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8章(ラスト)
61話「これからの生き方と新しい旅へ」
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ガイアがスジエルに戻ってきたのは真実を聞いて2か月後の夜だった。その頃にはオルターナもある程度の規模で復興に目途が経ったのもあって、ユリウスとガイアはスジエルに帰国する事になっていたのである。
フェランドはガイアの帰国を迎えて、少し他愛無い話をしてからアベルゾの元に出向く。今後の事は手紙のやり取りで大方は決めていた2人は、揃ってからアベルゾに知らせにいく事にしていたので、アベルゾの元に向かう。
「失礼します。フェランドとガイアです」
「どうぞ」
「失礼します。今戻りました」
「お帰りなさいガイア君。今さっきユリウス様からガイア君の評価を伺いました。私の代理をよく務めてくれてありがとうございます」
「いいえ、これで代理が出来たのは良かったですよ。それで今後の事ですが」
「その事についてはフェランド君から大まかにお話は伺ってはいます。そして、貴方達2人に知らせなくてはならない事もあります」
「なんですか?」
「ルプス・ヴォルグ・ジェイドも貴方達と旅立つと言って既にガイア君が帰国すると聞いて、出発の準備を整えている所だと聞いています」
アベルゾはそこまで話をしてガイアとフェランドを見つめる。2人は少し意外そうにしながらアベルゾの顔を見つめていた。
あの3人はオルガスタン大陸の復興に力を貸すだろうと思っていたフェランドは、ガイアの方に視線を向ける。ガイアは少し苦笑しながらアベルゾに告げる。
「いいんですか? 大事な人手を旅立ちさせて」
「本人達の強い希望です。それに、貴方達2人の旅だと不安だと言い出しているんですよヴォルグとルプスが」
「あ、案外ルプスもこっち側だった」
「でも、あいつらにもやるべき事があるんじゃないのでは?」
「それが貴方達と共に旅立つ事だと言っているんですよ。本当の旅立ちをする以上引き止めは出来ませんし、何より5人ならどんな魔神にでも勝てそうではありませんか?」
アベルゾがそこまで話をしてクスクスと笑いながら2人の反応を伺う。フェランドもガイアも本人達の強い希望であるならば、と半分受け入れていく姿勢を見せている。
そこにジェイドの姿が団長室に入ってくる。ジェイドは既に旅装束の姿をしていて、旅立ちの準備は終わった事を知る。
「お帰りガイア。アベルゾ、準備は整ったからいつでも行けるよ。フェランドとガイアの準備が整い次第僕達はスジエルから南の港町まで移動してオルガスタン大陸の外にある大陸である「ルベロ大陸」に行く」
「ガイア君達もすぐに準備が出来ると思います。ジェイド、暴走気味なヴォルグやフェランド君のコントロールをお願いしますね? ルプスにはいい社会見学になると思います。色々と教えてあげて行って下さい」
「了解。ほら、ガイア、フェランド、準備して! ルプスもヴォルグも僕も待っているんだから!」
「あぁ、すぐに準備するよ」
「そう急かさなくても一緒に出るんだから慌てなさんなって」
団長室から出て行く3人をアベルゾは微笑みを浮かべながら見送る。騎士としても、人間としても、まだそんなに成長していない2人と仲間として、そして、運命を共にする友として3人はこうして自分達の手の届かない場所に旅立って行くのであるとアベルゾは感じていた。
いつの日か、全ての旅が終わってからこのスジエルに戻る事があれば、その時は盛大に祝うだろうなとアベルゾは考えていた。色々な意味でフェランドもガイアも、ルプスもヴォルグもジェイドも……聞き分けのいい子供の様なそんな印象を持ってしまう。
だからだろう、寂しいと思ってしまう感情が芽生えるのはそれだけ5人がアベルゾの中で存在があったからだと言える。右目のモノクルを右手の指先で触れながらアベルゾは小さな願いを静かに口にする。
