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「あなたの横にいたいです。」
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ポタ…ポタ…
ポタ…ポタ…
私の手首から赤い液体が溢れていく…何でだろう…
『あぁそうか、嫌なことがあってカッターでやっちゃったんだっけ…やってみて思ったけど何がしたかったんだろ私。』
『そうか…私ってそんなに強くないんだ。1人でいるのが好きだったけどどうしようもなくなった時に隣に誰かいてほしいな…。
だから、友達だけじゃなくて彼氏とか特別な人を作れって言ってたのか…
今年で15歳か…就職活動もしないといけないし出会いがほしいな…
たった一つの行動を考えたら本質的に自分のしたいことが思い付いた…
私って、そんなに強い人じゃなくて隣に誰かいないと現実に負けるような弱かったんだ…』
「何をそんなに考えてるの。」
まるで何度も同じような光景を見てきたかのように私の状態をみて落ち着いた感じで話しかけてきた。
『騒がれるのが嫌だから屋上の鍵をこっそり盗んで早退という形で動いたが、落ち着いた感じで返事をされると気が触るものだな…』
無意識とはいえ軽い舌打ちをしてしまった…
ヤバッと思ったが私を見る彼はゆっくりと口を開き「なんでそんなに震えているの。」
彼の目には軽く水滴が見え、他人事のはずなのに目が充血していた。
私がリストカットしている姿を誰にも見られたことなかったが見られたら止められると思った。でも彼は違った。
「お姉さんの年齢は分からないけど、自分はまだ10歳だよ。何も怖がることないと思うけど…。」「何をそんなに恐れているの。死ぬのは怖いからどんなに辛いことがあってもどんなにいじめにあっても行動に移すことができなかった。でもお姉さんはリスト…カット⁇…を実際にやった。」「行動に移すって中々できることじゃない…。本当に凄いと思うけど…。」「なんで泣いてるの⁇…。」
「10歳の癖に生意気な口を聞かないで。」
身長は私と同じくらいで少し綺麗な洋服を着ていて余計に腹が立ってしまい余計強い声で話してしまった。
「年齢で決めつけるのはよくないよ。君よりも毎日生きるのに精一杯だよ。色々されたけど、今日初めて寝坊しちゃったら不真面目な子は私の子じゃないって言われて家を出されたんだよ。注意だけじゃなくて何にもくれずに家を出されたんだよ。酷いと思わない。」
鏡で自分を見ると我に帰るというけど、私よりも悲しい人を目の前で見ても可哀想だと思ってしまう。
「お互いに捨てられた同士だ。これからどうする。」
「ひとまず血を吹いたらどう⁇。ここって一応学校なんでしょ?。見つかったら事故にならない⁇。」
「私を探している人なんていないよ。先生すら見て見ぬふりをしてるはずだよ。今まで相談しても何もしてくれなかったんだから私は先生に捨てられたんだね。」
「それで僕は親に捨てられた。僕たちって年齢以外は似てるね。似ているなら僕のお姉ちゃんになってください。」
「リストカットするようなお姉ちゃんでも、大丈夫⁇。」
「僕はお姉ちゃんがいいんだ。」
そうして私に弟ができました。
私の家族はおばあちゃん、私、弟の3人になりました。
本当の弟のように思えて学校で嫌なことがあっても弟がいたから無事に中学生を卒業し、高校生になりました。
2年後
翠山夕凪
「高校2年生の進級おめでとう。今までずっと楽しみにしてた修学旅行があるね。」
翠山夕涼
「ありがとう。夕凪のおかげで進級できたよ。」
翠山夕凪
「夕涼は出会った時から修学旅行に行きたい行きたいって言ってたもんね。」
翠山夕涼
「私の生きる意味だよ。去年は体調不良になっちゃったから健康には十分に気をつけるつもり。」
翠山夕凪
「体調崩したのが去年で良かったね。」
翠山夕涼
「本当、それ‼︎。今年はテスト前に一夜漬け勉強じゃなく計画的にできたらする。」
