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2章
15話「身内とは言え忖度はしない」
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アレスも受験している新人騎士試験の学科試験の成績報告書にランスロットは頭を悩ませていた。今年の学科は今までの試験で出たのからは出題しない高難易度問題を多く取り入れて作成させている。
その理由は、今までの試験で合格した新人は確かに剣の腕前は普通よりあって基礎を教えればすぐにでも実戦で活躍出来る程の実力者揃いではあったが、隊長レベルの役職に就かせるのには少々知識の面で不足が見られていたの為である。それを踏まえた今年は学科の方でも振るいに掛けれる様にとベテラン騎士と隊長格の騎士達に協力を仰いで試験内容の学科を強化した年でもあるのだ。
その学科での成績報告書を確認していたランスロットは上位の5名が満点を記録し、妹であるアレスは2位の上位に位置する成績を見て今年の試験内容が簡単過ぎたのだろうか? そう頭を悩ませていたのである。実際、今回の学科試験に出した問題を現役の騎士達に試したが、満点を取れるのは数人程度であって500名を超える騎士団を以ってしてもこの結果なのである。
「あとは実技試験の結果に賭けるか……」
「ランスロット様、明日以降の実技の試験内容の報告が来ています。どうも予定よりも受験者が残って日程を調整する必要があると書いてあります」
「予定では第三次では30名だったな。それが第二次時点で40名だったか……。どう調整すると来ている?」
「40名を2グループに分けて担当官を急遽増援させて、別々の場所で第三次の試験内容の2種類を別々のタイミングで行う事を提案する、と書かれております。その日程に1日増やしてもらいたいとも」
「ローレンス、明日の試験で動ける担当官と監視官は何人いる?」
「非番の騎士で良ければ5名ずつは行けます。あとはガルドとロルゾにも出てもらう事も可能かと」
「明日の試験内容は持久力試験と、正確さの試験ですので人手を増員させないと厳しいかと思います。あれならガルドと私が正確さの試験に立ち合います」
ランスロットは試験内容が書かれている洋紙を広げてそこに配属出来る騎士達を模したピンを立てて行く。その人数と試験に掛かる時間を脳内で粗方計算をしてから総合的な判断として、ガルドとハルウッドを正確さの試験に立ち会わせる方向で指示を出す事に決めた。
ローレンスにその指示書を明日の担当官に持って行ってもらい、ハルウッドはガルドを応接室から呼びランスロットの指示を共に聞く事にした。ロルゾは時期的に風読み師としての仕事をしているので試験に関わる事はこの時期は不可能である。
ガルドも団長室に入ってきてハルウッドと共にランスロットの命令に耳を傾ける。ハルウッド・ガルドの親衛騎士が立ち会うとなれば受験者達にも自ずと気合が入ると思われていた。
「それじゃ正確さの試験に俺とハルウッドがしっかり見張ればいいんだな」
「あくまで私達は監視官の立場なので注意するポイントを忘れないで下さいガルド」
「恐らく、アレスのいるグループになると思うが……特別視は不要だ。身内だからって特別扱いするつもりはないからな」
「お~手厳しい兄さんだこと。まぁ、それをしちまったら妹の尊厳も無くなるだろうしな」
「騎士を目指すのであればそれなりの覚悟と決意はしている筈、私達の勝手でそれを損なわせるのは違うと思いますから」
「なによりアレスには自力で合格してもらいたい。本当の意味で俺の傍にいたいのであればな」
「そう言えば受験者の中にハルウッドの家の人間がいなかったか?」
「え、私の家の者ですか? 家からは何も伺っていませんが……」
「俺も初耳だが」
「確か……アルフォッドって名の男。今年で3回目の受験者だ。初回の時から最終試験に残っているがあと一歩及ばずで落選している男だ。その男の持っているペンダントにハルウッドと同じ家紋が刻まれているのを去年の受付担当が確認している」
「アルフォッド……? ハルウッドとどういう関係だ?」