「どうか、彼らの旅路に幸がありますように」
――――
ガイアとフェランドの準備はすぐに整ってジェイドとヴォルグ、ルプスと合流を果たす。5人は最終チェックを行って持ち物の忘れ物もないのをしっかり確認してから、人々が眠る夜にスジエルを出発していく。
ハイク達を旅には連れて行けない事もあって徒歩での移動が余儀なくされるが、5人の足取りは以前よりも軽くしっかりした歩調であった。特に先頭を歩くフェランドとヴォルグは笑い声を上げながら肩を組んだりしながら歩いているのを、ガイアとルプス、ジェイドが呆れた様に見守る光景が見られていた。
「色々と考えたが、どうしてジェイドやルプス、ヴォルグは一緒に旅立ってくれる事にしたんだ? お前達ならオルガスタン大陸に残っても色々と役目はあっただろうに」
「最初は僕達も残るつもりだったんだ。でも、フェインの言葉を聞いている内に自分達の心の言葉を聞こうと思って向き合う時間を持ったんだ。僕達が行かないならフェランドとガイアだけの旅になってしまう。それが本当に正しいのか? って考えたら残れないと思ったんだよ」
「私も。アベルゾに相談して色々と悩んだ。自分の無知による事で旅の足を引っ張る事もあるだろうし、それで同行するのは気が引けていた。でも、アベルゾは私にこう言ってくれた。「知見を広げる旅も悪くはありませんよ」って」
「なるほどな。各々に考える部分があるって事だな。俺やフェランドは2人だけの旅になると覚悟していたけれどな」
ガイアは先頭を歩く2人を眺めながら自分とフェランドの考えを話し合った事を思い出す。ガイアはフェランドに打ち明けている、フェランドが最悪の時にガイアの手による死を願うなら、それを叶えてみせる気はあるという事を。
フェランドもまたガイアの決意を聞いて、自分の考えを話している。自分が魔神なんかになって敵になった時はガイアの手で死にたいって事を。
2人だけの旅ならお互いの事だけを考えればいい、でも寂しいよなと話していた矢先にジェイド達が同行すると聞いて正直嬉しかったのである。どんな考えや想いがあったとしても、結果的に5人での旅の再開は心に来るものがあったからだ。
ルプスはガイアの隣を歩きながら不意に呟く。それはジェイドにも気になっていた事ではある。
「世界樹の元から生まれた魔神達は全部で4体。うち1体はアガルダであり、そのアガルダは永遠の眠りに着いた。残るは3体、どんな旅になるかなんて考えられない」
「そして、旅の途中で色々と問題は起きて行くんだろうなと思うんだよね。その問題を解決しながら足並み揃えて行くのは並大抵の努力じゃ無理だと思うよ」
「俺達だから出来るって事も踏まえて旅をしなきゃいけないんだな。そこら辺はフェランドとは話してなかった」
「ガイアもフェランドも先を見る事はしても、そこに至るまでの道のり考えるの苦手」
「本当にそんなんでよく僕達を連れて行かないとか考えたね??」
「痛いご指摘だ」
ガイアは肩を竦めて歩くが、ジェイドはそんなガイアの右側を歩く。左にはルプスが。
フェランドとヴォルグが見えてきた関所にガイア達を待っている間に空は微かに夜明けを迎え始めていた。日が完全に登り切る頃に関所の中で仮眠を取っていたフェランドは目を覚ます。
まだ隣ではガイアが眠っているが、少し離れた位置でルプスが何かをしているのが伺えた。ベッドから立ち上がりルプスに近寄るとルプスは今回の旅立ちに合わせて日記を付ける様にしたのだと教えてくれた。
「アベルゾにいつか話をする時の役に立つと思って」
「ルプスはアベルゾさんと残らなくて良かったの?」
「何故? アベルゾは私を行かせたがっていたけれど」
「うーん、アベルゾさんもルプスもお互いに無意識に惹かれ合っているのかな」
「好きとかって事?」
「そう。俺から見ていたらいいペアだと思うんだよね」
「でも、私はフェランド達と一緒がいい。今はそれが一番大事」
ルプスは日記を閉じてフェランドを見上げる。その瞳には信頼を寄せているから見せれる優しい色の感情が宿っているのが分かる。
