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気持ち
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洗面台で顔を洗って、鏡の中の自分を見つめる。
残った水が顔を冷やして寒いのに、そこから動くことなく静かに自分と見つめ合った。
(結局、帰ってきちゃったな…)
『僕は…アイドルのシャロンくんが好きです』
それは数時間前の僕の言葉。
ドクドクと嫌な鼓動を感じながら、僕はできる限り真っ直ぐシャロンくんの目を見てそう言った。
シャロンくんはすごく悲しそうな顔をして
『そっか』
そう、一言だけ告げた。
(僕が…僕があんな顔させたんだ)
悲しくて仕方なかったけど、他にどうすればいいのか分からなくて。
シャロンくんが帰りに用意してくれた車に乗って、運転してくれるマネージャーさんの目も憚らずに泣いた。
ぼろぼろ流れてくる涙を必死に拭いながら、マネージャーさんに『やっぱり戻ってください』って言おうかなとかいうことも考えた。
こんなに大好きなのに、って。
でも何度考えても最後には同じ答えに行き着くから、僕にはこれが正しかったんだと思う。
これからは、ライブに行くのも手紙書くのもやめよう。家でひっそり眺めるだけにして、シャロンくんが僕のことなんてすぐ忘れられるように。
寂しいと叫ぶ心を無理やり押し潰して、赤く腫れた目を痛いくらいにタオルで擦った。
そうしてずっと眺めていた鏡をしまって、逃げるように洗面台を離れた。
◇◇◇
あれから数日。
シャロンくんがあんなに近くにいたのが夢だったんじゃないかってくらい、僕の生活はいつも通りだった。
朝早く起きて出勤して、遅くまで仕事をして家に帰る。変わったことといえば、毎日の祭壇への挨拶をしなくなったことだけ。
今日あったことをシャロンくんに報告していると、あのときシャロンくんと居る決断をしていたら『今日も頑張ったね』とか言って貰えたのかな、とか考えてしまうからだ。我ながら女々しい。
今日はあの当選発表の日と同じように、僕が一番最後までオフィスに残っていた。
あの日とは違って嬉しいことは一つもなく、重い体を引きずってのそのそと歩いていたときだった。
「あ!そこの君!由羽希くんだよね?」
「え?」
突然名前を呼ばれて、声の方を見た。するとサングラスにマスクというとても怪しい格好の人が、車の窓からこちらに手を振っていた。
(なんだこの人怪しすぎるだろ…ん?あれ、でもそういえばこの声どこかで…)
警戒心とうっすらとした既視感(既聞感?)の間で揺れる。
その間に車はスルリと車線をはずれて、歩道の脇に停車した。交通量も歩行者数もなかなかに多い場所だったから、警戒しつつ車に近づいてみる。
「んん…?え、あ!もしかしてハルくん!?」
「あは、せいかーい!さすがシャロンのファンだね」
ハルくんはシャロンくんの所属するLUMINAのリーダーだ。こんなところで自分に声をかける人がまさかそんな有名人だとは思わず、すぐ気づけなかった。
しかしこんな大通りで目立つ行動をしてしまったら、気づく人もいるのでは?
キョロキョロと周りを見渡してみると、案の定視線が集まりつつあって、僕は急いで車に駆け寄った。
「何してるんですかこんなとこで…!!てかなんで僕の名前を?」
「シャロンから聞いたよ。てかそんなのいいから、とりあえず乗って!」
「乗…?」
「はやくはやく!!」
焦りに焦った僕は、言われるがままに乗車。そして車はまたスルリと車線に戻って走り出してしまった。
「え、これどこ行ってるんですか!?僕もう何が何だか…!」
パニック状態で柄にもなく大声で叫んだ。するとそんな僕を宥めるように、運転手が声をかけてくれた。
「由羽希くん、落ち着いてください。この車は今うちの事務所御用達のお店に向かってます」
「あ、マネージャーさん…!」
握手会の日も僕を家まで送ってくれたマネージャーさんだった。僕を連れ込んだ犯人であるハルくんは何を考えているのか、ただ楽しそうに笑っている。
「由羽希くんはリアクションが面白いねぇ。シャロンはこういうとこが好きなのかな?」
「ハル、貴方はもう少しちゃんと説明しなさい。あれではほぼ誘拐ですよ」
「シャロンがしたことの方が立派な誘拐でしょーよ」
ハルくんとマネージャーさんの会話を眺めるように聞き、最後にハルくんが言った言葉にドキリとした。
「それとこれとは別ですよ」
「はいはい、ちゃんと説明するから!…由羽希くん、今日一緒に来てもらったのは他でもない、シャロンの話なんだけど」
