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名前
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僕の菫(すみれ)って名前は、今のマスターが考えて付けてくれた。
理由は分からないけれど、菫って考えてくれたマスターには感謝しているよ。
今日もマスターの口から僕の名前が紡がれる、それが凄く嬉しい。
「菫~……なんかご機嫌だね?」
「えへへ……マスターにお名前呼ばれると嬉しいの」
「そうなのか。菫は小さな幸せを見付けるのが上手だね」
「小さくないよ? とーーーーっても大きいの!」
「ふふっ、菫ってそういうところが可愛いな」
「僕、可愛い?」
「可愛い。さぁ、お着替えしてコタツに入ろう。今日はどんな本を読んであげようか」
「ねぇ、マスター。どうして僕の名前を菫にしてくれたの?」
「それはね、菫っていうお花があって花言葉が「誠実」「謙虚」「小さな幸せ」という言葉を持つ。ドールをお迎えする時には、そんな花言葉を付けたい想いがあってね。気に入らないかい?」
「ううん! 僕の名前はお花の名前から来ていたんだね! どんな感じのお花なんだろう……」
「こんな感じの花だよ」
マスターがお洋服を広げて見せてくれたお洋服には、青色の花弁を持つお花が刺繍されていた。
それが僕の名前の由来のスミレだってマスターは教えてくれた。
僕のお洋服を着せてくれながらマスターは優しく話す。
「菫の名前は殆ど直感だったんだよ」
「そうなの?」
「菫を見た時に、この子には菫って名を付けたい! って感じてね。だからこそ名前を呼ぶの好きだよ、私も菫の名を口にするの」
「マスター、もっと僕の名を呼んで? 僕もマスターに沢山呼ばれたい!」
僕はスミレの花の刺繍が施されているお洋服を着せてもらい、そのままマスターに抱き着く。
マスターはそんな僕を抱き締めてくれて幸せそうな表情を浮かべて、僕の名を口にする。
「菫……大好きな菫」
「マスター……」
僕らの想いは重なっていく、それが僕の心を育てているとは思わなかったけれど。
でも、マスターの声で、言葉で、呼ばれる僕の名前。
その愛情が僕をもっと人間に近付けていく。
理由は分からないけれど、菫って考えてくれたマスターには感謝しているよ。
今日もマスターの口から僕の名前が紡がれる、それが凄く嬉しい。
「菫~……なんかご機嫌だね?」
「えへへ……マスターにお名前呼ばれると嬉しいの」
「そうなのか。菫は小さな幸せを見付けるのが上手だね」
「小さくないよ? とーーーーっても大きいの!」
「ふふっ、菫ってそういうところが可愛いな」
「僕、可愛い?」
「可愛い。さぁ、お着替えしてコタツに入ろう。今日はどんな本を読んであげようか」
「ねぇ、マスター。どうして僕の名前を菫にしてくれたの?」
「それはね、菫っていうお花があって花言葉が「誠実」「謙虚」「小さな幸せ」という言葉を持つ。ドールをお迎えする時には、そんな花言葉を付けたい想いがあってね。気に入らないかい?」
「ううん! 僕の名前はお花の名前から来ていたんだね! どんな感じのお花なんだろう……」
「こんな感じの花だよ」
マスターがお洋服を広げて見せてくれたお洋服には、青色の花弁を持つお花が刺繍されていた。
それが僕の名前の由来のスミレだってマスターは教えてくれた。
僕のお洋服を着せてくれながらマスターは優しく話す。
「菫の名前は殆ど直感だったんだよ」
「そうなの?」
「菫を見た時に、この子には菫って名を付けたい! って感じてね。だからこそ名前を呼ぶの好きだよ、私も菫の名を口にするの」
「マスター、もっと僕の名を呼んで? 僕もマスターに沢山呼ばれたい!」
僕はスミレの花の刺繍が施されているお洋服を着せてもらい、そのままマスターに抱き着く。
マスターはそんな僕を抱き締めてくれて幸せそうな表情を浮かべて、僕の名を口にする。
「菫……大好きな菫」
「マスター……」
僕らの想いは重なっていく、それが僕の心を育てているとは思わなかったけれど。
でも、マスターの声で、言葉で、呼ばれる僕の名前。
その愛情が僕をもっと人間に近付けていく。
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