翠山夕凪
「全力でサポートするよ。でも、何があるかわからないからもし、行けなくなったとしても死のうとしたりしないでね。お姉ちゃん、この修学旅行の為にバイトとかしちゃいけない年齢なのにしたりとか、賭け事とかしてめっちゃ稼いでいたけど本当に死なないでね。」
翠山夕涼
「約束はできないな。じゃないと生きてきた意味がなくなっちゃうから。」
翠山夕凪
「そんなことない。私はお姉ちゃんが生きていたからお姉ちゃんという目標ができてここまで頑張ってこれたんだから。」
翠山夕涼
「ダメだよ、私を目標にしたら。夕凪はとっくに私を超えているよ。だから、もしもの時は家族をよろしくね。」
翠山夕凪
「なんでそんなこと言うの‼︎。私のお姉ちゃんでずっといてよ。お姉ちゃんがお姉ちゃんでなくなるのは嫌だよ。」
翠山夕涼
「私に何があったとしても夕凪はずっと私の妹だよ。」
翠山夕凪
「なんでそんなこと言うの‼︎今までの話しからずっとお姉ちゃんには生きていてほしいんだよ。お姉ちゃんのバカ。」
翠山夕涼
「私と結奈の年齢差は7歳も違う。現実的には私の方が早くいなくなっちゃうんだよ。それが早くなるだけじゃん。」
翠山夕凪
「ずっと側にいてよ。お姉ちゃん…。それに、今までの会話的に死のうとしてるじゃん。お姉ちゃん大っ嫌い‼︎。」
翠山夕涼
「あ…。待っ…。……ごめんね…結奈。私、妹が私にできたって分かった時から決めてることが一つあって、大好きな妹を一度でも泣かせたら責任を取るって決めていたんだ…。また泣かせちゃうかな…。でも、嫌われちゃったしそれはないか…。」
そう自分に言い聞かせないと泣いちゃいそう…ははは…大好きな妹に嫌いって言われると心にくるな…
でもケジメはつけないと。
電車は多くの人に迷惑をかけるし、家族や妹にも最悪な迷惑をかける…だったら、、、
『私のケジメをつける場所はどこ…』
op
翠山夕涼
時間帯が夜になる。
「私は、自分の死に場所すら自分で見つけられないのか…。家に帰る道……電車ではなく飛び降りられる場所はどこか…。」
モニター画面
A
それでは天気を教えてくれますか?。
B
歩道橋の上からお伝えします。明日の朝は…
翠山夕涼
歩道橋‼︎そっか、歩道橋なら電車よりも家族に迷惑をかけない…妹に会わないように工場の入り口に近い歩道橋で落ちよう…
「着いた…、本当にごめんね。夕凪大好きだよ。
私なりのケジメはつけるよ。」
下を見るとまるで暗闇の世界だ。これからの世界か…
「さようなら。この世界。」
私は暗闇に吸い込まれるように歩道橋から飛び降りた。
飛び降りると共に私は意識を失った
翠山夕涼
「………んぁ…ぁぁ。」
白露
「目が覚めた。無事⁇。」
翠山夕涼
私…私は、…‼︎…私って意識がある。暗い世界に行ってケジメをつけることはできなかった…
「ひぐ…ひく…うぁあぁあ…。」
「どうして私は生きてるの。あの時確かに歩道橋から飛び降りたはず…。どうして。どうしてなの…。なんで…なんで、私は生きているの…。」
白露
「大丈夫…⁇荷台に何かが落ちたと思ったら女の子だったんだもん。驚くよね。凄く大きな音がしたけど痛いところとかない⁇」
翠山夕涼
彼は心配した顔で私を見てきます。運悪く私を救っちゃった運転手です…
「ごめんなさい…上手く死ねませんでした…
責任もとれず…。」
白露
「………。ひとまず、落ち着いて…。ちょうどコーヒーを淹れたんだけど、一杯一緒に飲む?」
翠山夕涼
「あ、はい…。」
彼はブラックだけど私のには牛乳を入れてくれてる…優しい…
「ずず…あ、おいしい…。」
白露
「ちょっと整理したいんだけど君は死のうとして飛び降りたら自分の軽トラックの荷台に乗っちゃったと…。」
翠山夕涼
「はい…。」
白露
「ごめんね。今、ちょうど旅館に着いたところなんだ。今までずっと仕事してたんだけど、たまたま買った券が一等で死ぬまで秘密にしなきゃいけないのが無理だから家をすぐに出たんだ。」
