新米薬師は義家族から逃げるために王子様と結婚します…!?

あまさき

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番※(完)

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式のあとは、盛大なパレードと披露宴が催された。
王族のパレードなんて見慣れたものだったけど、自分が見られる側になると居た堪れなくて大変だった。
披露宴なんて、夕方から数時間ずっと貴族たちの挨拶三昧だった。王族ってすごい。

 そして詰め込まれた予定が全て終わったとき、夜はどっぷりと更けて星がきらめいていた。

僕とルシアン様は今夜、この幸せな一日の最後に、番になる。


◇◇◇


事は昨夜。
翌日に控える結婚式のために、僕はあの夜振りに王宮で夜を過ごしていた。

場所は、王宮の中心から少し離れた区画。第二王子であるルシアン様が統括している場所だ。僕はルシアン様の部屋の真隣に自室を用意してもらえた。明日以降はこの部屋で毎日を過ごすことになる。

今はまだベッド以外何も無いこの部屋は、一人でいると少し物寂しい。なんだか心細くなったので、隣の部屋と繋がった扉をコンコンと小さくノックしてみた。

起きてたらいいな、というくらいのわずかな期待を胸に待っていると、すぐに扉が開いた。

「エルヴァン?」

なめらかな生地のナイトウェアを着たルシアン様は夜の気配を纏っていて、その色気にドキドキしてしまう。

「あ、ルシアン様…夜遅くにすみません」
「気にしないで。何かあったかい?」
「いえ、その…少しお話しませんか…?」
「ふふ、いいよ。おいで」

招かれたお部屋は以前見たときと同じ。だけどなんだかすごくいい匂いがして、頭がふわふわする。

「…エルヴァン、もしかして君…」
「へ…?」

腕で鼻から下を覆ったルシアン様が、少し顔を赤くして眉根を寄せている。

「困ったな、予定より早い…」
「よてい?ルシアン様、僕なんだかふわふわして…」

ルシアン様は目の前にいるのに、どうしようもなく恋しくてもっともっと近づきたいと思ってしまう。
その広い胸に寄りかかるように身を寄せると、ルシアン様はそっと抱きしめてくれた。

「発情期に入りかけているんだ。エルヴァン、自分で調合した抑制剤は持ってる?」
「はつじょうき…?薬は、持ってます…」
「よかった。すまないが、結婚式の日程はずらしてあげられないんだ…私に出来ることはなんでもするから、明日は薬で抑えられそうかい…?」
「はい。すみません、ご迷惑を…」
「謝らないで、まったく迷惑だと思ってないよ。それに、次の発情期で番おうと約束していただろう?明日をその日にしよう。きっと最高の一日になる」

嬉しそうな声を聞いて、僕も幸せな気持ちになった。ルシアン様はそのまま腕の中で眠ってしまった僕を抱きかかえて部屋まで連れて行って、薬を飲ませてくれた。

翌朝目覚めた僕は、その甘い約束に浮ついた気持ちで一日をスタートさせた。


◇◇◇


以前入った離宮の浴場とは違う本宮一階の浴場へ連れられた僕は、あれよあれよという間にメイドたちに体を磨き上げられ、なんだか可愛らしいナイトウェアに身を包まれた。

入浴中に心の準備を済ませようと思っていたのに、あっという間すぎてまったく出来ていない。

ドキドキあたふたとしていると、段々薬の効果が切れてくるのを感じた。あのいい香りがそこら中から香り始める。

恥ずかしくて心の準備が必要だと思っていたのに、ぼやけてきた頭は恥など忘れて、愛しい人を待ち望む気持ちだけが残った。

(ルシアン様…会いたい…だきしめてほしい)

