16 / 35
第16話 姉はなくとも子は育つ
しおりを挟む
魔王軍幹部エヴァンスは強敵だった。強力な召喚魔法を駆使し、最終的には百万にものぼる魔物を展開。だが、魔剣と聖剣を従えたリーシェの敵ではなかった。
――血塗られた賢者。
戦いが終わると、リーシェはそう呼ぶに相応しい姿へと変貌を遂げていた。数多の魔物の血が肌と衣装を塗りつぶす。血液の色は赤や黒に留まらず、緑、紫、金に銀。全身が七色かつ金銀に彩られる。毒々しい貴婦人のラメ入りネイルアートの如く、謎の色に輝きつつあった。
そして、戦闘の凄まじさを語っているかのように、大地にはおびただしい魔物の屍が広がっていた――。
――つ、疲れた……。
強くなっていると実感しているリーシェ。しかし、疲労と不快感だけはいかんともしがたい。
とにもかくにも移動しよう。時空間を裂いて、アークルードのもとへたどり着いたがゆえに、ここがどこかもわからない。アテもなく、リーシェはさまよう。
森の中。道なき道を歩いていると、明らかに『結界』のような魔力が肌に触れるのを感じた。
「魔力の気配……?」
悪意は感じない。そして、リーシェを拒むような感覚もない。『人間は通過できるが、魔物は退けるタイプ』の見えない結界だろうか。だとしたら、この辺りに誰かいる――。
結界内に踏み込んで、しばらく進むと村が見えてきた。羊ぐらいしか防げそうにない木の柵。建物も木造ばかりである。村の前には、大勢の村人たちがいた。リーシェが近づくと、連中は涙を流しながら跪いた。
「な、なに……?」
村長と思しき老人がこう言った。
「ゆ、勇者様……」
――違う。誰と間違えとるんじゃい。
☆
「――なるほど、そーゆーことね」
リーシェは、村長の家へと案内され、事情を聞かされる。ここは地図には載らぬ小さな大陸『ホロヴィル』にある、ランシアという村。アークルードの魔法によって、大陸は視認できないようになっていたらしい。また、海流を操っているゆえに、船での接近も不可能とのこと。そう考えると、あいつも凄まじい魔力を持っていたのだなと痛感させられる。
「ったく……頭が痛いわね……」
一刻も早く、フェミルたちと合流しなければならない。聖剣と魔剣も、本来なら勇者フェミルが使うべきなのである。まあ、それら神器も、最近ではリーシェを主と認めているみたいだけど。神器って、勇者以外でも使えるんですね。
……嗚呼、カルマに会いたい。そろそろ、リーシェの中のカルマ成分がなくなってきている。
「……この大陸は、魔王軍の支配下にありました。……それを、勇者リーシェ様がお救いくださったのです」
感動の涙を流すのは村長。彼はリーシェの到来を大歓迎してくれた。服は綺麗にしてくれるし、美味しいものも食べさせてくれた。村の人たちもリーシェのことが気になっているのか、窓の外から、迫り来るゾンビのように家の中を眺めている。
「勇者じゃないわよ。あたしはリーシェ。クランクランの賢者」
「我々にとっては、リーシェ様こそ救世主……まさに勇者様でございます」
まあ、この町の人たちは、外の世界と遮断された生活を送っていたのだ。無理もない。この辺りの魔物は強いし、アークルードに見つかったら奴隷にされてしまうだろう。結界を張って、村を維持していくのが限界だったはずだ。――けど――。
「――で、誰?」
「は……?」
「この結界を張ってる奴。……いるんでしょ? 会わせてよ」
この小さな村には、アークルードの目を逃れるほどの結界を張れる人物がいる。おそらく、相当な使い手だろう。この村に興味はないが、そっちには興味がある。
村長の表情に真剣味が帯びる。
「さすがは、勇者様……お気づきでしたか」
「いいから、案内しなさいよ――」
☆
――ついに、この時がきた。
勇者フェミルと姫騎士イシュタリオン。そのふたりがようやく旅に出てくれる。俺のリストラ計画が終焉を迎える。最初はどうなることかと思ったが、まあ、結果としては悪くはない。
俺を甘やかすという名目で行われた、クレアドール改造計画のおかげで町は凄まじい発展を遂げた。さらには、各国から兵を派遣させることで、国同士の絆もより強固になった。世界経済も発達しているらしい。