「それで自分の兄と一緒に行った旅館を忘れられなくて一室だけ、無理言って買わせて貰って今に至るの。早口だったかもしれないけど理解できた?」
翠山夕涼
「私は死ねなかったのね…。」
白露
「一つ見てて聞きたいんだけど、足って動く⁇。荷台から下ろす時にお姫様抱っこしたんだけど、足の方に力が入ってないように見えたから。」
翠山夕涼
彼の言う通り足には全く力が入らなくなっていた。自ら死を選ぼうとしたバツなのか…苦しみを味わって長く生きていけと!受け入れられないよ…。これなら死んだ方がマシ…。
翠山夕涼
絶望感で私の感情は一杯だ。目の前が真っ白になり自然に横に倒れる感覚を感じた。
白露
「危ない‼︎。」
咄嗟に彼は近づき私を持ち上げた
翠山夕涼
足の感覚は失われているが、お姫様抱っこをされると一瞬で顔が赤くなり少し笑みが溢れる
白露
「お姫様抱っこの状態で悪いけど、一人旅中で荷物とか部屋に置きたいからこの状態でチェックインしていい?。」
翠山夕涼
私は恥ずかしさのあまり、やや下を向きながら軽く頷くのが精一杯だった。
受付を済ませると和を連想させるような木の道を進み部屋番号115番の襖の前で止まった。
白露
「ちょっとごめんね。」
彼はそういうと私をお姫様抱っこしながら身体をより近づけて足を支えているであろう右手を鍵に手を伸ばした
“ガチャ”
と、扉の開く音がした。
中に入ると彼は私をお姫様抱っこをしたまま靴を脱いで中に進んだ。
私はお姫様抱っこされたのは初めてで、ずっと自分の足を見ていた。
白露
「ソファに腰かけるね。大丈夫⁇。」
彼は疲れを感じさせないでソファまで私を運び座らせてくれた
恥ずかしさから解放された私は部屋を見渡し
「うぁ~‼︎凄い…。」
思ったことがそのまま言葉に出てしまい余計に恥ずかしさを感じた。
白露
「凄いでしょ‼︎自分と同じ考えの人に会えて嬉しいよ。お風呂は露天風呂になっていてそれが部屋の奥側にあるんだよ。しかもそこを区分けているのが壁とかレンガじゃなくてガラスだけなんだよ。凄く良くない⁇。」
彼の言葉からは楽しさや聞いてくれてることの嬉しさも伝わるような説明で苦笑いしてしまいました。「くす…。」
何か…何か忘れているような…‼︎‼︎
翠山夕涼
「私、女の子‼︎プライバシー‼︎恥ずかしい‼︎。」
白露
「自己紹介が凄く遅れたね。私の名前は白露彼方(はくろかなた)持ってる資格は旅行の計画を一緒に考えて、できないことをサポートして楽しんもらうことを支えるための資格を持ってるよ。」
翠山夕涼
「情報が多くて全部は分からなかったけど、私が恥ずかしいことには変わらないよね。」
白露
「俺の年齢は24歳。君18歳でしょ。ガキの身体に興味ないよ。」
翠山夕涼
「2度目の怒りだけど‼︎私18‼︎ガキじゃない‼︎」
白露
「ガキじゃなくても20歳になってないんだろ。現実的に世間でバレたら俺捕まるからな…。未成年の人と一緒ってだけで捕まるからな。」
翠山夕涼
「じゃあ、ポケットに入れてた私の貯金額をあなたにあげる。パスワードはそこに書いてる4桁だから好きに使って。これで私はお金を出してあなたを指名したってなって私が対象者であなたが私の保護者の関係になる。」
白露
「それをいうなら介護者みたいにいうかもしれないけど…。契約書とか手続きとかいろいろしないと、問題になりそう…。」
翠山夕涼
「大丈夫。いいこと思いついた。ちょっと、私を公衆電話のあるところに連れてってほしいのだけど。」
白露
「いいよ。お姫様抱っこは前が見えなくて怖いから背負う形でも大丈夫⁇。」
翠山夕涼
「ありがとう。私重くない⁇大丈夫⁇。」
白露
「それは健康診断的にBMI数字を調べてってこと?」
翠山夕涼
「違う‼︎私を持ち上げてみて重くない⁇って言ってるの‼︎。」
白露
「ははは、からかっても可愛いな。痩せすぎてないって言いたいくらいだよ。ちゃんと毎日、今日から食べようね。」
………私は恥ずかしさで一杯になった。
………………
「着いたよ。公衆電話。」
………………くう………くぅ………
「着いたよ夕涼。電話で何かするんじゃないの?。」
彼の背中は温かく長くしがみついていたかった私は「もう少しこの状態がいい…だめですか…。」と甘い声でねだってしまった。
白露
「じゃあ、スモーク設定にするね。」
翠山夕涼
「スモーク設定⁇。」
白露
「プライバシーをもっと強めるためにこの県ではじめに導入されたらしい。自分もはじめて使うけど、この方が恥ずかしさが軽減されるでしょ。」
翠山夕涼
「あ…ありがと…。」彼と一緒にいるとずっとドキドキしてばかり…不意にもっと彼に身体をより近づけた
白露
「お、おぉ…しっかりとつかまっていてね。小銭は俺が入れるから受話器を取れる⁇。」
翠山夕涼
「取れる………。」
「電話番号は………………………。」
翠山夕凪
「もしもし。どちら様ですか。」
翠山夕涼
「久しぶりだね。夕涼だよ…。覚えてる⁇。」
翠山夕凪
「お姉ちゃん‼︎どこにいるの‼︎大丈夫なの‼︎。帰ってきてよ。」
翠山夕涼
『心配されるって幸せだなぁ。あんなに夕凪に酷いことしたのに自分勝手だなぁ私…。」
『せめて、夕凪が心配しないように設定を作り上げなきゃ…。』
「お姉ちゃん昨日婚約したの。駆け落ちできたの。運命の人に会って私から婚約を申し込んで受け取ってくれたの。だから心配しないで。私は生きてるから心配しないでね。」
プチ………
………
白露
「電話切っちゃってよかったの。」
翠山夕涼
「あなたに出会えたことと生きてることを説明できればほかに伝えることはないよ。夕凪なら次に進めるはず。」
白露
「妹さんのことを分かっているんだね。」
翠山夕涼
「私も夕凪の出会いは学校でお互いに死のうとしてたけど、出会って生きることを選んだ。私が生きていると知ったなら自ら死のうとしないはず…。」
「私が婚約したなら夕凪も婚約を頑張ると思うの。私を追って今まで来たんだから。」
白露
「お姉ちゃんしっかりとしてるね。じゃあそれこそ生き続けなきゃいけないね。それに、設定として保護者と対象者だったのに婚約した設定に変わっちゃったね。」
翠山夕涼
「巻き込んでしまってすいません。妹の為ってなると気を張ってしまって…。」
白露
「いや、お姉ちゃんをしっかりとしていて偉いなとは思ったんだけど婚約ってなると世間的には20歳にならないと危なかったような…。どうしよう…って思って。」
翠山夕涼
「あれ…16じゃなかった⁇」
『あなたにも迷惑をかけずに考えた案だったけど、結婚できる年齢って上がったの?…」
白露
「昨日の移動中にお店のテレビのニュースで言ってたよ。」
翠山夕涼
「もしかして、昨日の夜に私が電話したいって言ったからずっと夜中に移動してたの?。」
『ここまで私に尽くす価値なんてないのに…。どうして…。』
白露
「移動してたけど大丈夫だよ。だって自分って夕涼の婚約者でしょ。夕涼のしたいことを支えるのがパートナーの役割だろ。それにそんなに尽くす価値がって言ってたけど夕涼がいてくれるから俺は1人で生活をしないで一緒にいれるパートナーを見つけられたんだからそんな悲しいことは言わないでくれ。俺がいるから。」
翠山夕涼
「ありがとう。」
私はなんて幸せなんだろう…私は白露さんと出会えて幸せだなぁ…。
スモーク設定のおかげで強く抱きついても恥ずかしさを感じることはなかった。
『私は心から白露さんを愛してます。
白露さんと婚約はできたけど、今すぐにでも結婚したいです。』
翠山夕涼
「白露さん、いや白露彼方さん。私と………
私と結婚してくれませんか。」
『結婚指輪の準備はできてないけど、白露さんが私以外の人と結婚してほしくない…彼から離れたくない…。』
年齢的に彼を困らせることはわかっているけど、それでも彼と離れたくない。私はいつの間にかそれほど彼のことを好きになっていたのだ。
白露彼方
「ずっと我慢してきたけど、行動で示させてくれ。」