フェランドはそんなルプスと一緒に早めの朝食を食べに出て行く。ジェイドとヴォルグ、ガイアは未だ夢の中である。
全員が揃ったのは昼になる頃。仮眠も取れてしっかり休んだメンバーは港町まで残り僅かな位置にまで来ていた。
歩いて関所から港町に向かって移動を開始すると今日はジェイドとルプスとフェランドが前を歩いていた。ヴォルグはのんびりと荷物を持って歩きながら空を見上げていた。
「のんびりだな?」
「そういうガイアだってのんびりじゃないか」
「俺はこれが基本のペースなんだよ。昨日と打って変わって落ち着いているな」
「色々とフェランドと話し込んでいたら落ち着いたんだよ。士気が高いのはいい事だけどさ、体力の管理も必要だって言われてなフェランドに」
「あいつもいっちょ前に言うようになっただろ?」
「前は俺達が言う立場だったのになー。でも、こうして成長が分かる仲間同士の旅もいいもんだよ」
「そう言われると気恥ずかしいな」
ガイアとヴォルグがそんな会話をしていると港町が見えたのかフェランド達が手招きしている。ヴォルグとガイアが小走りで合流すると港町らしい潮風の香りが全員を出迎える。
ここからルベロ大陸へと出ている定期船に乗って暫く船旅をする事となるのだが、船には初チャレンジのルプス、ジェイド、ヴォルグは興味津々である。だが、ガイアとフェランドは数回乗った事があるので船酔いの辛さを理解しており、仲間達の為に船酔い対策のアイテムを購入する事は忘れない。
船の乗り場に行ってルベロ大陸への定期船の乗船券を買い込んだ5人は意気揚々と船に乗り込んだ。これでオルガスタン大陸とは暫くの別れとなる。
「いよいよだな」
「これで本当の意味での旅立ちだね」
「どんな旅になるか、楽しみ」
「どんな世界なのかなルベロ大陸って」
「強いやついるかなー」
5人の身体を乗せた船が汽笛を鳴らし出航の合図を出す。そして、錨が引き上げられて船体を固定していたロープが解かれる。
オルガスタン大陸から5人はいよいよルベロ大陸へと出航していく。新しい旅立ちは5人の運命をどう迎えて行くのか。
ルベロ大陸へと向かう5人の未来に幸あれ!
第1部オルガスタン大陸編 完
フェランドはガイアの帰国を迎えて、少し他愛無い話をしてからアベルゾの元に出向く。今後の事は手紙のやり取りで大方は決めていた2人は、揃ってからアベルゾに知らせにいく事にしていたので、アベルゾの元に向かう。
「失礼します。フェランドとガイアです」
「どうぞ」
「失礼します。今戻りました」
「お帰りなさいガイア君。今さっきユリウス様からガイア君の評価を伺いました。私の代理をよく務めてくれてありがとうございます」
「いいえ、これで代理が出来たのは良かったですよ。それで今後の事ですが」
「その事についてはフェランド君から大まかにお話は伺ってはいます。そして、貴方達2人に知らせなくてはならない事もあります」
「なんですか?」
「ルプス・ヴォルグ・ジェイドも貴方達と旅立つと言って既にガイア君が帰国すると聞いて、出発の準備を整えている所だと聞いています」
アベルゾはそこまで話をしてガイアとフェランドを見つめる。2人は少し意外そうにしながらアベルゾの顔を見つめていた。
あの3人はオルガスタン大陸の復興に力を貸すだろうと思っていたフェランドは、ガイアの方に視線を向ける。ガイアは少し苦笑しながらアベルゾに告げる。
「いいんですか? 大事な人手を旅立ちさせて」
「本人達の強い希望です。それに、貴方達2人の旅だと不安だと言い出しているんですよヴォルグとルプスが」
「あ、案外ルプスもこっち側だった」
「でも、あいつらにもやるべき事があるんじゃないのでは?」
「それが貴方達と共に旅立つ事だと言っているんですよ。本当の旅立ちをする以上引き止めは出来ませんし、何より5人ならどんな魔神にでも勝てそうではありませんか?」