「あの子が……。私の異父弟ですね、まさかあの子が騎士試験に望んでいるなんて」
ハルウッドと異父弟だというアルフォッドの事を知っているガルドの情報網も侮れはしないが、ハルウッドと同じ道を歩もうと挑戦し続けるその弟にはランスロットは好感を抱く。ハルウッドとガルドが明日の試験で見るポイントの確認をする為に団長室の自分達の机に向かうとランスロットは妹であるアレスの成績を再度確認していた。
知識の方では惜しくも1位にはなれなかったがそれでも2位の上位に入れたのは、それだけアレスの努力が凄かったと言う事でもある。ランスロットの心の中にはそんなアレスへの褒めたい言葉がいくつも浮かんでは自制して封じられていく。
団長の妹だから、それだけの情報を開示すれば誰でもアレスが騎士に簡単になれるのを羨ましがってしまい公平さを失う事になる。それはアレスが望む未来ではないとランスロットを始めとする者達は知っている。
だからこそ、自分自身の力だけで騎士になれると言う実績を今回の試験で築かなければアレスは生涯ランスロットの傍で生きる事は叶わないだろう。それはランスロットの家族として生きれない事を示している。
そして、朝を迎えた試験2日目の日。宿舎から広場に集められたアレス達は2グループに分けられて別々の場所で同じ日に別々に行う試験内容を聞かされていた。幸いな事に会場の確保は出来ていたのでもう片方のグループがもう片方のグループの試験内容を知る事は不可能な程の距離を取る事が出来ている。
アレスは昨日の食事の時に親しくなったアルと同じグループになって、試験内容を2人並んで聞き入っていた。アレスとアルが受ける試練は正確さの試験である。
「この正確さの試験は騎士の中でも基礎の中の基礎でもある能力になる。的となる人形の決められた部位に制限時間内にどれだけ正確にダメージを与えられるかを計測する。制限時間内にこちらが定めた一定数のダメージに満たない者はもう片方の試練ではノルマとして追加の成績結果を求めるものとする」
正確さを計測する為に魔法を使う魔術師達が人形に特殊な魔法を掛けて準備を終わらせる。1人1体の人形と向き合って支給されている木剣を握り締めて一斉に開始の合図と共に指定されている部位への攻撃を開始。
制限時間は2時間。その間にダメージとしては人形が魔法のシールドを超えてボロボロになる程のダメージを予定されている。
序盤から力を入れて攻撃する者、冷静に正確さを維持して確実にダメージを与えて行く者、狙いを集中させて1点突破を試みる者とグループが分かれていたが、ガルドとハルウッドは少し離れた位置から監視をしていた。だが、受験者達はガルドとハルウッドに気付かない者達も多かったが気付いた者達は動揺を感じる者も中にはいた。
アレスは周囲の受験者達の様子を伺いながらも集中力の高さを維持して正確にダメージを与えて行き、徐々に人形にダメージが蓄積されてボロボロへと変化させて行った。アルも冷静に状況を判断して的確に人形をボロボロにまでして制限時間を迎える。
ガルドがハルウッドにアルの居場所を耳打ちしてからハルウッドは異父弟であるアルフォッドの事をしっかりと見届けていた。アルは汗を拭って深呼吸をしてから呼吸を整えて、傍へとやってきたアレスに微笑みを向けて互いを労っている様子をハルウッドは少し複雑そうに見守っている。
「それではこれよりもう片方のグループと場所を交代して、残りの試験を行う。因みに追加成績を求める受験者はいない。安心して残りに挑む様に」
「アレス、しっかり正確に当ててたな」
「アルも当てていたね。でも私ボロボロにするまで時間掛かってしまった。もう少し力を鍛えないといけないな」
「腕だけの力を鍛えも意味ない。身体全体の重さを活かして攻撃するといいって聞いた事がある」
「身体全体の重さかぁ。もう少し体重増やすべきかな……」
「アレスの場合はダメージよりテクニックを活かす方が似合っている気がするけれどな」
「テクニック……。女性でも強くなれる為のテクニックだよね?」
「あぁ、騎士になればそこら辺の技術は先輩達から学べると思うし、まずは合格が目標だろ」
「そうだね」
