
「せっかくお前の彼女に友達紹介してもらおうと思ってたのにー!!」
樹が何をしたというのだ。
「真司、お前妹とか姉ちゃんいない?」
「いるけど中二だよ」
「あっそうだ、樹、お前兄ちゃんいたよな、兄ちゃんの彼女の友達とか……」
調子付いて小林がそんな話を持ち出すと、樹の顔色が変わった。
「んなのいねーよ! 第一兄貴は行方不明で……」
そこまで言って樹は我に返った。
「……ごめん」
「い、いいよ、こっちこそしつこくてゴメンな」
口ではそう言いつつも小林は、もちろん真司も、内心驚きを隠せなかった。あの樹があんなに取り乱すなんて。
0
あなたにおすすめの小説
推し変なんて絶対しない!
toki
BL
ごくごく平凡な男子高校生、相沢時雨には“推し”がいる。
それは、超人気男性アイドルユニット『CiEL(シエル)』の「太陽くん」である。
太陽くん単推しガチ恋勢の時雨に、しつこく「俺を推せ!」と言ってつきまとい続けるのは、幼馴染で太陽くんの相方でもある美月(みづき)だった。
➤➤➤
読み切り短編、アイドルものです! 地味に高校生BLを初めて書きました。
推しへの愛情と恋愛感情の境界線がまだちょっとあやふやな発展途上の17歳。そんな感じのお話。
【2025/11/15追記】
一年半ぶりに続編書きました。第二話として掲載しておきます。
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!(https://www.pixiv.net/artworks/97035517)
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
雪色のラブレター
hamapito
BL
俺が遠くに行っても、圭は圭のまま、何も変わらないから。――それでよかった、のに。
そばにいられればいい。
想いは口にすることなく消えるはずだった。
高校卒業まであと三か月。
幼馴染である圭への気持ちを隠したまま、今日も変わらず隣を歩く翔。
そばにいられればいい。幼馴染のままでいい。
そう思っていたはずなのに、圭のひとことに抑えていた気持ちがこぼれてしまう。
翔は、圭の戸惑う声に、「忘れて」と逃げてしまい……。
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
はじまりの朝
さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。
ある出来事をきっかけに離れてしまう。
中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。
これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。
✳『番外編〜はじまりの裏側で』
『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。
兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?
perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。
その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。
彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。
……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。
口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。
――「光希、俺はお前が好きだ。」
次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。
【完結】ベイビーダーリン ~スパダリ俳優は、僕の前でだけ赤ちゃん返りする~
粗々木くうね
BL
「……おやすみ。僕の、かわいいレン」
人気俳優の朝比奈(あさひな)レンは、幼馴染で恋人の小鳥遊 椋(たかなし むく) の前でだけ赤ちゃんに戻る。
癒しと愛で満たす、ふたりだけの夜のルーティン。
※本作品に出てくる心の病気の表現は、想像上のものです。ご了承ください。
小鳥遊 椋(たかなし むく)
・5月25日生まれ 24歳
・短期大学卒業後、保育士に。天職と感じていたが、レンのために仕事を辞めた。現在はレンの所属する芸能事務所の託児所で働きながらレンを支える。
・身長168cm
・髪型:エアリーなミディアムショート+やわらかミルクティーブラウンカラー
・目元:たれ目+感情が顔に出やすい
・雰囲気:柔らかくて包み込むけど、芯があって相手をちゃんと見守れる
朝比奈レン(あさひな れん)
・11月2日生まれ 24歳
・シングルマザーの母親に育てられて、将来は母を楽させたいと思っていた。
母に迷惑かけたくなくて無意識のうちに大人びた子に。
・高校在籍時モデルとしてスカウトされ、母のためにも受けることに→芸能界デビュー
・俳優として転身し、どんな役も消化する「カメレオン俳優」に。注目の若手俳優。
・身長180cm
・猫や犬など動物好き
・髪型:黒髪の短髪
・目元:切れ長の目元
・雰囲気:硬派。口数は少ないが真面目で礼儀正しい。
・母の力になりたいと身の回りの家事はできる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる