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5章
36話「世界樹の声が心を守るというのであれば」
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ミリーアを連れてルプス達の待つ部屋に移動するとミリーアはフヨフヨとフェランドの手から離れて机の上に降り立つ。そして、世界樹の現状を話してくれた。
妖精達に聴こえていた声は小さく、そして、儚いものになった事。こちらから呼び掛けないと反応を示さなくなった事。
どちらも今までに無かった事で妖精達もどうしたらいいのかと不安になっている事を、ミリーアは5人に教えてくれた。ヴォルグとフェランドは頭を傾げ、ルプスとガイアは腕を組んで考え込み、ジェイドはミリーアに今の状態になったトリガーに心当たりはないかと聞いているがミリーアにも考えられるトリガーはないという。
「今までこんな事は無かったの。それが突如だから私も理由も原因も分からなくて……最後に世界樹から聞いた言葉にもそんな前触れは無かった様に思えるわ」
「最後に聞いた世界樹の言葉ってどんなの? 僕達にも教えてくれない?」
「ジェイドなら何か分かるかも知れない。エルフと世界樹は深い絆があると言うから」
「それにガイアとフェランドにだって聞いてもらう方がいいと俺は思うんだよな。2人は世界樹の加護を受けているんだろう? 何か手掛かりがあるかも知れないからさ」
ヴォルグの言葉にジェイドも頷く。そしてミリーアの頭を優しく指先で撫でて静かに促してみる。
ミリーアもこの仲間達の言葉に従って世界樹の言葉を口にしてみようと考える。そして、ミリーアが最後に聞いた言葉を話し始める。
「世界樹はこう告げていたわ。『間もなくアガルダの元に大きな存在が舞い落される。それが本来の覚醒をした時、私の力はこのオルガスタン大陸から消え失せてしまうでしょう。ですが、希望の者達には私の声が届く筈です。希望の者達の心を私は最後の瞬間まで守り通してみせます』……って」
「世界樹はアガルダの元に何か大きな存在が来る事を示唆した。そして、それのせいで自分の力が無くなる事を伝えている……。どう思うジェイド?」
「まず世界樹は自分の最後の力を僕達に与えようとしているんだとは分かる。でも、完全に消えてしまう訳ではないと思うんだよね。あくまでエルフの立場から言える意見なんだけれども」
ジェイドは過去の長老から聞いた事例を思い出す。過去のアガルダがオルガスタン大陸を支配していた頃にも世界樹は一時的に力を加護を与えるという形で、力の制御をしていた事があると聞いた事があるからだ。そして、世界樹は常に加護を与えている者達の心に寄り添って力を使い、同時に加護を与えている希望の者達に世界樹の力は最大に与えられるとも聞いている。
ミリーアはジェイドの言葉に戸惑いを覚えている様ではあった。そこにフェランドが言いにくそうに言葉を告げる。
「あのさ……俺には世界樹かは分からないけれど聴こえているんだ、不思議な声っていうか念というか」
「それは俺も同じだ。俺とフェランドに何かしら聴こえているのであればそれこそが世界樹の答え、というべきなのかもしれないが」
「2人に聴こえているのであればそれが世界樹の声だと言えるのかも知れない。ミリーアちゃん、世界樹は妖精達には声は届けないけれど加護を与えているフェランド達には届くという事は考えられる?」
「うん、普通に考えられると思う。私達はあくまで世界樹の声を届けるだけの立場でもあるから、それが必要ないのであれば私達には声を届ける事はなくなるとは思う」
ミリーアはどこか寂しそうな表情を浮かべながらも、必死に自分の役割を探そうとしているのも伺えた。それはそれでフェランドやガイアには昔の自分に重ねてしまう部分もあって、懐かしいとさえ感じてしまう。
そして、世界樹の言葉を聞けない妖精達の末路にもミリーアは触れていく。その末路にフェランド達も息を飲む。
