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2話:指
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「わぁ!」
明日香はソファーから飛び起きる。
まただ…あの夢。いつのまにか眠りながら涙を流していたようで頬が濡れている。
テレビをつけっぱなしで眠ってしまった。よくあることだ。
そして、あの妙にリアリティのある夢。なんども同じ…白いバン、黒いワンボックス、おびえる家族。
シルクハットの男、宙に浮く車…まったく記憶にない光景。
眼をこすってソファから起き上がる。
テレビには黄金色の派手な柄のはいった着物をまとって、大きな宝石の指輪をはめた、やせた美人の中年女性が、大きな手ぶりで映っている。この女性が私のママ。
レギュラー番組「占い教祖!小林泉流の明日の世界」だ。
優しそうな笑顔で画面に語りかけるように星座占いをゆったりと説明している。
なんだかうんざりしてきた。
「ふぅー」とためいきをついてテレビを消す。
ソファーから立ち上がった瞬間、ぐぅーとお腹が鳴った。あっ!今日はランチを抜いたんだ。と思ってキッチンに向かう。
オフホワイトで統一された広いキッチン。中央には大きなテーブルが置かれていて、広いテーブルのはしっこに銀行のロゴが入った小さなメモ用紙が置いてあった。
「明日香へ 今日もちょっと遅くなるから、ピザ、チンして食べておいて」と書いてある。
いつのものことだ。
ふぅと溜息を吐く。冷蔵庫からピザを取り出して、電子レンジに入れた。
背もたれが必要以上に長い椅子に腰かける。
ボーっとしていると目の前の壁に貼ってあるカレンダーが視界に入ってきた。
2月14日と15日のふつかの日付に丸印がついている。
ああ、そうだ…誕生日…来週なんだ…私と…あの人の。
「ピりり♪ピリリ、ピリリリー♪」
のん気なメロディと共に電子レンジが温めを終えたことを知らせる。
鏡のような湖面は陽ざしをキラキラ反射している。ピピピピーっとトンビの鳴き声が時折、聞こえる。一隻の小さなボートに一人のぼったりとしたお腹の中年男性。男はあくびをした後、ゆっくりと釣り糸を垂らす。両手をあげてストレッチをするように上に伸ばす。
あっという間に湖面に顔を出していた赤いウキが「グン」と湖の底に引っ張られる。
「えっ!?もう?」
大物かと期待してにやりと笑う。慎重に竿をあげて確かめる。
釣り人はすぐに根がかりだということに気がついた。
「まぁ、そうだよな」
少しだけ竿を上げて確かめる。
根がかりと思われた糸は重さを感じるが、意外にあっさりと湖面に泥にまみれた物体が顔を出した。
「ん?なんだ?」
思わず男はつぶやいて竿を上げて、針の先についた黒い泥のついた物体を手のひらにとって確かめる。
「ん?」
泥を湖の水できれいに洗い流した。
「指輪?…爪…」
「人の指だっ!」
「わぁー」
思わず大きな声を上げた。
静かな湖のボートの上で。
明日香はソファーから飛び起きる。
まただ…あの夢。いつのまにか眠りながら涙を流していたようで頬が濡れている。
テレビをつけっぱなしで眠ってしまった。よくあることだ。
そして、あの妙にリアリティのある夢。なんども同じ…白いバン、黒いワンボックス、おびえる家族。
シルクハットの男、宙に浮く車…まったく記憶にない光景。
眼をこすってソファから起き上がる。
テレビには黄金色の派手な柄のはいった着物をまとって、大きな宝石の指輪をはめた、やせた美人の中年女性が、大きな手ぶりで映っている。この女性が私のママ。
レギュラー番組「占い教祖!小林泉流の明日の世界」だ。
優しそうな笑顔で画面に語りかけるように星座占いをゆったりと説明している。
なんだかうんざりしてきた。
「ふぅー」とためいきをついてテレビを消す。
ソファーから立ち上がった瞬間、ぐぅーとお腹が鳴った。あっ!今日はランチを抜いたんだ。と思ってキッチンに向かう。
オフホワイトで統一された広いキッチン。中央には大きなテーブルが置かれていて、広いテーブルのはしっこに銀行のロゴが入った小さなメモ用紙が置いてあった。
「明日香へ 今日もちょっと遅くなるから、ピザ、チンして食べておいて」と書いてある。
いつのものことだ。
ふぅと溜息を吐く。冷蔵庫からピザを取り出して、電子レンジに入れた。
背もたれが必要以上に長い椅子に腰かける。
ボーっとしていると目の前の壁に貼ってあるカレンダーが視界に入ってきた。
2月14日と15日のふつかの日付に丸印がついている。
ああ、そうだ…誕生日…来週なんだ…私と…あの人の。
「ピりり♪ピリリ、ピリリリー♪」
のん気なメロディと共に電子レンジが温めを終えたことを知らせる。
鏡のような湖面は陽ざしをキラキラ反射している。ピピピピーっとトンビの鳴き声が時折、聞こえる。一隻の小さなボートに一人のぼったりとしたお腹の中年男性。男はあくびをした後、ゆっくりと釣り糸を垂らす。両手をあげてストレッチをするように上に伸ばす。
あっという間に湖面に顔を出していた赤いウキが「グン」と湖の底に引っ張られる。
「えっ!?もう?」
大物かと期待してにやりと笑う。慎重に竿をあげて確かめる。
釣り人はすぐに根がかりだということに気がついた。
「まぁ、そうだよな」
少しだけ竿を上げて確かめる。
根がかりと思われた糸は重さを感じるが、意外にあっさりと湖面に泥にまみれた物体が顔を出した。
「ん?なんだ?」
思わず男はつぶやいて竿を上げて、針の先についた黒い泥のついた物体を手のひらにとって確かめる。
「ん?」
泥を湖の水できれいに洗い流した。
「指輪?…爪…」
「人の指だっ!」
「わぁー」
思わず大きな声を上げた。
静かな湖のボートの上で。
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