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第2話 ちょっと…勘弁してくれ
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第2話 ちょっと…勘弁してくれ
勇者はふわっと光に包まれ、目を開けると王様の玉座の前に立っていた。
「やられちゃだめだよ、勇者ちゃん…」
王様はちょっと困った顔で勇者を見つめる。
勇者はいたたまれなくなり、すごすごと城を後にした。
──遠くの暗黒の城では、秘書が水晶玉を覗き込みながら報告する。
「まおう様、勇者が王の力で生き返ったようです!
王に言われてまた討伐に旅立ったようですよ!」
魔王は玉座でだらりと足を組み、あくびをしていたが、
報告を聞くとビクッと飛び起きた。
「えっ!? そうなの?
人間って、一度死んだら終わりじゃなかったっけ?」
秘書は眉を顰め、魔王に言い聞かせる。
「まおう様! また復活させないために、
まず王を何とかしなければ、また同じことになりますよ!」
魔王はしぶしぶ立ち上がり、城のテラスに出た。
「……しょうがないな」
そして王国に向かって爆裂魔法をぶっ放す。
「……よし」
遠くの方で、ドーンと爆炎がそそり立った。
「さて、勇者いまどこにいるかな?」
魔王は水晶玉を覗き込み、勇者の姿を探した。
──一方そのころ、勇者は森を探索中。
木の実をつつく鳥たちを見上げながら、のんきに鼻歌を歌っていた。
勇者を見つけた魔王は、森の巨人トロールに討伐の指示を出した。
そして、森の奥から地響きが聞こえる。
ドスン、ドスン──木々の間から、巨大なトロールが姿を現した。
その足音だけで、森の小動物たちは一斉に逃げ出した。
ゴツゴツした体に、丸太のような腕。
目をギラリと光らせて咆哮(ほうこう)を上げる。
その瞬間、バキッと木の枝が折れる音がした。
トロールが勇者を見下ろす。
勇者は慌てて剣を構え、元気に叫んだ。
「やーっ!」
だが、戦闘は勇者の思うようにはいかなかった。
トロールの大きな手がブンと振られ、風圧だけで勇者の髪がふわっと舞う。
勇者はあたふたしながら避けるが、足をもつれさせてズテッと転んでしまう。
「ま、待ってぇー!」とうろたえる勇者。
しかし次の瞬間、トロールの足がドスンと勇者を踏みつけた。
その衝撃で勇者は地面に埋もれて、ピクリとも動かなくなってしまった。
魔王は水晶玉を覗き、満足げにニッコリ。
「ふふ、今度も楽勝だったな」
秘書は静かに腕を組みながら、少し眉をひそめた。
(まおう様……やっぱり、何か胸騒ぎがしますよ……)
その不穏(ふおん)な予感が、また次の“めんどくさい日”を呼び込むのだった。
勇者はふわっと光に包まれ、目を開けると王様の玉座の前に立っていた。
「やられちゃだめだよ、勇者ちゃん…」
王様はちょっと困った顔で勇者を見つめる。
勇者はいたたまれなくなり、すごすごと城を後にした。
──遠くの暗黒の城では、秘書が水晶玉を覗き込みながら報告する。
「まおう様、勇者が王の力で生き返ったようです!
王に言われてまた討伐に旅立ったようですよ!」
魔王は玉座でだらりと足を組み、あくびをしていたが、
報告を聞くとビクッと飛び起きた。
「えっ!? そうなの?
人間って、一度死んだら終わりじゃなかったっけ?」
秘書は眉を顰め、魔王に言い聞かせる。
「まおう様! また復活させないために、
まず王を何とかしなければ、また同じことになりますよ!」
魔王はしぶしぶ立ち上がり、城のテラスに出た。
「……しょうがないな」
そして王国に向かって爆裂魔法をぶっ放す。
「……よし」
遠くの方で、ドーンと爆炎がそそり立った。
「さて、勇者いまどこにいるかな?」
魔王は水晶玉を覗き込み、勇者の姿を探した。
──一方そのころ、勇者は森を探索中。
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勇者を見つけた魔王は、森の巨人トロールに討伐の指示を出した。
そして、森の奥から地響きが聞こえる。
ドスン、ドスン──木々の間から、巨大なトロールが姿を現した。
その足音だけで、森の小動物たちは一斉に逃げ出した。
ゴツゴツした体に、丸太のような腕。
目をギラリと光らせて咆哮(ほうこう)を上げる。
その瞬間、バキッと木の枝が折れる音がした。
トロールが勇者を見下ろす。
勇者は慌てて剣を構え、元気に叫んだ。
「やーっ!」
だが、戦闘は勇者の思うようにはいかなかった。
トロールの大きな手がブンと振られ、風圧だけで勇者の髪がふわっと舞う。
勇者はあたふたしながら避けるが、足をもつれさせてズテッと転んでしまう。
「ま、待ってぇー!」とうろたえる勇者。
しかし次の瞬間、トロールの足がドスンと勇者を踏みつけた。
その衝撃で勇者は地面に埋もれて、ピクリとも動かなくなってしまった。
魔王は水晶玉を覗き、満足げにニッコリ。
「ふふ、今度も楽勝だったな」
秘書は静かに腕を組みながら、少し眉をひそめた。
(まおう様……やっぱり、何か胸騒ぎがしますよ……)
その不穏(ふおん)な予感が、また次の“めんどくさい日”を呼び込むのだった。
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