ほわ、みりぃ

文字の大きさ
2 / 6

第2話『いつの間にか高級品らしいです』

しおりを挟む
『いつの間にか高級品らしいです』

リビングで、母がテレビを見ながらポテトチップスを食べていた。
袋をガサゴソ揺らしながら、幸せそうに「うふふ」と笑っている。

「お母さん、なに食べてるの?」
帰宅したみさきが背後から顔をのぞかせた。

「ん? あ、ポテチよ、ポテチ。うふふ~♡」
母は袋を抱えたまま、頬を緩ませている。

「……テレビ、見てるの?」
みさきが画面をちらりと見ると、スーパーの牛肉価格が映っていた。

「そうよ! ほらほら、牛肉100グラム400円って……最近なんでも値上がりして、こんなのとても買えないわ!」
母は驚きのあまり声を張り上げた。

「で、そのポテチはいくらだったの?」
みさきは冷静に尋ねる。

「え、えっと……198円……」
母は目をそらしつつ答えた。

みさきがポテトチップスの袋を手に取り、表記を指さす。
「55グラムしか入ってないじゃん。100グラム換算すると……大体400円だね」

「ええっ!? な、なんですって!? 私、騙されたの!? 騙されてるの!?」
母は大げさに頭を抱える。

「“お買い得品”って書いてあったから、2袋も買っちゃったのに……!」

みさきはにやりと笑い、ソファに座り直した。
「高級品、意外と身近にあったみたいだね」

母は慌ててポテチ袋を抱え直し、そのままやけ食いを始めた。

「ちょっとお母さん、私にも一口ちょうだいよ」

リビングには、母の大げさな驚きと、娘の冷静なツッコミが、今日もシュールに混ざり合っていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

意味が分かると怖い話【短編集】

本田 壱好
ホラー
意味が分かると怖い話。 つまり、意味がわからなければ怖くない。 解釈は読者に委ねられる。 あなたはこの短編集をどのように読みますか?

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

私がガチなのは内緒である

ありきた
青春
愛の強さなら誰にも負けない桜野真菜と、明るく陽気な此木萌恵。寝食を共にする幼なじみの2人による、日常系百合ラブコメです。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

筋肉女子の弱点

椎名 富比路
青春
シックスパック女子唯一の弱点とは? pixivお題「腹筋」より

【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】

絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。 下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。 ※全話オリジナル作品です。

処理中です...