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4章
32話「訪れた森にて運命の出会い」
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国境の街でエルフの一団から探されていたガイアとフェランド。2人は翌日ミリーアと共にエルフの一団の元に再度訪ねていた。
エルフのリーダーがガイア達を里がある森に招きたい、そう告げているのであった。その里には運命の者がいるとリーダーエルフは告げる。
「もしその里で仲間だと思われる者と出会えれば、俺達の事も何かしら知っているとは思うんだが……とりあえずは里に行くしかないだろう」
「俺達の事を受け入れてくれればいいんだけれど……。ミリーア、エルフの里って閉鎖的なのかな?」
「あまり外交的ではないのは確かよ。でも、このオルガスタン大陸を思う気持ちはどの種族よりも深いとは思うわ。だから、今回のアガルダとの戦いも自発的に戦う者達がいるというのは考えられない訳ではないもの」
「ガイア様、フェランド様、それでは一団の者達も準備が出来ましたので向かいましょう。ここから北に移動して深海の森と呼ばれる森の中を抜けます」
「深海の森……一度入ったら美しさのあまり出てこない連中が多いと噂の森だな」
「そんな森があるんだね。そこに里が?」
「いえ、あくまで入口に過ぎません。里はその深海の森の奥にある”安らぎの平原”から通った森にあります」
リーダーエルフが一団と共に国境の街を出て案内してくれるのをハイク達を手綱で引きながら、ガイアとフェランドは徒歩で同行する。暫く移動する事5日、目的地の深海の森に到着するとリーダーエルフ達の先導を受けてガイア達も中に入って行く。
森林の中に入ってまずフェランドが内部の美しさに感嘆の溜め息を漏らした。それにはミリーアも同じで、美しさに周囲から目を離せないでいる。
ガイアはそんな2人を優しくリードしてやりながら深海の森内部を進んでいく。噂に違わぬ美しい森であるのは頷けるが、今はこの美しさも邪魔なだけである。
「間もなく出口です。”安らぎの平原”に入ったらすぐですよ」
「あっという間の森だったな。少し名残惜しいけれど……でも、この森に里があると思ったのに無いんだね」
「まぁ、この森にあってもおかしくはないんだろうが……”賑やか”過ぎるんだろう」
「”賑やか”? え、何か騒いでいる存在とかあったっけ?」
「あの深海の森は美しい故に人々を引き寄せる。だから静寂を好むエルフには”賑やか”だと言えるだろ?」
ガイアの的確な説明にフェランドも納得して頷いてしまった。ミリーアはパタパタと飛びながらガイアの愛馬であるディークに降りて2人の会話を聞いている。
森を抜けて暫く歩いた時、目的のエルフの里がある”安らぎの平原”に入った。だが、里の入口とも言える場所が見当たらない。
ガイアとフェランドが周囲を見ているが誰も里があるとは思えない程の、平らな土地が広がっている光景しか見えない。だが、リーダーエルフがある横笛を取り出すとそれを吹き始める。
穏やかで何処か安らぎを覚える音色が平原に流れるが、どうして笛を吹くのか? その答えは少しして分かった。何も無かった平原に突如大きな門が出現してそこからエルフ達の姿が確認出来たのである。
「これは……」
「門が出た……これがエルフの里への門なのか。どうりで”安らぎの平原”と呼ばれる訳か」
「どういう事?」
「”安らぎの平原”、静寂を好むエルフ達はこの平原の安らぎと共に生きている。そう聞けばここに何かしらの方法で入口が出来てもおかしくはないだろ?」
「あぁ、そういう事か」
フェランドが納得した所でリーダーエルフが3人に門を通る様に促してくる。3人は促されるまま門を潜り、エルフの里へと入って行く。
中に入ってまず一言言えるとしたら「静か」だと言えるだろう。そこら中にエルフの姿が見えているがサワサワとしている雰囲気でもない。