アベルゾがそこまで話をしてクスクスと笑いながら2人の反応を伺う。フェランドもガイアも本人達の強い希望であるならば、と半分受け入れていく姿勢を見せている。
そこにジェイドの姿が団長室に入ってくる。ジェイドは既に旅装束の姿をしていて、旅立ちの準備は終わった事を知る。
「お帰りガイア。アベルゾ、準備は整ったからいつでも行けるよ。フェランドとガイアの準備が整い次第僕達はスジエルから南の港町まで移動してオルガスタン大陸の外にある大陸である「ルベロ大陸」に行く」
「ガイア君達もすぐに準備が出来ると思います。ジェイド、暴走気味なヴォルグやフェランド君のコントロールをお願いしますね? ルプスにはいい社会見学になると思います。色々と教えてあげて行って下さい」
「了解。ほら、ガイア、フェランド、準備して! ルプスもヴォルグも僕も待っているんだから!」
「あぁ、すぐに準備するよ」
「そう急かさなくても一緒に出るんだから慌てなさんなって」
団長室から出て行く3人をアベルゾは微笑みを浮かべながら見送る。騎士としても、人間としても、まだそんなに成長していない2人と仲間として、そして、運命を共にする友として3人はこうして自分達の手の届かない場所に旅立って行くのであるとアベルゾは感じていた。
いつの日か、全ての旅が終わってからこのスジエルに戻る事があれば、その時は盛大に祝うだろうなとアベルゾは考えていた。色々な意味でフェランドもガイアも、ルプスもヴォルグもジェイドも……聞き分けのいい子供の様なそんな印象を持ってしまう。
だからだろう、寂しいと思ってしまう感情が芽生えるのはそれだけ5人がアベルゾの中で存在があったからだと言える。右目のモノクルを右手の指先で触れながらアベルゾは小さな願いを静かに口にする。
「どうか、彼らの旅路に幸がありますように」
――――
ガイアとフェランドの準備はすぐに整ってジェイドとヴォルグ、ルプスと合流を果たす。5人は最終チェックを行って持ち物の忘れ物もないのをしっかり確認してから、人々が眠る夜にスジエルを出発していく。
ハイク達を旅には連れて行けない事もあって徒歩での移動が余儀なくされるが、5人の足取りは以前よりも軽くしっかりした歩調であった。特に先頭を歩くフェランドとヴォルグは笑い声を上げながら肩を組んだりしながら歩いているのを、ガイアとルプス、ジェイドが呆れた様に見守る光景が見られていた。
「色々と考えたが、どうしてジェイドやルプス、ヴォルグは一緒に旅立ってくれる事にしたんだ? お前達ならオルガスタン大陸に残っても色々と役目はあっただろうに」
「最初は僕達も残るつもりだったんだ。でも、フェインの言葉を聞いている内に自分達の心の言葉を聞こうと思って向き合う時間を持ったんだ。僕達が行かないならフェランドとガイアだけの旅になってしまう。それが本当に正しいのか? って考えたら残れないと思ったんだよ」
「私も。アベルゾに相談して色々と悩んだ。自分の無知による事で旅の足を引っ張る事もあるだろうし、それで同行するのは気が引けていた。でも、アベルゾは私にこう言ってくれた。「知見を広げる旅も悪くはありませんよ」って」
「なるほどな。各々に考える部分があるって事だな。俺やフェランドは2人だけの旅になると覚悟していたけれどな」
ガイアは先頭を歩く2人を眺めながら自分とフェランドの考えを話し合った事を思い出す。ガイアはフェランドに打ち明けている、フェランドが最悪の時にガイアの手による死を願うなら、それを叶えてみせる気はあるという事を。
フェランドもまたガイアの決意を聞いて、自分の考えを話している。自分が魔神なんかになって敵になった時はガイアの手で死にたいって事を。
2人だけの旅ならお互いの事だけを考えればいい、でも寂しいよなと話していた矢先にジェイド達が同行すると聞いて正直嬉しかったのである。どんな考えや想いがあったとしても、結果的に5人での旅の再開は心に来るものがあったからだ。
ルプスはガイアの隣を歩きながら不意に呟く。それはジェイドにも気になっていた事ではある。
