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6章
44話「おぞましい闇の力と強さ」
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「フェランド!」
「ガイア!」
ジェイドがフェランドの存在を察知したお陰で逃げ出してきたフェランドの元にはガイアとヴォルグが駆け付けていた。ジェイドからフェランド脱出の報を聞いたアベルゾもすぐに保護する為の動きを見せてくれていた。
無事にアガルダの手から逃げ出してアベルゾ達の元に戻ってきたフェランドは、一緒に逃げ出してきたオジナル第2王女のオベリウスの事をアベルゾに託すとガイアの腕の中に包まれていた。ガイアもフェランドの身体を抱き締めているがその行為には理由があった。
フェランドの身体にはまだ闇の力の残り香が強く残っていたのである。それとは別に生きる為とは言えガイア以外の男達に抱かれていた事もあって、ガイアの腕に収まるのを怖がったフェランドを落ち着かせる為でもあった。
「大丈夫だ、大丈夫だから……」
「でも、俺は……」
「生きててくれりゃいい。生きてりゃ傷はいつかは癒える」
「ん……ガイア、俺諦めきれなかった……ガイアの事を信じていたから」
「あぁ、俺もフェランドを信じていたよ。きっと諦めないで俺の元に帰ってくるって」
フェランドの黒い髪の毛に口付けを落としながら優しく抱き締めてくれるガイアの腕に包まれて、フェランドは本当の意味で解放されたのだと感じる。あの地獄のようなオジナルでの暮らしは死ぬ程に苦しかった。
ガイア以外の男、それも人間ではない魔族達の性処理道具にさせられて、生きるには相手をする以外に方法は無くて。そして、アガルダの元にいるという事は世界樹の力も弱くなるって事でもあった。
ガイアの腕に包まれている事で世界樹の力を強く感じる。愛するガイアの腕の中なのもあるが、ガイアも世界樹の加護を受けているから強く反応を示しているのだろうと思われる。
ルプスがオベリウスの世話をしている間に、ジェイドとヴォルグは追手の処理を担当していた。ヴォルグはフェランドが戻ってきた事で溜まっていた鬱憤を発散させるかの様に追手に容赦ない攻撃を仕掛けている。
ジェイドがそんなヴォルグをサポートしながら闇の力が一層深まった事に気付いた。まるで準備は整った、と言わないばかりの濃さである。
「もしかして……キーは……」
「どうしたジェイド?」
「ヴォルグ、まだオジナルの王城からは遠いのにこんなに闇の力を感じるなんてどう思う?」
「そういう事か。なんか殺気を感じると思っていたら闇の力が近いんだな。どうりでピリピリすると思ったわ」
「もしかしたらアガルダはわざとフェランドを逃がしたんじゃ……」
「あん? なんでそんな事をする必要があるんだ? フェランドは破壊竜「バルシス」復活の鍵なんだろう?」
「あくまで表面上はフェランドだったと思わせてしまえば僕達の意識はフェランドに向けられる……。あの一緒に逃げてきた女性……ルプスとアベルゾが危ない!」
「なっ! 姉さん!!」
ジェイドとヴォルグが急いで本陣に戻り始めた頃。アベルゾとルプスの身体は闇の鎖に囚われて渦の中に飲み込まれつつあった。
そう、オベリウスの姿は偽りであり、その正体は姉であるヴェレネットであった。オベリウスと瓜二つのヴェレネットがオベリウスの様に振る舞いフェランドをわざとこの場所に逃がしてこのタイミングを狙っていたのである。
テントから徐々に渦が広がり本陣全体を飲み込み始める。アベルゾもルプスも既に顔まで飲み込まれて消えてしまった。
「ふふっ、これでアガルダ様のご計画の一部が完成した。あとはあのフェランドという御子とその相棒と仲間達をお招きするだけね」
「ヴェレネット様」
「どうしたの?」
「アガルダ様よりお戻りになる様にとのご命令が。すぐに王城にお戻り下さい」
「分かりました。それじゃ後はお願いします」
「はい」