フェランドは自分達を見ているエルフ達が少しして、姿を隠した事に首を傾げた。何か気に障る事を自分達はしただろうか? そんな事を考えていると現在いる場所の奥から数人のエルフ達が出てきた。
「ようこそおいでなさった。運命の子達よ」
「俺達の事を知っているって事は……ここに俺達の仲間がいるって事で間違いないか?」
「うむ。その者達に会わせてやりたいが、まずは食事を摂りなさい。腹が減っては冷静な判断は出来兼ねる。腹を満たし我々の話を聞いておくれ」
「確かに……ここ数日まともに食べてないからお腹空いたね」
「それじゃお言葉に甘えさせてくれ」
「彼らを広場の宴に招いてあげておくれ」
若いエルフ達にガイア達の案内を頼んだエルフはガイア達より先に歩いて広場に向かっていく。ガイア達も案内を受けてエルフの里の広場にて行われる宴へと参加する事となった。
会場になっている広場にはエルフだけの姿がある訳ではなかった。人狼……その種族もまた宴に参加しているのが見受けられた。
フェランドとミリーアは案内された席に着くと、すぐに若いエルフ達から飲み物を差し出されて受け取る。ガイアには幼い子供エルフ達が運んできた料理を受け取り礼を述べる
「まずはこの里に希望を担う運命の子達が訪れた事に感謝を告げ、そして、この里から運命の子達と共に希望を担う子達が出た事を祝福する事を喜ぶ宴である」
「こんにちは、運命の子達。僕はジェイド。ジェイド・リーク。君達と共に戦う神託を受けたエルフだよ」
「君の様な子供が神託を?」
「あはは、僕は見た目は子供だけれど年齢的に君達の数十倍は生きているよ。僕はハーフエルフでね。見た目と年齢は一致しないんだよ。それに僕はまだエルフの中では若輩者ではあるけれども、実力はあるよ」
「ジェイドって言ったな? この里にはまだ仲間がいるのか? 俺達と同じ運命の者達が」
「うん。人狼の双子が運命の神託を受けている。僕の幼馴染みではあるからそろそろ来ると思う。来たら連れて来る」
ジェイドと名乗る仲間だというエルフは銀色の髪を肩まで伸ばし、瞳は綺麗な緑色をしてて、右耳に3連のピアスをしているという若さのあるエルフだった。そのジェイドと暫く話していると宴の料理を運ぶ人狼がジェイドに声を掛ける。
どうやら先程話していた、幼馴染みで同じ神託を受けた人狼の双子が来たという知らせを聞いたらしい。ジェイドが一度ガイア達の前から辞するとガイアとフェランド、ミリーアは食事を堪能していく。
「お待たせ。この子達が運命の神託を受けた僕の幼馴染みの人狼の双子だよ。ルプス、ヴォルグ、彼らが運命の子のガイアとフェランド。そして、世界樹の妖精のミリーアだ」
「初めまして。ガイアだ」
「俺はフェランド。よろしく」
「ミリーアっていうわ。よろしくね」
「私はルプス。ルプス・ミーティア。ヴォルグの双子の姉」
「俺はヴォルグ。ルプス姉さんの双子の弟。よろしくな!」
「現段階でこの里に神託を受けていたのは僕達3人だけ。それ以外の神託者はいない筈だよ」
ガイアとフェランドの前に座ったルプス達はジェイドの説明を黙って聞いていた。ガイア達もジェイドの話には意識を向けている。
宴もジェイド達が揃った事で若いエルフ達からは希望を担う子達が揃ったと賑やかになり、年老いたエルフ達は静かにその賑やかさを肴にして飲んでいた。ジェイドは長老達の話を聞くべきだとガイアとフェランドに提案する。
「長老達に話を聞く事も今後の旅の中では大事な事だとは思うんだよ。それに君達はまだアガルダの狙いとかも分かっていないんじゃない?」
「まぁ、俺達は仲間を集めてこいって言われて旅をしてきているからアガルダの事を知らないんだよな。エルフ達の情報で何かしら分かるのであれば知りたいとは思うけれど」
「それとは別に俺は何故アガルダがマナを集めているのかが気になっている。まるで何かを集めているとしか考えられん。ジェイド、その長老達とは会う事が出来るのか?」
「出来るよ。そもそも長老達が君達運命の子達を探せってエルフの一団を外に出したのは、それが目的だからね」