翠山夕涼
「行動とは…ンン…。」
白露彼方
「俺はずっと夕涼に隣にいてほしい。」
翠山夕涼
【あなたの横にずっといさせてください。】
ポタ…ポタ…
私の手首から赤い液体が溢れていく…何でだろう…
『あぁそうか、嫌なことがあってカッターでやっちゃったんだっけ…やってみて思ったけど何がしたかったんだろ私。』
『そうか…私ってそんなに強くないんだ。1人でいるのが好きだったけどどうしようもなくなった時に隣に誰かいてほしいな…。
だから、友達だけじゃなくて彼氏とか特別な人を作れって言ってたのか…
今年で15歳か…就職活動もしないといけないし出会いがほしいな…
たった一つの行動を考えたら本質的に自分のしたいことが思い付いた…
私って、そんなに強い人じゃなくて隣に誰かいないと現実に負けるような弱かったんだ…』
「何をそんなに考えてるの。」
まるで何度も同じような光景を見てきたかのように私の状態をみて落ち着いた感じで話しかけてきた。
『騒がれるのが嫌だから屋上の鍵をこっそり盗んで早退という形で動いたが、落ち着いた感じで返事をされると気が触るものだな…』
無意識とはいえ軽い舌打ちをしてしまった…
ヤバッと思ったが私を見る彼はゆっくりと口を開き「なんでそんなに震えているの。」
彼の目には軽く水滴が見え、他人事のはずなのに目が充血していた。
私がリストカットしている姿を誰にも見られたことなかったが見られたら止められると思った。でも彼は違った。
「お姉さんの年齢は分からないけど、自分はまだ10歳だよ。何も怖がることないと思うけど…。」「何をそんなに恐れているの。死ぬのは怖いからどんなに辛いことがあってもどんなにいじめにあっても行動に移すことができなかった。でもお姉さんはリスト…カット⁇…を実際にやった。」「行動に移すって中々できることじゃない…。本当に凄いと思うけど…。」「なんで泣いてるの⁇…。」
「10歳の癖に生意気な口を聞かないで。」
身長は私と同じくらいで少し綺麗な洋服を着ていて余計に腹が立ってしまい余計強い声で話してしまった。
「年齢で決めつけるのはよくないよ。君よりも毎日生きるのに精一杯だよ。色々されたけど、今日初めて寝坊しちゃったら不真面目な子は私の子じゃないって言われて家を出されたんだよ。注意だけじゃなくて何にもくれずに家を出されたんだよ。酷いと思わない。」
鏡で自分を見ると我に帰るというけど、私よりも悲しい人を目の前で見ても可哀想だと思ってしまう。
「お互いに捨てられた同士だ。これからどうする。」
「ひとまず血を吹いたらどう⁇。ここって一応学校なんでしょ?。見つかったら事故にならない⁇。」
「私を探している人なんていないよ。先生すら見て見ぬふりをしてるはずだよ。今まで相談しても何もしてくれなかったんだから私は先生に捨てられたんだね。」
「それで僕は親に捨てられた。僕たちって年齢以外は似てるね。似ているなら僕のお姉ちゃんになってください。」
「リストカットするようなお姉ちゃんでも、大丈夫⁇。」
「僕はお姉ちゃんがいいんだ。」
そうして私に弟ができました。
私の家族はおばあちゃん、私、弟の3人になりました。
本当の弟のように思えて学校で嫌なことがあっても弟がいたから無事に中学生を卒業し、高校生になりました。
2年後
翠山夕凪
「高校2年生の進級おめでとう。今までずっと楽しみにしてた修学旅行があるね。」
翠山夕涼
「ありがとう。夕凪のおかげで進級できたよ。」
翠山夕凪
「夕涼は出会った時から修学旅行に行きたい行きたいって言ってたもんね。」
翠山夕涼
「私の生きる意味だよ。去年は体調不良になっちゃったから健康には十分に気をつけるつもり。」
翠山夕凪
「体調崩したのが去年で良かったね。」
翠山夕涼
「本当、それ‼︎。今年はテスト前に一夜漬け勉強じゃなく計画的にできたらする。」
翠山夕凪
