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始まり

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 顔を合わせたこともない、書類上親戚の関係にあったじじいが死んだらしい。遺書らしきものも見つからず、何が何だか分からないまま、俺は見知らぬ誰かの遺産を相続することになった。

 仲介手数料、税金、その他もろもろ差っ引いても約二千万ほどの現金。それと、古びた一軒家とその裏手にある山の土地、まさに棚から牡丹餅と言うものだ。

 俺こと、林清三郎は普通のサラリーマンだ。早々に他界した親の僅かな貯金で高校、大学と苦学生を経験し、新卒で入社したのは普通の会社、やりがいも無く目標だってない。貴重な十代の内、その大半をバイトと勉強に費やしたせいか、趣味と呼べるものもない。それが、今までの俺の人生だった。

 今はどうだ。俺の貯金残高は8桁に及び、25歳にしてはかなりの資産を持ち合わせていると言えよう。これはきっと、今まで苦労してきた俺のために、神様がくれたチャンスなのだ。俺は有休を全部使い切った後、即刻会社を辞めた。

 「だーはっはっ!!! あの糞ハゲの間抜け面、サイコーだろー!!!」

 死んだ顔をして毎日を過ごすのは今日で終わりだ。俺は、輝かしい未来を歩むための第一歩を、感じたこともない高揚感と共に満喫していたのだった。それが、どうしてあんなことに……

 きっかけは、それから三日後。ボロい一軒家の掃除をしている時だった。古めかしい日本家屋と言えば聞こえはいいが、冬は寒くて夏は暑いだけの欠陥住宅だ。車を使わなければ、最寄りのコンビニまで15分もかかる辺り、本当に不便である。ただ折角相続した一軒家だ。どうせ二束三文の価値しかないのなら、そこに住んで少しでも節約する方が良いだろう。

 その家は母屋と蔵に分かれていて、他人が住んでいた場所と言うのが何となく気持ち悪かったので、リビングと寝室は清掃業者を入れた。しかし、ゴミを引き取ってもらったりするのも金がかかる。この家全てをスッキリさせるには、目ん玉が飛び出るような金額が必要になるらしい。ケチな俺は、必要最低限の生活スペースだけをプロに任せ、その他の空間は自分で片付けることにした。

 それこそが、今回の事件を招くことになってしまうとは、俺も想像していなかった。

 「はぁ? なんでこんなに汚ねぇんだよ……掃除くらいちゃんとしろよなぁ」

 かび臭さと饐えた臭いが混在する、今では珍しい蔵の中を進んでいく。幸いにも電気は通っているようで、スイッチを押すと豆電球が暗闇を照らした。朝だというのに真っ暗なそこは、根源的な恐怖を呼び起こさせる。確かに、ここを綺麗にしようというならあの金額も納得出来る。だからといって、その金を払ってやるつもりは微塵もないがな。

 「ガラクタばっか溜め込みやがって……ゴホッゴホッ! 肺炎にでもなったらどうすんだよ」

 金になりそうなものが無いか、何十年と言う歳月をかけて積もったのであろう埃の中を進んでいく。その最奥に、厳重そうな金庫を見つけた。けれど、おかしなことに金庫は蓋が空いていて、中は古びた書類ばかりが残っているだけだった。

 「んだよ、あんだけ遺産が残ってるなら宝石や金の一つくらい、あってもいいのに……って、何だこれ?」

 一応、金庫の中を確かめていると一つの高そうな箱が見つかった。イメージとしては、有名な童話の玉手箱みたいだ。古びていても、漆塗りのそれは高級そうな雰囲気を纏っている。俺はそれを、金目のものが入っているに違いないと判断して、その封を開けた。

 「え……? なんか煙漏れてきたんだけど……」

 「……ぉぃ……」

 「うぇっ!? 何これ何これ!? きっしょ!!!」

 唐突に溢れる薄紫色の煙と共に、箱の中から声が聞こえてきた。そこからは真っ白な手が伸びてきて、ズルズル、ズルズルと小さな体が現れていく。人が入れるほど大きないのに、それを遥かに上回る何かが出てくるその光景は、ホラー映画のようだった。

 煙の中、現れたのは人のようだ。身長は140cmくらいで、子供のように思える。死に装束のようなものを着た、肌から髪まで純白なその姿は、言いようもない神聖さに満ちていた。その少女はじっと、その白さとは対照的な真っ赤な瞳をこちらに向けて、ゆっくりとこっちに向かってきた。

 「封印の解除、助かった。お主の名は、何というんじゃ?」

 「ぁ……?」

 「そんな面白い顔をして、どうしたのじ――」

 弁解をさせて欲しいのだが、この時の俺はどうかしていた。薄紫色の煙を吸い込んだ辺りから、頭がクラクラとして息が荒く、何も考えられない状態になっていた。だから、あんなことをしでかしてしまったのだ。少女が俺の好みだったというのはそうだが、平常の俺ならばあんな短絡的なことをするはずがない。