忙しくて、ちゃんと報告を受けていないのだが、噂では魔王軍の戦力が大幅に低下しているそうだ。あとは、こいつらを送り出して、世界を平和にしてもらうだけだ。
「姉ちゃん。イシュタリオンさん。絶対に帰ってこいよ」
荘厳な門の前で、ふたりを見送る俺。その背後には俺の家臣団も控えている。もともとは召使いぐらいしかいなかったのだけど、もはや国とも形容できるぐらい町が肥大化したので、家臣団が結成されてしまったのだ。
というか、現在、俺は町のボス的存在になっている。レッドベリルと戦った辺りから、俺のことを英雄視している人たちが増えたらしく、町長をはじめ、町の権力者たちは俺のことを崇め奉るようになってしまった。
さらには、企業やギルドを買収したので、俺の行動ひとつで経済が動いてしまう。そんなわけで、経済や軍事、法律のプロたちを集める必要があった。
現在、家臣が100名。召使いが1000名。そして、各国から集められた兵士が10万ほど、俺に仕えてくれている。それらが勇者フェミルと姫騎士イシュタリオンを見送らんと、ずらりと整列しているのであった。
「カルマくん……」
「はい?」
姉ちゃんが震えている。
「こ、これだけの人たちを従えるなんて……り……立派になりましたね……」
ぽろぽろと涙を流し始める姉ちゃん。イシュタリオンさんも感激の涙をこぼしていた。
「姉ちゃんが雇っているだけだろ!」
どうやら、ふたりにはこれら軍隊を俺が率いているように見えるらしい。手配したのおまえらだろうが。
「ま、まったく……ここまで用意してあげないと、留守番もできないだなんて、ほんとにカルマくんは困った子です。やはりリストラして正解でした」
「うむ。そもそも凡人が魔王討伐に同行するのが無謀だったのだ。戦力外通報もやむなしだな」
「そういうのはいいから……」
「カルマくん、これからはお姉ちゃんの手を離れ、立派にやっていくのですよ」
「わかってるって」
「朝は、ちゃんと早起きするんですよ? ご飯も食べるんですよ? お勉強しておくのです。身体も鍛えましょう。睡眠はたっぷりと取るように」
「子供か」
「ふふ、子供じゃないですよね。さすがの弱々カルマくんも、それぐらいならできますよね」
もう、つっこむのはやめよう。アホな奴に『アホか』とつっこむのは、ただの確認作業だ。
「カルマ、しばしの別れだ」
「はい。イシュタリオンさんもお元気で――」
旅立ちの時。家臣団が『勇者様、いってらっしゃいませ!』と、一同頭を下げた。倣うようにして、召使いたちも頭を垂れる。さらに10万の兵士たちが『うおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉッ!』という怒号のような声援を浴びせたのち『勇者様万歳! 勇者様万歳!』と、繰り返すのだった。
そして、姉ちゃんたちは、町の人たちのつくった花道を、パレードの如く進むのであった。
――血塗られた賢者。
戦いが終わると、リーシェはそう呼ぶに相応しい姿へと変貌を遂げていた。数多の魔物の血が肌と衣装を塗りつぶす。血液の色は赤や黒に留まらず、緑、紫、金に銀。全身が七色かつ金銀に彩られる。毒々しい貴婦人のラメ入りネイルアートの如く、謎の色に輝きつつあった。
そして、戦闘の凄まじさを語っているかのように、大地にはおびただしい魔物の屍が広がっていた――。
――つ、疲れた……。
強くなっていると実感しているリーシェ。しかし、疲労と不快感だけはいかんともしがたい。
とにもかくにも移動しよう。時空間を裂いて、アークルードのもとへたどり着いたがゆえに、ここがどこかもわからない。アテもなく、リーシェはさまよう。
森の中。道なき道を歩いていると、明らかに『結界』のような魔力が肌に触れるのを感じた。
「魔力の気配……?」
悪意は感じない。そして、リーシェを拒むような感覚もない。『人間は通過できるが、魔物は退けるタイプ』の見えない結界だろうか。だとしたら、この辺りに誰かいる――。
結界内に踏み込んで、しばらく進むと村が見えてきた。羊ぐらいしか防げそうにない木の柵。建物も木造ばかりである。村の前には、大勢の村人たちがいた。リーシェが近づくと、連中は涙を流しながら跪いた。