「世界樹の元から生まれた魔神達は全部で4体。うち1体はアガルダであり、そのアガルダは永遠の眠りに着いた。残るは3体、どんな旅になるかなんて考えられない」
「そして、旅の途中で色々と問題は起きて行くんだろうなと思うんだよね。その問題を解決しながら足並み揃えて行くのは並大抵の努力じゃ無理だと思うよ」
「俺達だから出来るって事も踏まえて旅をしなきゃいけないんだな。そこら辺はフェランドとは話してなかった」
「ガイアもフェランドも先を見る事はしても、そこに至るまでの道のり考えるの苦手」
「本当にそんなんでよく僕達を連れて行かないとか考えたね??」
「痛いご指摘だ」
ガイアは肩を竦めて歩くが、ジェイドはそんなガイアの右側を歩く。左にはルプスが。
フェランドとヴォルグが見えてきた関所にガイア達を待っている間に空は微かに夜明けを迎え始めていた。日が完全に登り切る頃に関所の中で仮眠を取っていたフェランドは目を覚ます。
まだ隣ではガイアが眠っているが、少し離れた位置でルプスが何かをしているのが伺えた。ベッドから立ち上がりルプスに近寄るとルプスは今回の旅立ちに合わせて日記を付ける様にしたのだと教えてくれた。
「アベルゾにいつか話をする時の役に立つと思って」
「ルプスはアベルゾさんと残らなくて良かったの?」
「何故? アベルゾは私を行かせたがっていたけれど」
「うーん、アベルゾさんもルプスもお互いに無意識に惹かれ合っているのかな」
「好きとかって事?」
「そう。俺から見ていたらいいペアだと思うんだよね」
「でも、私はフェランド達と一緒がいい。今はそれが一番大事」
ルプスは日記を閉じてフェランドを見上げる。その瞳には信頼を寄せているから見せれる優しい色の感情が宿っているのが分かる。
フェランドはそんなルプスと一緒に早めの朝食を食べに出て行く。ジェイドとヴォルグ、ガイアは未だ夢の中である。
全員が揃ったのは昼になる頃。仮眠も取れてしっかり休んだメンバーは港町まで残り僅かな位置にまで来ていた。
歩いて関所から港町に向かって移動を開始すると今日はジェイドとルプスとフェランドが前を歩いていた。ヴォルグはのんびりと荷物を持って歩きながら空を見上げていた。
「のんびりだな?」
「そういうガイアだってのんびりじゃないか」
「俺はこれが基本のペースなんだよ。昨日と打って変わって落ち着いているな」
「色々とフェランドと話し込んでいたら落ち着いたんだよ。士気が高いのはいい事だけどさ、体力の管理も必要だって言われてなフェランドに」
「あいつもいっちょ前に言うようになっただろ?」
「前は俺達が言う立場だったのになー。でも、こうして成長が分かる仲間同士の旅もいいもんだよ」
「そう言われると気恥ずかしいな」
ガイアとヴォルグがそんな会話をしていると港町が見えたのかフェランド達が手招きしている。ヴォルグとガイアが小走りで合流すると港町らしい潮風の香りが全員を出迎える。
ここからルベロ大陸へと出ている定期船に乗って暫く船旅をする事となるのだが、船には初チャレンジのルプス、ジェイド、ヴォルグは興味津々である。だが、ガイアとフェランドは数回乗った事があるので船酔いの辛さを理解しており、仲間達の為に船酔い対策のアイテムを購入する事は忘れない。
船の乗り場に行ってルベロ大陸への定期船の乗船券を買い込んだ5人は意気揚々と船に乗り込んだ。これでオルガスタン大陸とは暫くの別れとなる。
「いよいよだな」
「これで本当の意味での旅立ちだね」
「どんな旅になるか、楽しみ」
「どんな世界なのかなルベロ大陸って」
「強いやついるかなー」
5人の身体を乗せた船が汽笛を鳴らし出航の合図を出す。そして、錨が引き上げられて船体を固定していたロープが解かれる。
オルガスタン大陸から5人はいよいよルベロ大陸へと出航していく。新しい旅立ちは5人の運命をどう迎えて行くのか。
ルベロ大陸へと向かう5人の未来に幸あれ!
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