魔族の部下に言われてテントの外に出たヴェレネットは魔鳥に乗って王城へ戻って行く。その魔鳥を見上げていたジェイドが矢を放つが風の精霊を宿していても届かない。
ヴォルグが本陣に到着すると誰一人残っていなかった。ガイアとフェランドも駆け付けて状況を飲み込む。
4人しか残らなかった本陣は無人故の無音しか広がらない。フェランドがガタガタ震えだす。
それをガイアが強く抱き締めて落ち着かせて、ヴォルグは地面に拳を叩き付け、ジェイドはオジナルを睨み付ける。こうなってくると意地でもオジナル王城に行く必要がある。
「行けるか?」
「俺は行くぞ。姉さん達を助けたい」
「僕も行ける。アベルゾ達を助けられるのは僕達だけだもん」
「……俺がしっかりしていれば……ごめんルプス、アベルゾさん……!」
「悪いと思うなら歩け。俺達はここで負ける訳にはいかない。俺達の手で終わらせるんだ」
「素直に通してくれるとは思わないけれどな」
「そうだね。取り敢えず近付く様に移動しよう。そして、国内を走って王城に向かうしかない」
ガイアの右手がフェランドの左手を強く握り締める。そして、4人は顔を見合わせて強く頷いてオジナル王城に向かって移動を始めた。
魔鳥に乗って帰城したヴェレネットはすぐにアガルダの元に参上する。四天王達も揃っているがヴェレネットは堂々とした振る舞いでアガルダに事の報告を行う。
「例のスジエル軍の一部以外の者達以外は全てマナの泉に捕らえました」
「よくやった。それでオベリウスの方だがな……自害したわ」
「そう、でございますか。あの子も哀れでございましたが、自害したのであれば姉孝行というものでしょう。遺体は?」
「バルシスに食わせた。既に繭から出てマナの泉の傍にいるバルシスの餌には最適だったからな」
「然様でございますか。それでは正式に私がアガルダ様の巫女として存在する事が許してもらえるのでしょうか……?」
「勿論だ。今後も私の為に血を捧げよ」
「はいっ!」
アガルダの言葉にヴェレネットは心から歓喜の声を上げる。四天王の軍師、キャロドゼはそんなヴェレネットの事には興味を持たないでいたが他の四天王達はヴェレネットの態度には微笑みを浮かべていた。
闇の力が渦巻くオジナル王城の地下深く、マナの泉に囚われているルプスとアベルゾ達の姿があった。その傍に破壊竜「バルシス」の姿もあって、ルプスとアベルゾは息を殺して状況を掴もうとしていた。
破壊竜「バルシス」の口元から聞こえてくる骨を噛み砕く音がやけに鮮明に聞こえて、他の者達の恐怖心を盛大に煽っていく。そして、「バルシス」は静かにマナの泉に近寄りその喉を潤すついでにルプス達に告げる。
『お前達も直に私の食事になるのだから、今の内に暴れて足掻いておくがいい』
「っ」
「そんな事を言われるとは心外ですね」
『なに、強大な力の前に人間はひれ伏すか食われる運命でしかない。それだけの事よ』
「私達は負けないっ!」
「私達の底力で食あたりしても知りませんよ!」
『フハハハッ、その程度の力でしかないお前達に私は倒せんよ。さて、少し興味がある……知恵を貸してやろう』
「バルシス」はそう言ってルプス達に何かを話し始める。それを水晶玉で見つめていたヴェレネットとアガルダ。
アガルダは「バルシス」の行動に鼻で笑い飛ばして水晶から視線を逸らした。そして、隣に立つヴェレネットの腰に腕を回して抱き寄せるとその唇を奪う。
ヴェレネットは静かにアガルダからの口付けを受け入れてそのまま身体を委ねる。アガルダの熱を体内に受け入れて、何回でも果てを味わう。
アガルダの熱を何回でも受け入れたヴェレネットは気絶してベッドに沈んでいるがアガルダは、そんなヴェレネットの髪の毛を撫でながら小さく思う。この女をこんなにも愛おしいと思うのは誰が自分に授けた感情なのだろうか、と。
「私の子でも孕んでくれればそれだけでいいのだろうか……」
アガルダの呟きは誰にも聞かれないで静かに消えていく。そして、アガルダの魔力が最大に高まり始める満月が近付きつつあった。
オジナル王城に向かって移動をしていたフェランド達は城門を突破して城下に入り込んでいた。だが、思っている以上に城下に敵の姿は無く、あるのは無数のクリスタルだけだった。
ジェイドはそのクリスタルに触れて何かを感じ取れないかと力を注ぐ。フェランドとガイア、ヴォルグが周囲を警戒している間にジェイドはクリスタルの存在意味を知る。
「このクリスタル……オジナルの市民の死体を結晶化したのだ」
「それじゃこれだけの市民を殺した、って事なのか……?」
「見る限りクリスタルだらけだぞ」
「そんな酷い事が普通にされていたのかよ……」
「でも、別に殺されてクリスタルにされたって訳じゃないみたい」
「どういう事だジェイド?」
ジェイドの感じた力に宿る記憶によれば、このクリスタルは市民達の強い「生」への願いがクリスタルになって市民達の死体を包み込んだのだと言う。それを聞いたガイアは少し考える様にしてクリスタルに触れてみる。
そのクリスタルには小さな少女が入っていた。そして、そのクリスタルには少女の記憶が刻み込まれていたのがガイアの脳裏に流れ込んでくる。
少女の最後の記憶にはオジナルの国内に闇の霧が入り込んできて目の前で両親が死んでいく記憶だった。少女は何が起きたのかも分からない内に死んでしまったらしい。
その記憶を見たガイアはクリスタルの少女を見て眉を寄せる。だが、ガイアはすぐに思考を切り替える。
「取り敢えずクリスタルは触れないでこのまま王城に向かうぞ。目指すはアガルダに捕らえられたルプス達の解放だ」
「王城の入口はこっちだよ」
「城門には流石に何かしらいるだろうぜ」
「それじゃないと明らかに誘われている感じがするよ」
フェランド達は近付くオジナル王城の城壁を見上げてながら静かに息を飲んだ。近くで見れば見る程にそのおぞましい闇の力と強さを実感するのである。
破壊竜「バルシス」の復活は成された。そして、その復活を果たした「バルシス」の知恵とは? そしてフェランド達に待ち受ける真実と待ち受ける敵達はどんな強さを持っているのだろうか? それはまだ誰も知る事のない未来の出来事――――。
「ガイア!」
ジェイドがフェランドの存在を察知したお陰で逃げ出してきたフェランドの元にはガイアとヴォルグが駆け付けていた。ジェイドからフェランド脱出の報を聞いたアベルゾもすぐに保護する為の動きを見せてくれていた。
無事にアガルダの手から逃げ出してアベルゾ達の元に戻ってきたフェランドは、一緒に逃げ出してきたオジナル第2王女のオベリウスの事をアベルゾに託すとガイアの腕の中に包まれていた。ガイアもフェランドの身体を抱き締めているがその行為には理由があった。
フェランドの身体にはまだ闇の力の残り香が強く残っていたのである。それとは別に生きる為とは言えガイア以外の男達に抱かれていた事もあって、ガイアの腕に収まるのを怖がったフェランドを落ち着かせる為でもあった。
「大丈夫だ、大丈夫だから……」
「でも、俺は……」
「生きててくれりゃいい。生きてりゃ傷はいつかは癒える」
「ん……ガイア、俺諦めきれなかった……ガイアの事を信じていたから」
「あぁ、俺もフェランドを信じていたよ。きっと諦めないで俺の元に帰ってくるって」
フェランドの黒い髪の毛に口付けを落としながら優しく抱き締めてくれるガイアの腕に包まれて、フェランドは本当の意味で解放されたのだと感じる。あの地獄のようなオジナルでの暮らしは死ぬ程に苦しかった。
ガイア以外の男、それも人間ではない魔族達の性処理道具にさせられて、生きるには相手をする以外に方法は無くて。そして、アガルダの元にいるという事は世界樹の力も弱くなるって事でもあった。
ガイアの腕に包まれている事で世界樹の力を強く感じる。愛するガイアの腕の中なのもあるが、ガイアも世界樹の加護を受けているから強く反応を示しているのだろうと思われる。
ルプスがオベリウスの世話をしている間に、ジェイドとヴォルグは追手の処理を担当していた。ヴォルグはフェランドが戻ってきた事で溜まっていた鬱憤を発散させるかの様に追手に容赦ない攻撃を仕掛けている。
ジェイドがそんなヴォルグをサポートしながら闇の力が一層深まった事に気付いた。まるで準備は整った、と言わないばかりの濃さである。
「もしかして……キーは……」
「どうしたジェイド?」
「ヴォルグ、まだオジナルの王城からは遠いのにこんなに闇の力を感じるなんてどう思う?」
「そういう事か。なんか殺気を感じると思っていたら闇の力が近いんだな。どうりでピリピリすると思ったわ」
「もしかしたらアガルダはわざとフェランドを逃がしたんじゃ……」
「あん? なんでそんな事をする必要があるんだ? フェランドは破壊竜「バルシス」復活の鍵なんだろう?」
「あくまで表面上はフェランドだったと思わせてしまえば僕達の意識はフェランドに向けられる……。あの一緒に逃げてきた女性……ルプスとアベルゾが危ない!」
「なっ! 姉さん!!」
ジェイドとヴォルグが急いで本陣に戻り始めた頃。アベルゾとルプスの身体は闇の鎖に囚われて渦の中に飲み込まれつつあった。
そう、オベリウスの姿は偽りであり、その正体は姉であるヴェレネットであった。オベリウスと瓜二つのヴェレネットがオベリウスの様に振る舞いフェランドをわざとこの場所に逃がしてこのタイミングを狙っていたのである。
テントから徐々に渦が広がり本陣全体を飲み込み始める。アベルゾもルプスも既に顔まで飲み込まれて消えてしまった。
「ふふっ、これでアガルダ様のご計画の一部が完成した。あとはあのフェランドという御子とその相棒と仲間達をお招きするだけね」
「ヴェレネット様」
「どうしたの?」
「アガルダ様よりお戻りになる様にとのご命令が。すぐに王城にお戻り下さい」
「分かりました。それじゃ後はお願いします」
「はい」
魔族の部下に言われてテントの外に出たヴェレネットは魔鳥に乗って王城へ戻って行く。その魔鳥を見上げていたジェイドが矢を放つが風の精霊を宿していても届かない。
ヴォルグが本陣に到着すると誰一人残っていなかった。ガイアとフェランドも駆け付けて状況を飲み込む。
4人しか残らなかった本陣は無人故の無音しか広がらない。フェランドがガタガタ震えだす。
それをガイアが強く抱き締めて落ち着かせて、ヴォルグは地面に拳を叩き付け、ジェイドはオジナルを睨み付ける。こうなってくると意地でもオジナル王城に行く必要がある。
「行けるか?」
「俺は行くぞ。姉さん達を助けたい」
「僕も行ける。アベルゾ達を助けられるのは僕達だけだもん」
「……俺がしっかりしていれば……ごめんルプス、アベルゾさん……!」
「悪いと思うなら歩け。俺達はここで負ける訳にはいかない。俺達の手で終わらせるんだ」
「素直に通してくれるとは思わないけれどな」
「そうだね。取り敢えず近付く様に移動しよう。そして、国内を走って王城に向かうしかない」
ガイアの右手がフェランドの左手を強く握り締める。そして、4人は顔を見合わせて強く頷いてオジナル王城に向かって移動を始めた。
魔鳥に乗って帰城したヴェレネットはすぐにアガルダの元に参上する。四天王達も揃っているがヴェレネットは堂々とした振る舞いでアガルダに事の報告を行う。
「例のスジエル軍の一部以外の者達以外は全てマナの泉に捕らえました」
「よくやった。それでオベリウスの方だがな……自害したわ」
「そう、でございますか。あの子も哀れでございましたが、自害したのであれば姉孝行というものでしょう。遺体は?」
「バルシスに食わせた。既に繭から出てマナの泉の傍にいるバルシスの餌には最適だったからな」
「然様でございますか。それでは正式に私がアガルダ様の巫女として存在する事が許してもらえるのでしょうか……?」
「勿論だ。今後も私の為に血を捧げよ」
「はいっ!」
アガルダの言葉にヴェレネットは心から歓喜の声を上げる。四天王の軍師、キャロドゼはそんなヴェレネットの事には興味を持たないでいたが他の四天王達はヴェレネットの態度には微笑みを浮かべていた。