 だから、これは不幸な事故だったのだ。

 「んむぅ!?にゃ、んぃ!?」

 目の前にとんでもない美少女、しかもストライクゾーンど真ん中な容姿をしていたのなら、これはもう抑えなど効かない。俺は現れた少女のモチモチとした顔を掴み、口の中へ強引に舌をねじ込んだ。当然のように少女はバタバタと暴れるが、体格が違いすぎる。いくら運動不足で体力が落ちていようと、180cmの成人男性に組み伏せられては抵抗など無意味だった

 幼い少女を抑えて、無理やりキスをする。その犯罪臭がまた、俺を興奮させていく。少女の口を蹂躙し、その甘露な汁を啜る。その度に少女はうめき声を上げて、必死に俺を除けようしてきた。しかし、そんな抵抗もむなしく、俺が満足するまで少女は口内を貪り続けられることになった。

 「んばぁ……はぁっ、はぁっ、あぅ♡ い、いきなりにゃにをしゅりゅう♡」
 

 「お前……可愛いな」

 「にゃっ !? そ、そんなこと言ってもお主が変態である事実は変わらんぞ!? 今すぐ、この手を除けて即刻ワシの前から消えっりょぉお!!??」

 もう一度、少女の口を塞ぐ。顔を真紅に染めながら中々にそそる発言をしてくるが、一向にこの少女が何なのか分からない。けれど、分かったことが一つだけある。案外、少女もまんざらではないということだ。最初の困惑と共に行われた抵抗も、今は弱弱しくてただの見せかけだ。私は抗っているけど、無理矢理汚されているのだとアピールしているようにしか見えない。

 「ぷはっ……おい、ロリッ子。私は知らないお兄さんに突然キスされて喜ぶ、変態幼女ですって言ったら、今すぐ退いてやるよ。言わないなら、言う気になるまでずっとこのままだからな」

 「ふぎゅ……だ、誰がそんにゃこと、言ってやるものか! そそそ、そんな卑猥な言葉、このワシが言うなどぉお♡」

 口答えをしたので、もう一度少女の口を汚していく。俺の唾液と少女の唾液が混じり合って、ねちょねちょと猥褻な音を立てながら少女の首元へ流れていく。段々と少女の眼に涙が溜まってきて、今にも泣き出してしまいそうだ。だが、今の俺にはそんな配慮をする余裕などない。ただひたすらに、このメスを屈服させたいという願望だけが、俺の胸中を占領していた。

 「もう…… ゆるしてよぉ……! なんか、へんになっちゃうからぁ♡」

 「いいや駄目だ。お前がさっきの言葉を言わない限り、永遠にこのままだぞ?」

 「ひっ……♡ わ、分かったよぉ言うからぁ! ちゃんと、約束を守るのじゃぞ!」

 
 無言で頷くと、少女は顔を沸騰させて、涙を零しながらチラチラとこちらを気にしてくる。その様子に大変興奮する。しかし、今から少女が屈服宣言をするのだから、今はまだ我慢だ。我慢我慢我慢……

 「わ、私はぁ、知らないお兄さんに突然キスされてよよ喜ぶ、変態幼女ですぅ♡♡♡」

 「良く言えたな、御褒美にもっとキスしてやろう」

 「へ? 今、なんて言っ――」

 少女の媚びたセリフに、それを言わせた快感と背徳感を感じる。たったの数秒間だけしか我慢は出来なかったが、ボロボロの理性を総動員して我慢した甲斐があったというものだ。少女の困惑した顔すら、今は俺の情欲を煽るだけのスパイスでしかない。

 「にゃんでぇ♡ わ、ワシはちゃんと約束守ったのに♡ このっ、卑怯者の変態がぁ♡」

 「お前、今自分がどんな顔してるのか分かってるのか?」

 「そんなのぉ♡ 怒ってるに決まってる♡」

 さっきから艶やかな、それでいて甘えるような声で必死に強がる少女は、俺の嗜虐心をとてつもなく刺激する。この少女を、いやこのメスを、俺のものにしたい。暴走を続ける脳内は、犯罪がどうたらとか少女の正体だとかはどうでも良くなって、ただ目の前の女を堕とすことだけに集中していた。

 そのためには、この蔵では役不足だ。俺は少女を胸元でロックし、赤ん坊を抱き抱えるようにして蔵の外に出た。周りにバレない様にと言うよりかは、この少女を放したくないという心理からくる行動だった。

 「んんんむむんん!!??」

 「静かにしてろ。今からたっぷりと、お前のこと可愛がってやるからな」

 「んんん♡♡♡」

 母屋に入って、鍵を閉める。リビングを横切り、12畳の寝室へ足を踏み入れる。少女は抱きかかえられている間も抵抗のようなものを続けていたので、その白い服がはだけていた。何か塗っているのではと思うほどの、白い肌を舐める。少し汗ばんでいるのか、甘い味がした。