アレスの肩をアルはポンっ叩いて次の会場への移動を始める。アレスも移動を開始して、もう片方が今まで使っていた会場に移った。
次の会場で言い渡された試験内容は「持久力」の試験。持久力と言う事は何かを長時間行う、と考えていた受験者達は交代したグループがこの短時間で成果を挙げれたのか気にする所ではあった。
「それでは持久力の試験に入る。騎士とは時に敵に出方を根気よく待つ事を必要とされる。その為に忍耐力を高め、そして、いざ敵と戦う時に相手を確実に仕留める為に相手をギリギリまで追い詰める為に持久力を高めて敵の動きを牽制する事も出来る。この試練で持久力を見極める為に行うのは銀剣の振り込み3時間試験。3時間の間一切休まずに振り続けてもらう。勿論休んだり、剣を落とした時点で失格と見なす。先の正確さの試験で突破したとしてもここで落ちると思え」
担当官の言葉に全員が言葉を飲み込んで支給される銀剣を受け取り重さを感じて更に息を飲む。銀剣は新人騎士が受け取る一般的な剣で重さは木剣の5倍の重さを持っている。
これを3時間の間、休む事もなくずっと振り続ける事で持久力の試験になると言う。正確さの試験で既に限界を迎えている受験者もいるが試験は容赦なく開始を告げる。
一斉に銀剣を振り始めるアレス達。アルとアレスは出来るだけ自分のペースを維持して腕の筋力を維持しつつ回数を重ねていく方法を取り始める。
しかし、既に正確さの試験で集中力を切らしている者達はペース配分に意識を向けれずに、銀剣の重さに苦悶の顔をし始めていた。これは学科試験でトップである1位を取っていた者達に多く見られている。
「始まったな」
「この試験が鬼門でございますな。ランスロットもあまり楽観はしておりませんでしたからな」
「だが、これこそが騎士となる者達に必要な最低限の能力であるのだろう? ロゼットは昔そう俺に話をしてくれてたのを思い出す」
「陛下も一時期王子の頃に騎士の習わしをお受けになられておいででしたからね。さて、ランスロットの妹であるアレスはどう超えるか見物ですな」
会場を見渡せる城から眺めていたケンベルトとロゼットはそう話をしながら試験を見守っていた。この試験の突破こそ最終試練に挑めるだけの実力者が揃うだろうと見守る者達は知っている。
アレスもアルも無事にこの試練を突破出来るのか。そして、最終試験に進めるのだろうか――――?
その理由は、今までの試験で合格した新人は確かに剣の腕前は普通よりあって基礎を教えればすぐにでも実戦で活躍出来る程の実力者揃いではあったが、隊長レベルの役職に就かせるのには少々知識の面で不足が見られていたの為である。それを踏まえた今年は学科の方でも振るいに掛けれる様にとベテラン騎士と隊長格の騎士達に協力を仰いで試験内容の学科を強化した年でもあるのだ。
その学科での成績報告書を確認していたランスロットは上位の5名が満点を記録し、妹であるアレスは2位の上位に位置する成績を見て今年の試験内容が簡単過ぎたのだろうか? そう頭を悩ませていたのである。実際、今回の学科試験に出した問題を現役の騎士達に試したが、満点を取れるのは数人程度であって500名を超える騎士団を以ってしてもこの結果なのである。
「あとは実技試験の結果に賭けるか……」
「ランスロット様、明日以降の実技の試験内容の報告が来ています。どうも予定よりも受験者が残って日程を調整する必要があると書いてあります」
「予定では第三次では30名だったな。それが第二次時点で40名だったか……。どう調整すると来ている?」
「40名を2グループに分けて担当官を急遽増援させて、別々の場所で第三次の試験内容の2種類を別々のタイミングで行う事を提案する、と書かれております。その日程に1日増やしてもらいたいとも」
「ローレンス、明日の試験で動ける担当官と監視官は何人いる?」
「非番の騎士で良ければ5名ずつは行けます。あとはガルドとロルゾにも出てもらう事も可能かと」
「明日の試験内容は持久力試験と、正確さの試験ですので人手を増員させないと厳しいかと思います。あれならガルドと私が正確さの試験に立ち合います」