「世界樹の力を受け取れない妖精達にはあまり時間は残されてない。世界樹の力を身体の維持に使っている妖精一族は世界樹の力がなければこの世界で生きていく事は不可能なの」
「それじゃ……」
「ミリーアの身体も消える、って事か……」
「そんなの悲しいよね。なんとか方法がないか長老に聞いてみる」
「私も人狼の学者達に聞いてみる」
「諦めんなミリーア! お前だって消えたくないだろ!」
「でも、私のせいで皆の足を止める事はしたくない。だから……その時は笑顔でお別れしましょ?」
ミリーアの言葉に全員が言葉を飲み込む。ミリーアも覚悟をしている事に引き止めれるだけの言葉を誰一人持ち合わせてないのである。
そして、食事を摂り旅立つ準備を始めていると学者だと思われるエルフの来訪を受ける。ジェイドが学者に渡される本を受け取り、中身を確認している間にルプスが学者にお茶を用意して出してくれていた。
ヴォルグとフェランドは壁際の椅子に、ガイアとジェイドは学者の向かい側に、ルプスはキッチンに立ったままで話を聞く体勢になる。学者はある文献を調べていたという前置きをして話を切り出す。
「世界樹の様子は僕達にも伝わっている。そこで過去の文献を調べていた時に発見したのだけれども。過去の世界樹の同じ状態になった際のその時のオルガスタン大陸とアガルダの行動に関して残されていた」
「アガルダの行動にも変化があった、って事だね」
「それとオルガスタン大陸の動き、ってのも気にはなるな」
「まずオルガスタン大陸ではあるマナの動きが活発化して、オルガスタン大陸の全体に広がりを見せている。その結果、失われていたマナの土地にもマナが戻り始めてオルガスタン大陸の全体が活気づく事が確認されているよ」
学者の言葉にフェランドとヴォルグが分かったのは、失われたマナが戻ってくる事と、それによってオルガスタン大陸の全体が元気になっていくって事だと。それがどんな意味を持つのかはまだ理解出来ていないが。
ルプスが学者が話した内容を自分なりに考えているとジェイドが腕を組んで考え込む。だが、ガイアには学者が言いたい事がハッキリと手に取る様に分かってしまう。
「つまり、オルガスタン大陸の全体が活性化するとそれだけアガルダの元に流れるマナの量が増える、って事だよな?」
「そうなんだ。そうなればアガルダが復活を目論んでいる破壊神「バルシス」の復活は達成されるのも時間の問題、って事になる。そして、この状態の時のアガルダは必ずマナの地脈にある手段を使っている。……マナの地脈に自分の魔力を流し込んで意のままに操る様にしてマナの力を自分の身体に取り込む事が分かっているよ」
「そうなったらアガルダに魔力の枯渇は望めないって事か。そうなっちまったらかなり厄介ではあるな」
「それだけなじゃない。倒せればいいけれど封じなきゃいけない場合は、その魔力が邪魔をして封じれない可能性も出てくる。結果としては倒せれば問題はないんだけれどさ」
ジェイドとガイアの言葉でルプスも同じ様に頷く。ヴォルグも気合いが入っているのが分かる程に握り拳を作りうずうずしているが、フェランドだけは冷静にある事実を考えていた。
過去にもアガルダはこのオルガスタン大陸を支配している。だが、それを阻止してきた人間達や種族達がいたのは分かった。
だが、どうして”封じた”のだろうか? とフェランドは考える。倒せば2度とこのオルガスタン大陸を支配される事も無かった筈であると考えたのだ。
「どうしてアガルダを過去の勇者達は倒さなかったの?」
「え?」
「そりゃ、倒せなかったからだろ?」
「だって、世界樹の力・仲間の力・マナの聖樹の力……それぞれがあっても倒せないっておかしいんじゃないか? 俺達だってそうなら倒せないで”封印”する事しか出来ないんじゃないの?」
「「「「……」」」」
フェランドの言葉に全員が黙り込んでしまう。そうなのだ、フェランドの言い分は一番に通ってしまう正論でもあるのだ。