 「ひゃめろぉ♡ワシを舐めるんじゃにゃいぃ♡」

 「おい、よく聞けよ? 今から俺は、お前を犯す。分かったな?」

 「分かる訳、ないじゃろぉ♡ お主、頭おかしいんじゃないかぁ♡ あっんむうう♡」

 生意気な口を聞く少女の口をディープキスで蓋をしながら、俺はずりずりと下着をおろして行く。いつもよりもギンギンで、もう待ちきれないと震えている息子を、少女の下腹部へあてがう。すると、観念したようにピタリと動きを止めたので、少女の口から舌を抜く。肩で息をしながら、少女はこう続けた。

 「よ、良いのか? もし、お主がワシの純潔を奪うようなことがあれば、お主に災いが降りかかることになるぞ? それでも、ワシとセックスしたいのか?」

 「そんなん知るかっ、つうの!」

 「おっっっっ♡♡♡♡♡♡」

 少女の話など聞かず、性欲の赴くままに膣の入り口を探していた俺は、何か大事なことを言った少女を無視して、強引に少女の中へ性器を突っ込んだ。キスで興奮したのか、既にぐちょぐちょだったので、すんなりと息子は少女のへその下辺りまで突き刺さった。少女は痛がる様子もなく、短い呼吸を続けるだけだった。

 「ほひっ♡♡♡ い、いきにゃりぃ♡♡♡ いれるなんてぇ♡♡♡」

 「まだまだ、行くぞ!」

 「おふっ♡♡♡ はひっ♡♡♡ ひゃめぇ♡♡♡ そ、それ以上パコパコしたらぁ♡♡♡ 孕んじゃうぅ♡♡♡」

 「良いぞ、しっかり受精しろよ! ちゃんと、責任は取ってやるからな!」

 「ほひょぉ♡♡♡♡♡♡ 嘘じゃ、ふにゅうっ♡♡♡ ないぃい?」

 「ああ本当だ。だから安心して排卵しろ。お前の子宮に、精子ぶちまけてやるからっ、な!」

 「んおおおお♡♡♡♡♡♡ そ、そこらめっ♡♡♡♡♡♡ おかしくなるぅう♡♡♡♡♡♡」

 勉強とバイトで、ろくに彼女の一人も出来なかった学生時代に、出会いなど皆無の社会人三年間、生まれて初めての性行為だった。そのことに頭を溶かされていた俺は、大切なことをいくつもいくつも無視して、自分の気持ちいことだけをし続けた。

 少女の膣を自分の陰茎が擦るたびに、体が勝手に痙攣する。少女も俺の体に抱き着いてきて、舌を出して誘ってくる。腰を一心不乱に降り続け、ラストスパートに備える。全身で少女の体を抱きしめて、狙いを定めていく。少女もまた、俺の体を縛り付けるように足で挟み込んで、だいしゅきホールドしてくる。

 「イクッ♡♡♡♡♡♡イクッ♡♡♡♡♡♡ 一緒にイクよっ♡♡♡♡♡♡」

 「ぐっ……!!! 出るっ !!!」

 「へぁああああああああああ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ き、きたぁあああああ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

 しっかりと奥まで、塗り込むように腰をうねらせる。俺の首筋を抱きながら、足をピーンと伸ばした少女は、やがてぐったりとして動かなくなった。俺も全て出し切ると、すぐさま倦怠感が襲ってきた。心地い疲れと、温い抱き枕を胸に抱きながら、俺は深い眠りに落ちていくのだった。

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 「んゆぅ……あれ? ワシは何をして……」

 少女は、久方ぶりの肉体を持つ感覚に違和感を覚えながら、その眼を開けた。頭が覚醒していないのか、事態の把握に時間がかかった。けれど数秒ほどで、自分の痴態と行動を思い出し、顔をサッと赤らめたのだった。

 「バカバカ! ワシのバカ! なんで勢いのまま、しちゃってるんじゃよ! このままじゃ、こやつは……!」

 だが、少女はその言葉とは裏腹に、どこか嬉しそうな顔をしていた。実際、嬉しかったのだろう。自らの在り方を思えば、自分をこんな風に愛してくれる存在など、今までいなかったのだから。

 「責任……取るって言ってたし、いいじゃろ。今日からよろしくじゃぞ、旦那様♡」

 少女はお腹に手を添えながらそう言うと、未だ性器を露出したまま眠る男に抱き着いた。その手は固く男を抱きしめ、絶対に逃がさないという確固たる意志がにじみ出ていた。清三郎は、自分がどんな存在と性行為をしてしまったのか、まだ理解することなくスヤスヤと眠るだけだった。
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