闇の力が渦巻くオジナル王城の地下深く、マナの泉に囚われているルプスとアベルゾ達の姿があった。その傍に破壊竜「バルシス」の姿もあって、ルプスとアベルゾは息を殺して状況を掴もうとしていた。
破壊竜「バルシス」の口元から聞こえてくる骨を噛み砕く音がやけに鮮明に聞こえて、他の者達の恐怖心を盛大に煽っていく。そして、「バルシス」は静かにマナの泉に近寄りその喉を潤すついでにルプス達に告げる。
『お前達も直に私の食事になるのだから、今の内に暴れて足掻いておくがいい』
「っ」
「そんな事を言われるとは心外ですね」
『なに、強大な力の前に人間はひれ伏すか食われる運命でしかない。それだけの事よ』
「私達は負けないっ!」
「私達の底力で食あたりしても知りませんよ!」
『フハハハッ、その程度の力でしかないお前達に私は倒せんよ。さて、少し興味がある……知恵を貸してやろう』
「バルシス」はそう言ってルプス達に何かを話し始める。それを水晶玉で見つめていたヴェレネットとアガルダ。
アガルダは「バルシス」の行動に鼻で笑い飛ばして水晶から視線を逸らした。そして、隣に立つヴェレネットの腰に腕を回して抱き寄せるとその唇を奪う。
ヴェレネットは静かにアガルダからの口付けを受け入れてそのまま身体を委ねる。アガルダの熱を体内に受け入れて、何回でも果てを味わう。
アガルダの熱を何回でも受け入れたヴェレネットは気絶してベッドに沈んでいるがアガルダは、そんなヴェレネットの髪の毛を撫でながら小さく思う。この女をこんなにも愛おしいと思うのは誰が自分に授けた感情なのだろうか、と。
「私の子でも孕んでくれればそれだけでいいのだろうか……」
アガルダの呟きは誰にも聞かれないで静かに消えていく。そして、アガルダの魔力が最大に高まり始める満月が近付きつつあった。
オジナル王城に向かって移動をしていたフェランド達は城門を突破して城下に入り込んでいた。だが、思っている以上に城下に敵の姿は無く、あるのは無数のクリスタルだけだった。
ジェイドはそのクリスタルに触れて何かを感じ取れないかと力を注ぐ。フェランドとガイア、ヴォルグが周囲を警戒している間にジェイドはクリスタルの存在意味を知る。
「このクリスタル……オジナルの市民の死体を結晶化したのだ」
「それじゃこれだけの市民を殺した、って事なのか……?」
「見る限りクリスタルだらけだぞ」
「そんな酷い事が普通にされていたのかよ……」
「でも、別に殺されてクリスタルにされたって訳じゃないみたい」
「どういう事だジェイド?」
ジェイドの感じた力に宿る記憶によれば、このクリスタルは市民達の強い「生」への願いがクリスタルになって市民達の死体を包み込んだのだと言う。それを聞いたガイアは少し考える様にしてクリスタルに触れてみる。
そのクリスタルには小さな少女が入っていた。そして、そのクリスタルには少女の記憶が刻み込まれていたのがガイアの脳裏に流れ込んでくる。
少女の最後の記憶にはオジナルの国内に闇の霧が入り込んできて目の前で両親が死んでいく記憶だった。少女は何が起きたのかも分からない内に死んでしまったらしい。
その記憶を見たガイアはクリスタルの少女を見て眉を寄せる。だが、ガイアはすぐに思考を切り替える。
「取り敢えずクリスタルは触れないでこのまま王城に向かうぞ。目指すはアガルダに捕らえられたルプス達の解放だ」
「王城の入口はこっちだよ」
「城門には流石に何かしらいるだろうぜ」
「それじゃないと明らかに誘われている感じがするよ」
フェランド達は近付くオジナル王城の城壁を見上げてながら静かに息を飲んだ。近くで見れば見る程にそのおぞましい闇の力と強さを実感するのである。
破壊竜「バルシス」の復活は成された。そして、その復活を果たした「バルシス」の知恵とは? そしてフェランド達に待ち受ける真実と待ち受ける敵達はどんな強さを持っているのだろうか? それはまだ誰も知る事のない未来の出来事――――。
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