頭の中全部がルシアン様に支配されたみたいだ。あの香りが染み込んだ毛布を手繰り寄せて、一分一秒でも早く来てくれるように祈った。

「エルヴァン!」

勢いよく扉が開いて、待ち望んだ人の声が聞こえた。見上げた先でルシアン様が視界に入ると、僕の身体から何か熱いものがぶわっと吹き出すような感覚がした。

ルシアン様は開けた時と同じくらい強く扉を叩き閉め、伸ばされた僕の手を掴んで引き寄せた。

「エルヴァン、エルヴァン…」
「ルシアンさま…!服、脱いで…?」

布に阻まれた部分がもどかしくてそう頼んだ。ルシアン様はその美しい肢体を惜しみなく晒して、僕の服もそっと脱がしてくれた。

ルシアン様は何かを必死に押さえ込んだかのような笑顔で、僕の頭を撫でてくれた。優しいその仕草に胸がきゅうと鳴って、頬を擦り寄せた。

「ルシアンさま…もっとくっつきたいです…」
「っ、あぁ、私もだよ。君の奥に…触れさせてくれ」

こくり、と頷いたと同時に優しく足を開かれた。

足の間には、溢れ出た分泌液が糸を引いている。くちゅり、と聞こえた音に羞恥が湧き起こった。

「ここ、触るよ」
「あ、んっ…」

直接触れられた蕾はさっきよりも大きな音を立てて、ルシアン様の指に纏わりついた。何も受け入れたことがないはずのそこは、その指を求めてヒクヒクと収縮している。

ずぷぷ…とゆっくり入ってきた指に腰がビクつく。その指を食むように動く俺のナカに、ルシアン様は微笑みながら僕の顔を見つめた。

「エルヴァン…気持ち悪くないかい?」
「んっ…!だいじょ、ぶ…ですっ…!」

一本、二本…と入ってくる指に拡げられるナカは、Ωの身体のせいかどこもかしこも気持ちいい。むしろ、漏れ出そうな声を抑えるのに必死になるほどだった。

そうして噛み締めた唇に、ルシアン様のもう片方の手の指が触れる。

「唇、噛んではいけないよ。我慢しないで声を聞かせて…?」
「で、でもぉ…んぁっ…!」
「ふふ、可愛い」

楽しげに僕を攻め立てるルシアン様。ぐずぐずになった僕はその笑顔にときめく以外出来ることはなかった。

そうこうしているうちに、閉ざされていた僕の蕾はすっかり開かれていた。そしてルシアン様の張り詰めた怒張がそこに添えられる。

「エルヴァン、いいかい…?」
「ぁ…うん、来てくだしゃ…んぁあ!」

余裕のない顔をしたルシアン様に、どちゅ!!と勢いよく奥を突かれた。

「んぁぁ…!~~っ…!」
「っ…やっと…エルヴァン…!」
「ぇ、あっ、あっあっ!奥、むりぃ…!」

硬く大きいモノが、奥を押し広げるように出し入れされる。

「ルシアンさま…!くち、さみし、です…!」
「ああ、可愛いエルヴァン!」

噛みつかれるようにされた口付けは、すぐに舌を絡める深いものへと変わっていった。こぼれ落ちる唾液がベッドにシミを作る。

「んっんっん…!んぅ~~~…!」

小刻みにとちゅとちゅと突かれる。その動きにどんどん快感は高められて、もうすぐ訪れるであろう大きな何かを悟った。

「ルシアンさまぁ…!イク、イっちゃうっ…!」
「ふふっ、はぁ…いいよ、感じてる顔見せて…?」

「ひぁ…!あっあん!!も、イっ…あぁ~~っ……!」
「っ…」

きゅぅぅ、と締まったナカにルシアン様は動きを止め、僕を抱きしめた。

熱い肌が溶けて混じり合うような錯覚におそわれ、そうだったらなんて幸せだろうかと、そんな考えが降って湧いた。

「ルシアン様、大好きです…」
「あぁ、私もだよ…愛してる、エルヴァン」

あれだけの情熱の後とは思えないような、優しく甘い口付けを交わす。幸せな微睡みの中、僕は自身のうなじをルシアン様に差し出した。

「ルシアン様、噛んで、欲しいです」
「っ、あぁ、よろこんで」

そっと優しく、ルシアン様の歯がうなじに触れる。

これからこの人のものになると、本能が僕に訴えかけた。それは怖さでも怯みでもなくて、痺れるほどの幸せを僕に与える。

食いこんだ歯が消えない痕を残すのをしっかりと感じた。

「エルヴァン…僕の番」
「はいっ…ルシアン様!やっとあなたのΩになれた」
「私の…ふふ、そうだね。ありがとうエルヴァン。私も、生涯君だけのαだ」

笑いあった僕らは、互いの体温を確かめるように抱き合って眠った。

これからもずっと、大好きな人の隣で歩く幸せの道に想いを馳せながら。




~完~




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