ランスロットは試験内容が書かれている洋紙を広げてそこに配属出来る騎士達を模したピンを立てて行く。その人数と試験に掛かる時間を脳内で粗方計算をしてから総合的な判断として、ガルドとハルウッドを正確さの試験に立ち会わせる方向で指示を出す事に決めた。
ローレンスにその指示書を明日の担当官に持って行ってもらい、ハルウッドはガルドを応接室から呼びランスロットの指示を共に聞く事にした。ロルゾは時期的に風読み師としての仕事をしているので試験に関わる事はこの時期は不可能である。
ガルドも団長室に入ってきてハルウッドと共にランスロットの命令に耳を傾ける。ハルウッド・ガルドの親衛騎士が立ち会うとなれば受験者達にも自ずと気合が入ると思われていた。
「それじゃ正確さの試験に俺とハルウッドがしっかり見張ればいいんだな」
「あくまで私達は監視官の立場なので注意するポイントを忘れないで下さいガルド」
「恐らく、アレスのいるグループになると思うが……特別視は不要だ。身内だからって特別扱いするつもりはないからな」
「お~手厳しい兄さんだこと。まぁ、それをしちまったら妹の尊厳も無くなるだろうしな」
「騎士を目指すのであればそれなりの覚悟と決意はしている筈、私達の勝手でそれを損なわせるのは違うと思いますから」
「なによりアレスには自力で合格してもらいたい。本当の意味で俺の傍にいたいのであればな」
「そう言えば受験者の中にハルウッドの家の人間がいなかったか?」
「え、私の家の者ですか? 家からは何も伺っていませんが……」
「俺も初耳だが」
「確か……アルフォッドって名の男。今年で3回目の受験者だ。初回の時から最終試験に残っているがあと一歩及ばずで落選している男だ。その男の持っているペンダントにハルウッドと同じ家紋が刻まれているのを去年の受付担当が確認している」
「アルフォッド……? ハルウッドとどういう関係だ?」
「あの子が……。私の異父弟ですね、まさかあの子が騎士試験に望んでいるなんて」
ハルウッドと異父弟だというアルフォッドの事を知っているガルドの情報網も侮れはしないが、ハルウッドと同じ道を歩もうと挑戦し続けるその弟にはランスロットは好感を抱く。ハルウッドとガルドが明日の試験で見るポイントの確認をする為に団長室の自分達の机に向かうとランスロットは妹であるアレスの成績を再度確認していた。
知識の方では惜しくも1位にはなれなかったがそれでも2位の上位に入れたのは、それだけアレスの努力が凄かったと言う事でもある。ランスロットの心の中にはそんなアレスへの褒めたい言葉がいくつも浮かんでは自制して封じられていく。
団長の妹だから、それだけの情報を開示すれば誰でもアレスが騎士に簡単になれるのを羨ましがってしまい公平さを失う事になる。それはアレスが望む未来ではないとランスロットを始めとする者達は知っている。
だからこそ、自分自身の力だけで騎士になれると言う実績を今回の試験で築かなければアレスは生涯ランスロットの傍で生きる事は叶わないだろう。それはランスロットの家族として生きれない事を示している。
そして、朝を迎えた試験2日目の日。宿舎から広場に集められたアレス達は2グループに分けられて別々の場所で同じ日に別々に行う試験内容を聞かされていた。幸いな事に会場の確保は出来ていたのでもう片方のグループがもう片方のグループの試験内容を知る事は不可能な程の距離を取る事が出来ている。
アレスは昨日の食事の時に親しくなったアルと同じグループになって、試験内容を2人並んで聞き入っていた。アレスとアルが受ける試練は正確さの試験である。
「この正確さの試験は騎士の中でも基礎の中の基礎でもある能力になる。的となる人形の決められた部位に制限時間内にどれだけ正確にダメージを与えられるかを計測する。制限時間内にこちらが定めた一定数のダメージに満たない者はもう片方の試練ではノルマとして追加の成績結果を求めるものとする」
正確さを計測する為に魔法を使う魔術師達が人形に特殊な魔法を掛けて準備を終わらせる。1人1体の人形と向き合って支給されている木剣を握り締めて一斉に開始の合図と共に指定されている部位への攻撃を開始。
制限時間は2時間。その間にダメージとしては人形が魔法のシールドを超えてボロボロになる程のダメージを予定されている。