学者のエルフが先程ジェイドに渡した本を指差してジェイドに開かせる。そこにはアガルダの倒せない理由がいくつかが記されていた。
「過去のアガルダが倒されなかった理由の一番に多いのは……その体内に集めたマナの威力が大き過ぎて倒すまでに至れなかった事に尽きる。そして、封印する事で数百年の時が平和になって過ごせる事を優先した過去の勇者達でさえも、アガルダの魔力には命と惹き替えても倒せなかった程だとも記されている」
「つまり、マナの力をどうにかしなきゃアガルダは倒せない。そういう事だよね?」
「簡単に言うが、このオルガスタン大陸からマナを消し去るなんて出来ないだろう。マナがあって始めてこのオルガスタン大陸は生きていると言える大地でもある」
「不可能ではないわ」
そこに上がったのはミリーアの一声。ガイアとジェイドが不思議そうにミリーアを見つめるとミリーアは背中の羽根を小さく揺らしてある方法を話す。
「オルガスタン大陸からマナを消し去る事は完璧ではないけれど、一時的ならば可能よ。その為にもマナの聖樹が必要になるのだけれども」
「恐らく、妖精さんが言っているのはマナの聖樹にマナの元を吸わせるって事だろうね」
「マナの元?」
「マナは大陸中を走るいわば根っこ。その根を纏めているのが世界樹。世界樹の元に行けばマナを一時的でもオルガスタン大陸からマナを消し去る事は可能なのよ」
「世界樹の元に行くって……世界樹はこの大陸じゃない別世界にいるって噂だけれど?」
ジェイドの言葉にミリーアは微笑みを浮かべてある枝を取り出す。それは学者のエルフには馴染みあるのか微笑みを浮かべて見つめていた。
そして、ミリーアの手から取り出された枝で向かう事が出来ると知らされるフェランド達は色々と話し合ってから世界樹の元に行く事を決めて、椅子から立ち上がる。これが後のフェランド達の運命を大きく動かし、そして、変えて行く事になるとはこの時点ではまだ誰も知らないのであった。
世界樹の声が心を守る、そう言われてもフェランドとガイアにはどうしても気に掛かる部分があった事もあって、世界樹の元に行くという事が出来るのであればそこで問い掛ければいい。そう、2人はこの時までそう思っていた――――。
妖精達に聴こえていた声は小さく、そして、儚いものになった事。こちらから呼び掛けないと反応を示さなくなった事。
どちらも今までに無かった事で妖精達もどうしたらいいのかと不安になっている事を、ミリーアは5人に教えてくれた。ヴォルグとフェランドは頭を傾げ、ルプスとガイアは腕を組んで考え込み、ジェイドはミリーアに今の状態になったトリガーに心当たりはないかと聞いているがミリーアにも考えられるトリガーはないという。
「今までこんな事は無かったの。それが突如だから私も理由も原因も分からなくて……最後に世界樹から聞いた言葉にもそんな前触れは無かった様に思えるわ」
「最後に聞いた世界樹の言葉ってどんなの? 僕達にも教えてくれない?」
「ジェイドなら何か分かるかも知れない。エルフと世界樹は深い絆があると言うから」
「それにガイアとフェランドにだって聞いてもらう方がいいと俺は思うんだよな。2人は世界樹の加護を受けているんだろう? 何か手掛かりがあるかも知れないからさ」
ヴォルグの言葉にジェイドも頷く。そしてミリーアの頭を優しく指先で撫でて静かに促してみる。
ミリーアもこの仲間達の言葉に従って世界樹の言葉を口にしてみようと考える。そして、ミリーアが最後に聞いた言葉を話し始める。
「世界樹はこう告げていたわ。『間もなくアガルダの元に大きな存在が舞い落される。それが本来の覚醒をした時、私の力はこのオルガスタン大陸から消え失せてしまうでしょう。ですが、希望の者達には私の声が届く筈です。希望の者達の心を私は最後の瞬間まで守り通してみせます』……って」
「世界樹はアガルダの元に何か大きな存在が来る事を示唆した。そして、それのせいで自分の力が無くなる事を伝えている……。どう思うジェイド?」