「全力でサポートするよ。でも、何があるかわからないからもし、行けなくなったとしても死のうとしたりしないでね。お姉ちゃん、この修学旅行の為にバイトとかしちゃいけない年齢なのにしたりとか、賭け事とかしてめっちゃ稼いでいたけど本当に死なないでね。」
翠山夕涼
「約束はできないな。じゃないと生きてきた意味がなくなっちゃうから。」
翠山夕凪
「そんなことない。私はお姉ちゃんが生きていたからお姉ちゃんという目標ができてここまで頑張ってこれたんだから。」
翠山夕涼
「ダメだよ、私を目標にしたら。夕凪はとっくに私を超えているよ。だから、もしもの時は家族をよろしくね。」
翠山夕凪
「なんでそんなこと言うの‼︎。私のお姉ちゃんでずっといてよ。お姉ちゃんがお姉ちゃんでなくなるのは嫌だよ。」
翠山夕涼
「私に何があったとしても夕凪はずっと私の妹だよ。」
翠山夕凪
「なんでそんなこと言うの‼︎今までの話しからずっとお姉ちゃんには生きていてほしいんだよ。お姉ちゃんのバカ。」
翠山夕涼
「私と結奈の年齢差は7歳も違う。現実的には私の方が早くいなくなっちゃうんだよ。それが早くなるだけじゃん。」
翠山夕凪
「ずっと側にいてよ。お姉ちゃん…。それに、今までの会話的に死のうとしてるじゃん。お姉ちゃん大っ嫌い‼︎。」
翠山夕涼
「あ…。待っ…。……ごめんね…結奈。私、妹が私にできたって分かった時から決めてることが一つあって、大好きな妹を一度でも泣かせたら責任を取るって決めていたんだ…。また泣かせちゃうかな…。でも、嫌われちゃったしそれはないか…。」
そう自分に言い聞かせないと泣いちゃいそう…ははは…大好きな妹に嫌いって言われると心にくるな…
でもケジメはつけないと。
電車は多くの人に迷惑をかけるし、家族や妹にも最悪な迷惑をかける…だったら、、、
『私のケジメをつける場所はどこ…』
op
翠山夕涼
時間帯が夜になる。
「私は、自分の死に場所すら自分で見つけられないのか…。家に帰る道……電車ではなく飛び降りられる場所はどこか…。」
モニター画面
A
それでは天気を教えてくれますか?。
B
歩道橋の上からお伝えします。明日の朝は…
翠山夕涼
歩道橋‼︎そっか、歩道橋なら電車よりも家族に迷惑をかけない…妹に会わないように工場の入り口に近い歩道橋で落ちよう…
「着いた…、本当にごめんね。夕凪大好きだよ。
私なりのケジメはつけるよ。」
下を見るとまるで暗闇の世界だ。これからの世界か…
「さようなら。この世界。」
私は暗闇に吸い込まれるように歩道橋から飛び降りた。
飛び降りると共に私は意識を失った
翠山夕涼
「………んぁ…ぁぁ。」
白露
「目が覚めた。無事⁇。」
翠山夕涼
私…私は、…‼︎…私って意識がある。暗い世界に行ってケジメをつけることはできなかった…
「ひぐ…ひく…うぁあぁあ…。」
「どうして私は生きてるの。あの時確かに歩道橋から飛び降りたはず…。どうして。どうしてなの…。なんで…なんで、私は生きているの…。」
白露
「大丈夫…⁇荷台に何かが落ちたと思ったら女の子だったんだもん。驚くよね。凄く大きな音がしたけど痛いところとかない⁇」
翠山夕涼
彼は心配した顔で私を見てきます。運悪く私を救っちゃった運転手です…
「ごめんなさい…上手く死ねませんでした…
責任もとれず…。」
白露
「………。ひとまず、落ち着いて…。ちょうどコーヒーを淹れたんだけど、一杯一緒に飲む?」
翠山夕涼
「あ、はい…。」
彼はブラックだけど私のには牛乳を入れてくれてる…優しい…
「ずず…あ、おいしい…。」
白露
「ちょっと整理したいんだけど君は死のうとして飛び降りたら自分の軽トラックの荷台に乗っちゃったと…。」
翠山夕涼
「はい…。」
白露
「ごめんね。今、ちょうど旅館に着いたところなんだ。今までずっと仕事してたんだけど、たまたま買った券が一等で死ぬまで秘密にしなきゃいけないのが無理だから家をすぐに出たんだ。」
「それで自分の兄と一緒に行った旅館を忘れられなくて一室だけ、無理言って買わせて貰って今に至るの。早口だったかもしれないけど理解できた?」