畏まったハルくんが隣に座った僕の方を向いて話しかけた。
金輪際近づくな、とか?それとももう推すのもやめて欲しい、とかかな…
そんなことを考えてビクビクとしていると、ハルくんが急に頭を下げた。
「もう一度だけ、あいつにチャンスをやってくれないか」
「…え?」
考えていたどれとも違う言葉に、思考が止まった。
僕が固まっていると、マネージャーさんが呆れたようにため息を吐いてハルくんを咎める。
「はぁ…それは説明じゃなくて本題じゃないですか。ちょうど目的のお店に着いたので、それ以上は中で話しましょう」
促されるままに車を降りる。
ハルくんはマネージャーさんの言葉に不満を垂れて、僕はさっきの言葉の衝撃が抜けきらなくて、対照的な態度でお店に入った。
マネージャーさんが店員さんと二、三言交わして、個室に通される。
個室はなんだか敷居の高そうな庭付きの和室で、ドラマでよく見る赤茶の足の低い机に、ふかふかそうな座布団が置いてある。
僕の目の前に机を挟んでハルくんとマネージャーさん、という形で向かい合って座った。
僕はすぐさまさっきの言葉の意味を聞こうとしたけど、ハルくんはまずはご飯食べよう、と言ってスラスラと注文を済ませてしまった。
料理がくるまでも彼は別の話に花を咲かせてしまって、やっと話を切り出せたときには食事が終わっていた。
「あの…車で仰った事、どういう意味ですか?」
「そのままの意味だよ。もう一度だけ、シャロンとのことを考えてやって欲しいんだ」
「それって…」
メンバーも事務所も公認ということか。なんで僕なんかにそんな…
「シャロンな、メンバーに由羽希君の話するのが好きなんだ」
「え?」
「ははっ、びっくりしただろ?デビューからずっとなんだよ。俺の天使だー、って」
(て、天使…!?)
ぐわっと顔が赤くなる。シャロンくんからそんな風に言われていて、それをメンバーに知られてるなんて。二重で恥ずかしい思いをして、顔を伏せた。
「だからさ、俺らからしたら由羽希くんはファンっていうより、シャロンの好きな子って認識が強くて…由羽希くんがファンとしてどう思うか、この間は配慮しきれてなかった。申し訳ない」
そう言ってハルくんは頭を下げた。
「そんな、謝らないでください…!」
「いいえ由羽希くん。私たちにも責任はあるんです。握手会のこともその後のことも、少々シャロンの独断な部分もありましたが、私たちがそれに加担した結果、あなたを泣かせてしまいました。」
本当にすみません、と言って二人はもう一度頭を下げた。
激レアなはずのチケットが当たって、念願の握手会中に何故か眠くなって、家に連れて行かれた。色々おかしいなと思っていたし、告白された時点でおおよその見当はついていた。
今の話を聞くと、シャロンくんの家で起きたときの話し声も二人だったのかもしれない。
「僕、全然怒ってないし悲しんでもないです…!僕が泣いたのは、自分がそういう決断をしたせいで…シャロンくんに会わせて貰えたことを後悔なんてしてません」
「…本当に、聞いていた通りの子だね」
顔を上げたハルくんは、すごく優しい顔をしてそう言った。
「聞いていた…?」
「シャロンからね。君との話は何度も聞かされてる」
「…なんかすみません」
「ははは!なんで由羽希くんが謝るんだよ。いいんだ、君の話をするときのシャロン、すげぇ楽しそうだから」
楽しそう、か。初めて目の前に立ったときのシャロンくんの笑顔を思い出す。
何度思い出しても胸が苦しくなって、泣きそうな気持ちになる。
「仕事はうまくやってるようですが、最近はずっと空元気なんです。今のシャロンには、自分が自分でいられる瞬間がない」
「いつもはやく由羽希くんに会いたいって言ってたんだ。仕事柄それが叶うまでこんなにかかってしまったけど、長い間ずっと君が広哉の原動力だったんだよ」
だからどうか考えて欲しい、そう言われて僕は何も言えなくて。
僕はずっと、好きだから一緒にいたい気持ちとシャロンくんの重荷になりたくない気持ちを天秤にかけて、後者が重いと思ったから然るべき行動をしたつもりでいた。
でも本当に考えるべきだったのは、シャロンくんの、広哉くんの気持ちだったのかもしれない。
やっぱり僕は、広哉くんのことを考えると恋しくて泣きたい気持ちになる。きっとそれは広哉くんも同じ。
「僕、ほんとは広哉くんに会いたいんです。会っても、いいのかなぁ…?」
僕が震える声でそう告げると、二人は顔を見合せて笑った。
「よし、じゃあ今から行こっか!」
「…え、今から?」
こんなくたびれた姿で行けませんと焦る僕だったが、二人に背中を押されながら店を出て、車に乗ってしまった。