「な、なに……?」
村長と思しき老人がこう言った。
「ゆ、勇者様……」
――違う。誰と間違えとるんじゃい。
☆
「――なるほど、そーゆーことね」
リーシェは、村長の家へと案内され、事情を聞かされる。ここは地図には載らぬ小さな大陸『ホロヴィル』にある、ランシアという村。アークルードの魔法によって、大陸は視認できないようになっていたらしい。また、海流を操っているゆえに、船での接近も不可能とのこと。そう考えると、あいつも凄まじい魔力を持っていたのだなと痛感させられる。
「ったく……頭が痛いわね……」
一刻も早く、フェミルたちと合流しなければならない。聖剣と魔剣も、本来なら勇者フェミルが使うべきなのである。まあ、それら神器も、最近ではリーシェを主と認めているみたいだけど。神器って、勇者以外でも使えるんですね。
……嗚呼、カルマに会いたい。そろそろ、リーシェの中のカルマ成分がなくなってきている。
「……この大陸は、魔王軍の支配下にありました。……それを、勇者リーシェ様がお救いくださったのです」
感動の涙を流すのは村長。彼はリーシェの到来を大歓迎してくれた。服は綺麗にしてくれるし、美味しいものも食べさせてくれた。村の人たちもリーシェのことが気になっているのか、窓の外から、迫り来るゾンビのように家の中を眺めている。
「勇者じゃないわよ。あたしはリーシェ。クランクランの賢者」
「我々にとっては、リーシェ様こそ救世主……まさに勇者様でございます」
まあ、この町の人たちは、外の世界と遮断された生活を送っていたのだ。無理もない。この辺りの魔物は強いし、アークルードに見つかったら奴隷にされてしまうだろう。結界を張って、村を維持していくのが限界だったはずだ。――けど――。
「――で、誰?」
「は……?」
「この結界を張ってる奴。……いるんでしょ? 会わせてよ」
この小さな村には、アークルードの目を逃れるほどの結界を張れる人物がいる。おそらく、相当な使い手だろう。この村に興味はないが、そっちには興味がある。
村長の表情に真剣味が帯びる。
「さすがは、勇者様……お気づきでしたか」
「いいから、案内しなさいよ――」
☆
――ついに、この時がきた。
勇者フェミルと姫騎士イシュタリオン。そのふたりがようやく旅に出てくれる。俺のリストラ計画が終焉を迎える。最初はどうなることかと思ったが、まあ、結果としては悪くはない。
俺を甘やかすという名目で行われた、クレアドール改造計画のおかげで町は凄まじい発展を遂げた。さらには、各国から兵を派遣させることで、国同士の絆もより強固になった。世界経済も発達しているらしい。
忙しくて、ちゃんと報告を受けていないのだが、噂では魔王軍の戦力が大幅に低下しているそうだ。あとは、こいつらを送り出して、世界を平和にしてもらうだけだ。
「姉ちゃん。イシュタリオンさん。絶対に帰ってこいよ」
荘厳な門の前で、ふたりを見送る俺。その背後には俺の家臣団も控えている。もともとは召使いぐらいしかいなかったのだけど、もはや国とも形容できるぐらい町が肥大化したので、家臣団が結成されてしまったのだ。
というか、現在、俺は町のボス的存在になっている。レッドベリルと戦った辺りから、俺のことを英雄視している人たちが増えたらしく、町長をはじめ、町の権力者たちは俺のことを崇め奉るようになってしまった。
さらには、企業やギルドを買収したので、俺の行動ひとつで経済が動いてしまう。そんなわけで、経済や軍事、法律のプロたちを集める必要があった。
現在、家臣が100名。召使いが1000名。そして、各国から集められた兵士が10万ほど、俺に仕えてくれている。それらが勇者フェミルと姫騎士イシュタリオンを見送らんと、ずらりと整列しているのであった。
「カルマくん……」
「はい?」
姉ちゃんが震えている。
「こ、これだけの人たちを従えるなんて……り……立派になりましたね……」
ぽろぽろと涙を流し始める姉ちゃん。イシュタリオンさんも感激の涙をこぼしていた。
「姉ちゃんが雇っているだけだろ!」