翠山夕涼
「私は死ねなかったのね…。」
白露
「一つ見てて聞きたいんだけど、足って動く⁇。荷台から下ろす時にお姫様抱っこしたんだけど、足の方に力が入ってないように見えたから。」
翠山夕涼
彼の言う通り足には全く力が入らなくなっていた。自ら死を選ぼうとしたバツなのか…苦しみを味わって長く生きていけと!受け入れられないよ…。これなら死んだ方がマシ…。
翠山夕涼
絶望感で私の感情は一杯だ。目の前が真っ白になり自然に横に倒れる感覚を感じた。
白露
「危ない‼︎。」
咄嗟に彼は近づき私を持ち上げた
翠山夕涼
足の感覚は失われているが、お姫様抱っこをされると一瞬で顔が赤くなり少し笑みが溢れる
白露
「お姫様抱っこの状態で悪いけど、一人旅中で荷物とか部屋に置きたいからこの状態でチェックインしていい?。」
翠山夕涼
私は恥ずかしさのあまり、やや下を向きながら軽く頷くのが精一杯だった。
受付を済ませると和を連想させるような木の道を進み部屋番号115番の襖の前で止まった。
白露
「ちょっとごめんね。」
彼はそういうと私をお姫様抱っこしながら身体をより近づけて足を支えているであろう右手を鍵に手を伸ばした
“ガチャ”
と、扉の開く音がした。
中に入ると彼は私をお姫様抱っこをしたまま靴を脱いで中に進んだ。
私はお姫様抱っこされたのは初めてで、ずっと自分の足を見ていた。
白露
「ソファに腰かけるね。大丈夫⁇。」
彼は疲れを感じさせないでソファまで私を運び座らせてくれた
恥ずかしさから解放された私は部屋を見渡し
「うぁ~‼︎凄い…。」
思ったことがそのまま言葉に出てしまい余計に恥ずかしさを感じた。
白露
「凄いでしょ‼︎自分と同じ考えの人に会えて嬉しいよ。お風呂は露天風呂になっていてそれが部屋の奥側にあるんだよ。しかもそこを区分けているのが壁とかレンガじゃなくてガラスだけなんだよ。凄く良くない⁇。」
彼の言葉からは楽しさや聞いてくれてることの嬉しさも伝わるような説明で苦笑いしてしまいました。「くす…。」
何か…何か忘れているような…‼︎‼︎
翠山夕涼
「私、女の子‼︎プライバシー‼︎恥ずかしい‼︎。」
白露
「自己紹介が凄く遅れたね。私の名前は白露彼方(はくろかなた)持ってる資格は旅行の計画を一緒に考えて、できないことをサポートして楽しんもらうことを支えるための資格を持ってるよ。」
翠山夕涼
「情報が多くて全部は分からなかったけど、私が恥ずかしいことには変わらないよね。」
白露
「俺の年齢は24歳。君18歳でしょ。ガキの身体に興味ないよ。」
翠山夕涼
「2度目の怒りだけど‼︎私18‼︎ガキじゃない‼︎」
白露
「ガキじゃなくても20歳になってないんだろ。現実的に世間でバレたら俺捕まるからな…。未成年の人と一緒ってだけで捕まるからな。」
翠山夕涼
「じゃあ、ポケットに入れてた私の貯金額をあなたにあげる。パスワードはそこに書いてる4桁だから好きに使って。これで私はお金を出してあなたを指名したってなって私が対象者であなたが私の保護者の関係になる。」
白露
「それをいうなら介護者みたいにいうかもしれないけど…。契約書とか手続きとかいろいろしないと、問題になりそう…。」
翠山夕涼
「大丈夫。いいこと思いついた。ちょっと、私を公衆電話のあるところに連れてってほしいのだけど。」
白露
「いいよ。お姫様抱っこは前が見えなくて怖いから背負う形でも大丈夫⁇。」
翠山夕涼
「ありがとう。私重くない⁇大丈夫⁇。」
白露
「それは健康診断的にBMI数字を調べてってこと?」
翠山夕涼
「違う‼︎私を持ち上げてみて重くない⁇って言ってるの‼︎。」
白露
「ははは、からかっても可愛いな。痩せすぎてないって言いたいくらいだよ。ちゃんと毎日、今日から食べようね。」
………私は恥ずかしさで一杯になった。
………………
「着いたよ。公衆電話。」
………………くう………くぅ………
「着いたよ夕涼。電話で何かするんじゃないの?。」