「まず世界樹は自分の最後の力を僕達に与えようとしているんだとは分かる。でも、完全に消えてしまう訳ではないと思うんだよね。あくまでエルフの立場から言える意見なんだけれども」
ジェイドは過去の長老から聞いた事例を思い出す。過去のアガルダがオルガスタン大陸を支配していた頃にも世界樹は一時的に力を加護を与えるという形で、力の制御をしていた事があると聞いた事があるからだ。そして、世界樹は常に加護を与えている者達の心に寄り添って力を使い、同時に加護を与えている希望の者達に世界樹の力は最大に与えられるとも聞いている。
ミリーアはジェイドの言葉に戸惑いを覚えている様ではあった。そこにフェランドが言いにくそうに言葉を告げる。
「あのさ……俺には世界樹かは分からないけれど聴こえているんだ、不思議な声っていうか念というか」
「それは俺も同じだ。俺とフェランドに何かしら聴こえているのであればそれこそが世界樹の答え、というべきなのかもしれないが」
「2人に聴こえているのであればそれが世界樹の声だと言えるのかも知れない。ミリーアちゃん、世界樹は妖精達には声は届けないけれど加護を与えているフェランド達には届くという事は考えられる?」
「うん、普通に考えられると思う。私達はあくまで世界樹の声を届けるだけの立場でもあるから、それが必要ないのであれば私達には声を届ける事はなくなるとは思う」
ミリーアはどこか寂しそうな表情を浮かべながらも、必死に自分の役割を探そうとしているのも伺えた。それはそれでフェランドやガイアには昔の自分に重ねてしまう部分もあって、懐かしいとさえ感じてしまう。
そして、世界樹の言葉を聞けない妖精達の末路にもミリーアは触れていく。その末路にフェランド達も息を飲む。
「世界樹の力を受け取れない妖精達にはあまり時間は残されてない。世界樹の力を身体の維持に使っている妖精一族は世界樹の力がなければこの世界で生きていく事は不可能なの」
「それじゃ……」
「ミリーアの身体も消える、って事か……」
「そんなの悲しいよね。なんとか方法がないか長老に聞いてみる」
「私も人狼の学者達に聞いてみる」
「諦めんなミリーア! お前だって消えたくないだろ!」
「でも、私のせいで皆の足を止める事はしたくない。だから……その時は笑顔でお別れしましょ?」
ミリーアの言葉に全員が言葉を飲み込む。ミリーアも覚悟をしている事に引き止めれるだけの言葉を誰一人持ち合わせてないのである。
そして、食事を摂り旅立つ準備を始めていると学者だと思われるエルフの来訪を受ける。ジェイドが学者に渡される本を受け取り、中身を確認している間にルプスが学者にお茶を用意して出してくれていた。
ヴォルグとフェランドは壁際の椅子に、ガイアとジェイドは学者の向かい側に、ルプスはキッチンに立ったままで話を聞く体勢になる。学者はある文献を調べていたという前置きをして話を切り出す。
「世界樹の様子は僕達にも伝わっている。そこで過去の文献を調べていた時に発見したのだけれども。過去の世界樹の同じ状態になった際のその時のオルガスタン大陸とアガルダの行動に関して残されていた」
「アガルダの行動にも変化があった、って事だね」
「それとオルガスタン大陸の動き、ってのも気にはなるな」
「まずオルガスタン大陸ではあるマナの動きが活発化して、オルガスタン大陸の全体に広がりを見せている。その結果、失われていたマナの土地にもマナが戻り始めてオルガスタン大陸の全体が活気づく事が確認されているよ」
学者の言葉にフェランドとヴォルグが分かったのは、失われたマナが戻ってくる事と、それによってオルガスタン大陸の全体が元気になっていくって事だと。それがどんな意味を持つのかはまだ理解出来ていないが。
ルプスが学者が話した内容を自分なりに考えているとジェイドが腕を組んで考え込む。だが、ガイアには学者が言いたい事がハッキリと手に取る様に分かってしまう。
「つまり、オルガスタン大陸の全体が活性化するとそれだけアガルダの元に流れるマナの量が増える、って事だよな?」
