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2章
竜神様の力
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「砂竜様…?砂竜様とこの件にどんな関係が?」
「分からないのも無理はない。あまり知られていないが、砂竜様にはある能力があるのだ」
「能力…?」
おそらく上位の貴族くらいしか知らないような話だ。
砂竜様にまつわる伝承、シェルリオン王国建国にも関わるあの大厄災。
始まりは、このシェルリオンの隣に位置していた大国ヴァルディアの商人が、砂竜様の国の民を誘拐し奴隷化する計画を立てていたことだった。それを知った砂竜様は激怒し、ヴァルディアの土地全てを灼熱の砂漠に変え、国は滅びの一途をたどった。
ここまでが、広く知られている伝承話。
しかしそれには記されていない真実があるのだ。
「砂竜様は、御自身の力の源である砂から、それが見てきた過去と未来を知る能力を持っているのです」
「過去と未来を知る…?そんな規格外の力が存在するというのですか」
「そうだ。規格外が故に、友好国であるわが国もその真実を知る者は少ない」
砂竜様がその奴隷計画を未遂の段階で見つけることができたのはその能力のおかげだと言われている。
おそらく王家の人間とその分家である公爵家の者たちしか知らない情報だろう。
「ルドルフ、お前はこの件に関係があるうえに、俺自身が信用しているからこのことを話した。絶対に他言してはならないから、気をつけてくれ」
「そんな大事なことを教えないでください…わかりましたよ、墓場まで持っていくと約束します」
ルドルフ様は大きなため息を吐きながらも、しっかりうなずいた。
そうして僕とレオス様は、砂竜様の治める国 ファラディスに向かうことになったのだった。
◇◇◇
僕とレオス様は内密に国王陛下の許可を得て、ファラディスに向かっていた。
「レオス様、なんだかこの服変じゃないですか…?」
「ファラディスは熱いからな」
砂竜様の治める国だからか、ファラディスは周りを砂漠に囲まれたオアシス都市である。
だから涼しい材質の服、というのは分かるのだが、これは…
「心配しなくとも、とても似合っているよ」
「こんな露出した服、似合っても嬉しくありません」
レオス様は褒めたつもりなのかもしれないが、僕としては不本意な言葉である。
ムッとした気持ちのままそっぽを向くと、レオス様は僕の腰に手を回して萎んだ声で言った。
「すまない、本当にそう思ったんだ」
「…僕はこんな、誰にでも肌を見せることはしたくありません」
「…!大変だ、今すぐローブを!」
「…ふっ、あはは!すみません、冗談です。あちらではこれが正装なのでしょう?」
なんだかからかいがいのあるお方だ。そういう所も可愛くて、つい意地悪してしまう。僕にそんな趣味があったなんて驚いた。
レオス様といると、知らなかった自分に出会う。
少し恥ずかしいけどそのままで行こう、そう思ったのに、今度はレオス様が焦り始めた。
「駄目だ!カナの肌を俺以外が見るなど…!」
一瞬呆気にとられたが、レオス様の独占欲を感じて嬉しくなる。なので大人しくローブを着ることにした。
「うん、そのローブもカナの清廉な美しさをよく引き立てている。綺麗だよ」
「あ、ありがとうございます…」
さっきは可愛いレオス様にいたずらして楽しむ余裕があったのに、すぐ照れさせられてしまう。
僕の婚約者はかっこよくて困る、なんてことを考えていたら、気づけば馬車の窓の外には砂漠が広がっていた。
「分からないのも無理はない。あまり知られていないが、砂竜様にはある能力があるのだ」
「能力…?」
おそらく上位の貴族くらいしか知らないような話だ。
砂竜様にまつわる伝承、シェルリオン王国建国にも関わるあの大厄災。
始まりは、このシェルリオンの隣に位置していた大国ヴァルディアの商人が、砂竜様の国の民を誘拐し奴隷化する計画を立てていたことだった。それを知った砂竜様は激怒し、ヴァルディアの土地全てを灼熱の砂漠に変え、国は滅びの一途をたどった。
ここまでが、広く知られている伝承話。
しかしそれには記されていない真実があるのだ。
「砂竜様は、御自身の力の源である砂から、それが見てきた過去と未来を知る能力を持っているのです」
「過去と未来を知る…?そんな規格外の力が存在するというのですか」
「そうだ。規格外が故に、友好国であるわが国もその真実を知る者は少ない」
砂竜様がその奴隷計画を未遂の段階で見つけることができたのはその能力のおかげだと言われている。
おそらく王家の人間とその分家である公爵家の者たちしか知らない情報だろう。
「ルドルフ、お前はこの件に関係があるうえに、俺自身が信用しているからこのことを話した。絶対に他言してはならないから、気をつけてくれ」
「そんな大事なことを教えないでください…わかりましたよ、墓場まで持っていくと約束します」
ルドルフ様は大きなため息を吐きながらも、しっかりうなずいた。
そうして僕とレオス様は、砂竜様の治める国 ファラディスに向かうことになったのだった。
◇◇◇
僕とレオス様は内密に国王陛下の許可を得て、ファラディスに向かっていた。
「レオス様、なんだかこの服変じゃないですか…?」
「ファラディスは熱いからな」
砂竜様の治める国だからか、ファラディスは周りを砂漠に囲まれたオアシス都市である。
だから涼しい材質の服、というのは分かるのだが、これは…
「心配しなくとも、とても似合っているよ」
「こんな露出した服、似合っても嬉しくありません」
レオス様は褒めたつもりなのかもしれないが、僕としては不本意な言葉である。
ムッとした気持ちのままそっぽを向くと、レオス様は僕の腰に手を回して萎んだ声で言った。
「すまない、本当にそう思ったんだ」
「…僕はこんな、誰にでも肌を見せることはしたくありません」
「…!大変だ、今すぐローブを!」
「…ふっ、あはは!すみません、冗談です。あちらではこれが正装なのでしょう?」
なんだかからかいがいのあるお方だ。そういう所も可愛くて、つい意地悪してしまう。僕にそんな趣味があったなんて驚いた。
レオス様といると、知らなかった自分に出会う。
少し恥ずかしいけどそのままで行こう、そう思ったのに、今度はレオス様が焦り始めた。
「駄目だ!カナの肌を俺以外が見るなど…!」
一瞬呆気にとられたが、レオス様の独占欲を感じて嬉しくなる。なので大人しくローブを着ることにした。
「うん、そのローブもカナの清廉な美しさをよく引き立てている。綺麗だよ」
「あ、ありがとうございます…」
さっきは可愛いレオス様にいたずらして楽しむ余裕があったのに、すぐ照れさせられてしまう。
僕の婚約者はかっこよくて困る、なんてことを考えていたら、気づけば馬車の窓の外には砂漠が広がっていた。
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