無慈悲に走り出す車の中で、僕は諦めのあとに芽生えた僅かな期待を胸に、流れゆく景色を眺めたのだった。
残った水が顔を冷やして寒いのに、そこから動くことなく静かに自分と見つめ合った。
(結局、帰ってきちゃったな…)
『僕は…アイドルのシャロンくんが好きです』
それは数時間前の僕の言葉。
ドクドクと嫌な鼓動を感じながら、僕はできる限り真っ直ぐシャロンくんの目を見てそう言った。
シャロンくんはすごく悲しそうな顔をして
『そっか』
そう、一言だけ告げた。
(僕が…僕があんな顔させたんだ)
悲しくて仕方なかったけど、他にどうすればいいのか分からなくて。
シャロンくんが帰りに用意してくれた車に乗って、運転してくれるマネージャーさんの目も憚らずに泣いた。
ぼろぼろ流れてくる涙を必死に拭いながら、マネージャーさんに『やっぱり戻ってください』って言おうかなとかいうことも考えた。
こんなに大好きなのに、って。
でも何度考えても最後には同じ答えに行き着くから、僕にはこれが正しかったんだと思う。
これからは、ライブに行くのも手紙書くのもやめよう。家でひっそり眺めるだけにして、シャロンくんが僕のことなんてすぐ忘れられるように。
寂しいと叫ぶ心を無理やり押し潰して、赤く腫れた目を痛いくらいにタオルで擦った。
そうしてずっと眺めていた鏡をしまって、逃げるように洗面台を離れた。
◇◇◇
あれから数日。
シャロンくんがあんなに近くにいたのが夢だったんじゃないかってくらい、僕の生活はいつも通りだった。
朝早く起きて出勤して、遅くまで仕事をして家に帰る。変わったことといえば、毎日の祭壇への挨拶をしなくなったことだけ。
今日あったことをシャロンくんに報告していると、あのときシャロンくんと居る決断をしていたら『今日も頑張ったね』とか言って貰えたのかな、とか考えてしまうからだ。我ながら女々しい。
今日はあの当選発表の日と同じように、僕が一番最後までオフィスに残っていた。
あの日とは違って嬉しいことは一つもなく、重い体を引きずってのそのそと歩いていたときだった。
「あ!そこの君!由羽希くんだよね?」
「え?」
突然名前を呼ばれて、声の方を見た。するとサングラスにマスクというとても怪しい格好の人が、車の窓からこちらに手を振っていた。
(なんだこの人怪しすぎるだろ…ん?あれ、でもそういえばこの声どこかで…)
警戒心とうっすらとした既視感(既聞感?)の間で揺れる。
その間に車はスルリと車線をはずれて、歩道の脇に停車した。交通量も歩行者数もなかなかに多い場所だったから、警戒しつつ車に近づいてみる。
「んん…?え、あ!もしかしてハルくん!?」
「あは、せいかーい!さすがシャロンのファンだね」
ハルくんはシャロンくんの所属するLUMINAのリーダーだ。こんなところで自分に声をかける人がまさかそんな有名人だとは思わず、すぐ気づけなかった。
しかしこんな大通りで目立つ行動をしてしまったら、気づく人もいるのでは?
キョロキョロと周りを見渡してみると、案の定視線が集まりつつあって、僕は急いで車に駆け寄った。
「何してるんですかこんなとこで…!!てかなんで僕の名前を?」
「シャロンから聞いたよ。てかそんなのいいから、とりあえず乗って!」
「乗…?」
「はやくはやく!!」
焦りに焦った僕は、言われるがままに乗車。そして車はまたスルリと車線に戻って走り出してしまった。
「え、これどこ行ってるんですか!?僕もう何が何だか…!」
パニック状態で柄にもなく大声で叫んだ。するとそんな僕を宥めるように、運転手が声をかけてくれた。
「由羽希くん、落ち着いてください。この車は今うちの事務所御用達のお店に向かってます」
「あ、マネージャーさん…!」
握手会の日も僕を家まで送ってくれたマネージャーさんだった。僕を連れ込んだ犯人であるハルくんは何を考えているのか、ただ楽しそうに笑っている。
「由羽希くんはリアクションが面白いねぇ。シャロンはこういうとこが好きなのかな?」
「ハル、貴方はもう少しちゃんと説明しなさい。あれではほぼ誘拐ですよ」
「シャロンがしたことの方が立派な誘拐でしょーよ」
ハルくんとマネージャーさんの会話を眺めるように聞き、最後にハルくんが言った言葉にドキリとした。
「それとこれとは別ですよ」
「はいはい、ちゃんと説明するから!…由羽希くん、今日一緒に来てもらったのは他でもない、シャロンの話なんだけど」
畏まったハルくんが隣に座った僕の方を向いて話しかけた。
金輪際近づくな、とか?それとももう推すのもやめて欲しい、とかかな…
そんなことを考えてビクビクとしていると、ハルくんが急に頭を下げた。