序盤から力を入れて攻撃する者、冷静に正確さを維持して確実にダメージを与えて行く者、狙いを集中させて1点突破を試みる者とグループが分かれていたが、ガルドとハルウッドは少し離れた位置から監視をしていた。だが、受験者達はガルドとハルウッドに気付かない者達も多かったが気付いた者達は動揺を感じる者も中にはいた。
アレスは周囲の受験者達の様子を伺いながらも集中力の高さを維持して正確にダメージを与えて行き、徐々に人形にダメージが蓄積されてボロボロへと変化させて行った。アルも冷静に状況を判断して的確に人形をボロボロにまでして制限時間を迎える。
ガルドがハルウッドにアルの居場所を耳打ちしてからハルウッドは異父弟であるアルフォッドの事をしっかりと見届けていた。アルは汗を拭って深呼吸をしてから呼吸を整えて、傍へとやってきたアレスに微笑みを向けて互いを労っている様子をハルウッドは少し複雑そうに見守っている。
「それではこれよりもう片方のグループと場所を交代して、残りの試験を行う。因みに追加成績を求める受験者はいない。安心して残りに挑む様に」
「アレス、しっかり正確に当ててたな」
「アルも当てていたね。でも私ボロボロにするまで時間掛かってしまった。もう少し力を鍛えないといけないな」
「腕だけの力を鍛えも意味ない。身体全体の重さを活かして攻撃するといいって聞いた事がある」
「身体全体の重さかぁ。もう少し体重増やすべきかな……」
「アレスの場合はダメージよりテクニックを活かす方が似合っている気がするけれどな」
「テクニック……。女性でも強くなれる為のテクニックだよね?」
「あぁ、騎士になればそこら辺の技術は先輩達から学べると思うし、まずは合格が目標だろ」
「そうだね」
アレスの肩をアルはポンっ叩いて次の会場への移動を始める。アレスも移動を開始して、もう片方が今まで使っていた会場に移った。
次の会場で言い渡された試験内容は「持久力」の試験。持久力と言う事は何かを長時間行う、と考えていた受験者達は交代したグループがこの短時間で成果を挙げれたのか気にする所ではあった。
「それでは持久力の試験に入る。騎士とは時に敵に出方を根気よく待つ事を必要とされる。その為に忍耐力を高め、そして、いざ敵と戦う時に相手を確実に仕留める為に相手をギリギリまで追い詰める為に持久力を高めて敵の動きを牽制する事も出来る。この試練で持久力を見極める為に行うのは銀剣の振り込み3時間試験。3時間の間一切休まずに振り続けてもらう。勿論休んだり、剣を落とした時点で失格と見なす。先の正確さの試験で突破したとしてもここで落ちると思え」
担当官の言葉に全員が言葉を飲み込んで支給される銀剣を受け取り重さを感じて更に息を飲む。銀剣は新人騎士が受け取る一般的な剣で重さは木剣の5倍の重さを持っている。
これを3時間の間、休む事もなくずっと振り続ける事で持久力の試験になると言う。正確さの試験で既に限界を迎えている受験者もいるが試験は容赦なく開始を告げる。
一斉に銀剣を振り始めるアレス達。アルとアレスは出来るだけ自分のペースを維持して腕の筋力を維持しつつ回数を重ねていく方法を取り始める。
しかし、既に正確さの試験で集中力を切らしている者達はペース配分に意識を向けれずに、銀剣の重さに苦悶の顔をし始めていた。これは学科試験でトップである1位を取っていた者達に多く見られている。
「始まったな」
「この試験が鬼門でございますな。ランスロットもあまり楽観はしておりませんでしたからな」
「だが、これこそが騎士となる者達に必要な最低限の能力であるのだろう? ロゼットは昔そう俺に話をしてくれてたのを思い出す」
「陛下も一時期王子の頃に騎士の習わしをお受けになられておいででしたからね。さて、ランスロットの妹であるアレスはどう超えるか見物ですな」
会場を見渡せる城から眺めていたケンベルトとロゼットはそう話をしながら試験を見守っていた。この試験の突破こそ最終試練に挑めるだけの実力者が揃うだろうと見守る者達は知っている。
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