「私達人狼の長も同じ様に考えていた。運命の子達と共にこのオルガスタン大陸を解放するって意味ではエルフの長老達と意見は合っていた」
「でも、俺や姉さんは外に出た事があまりないから迷惑掛けちまう事もあっかもしんねぇけれど。それでも良かったら一緒に行かせてくんねぇか?」
「俺達は歓迎するよ。この先アガルダの軍勢と戦うのに君達の力は心強い」
フェランドがヴォルグに右手を差し出すとヴォルグも嬉しそうに右手を差し出して握り締める。男同士は友情が芽生えやすいが姉のルプスはどうなんだろうかとフェランドはチラッとルプスを見てみる。
ルプスは果物の皮をナイフで剥きながら、ヴォルグの嬉しそうな顔を優しい瞳で見つめているのがフェランドには印象的であった。ガイアが剥いてもらった果物を受け取るとルプスに問い掛けてみる。
「ルプスは外の世界を見るのが怖いとかないのか? 人狼って言えば人間社会に出る者と出ない者で分かれているだろう?」
「私は怖いとかはないけれど、人間社会には興味がある。出来たら社会勉強をしてみたいとは思っている」
「そうなのか。……レジェースに来てみるか?」
「レジェース? それはどんな場所?」
「レジェースは騎士の組織だ。まぁ、一般人向けに色々な講義とかも開講しているからそれを受けて社会勉強にするのもいいんじゃないかって提案だ」
「それはいいと思う。私でも受けれる?」
「それは問題ない。ドワーフだったり、ケンタウロスだろうが平等に講義を受けれる様にしているからな。なんなら俺達の話で良かったら少しは話せる」
ガイアとルプスがそんな会話をしていればジェイドもそんな双子の反応に嬉しそうにしている。ジェイドとフェランドはある程度込み入っている話もしているがまるでジェイドはこの運命に関してはあまり悲観的な方ではないとフェランドは感じ取っていた。
こうして運命を共にする仲間との運命の出会いを果たしたガイアとフェランド。そして、ジェイドの導きでエルフの長老達からこの暗黒期の真実を聞く事になるのだが……その真実にフェランドの運命を知る事になるとはまだ露にも知らない――――。
エルフのリーダーがガイア達を里がある森に招きたい、そう告げているのであった。その里には運命の者がいるとリーダーエルフは告げる。
「もしその里で仲間だと思われる者と出会えれば、俺達の事も何かしら知っているとは思うんだが……とりあえずは里に行くしかないだろう」
「俺達の事を受け入れてくれればいいんだけれど……。ミリーア、エルフの里って閉鎖的なのかな?」
「あまり外交的ではないのは確かよ。でも、このオルガスタン大陸を思う気持ちはどの種族よりも深いとは思うわ。だから、今回のアガルダとの戦いも自発的に戦う者達がいるというのは考えられない訳ではないもの」
「ガイア様、フェランド様、それでは一団の者達も準備が出来ましたので向かいましょう。ここから北に移動して深海の森と呼ばれる森の中を抜けます」
「深海の森……一度入ったら美しさのあまり出てこない連中が多いと噂の森だな」
「そんな森があるんだね。そこに里が?」
「いえ、あくまで入口に過ぎません。里はその深海の森の奥にある”安らぎの平原”から通った森にあります」
リーダーエルフが一団と共に国境の街を出て案内してくれるのをハイク達を手綱で引きながら、ガイアとフェランドは徒歩で同行する。暫く移動する事5日、目的地の深海の森に到着するとリーダーエルフ達の先導を受けてガイア達も中に入って行く。
森林の中に入ってまずフェランドが内部の美しさに感嘆の溜め息を漏らした。それにはミリーアも同じで、美しさに周囲から目を離せないでいる。
ガイアはそんな2人を優しくリードしてやりながら深海の森内部を進んでいく。噂に違わぬ美しい森であるのは頷けるが、今はこの美しさも邪魔なだけである。
「間もなく出口です。”安らぎの平原”に入ったらすぐですよ」
「あっという間の森だったな。少し名残惜しいけれど……でも、この森に里があると思ったのに無いんだね」
「まぁ、この森にあってもおかしくはないんだろうが……”賑やか”過ぎるんだろう」
「”賑やか”? え、何か騒いでいる存在とかあったっけ?」
「あの深海の森は美しい故に人々を引き寄せる。だから静寂を好むエルフには”賑やか”だと言えるだろ?」
ガイアの的確な説明にフェランドも納得して頷いてしまった。ミリーアはパタパタと飛びながらガイアの愛馬であるディークに降りて2人の会話を聞いている。
森を抜けて暫く歩いた時、目的のエルフの里がある”安らぎの平原”に入った。だが、里の入口とも言える場所が見当たらない。
ガイアとフェランドが周囲を見ているが誰も里があるとは思えない程の、平らな土地が広がっている光景しか見えない。だが、リーダーエルフがある横笛を取り出すとそれを吹き始める。
穏やかで何処か安らぎを覚える音色が平原に流れるが、どうして笛を吹くのか? その答えは少しして分かった。何も無かった平原に突如大きな門が出現してそこからエルフ達の姿が確認出来たのである。
「これは……」
「門が出た……これがエルフの里への門なのか。どうりで”安らぎの平原”と呼ばれる訳か」
「どういう事?」
「”安らぎの平原”、静寂を好むエルフ達はこの平原の安らぎと共に生きている。そう聞けばここに何かしらの方法で入口が出来てもおかしくはないだろ?」
「あぁ、そういう事か」
フェランドが納得した所でリーダーエルフが3人に門を通る様に促してくる。3人は促されるまま門を潜り、エルフの里へと入って行く。
中に入ってまず一言言えるとしたら「静か」だと言えるだろう。そこら中にエルフの姿が見えているがサワサワとしている雰囲気でもない。
フェランドは自分達を見ているエルフ達が少しして、姿を隠した事に首を傾げた。何か気に障る事を自分達はしただろうか? そんな事を考えていると現在いる場所の奥から数人のエルフ達が出てきた。
「ようこそおいでなさった。運命の子達よ」
「俺達の事を知っているって事は……ここに俺達の仲間がいるって事で間違いないか?」
「うむ。その者達に会わせてやりたいが、まずは食事を摂りなさい。腹が減っては冷静な判断は出来兼ねる。腹を満たし我々の話を聞いておくれ」
「確かに……ここ数日まともに食べてないからお腹空いたね」
「それじゃお言葉に甘えさせてくれ」
「彼らを広場の宴に招いてあげておくれ」
若いエルフ達にガイア達の案内を頼んだエルフはガイア達より先に歩いて広場に向かっていく。ガイア達も案内を受けてエルフの里の広場にて行われる宴へと参加する事となった。
会場になっている広場にはエルフだけの姿がある訳ではなかった。人狼……その種族もまた宴に参加しているのが見受けられた。
フェランドとミリーアは案内された席に着くと、すぐに若いエルフ達から飲み物を差し出されて受け取る。ガイアには幼い子供エルフ達が運んできた料理を受け取り礼を述べる
「まずはこの里に希望を担う運命の子達が訪れた事に感謝を告げ、そして、この里から運命の子達と共に希望を担う子達が出た事を祝福する事を喜ぶ宴である」
「こんにちは、運命の子達。僕はジェイド。ジェイド・リーク。君達と共に戦う神託を受けたエルフだよ」
「君の様な子供が神託を?」
「あはは、僕は見た目は子供だけれど年齢的に君達の数十倍は生きているよ。僕はハーフエルフでね。見た目と年齢は一致しないんだよ。それに僕はまだエルフの中では若輩者ではあるけれども、実力はあるよ」
「ジェイドって言ったな? この里にはまだ仲間がいるのか? 俺達と同じ運命の者達が」
「うん。人狼の双子が運命の神託を受けている。僕の幼馴染みではあるからそろそろ来ると思う。来たら連れて来る」
ジェイドと名乗る仲間だというエルフは銀色の髪を肩まで伸ばし、瞳は綺麗な緑色をしてて、右耳に3連のピアスをしているという若さのあるエルフだった。そのジェイドと暫く話していると宴の料理を運ぶ人狼がジェイドに声を掛ける。
どうやら先程話していた、幼馴染みで同じ神託を受けた人狼の双子が来たという知らせを聞いたらしい。ジェイドが一度ガイア達の前から辞するとガイアとフェランド、ミリーアは食事を堪能していく。
「お待たせ。この子達が運命の神託を受けた僕の幼馴染みの人狼の双子だよ。ルプス、ヴォルグ、彼らが運命の子のガイアとフェランド。そして、世界樹の妖精のミリーアだ」
「初めまして。ガイアだ」
「俺はフェランド。よろしく」
「ミリーアっていうわ。よろしくね」
「私はルプス。ルプス・ミーティア。ヴォルグの双子の姉」
「俺はヴォルグ。ルプス姉さんの双子の弟。よろしくな!」
「現段階でこの里に神託を受けていたのは僕達3人だけ。それ以外の神託者はいない筈だよ」
ガイアとフェランドの前に座ったルプス達はジェイドの説明を黙って聞いていた。ガイア達もジェイドの話には意識を向けている。
宴もジェイド達が揃った事で若いエルフ達からは希望を担う子達が揃ったと賑やかになり、年老いたエルフ達は静かにその賑やかさを肴にして飲んでいた。ジェイドは長老達の話を聞くべきだとガイアとフェランドに提案する。
「長老達に話を聞く事も今後の旅の中では大事な事だとは思うんだよ。それに君達はまだアガルダの狙いとかも分かっていないんじゃない?」
「まぁ、俺達は仲間を集めてこいって言われて旅をしてきているからアガルダの事を知らないんだよな。エルフ達の情報で何かしら分かるのであれば知りたいとは思うけれど」
「それとは別に俺は何故アガルダがマナを集めているのかが気になっている。まるで何かを集めているとしか考えられん。ジェイド、その長老達とは会う事が出来るのか?」
「出来るよ。そもそも長老達が君達運命の子達を探せってエルフの一団を外に出したのは、それが目的だからね」
「私達人狼の長も同じ様に考えていた。運命の子達と共にこのオルガスタン大陸を解放するって意味ではエルフの長老達と意見は合っていた」
「でも、俺や姉さんは外に出た事があまりないから迷惑掛けちまう事もあっかもしんねぇけれど。それでも良かったら一緒に行かせてくんねぇか?」
「俺達は歓迎するよ。この先アガルダの軍勢と戦うのに君達の力は心強い」
フェランドがヴォルグに右手を差し出すとヴォルグも嬉しそうに右手を差し出して握り締める。男同士は友情が芽生えやすいが姉のルプスはどうなんだろうかとフェランドはチラッとルプスを見てみる。
ルプスは果物の皮をナイフで剥きながら、ヴォルグの嬉しそうな顔を優しい瞳で見つめているのがフェランドには印象的であった。ガイアが剥いてもらった果物を受け取るとルプスに問い掛けてみる。
「ルプスは外の世界を見るのが怖いとかないのか? 人狼って言えば人間社会に出る者と出ない者で分かれているだろう?」
「私は怖いとかはないけれど、人間社会には興味がある。出来たら社会勉強をしてみたいとは思っている」
「そうなのか。……レジェースに来てみるか?」
「レジェース? それはどんな場所?」
「レジェースは騎士の組織だ。まぁ、一般人向けに色々な講義とかも開講しているからそれを受けて社会勉強にするのもいいんじゃないかって提案だ」
「それはいいと思う。私でも受けれる?」
「それは問題ない。ドワーフだったり、ケンタウロスだろうが平等に講義を受けれる様にしているからな。なんなら俺達の話で良かったら少しは話せる」
ガイアとルプスがそんな会話をしていればジェイドもそんな双子の反応に嬉しそうにしている。ジェイドとフェランドはある程度込み入っている話もしているがまるでジェイドはこの運命に関してはあまり悲観的な方ではないとフェランドは感じ取っていた。
こうして運命を共にする仲間との運命の出会いを果たしたガイアとフェランド。そして、ジェイドの導きでエルフの長老達からこの暗黒期の真実を聞く事になるのだが……その真実にフェランドの運命を知る事になるとはまだ露にも知らない――――。
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