「もう一度だけ、あいつにチャンスをやってくれないか」
「…え?」
考えていたどれとも違う言葉に、思考が止まった。
僕が固まっていると、マネージャーさんが呆れたようにため息を吐いてハルくんを咎める。
「はぁ…それは説明じゃなくて本題じゃないですか。ちょうど目的のお店に着いたので、それ以上は中で話しましょう」
促されるままに車を降りる。
ハルくんはマネージャーさんの言葉に不満を垂れて、僕はさっきの言葉の衝撃が抜けきらなくて、対照的な態度でお店に入った。
マネージャーさんが店員さんと二、三言交わして、個室に通される。
個室はなんだか敷居の高そうな庭付きの和室で、ドラマでよく見る赤茶の足の低い机に、ふかふかそうな座布団が置いてある。
僕の目の前に机を挟んでハルくんとマネージャーさん、という形で向かい合って座った。
僕はすぐさまさっきの言葉の意味を聞こうとしたけど、ハルくんはまずはご飯食べよう、と言ってスラスラと注文を済ませてしまった。
料理がくるまでも彼は別の話に花を咲かせてしまって、やっと話を切り出せたときには食事が終わっていた。
「あの…車で仰った事、どういう意味ですか?」
「そのままの意味だよ。もう一度だけ、シャロンとのことを考えてやって欲しいんだ」
「それって…」
メンバーも事務所も公認ということか。なんで僕なんかにそんな…
「シャロンな、メンバーに由羽希君の話するのが好きなんだ」
「え?」
「ははっ、びっくりしただろ?デビューからずっとなんだよ。俺の天使だー、って」
(て、天使…!?)
ぐわっと顔が赤くなる。シャロンくんからそんな風に言われていて、それをメンバーに知られてるなんて。二重で恥ずかしい思いをして、顔を伏せた。
「だからさ、俺らからしたら由羽希くんはファンっていうより、シャロンの好きな子って認識が強くて…由羽希くんがファンとしてどう思うか、この間は配慮しきれてなかった。申し訳ない」
そう言ってハルくんは頭を下げた。
「そんな、謝らないでください…!」
「いいえ由羽希くん。私たちにも責任はあるんです。握手会のこともその後のことも、少々シャロンの独断な部分もありましたが、私たちがそれに加担した結果、あなたを泣かせてしまいました。」
本当にすみません、と言って二人はもう一度頭を下げた。
激レアなはずのチケットが当たって、念願の握手会中に何故か眠くなって、家に連れて行かれた。色々おかしいなと思っていたし、告白された時点でおおよその見当はついていた。
今の話を聞くと、シャロンくんの家で起きたときの話し声も二人だったのかもしれない。
「僕、全然怒ってないし悲しんでもないです…!僕が泣いたのは、自分がそういう決断をしたせいで…シャロンくんに会わせて貰えたことを後悔なんてしてません」
「…本当に、聞いていた通りの子だね」
顔を上げたハルくんは、すごく優しい顔をしてそう言った。
「聞いていた…?」
「シャロンからね。君との話は何度も聞かされてる」
「…なんかすみません」
「ははは!なんで由羽希くんが謝るんだよ。いいんだ、君の話をするときのシャロン、すげぇ楽しそうだから」
楽しそう、か。初めて目の前に立ったときのシャロンくんの笑顔を思い出す。
何度思い出しても胸が苦しくなって、泣きそうな気持ちになる。
「仕事はうまくやってるようですが、最近はずっと空元気なんです。今のシャロンには、自分が自分でいられる瞬間がない」
「いつもはやく由羽希くんに会いたいって言ってたんだ。仕事柄それが叶うまでこんなにかかってしまったけど、長い間ずっと君が広哉の原動力だったんだよ」
だからどうか考えて欲しい、そう言われて僕は何も言えなくて。
僕はずっと、好きだから一緒にいたい気持ちとシャロンくんの重荷になりたくない気持ちを天秤にかけて、後者が重いと思ったから然るべき行動をしたつもりでいた。
でも本当に考えるべきだったのは、シャロンくんの、広哉くんの気持ちだったのかもしれない。
やっぱり僕は、広哉くんのことを考えると恋しくて泣きたい気持ちになる。きっとそれは広哉くんも同じ。
「僕、ほんとは広哉くんに会いたいんです。会っても、いいのかなぁ…?」
僕が震える声でそう告げると、二人は顔を見合せて笑った。
「よし、じゃあ今から行こっか!」
「…え、今から?」
こんなくたびれた姿で行けませんと焦る僕だったが、二人に背中を押されながら店を出て、車に乗ってしまった。
無慈悲に走り出す車の中で、僕は諦めのあとに芽生えた僅かな期待を胸に、流れゆく景色を眺めたのだった。
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