彼の背中は温かく長くしがみついていたかった私は「もう少しこの状態がいい…だめですか…。」と甘い声でねだってしまった。
白露
「じゃあ、スモーク設定にするね。」
翠山夕涼
「スモーク設定⁇。」
白露
「プライバシーをもっと強めるためにこの県ではじめに導入されたらしい。自分もはじめて使うけど、この方が恥ずかしさが軽減されるでしょ。」
翠山夕涼
「あ…ありがと…。」彼と一緒にいるとずっとドキドキしてばかり…不意にもっと彼に身体をより近づけた
白露
「お、おぉ…しっかりとつかまっていてね。小銭は俺が入れるから受話器を取れる⁇。」
翠山夕涼
「取れる………。」
「電話番号は………………………。」
翠山夕凪
「もしもし。どちら様ですか。」
翠山夕涼
「久しぶりだね。夕涼だよ…。覚えてる⁇。」
翠山夕凪
「お姉ちゃん‼︎どこにいるの‼︎大丈夫なの‼︎。帰ってきてよ。」
翠山夕涼
『心配されるって幸せだなぁ。あんなに夕凪に酷いことしたのに自分勝手だなぁ私…。」
『せめて、夕凪が心配しないように設定を作り上げなきゃ…。』
「お姉ちゃん昨日婚約したの。駆け落ちできたの。運命の人に会って私から婚約を申し込んで受け取ってくれたの。だから心配しないで。私は生きてるから心配しないでね。」
プチ………
………
白露
「電話切っちゃってよかったの。」
翠山夕涼
「あなたに出会えたことと生きてることを説明できればほかに伝えることはないよ。夕凪なら次に進めるはず。」
白露
「妹さんのことを分かっているんだね。」
翠山夕涼
「私も夕凪の出会いは学校でお互いに死のうとしてたけど、出会って生きることを選んだ。私が生きていると知ったなら自ら死のうとしないはず…。」
「私が婚約したなら夕凪も婚約を頑張ると思うの。私を追って今まで来たんだから。」
白露
「お姉ちゃんしっかりとしてるね。じゃあそれこそ生き続けなきゃいけないね。それに、設定として保護者と対象者だったのに婚約した設定に変わっちゃったね。」
翠山夕涼
「巻き込んでしまってすいません。妹の為ってなると気を張ってしまって…。」
白露
「いや、お姉ちゃんをしっかりとしていて偉いなとは思ったんだけど婚約ってなると世間的には20歳にならないと危なかったような…。どうしよう…って思って。」
翠山夕涼
「あれ…16じゃなかった⁇」
『あなたにも迷惑をかけずに考えた案だったけど、結婚できる年齢って上がったの?…」
白露
「昨日の移動中にお店のテレビのニュースで言ってたよ。」
翠山夕涼
「もしかして、昨日の夜に私が電話したいって言ったからずっと夜中に移動してたの?。」
『ここまで私に尽くす価値なんてないのに…。どうして…。』
白露
「移動してたけど大丈夫だよ。だって自分って夕涼の婚約者でしょ。夕涼のしたいことを支えるのがパートナーの役割だろ。それにそんなに尽くす価値がって言ってたけど夕涼がいてくれるから俺は1人で生活をしないで一緒にいれるパートナーを見つけられたんだからそんな悲しいことは言わないでくれ。俺がいるから。」
翠山夕涼
「ありがとう。」
私はなんて幸せなんだろう…私は白露さんと出会えて幸せだなぁ…。
スモーク設定のおかげで強く抱きついても恥ずかしさを感じることはなかった。
『私は心から白露さんを愛してます。
白露さんと婚約はできたけど、今すぐにでも結婚したいです。』
翠山夕涼
「白露さん、いや白露彼方さん。私と………
私と結婚してくれませんか。」
『結婚指輪の準備はできてないけど、白露さんが私以外の人と結婚してほしくない…彼から離れたくない…。』
年齢的に彼を困らせることはわかっているけど、それでも彼と離れたくない。私はいつの間にかそれほど彼のことを好きになっていたのだ。
白露彼方
「ずっと我慢してきたけど、行動で示させてくれ。」
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