「そうなんだ。そうなればアガルダが復活を目論んでいる破壊神「バルシス」の復活は達成されるのも時間の問題、って事になる。そして、この状態の時のアガルダは必ずマナの地脈にある手段を使っている。……マナの地脈に自分の魔力を流し込んで意のままに操る様にしてマナの力を自分の身体に取り込む事が分かっているよ」
「そうなったらアガルダに魔力の枯渇は望めないって事か。そうなっちまったらかなり厄介ではあるな」
「それだけなじゃない。倒せればいいけれど封じなきゃいけない場合は、その魔力が邪魔をして封じれない可能性も出てくる。結果としては倒せれば問題はないんだけれどさ」
ジェイドとガイアの言葉でルプスも同じ様に頷く。ヴォルグも気合いが入っているのが分かる程に握り拳を作りうずうずしているが、フェランドだけは冷静にある事実を考えていた。
過去にもアガルダはこのオルガスタン大陸を支配している。だが、それを阻止してきた人間達や種族達がいたのは分かった。
だが、どうして”封じた”のだろうか? とフェランドは考える。倒せば2度とこのオルガスタン大陸を支配される事も無かった筈であると考えたのだ。
「どうしてアガルダを過去の勇者達は倒さなかったの?」
「え?」
「そりゃ、倒せなかったからだろ?」
「だって、世界樹の力・仲間の力・マナの聖樹の力……それぞれがあっても倒せないっておかしいんじゃないか? 俺達だってそうなら倒せないで”封印”する事しか出来ないんじゃないの?」
「「「「……」」」」
フェランドの言葉に全員が黙り込んでしまう。そうなのだ、フェランドの言い分は一番に通ってしまう正論でもあるのだ。
学者のエルフが先程ジェイドに渡した本を指差してジェイドに開かせる。そこにはアガルダの倒せない理由がいくつかが記されていた。
「過去のアガルダが倒されなかった理由の一番に多いのは……その体内に集めたマナの威力が大き過ぎて倒すまでに至れなかった事に尽きる。そして、封印する事で数百年の時が平和になって過ごせる事を優先した過去の勇者達でさえも、アガルダの魔力には命と惹き替えても倒せなかった程だとも記されている」
「つまり、マナの力をどうにかしなきゃアガルダは倒せない。そういう事だよね?」
「簡単に言うが、このオルガスタン大陸からマナを消し去るなんて出来ないだろう。マナがあって始めてこのオルガスタン大陸は生きていると言える大地でもある」
「不可能ではないわ」
そこに上がったのはミリーアの一声。ガイアとジェイドが不思議そうにミリーアを見つめるとミリーアは背中の羽根を小さく揺らしてある方法を話す。
「オルガスタン大陸からマナを消し去る事は完璧ではないけれど、一時的ならば可能よ。その為にもマナの聖樹が必要になるのだけれども」
「恐らく、妖精さんが言っているのはマナの聖樹にマナの元を吸わせるって事だろうね」
「マナの元?」
「マナは大陸中を走るいわば根っこ。その根を纏めているのが世界樹。世界樹の元に行けばマナを一時的でもオルガスタン大陸からマナを消し去る事は可能なのよ」
「世界樹の元に行くって……世界樹はこの大陸じゃない別世界にいるって噂だけれど?」
ジェイドの言葉にミリーアは微笑みを浮かべてある枝を取り出す。それは学者のエルフには馴染みあるのか微笑みを浮かべて見つめていた。
そして、ミリーアの手から取り出された枝で向かう事が出来ると知らされるフェランド達は色々と話し合ってから世界樹の元に行く事を決めて、椅子から立ち上がる。これが後のフェランド達の運命を大きく動かし、そして、変えて行く事になるとはこの時点ではまだ誰も知らないのであった。
世界樹の声が心を守る、そう言われてもフェランドとガイアにはどうしても気に掛かる部分があった事もあって、世界樹の元に行くという事が出来るのであればそこで問い掛ければいい。そう、2人はこの時までそう思っていた――――。
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