どうやら、ふたりにはこれら軍隊を俺が率いているように見えるらしい。手配したのおまえらだろうが。
「ま、まったく……ここまで用意してあげないと、留守番もできないだなんて、ほんとにカルマくんは困った子です。やはりリストラして正解でした」
「うむ。そもそも凡人が魔王討伐に同行するのが無謀だったのだ。戦力外通報もやむなしだな」
「そういうのはいいから……」
「カルマくん、これからはお姉ちゃんの手を離れ、立派にやっていくのですよ」
「わかってるって」
「朝は、ちゃんと早起きするんですよ? ご飯も食べるんですよ? お勉強しておくのです。身体も鍛えましょう。睡眠はたっぷりと取るように」
「子供か」
「ふふ、子供じゃないですよね。さすがの弱々カルマくんも、それぐらいならできますよね」
もう、つっこむのはやめよう。アホな奴に『アホか』とつっこむのは、ただの確認作業だ。
「カルマ、しばしの別れだ」
「はい。イシュタリオンさんもお元気で――」
旅立ちの時。家臣団が『勇者様、いってらっしゃいませ!』と、一同頭を下げた。倣うようにして、召使いたちも頭を垂れる。さらに10万の兵士たちが『うおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉッ!』という怒号のような声援を浴びせたのち『勇者様万歳! 勇者様万歳!』と、繰り返すのだった。
そして、姉ちゃんたちは、町の人たちのつくった花道を、パレードの如く進むのであった。
0
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。
名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。
絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。
運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。
熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。
そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。
これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。
「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」
知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。
巻き込まれて異世界召喚? よくわからないけど頑張ります。 〜JKヒロインにおばさん呼ばわりされたけど、28才はお姉さんです〜
トイダノリコ
ファンタジー
会社帰りにJKと一緒に異世界へ――!?
婚活のために「料理の基本」本を買った帰り道、28歳の篠原亜子は、通りすがりの女子高生・星野美咲とともに突然まぶしい光に包まれる。
気がつけばそこは、海と神殿の国〈アズーリア王国〉。
美咲は「聖乙女」として大歓迎される一方、亜子は「予定外に混ざった人」として放置されてしまう。
けれど世界意識(※神?)からのお詫びとして特殊能力を授かった。
食材や魔物の食用可否、毒の有無、調理法までわかるスキル――〈料理眼〉!
「よし、こうなったら食堂でも開いて生きていくしかない!」
港町の小さな店〈潮風亭〉を拠点に、亜子は料理修行と新生活をスタート。
気のいい夫婦、誠実な騎士、皮肉屋の魔法使い、王子様や留学生、眼帯の怪しい男……そして、彼女を慕う男爵令嬢など個性豊かな仲間たちに囲まれて、"聖乙女イベントの裏側”で、静かに、そしてたくましく人生を切り拓く異世界スローライフ開幕。
――はい。静かに、ひっそり生きていこうと思っていたんです。私も.....(アコ談)
*AIと一緒に書いています*
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる