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9章
68話「敵の本拠地である城へ」
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5本の頭を持つドラゴンは再生能力があるらしく、ガルドが切り落とした5本すべての頭が再生し、元の姿に戻ってしまう。だが、ガルドは慌てる事もなく何かを確認するかの様に攻撃を再開させていく。
一方、鉄巨人を撃破したエリッド達とハルウッド達も合流してガルドのサポートに回っていた。ハルウッドはガルドが何を確認しているのかを理解しているのか、エリッド達に魔法で回復を支援する様にとお願いの伝令を出していた。
「ガルドさんに何か考えがある、って事かな」
「そうじゃないと俺達に攻撃をお願いしてくるんだろうから、そうじゃないか?」
「でも、あのドラゴンを倒さないと先には進めないわ。早い所決着をつけないと時間が勿体ないわよ」
「……あのドラゴン、少し生態が普通のドラゴンとは異なる、そう感じます」
レーデアの言葉にエリッド達もドラゴンの動きや攻撃パターンを見ているが違和感は感じない。だが、レーデアはあのドラゴンが異なっていると告げている、何かが違うのだろうかと全員が注目しているとドラゴンが急に苦しみ始めた。
ハルウッドが全体の騎士達を下げてドラゴンが倒れ込んだ所を総攻撃するように激を飛ばす。ガルドの考えていた事が正解だったとハルウッドは確信する。
「やっぱり、ドラゴンと言えばの知能犯だったが……すこーし俺様の相手には不足気味だったようだな?」
「やはりこのドラゴンは……」
「あぁ、大地から再生能力を高める”根っこ”を生やした植物型ドラゴンだ。だから根っこを断ち切ってしまえば簡単に倒せる。むしろ、断ち切ってなきゃ永遠に再生されてこっちが死んでいただろうよ」
「流石の元ドラゴンスレイヤーの異名を持つだけの知識はありますね」
「ははっ、これでも騎士になる前までは流浪の冒険者だったからな俺様も。さて、ランスロットの方はどうなっている?」
「睨み合ったままの様です。迂闊に手出しは出来ないですね」
「する必要はねぇだろうよ。団長として、男として、ランスロットの戦いに水を差す事は許したくねぇ」
ガルドの言葉にハルウッドは大きく頷く。そこにエリッド達も合流してウィンドルと向き合っているランスロットの姿を見つめる。
ランスロットのラインハッドとウィンドルの剣は何回もぶつかり合い、火花を散らし、そして、お互いの力を探り合っている状態であった。ウィンドルは思っている以上に魔物がやられたとしても動揺をしている様には伺えない。
ランスロットの瞳にはウィンドルと言う男は魔族、と見えているが油断している事はない。逆に慎重にウィンドルを観察出来ていると言ってもいいだろう。
「どうした? お前ほどの男はこの俺の剣が怖いのか?」
「別に。お前の力を甘く見ていないだけだ。魔族、と呼ばれる種族に近いお前の底力を考えれば油断も出来ないんでな」
「魔族……そうか、お前達の記録にはその様に俺達の事が記録されているか。ならば教えてやろう。俺やラオンはこの世界の本来のあるべき神々である事をな!」
「!!」
ウィンドルの額から生えている角から雷撃が放たれる。だが、ランスロットの身軽な動きで回避されてもウィンドルの角からは雷撃がずっと出ている。
ウィンドルは自分達の事をあるべき神々、と言った。まるで自分達こそが正当なこのガハランド大陸の支配者の神であるかの様な言い方にランスロットの眉がピクリと動く。
だが、そんな戯言はどうでもいい。ランスロットの瞳に気合いの色が宿り雷撃を回避しながら徐々に間合いを詰めていく。
ウィンドルの剣がランスロットの首を狙う、それに対して回避したランスロットのラインハッドがウィンドルの角を切り落とす。素晴らしい切れ味のラインハッドは角を綺麗に横に切り落とし、ウィンドルはその切れ味の良さに舌打ちをして距離を取ろうとする。
「逃がすと思うか? 少し俺の事をサーチし足りなかったようだな?」
「なっ……!」
ラインハッドの効果でランスロットの身体能力は底上げされている。そして、同時に元々の身体能力の高さも相まってウィンドルの心臓に深々とラインハッドが突き刺さる。
口から鮮血を吐き出し、震える手でラインハッドを握り締めるウィンドルの瞳には憎悪が浮かんでいた。まるで神々に対する怒りの様な物をランスロットは感じ取る事が出来る。
「俺……達こそが……真なる……神々だっ……魔族とは……違うっ!」
「どんな怒りを神々に持っているかは知らないが、そんな私怨に俺達を巻き込んでもらっては困るんでな。アレスは返してもらう。お前達の手にはあまり存在だ」
「どう、せ……あの女の価値は……もはやないっ……一度穢れた魂は……神には愛されん……」
「例えそうであっても、アレスは俺の光に包まれて輝く聖女だ。闇のお前達の穢れは俺が掃ってみせる。……死ね」
ラインハッドを回して致命傷を負わせたランスロットはウィンドルの肉体を地面に捨て去る。地面に落ちたウィンドルの身体は徐々に溶けていき地面の中に吸い込まれていった。
入口の結界が解除しようとレーデアとアルディシアがロドを高めて突破を試みる。思っている以上に強い結界なのだろう、ロドの高まりがそれを示している。
ランスロットはハルウッド、ガルドを両サイドに配置し、アルフォッド達をすぐ前方に配置。エリッド達が先陣を切る形で突入できる様には配置を終わらせていた。
「行ける! レーデア!」
「はいっ!」
ロドが高まった瞬間、パリンと音が周囲に響き渡り入口を守っていた結界が解除される。レーデアとアルディシアはすぐ入口から離れてエリッド達が先頭に城内へと流れ込んだ。
遅れてランスロット達も城内に入るとそこは魔物の巣窟化している状態であった。当然の様に切り込んで行くエリッド達の士気につられて他の騎士達も手短な魔物から切り倒していく。
ランスロットはハルウッド、ガルドのサポートを受けながら城内に光を導く様に、ラインハッドに力を込めて光を満たしていく。だが、予想以上に魔物の量が多過ぎて先に進めない。
「厄介だな……どこからでも溢れ出ている感じだ」
「少しばかり量が多過ぎて疲弊させてこようってヒシヒシ感じるなぁ。ハルウッド、どうするお前さんならこんな場合」
「大元があるとは思うのですが、そこを叩かない限りこの量は維持されるでしょう。突入班を編成して、大元を叩きに行きます」
「それがやはり一番の方法だな。……アルフォッド、オルベ!」
「はいっ」
「はい!」
「お前達はエリッド達と共に奥に行け。大元である恐らく魔法陣がある筈だ。それを破壊しろ!」
「「はいっ!」」
アルフォッドとオルベはエリッド達と共に城の奥へと突破し始める。他の騎士達もそれを援護して道を開き、残った魔物達の相手を続けていた。
ラインハッドの光を強めて回復を促しているとはいえ、敵もそれなりの強さを誇っている。簡単に状況が変わるとは言えないだろう。
ランスロットはハルウッドとガルドに目配せをして、一時的に陣形を縮小させる事にした。それの狙いは一点集中で他の騎士達の体力回復を狙っているのである。
ガルドとハルウッドが騎士達を守りながら敵の攻撃を捌いて状況を見極めている時。アルフォッドとオルベはエリッド達と共に城の最奥まで突き進んでいた。
入口よりかは量は少ないがベルベルやミノタウロス達も普通にいる通路を全員で走り抜けながら、大元である魔法陣を探して城の中を探し回っている所であった。
「まだ見付からない! 何処だ!?」
「焦るんじゃないよアルフォッド君。俺達は冷静に状況を見ながら魔法陣を探すんだ。大丈夫、ランスロットさんも俺達を信じてくれているからきっと本隊を守り通してくれる」
「アル、僕達が冷静じゃないとアレスも助けられないよ! だから落ち着こう?」
「……悪い。また熱くなっていた。よーし、まずは最奥から攻めるんですよね? エリッドさん!」
「こういう場合の王道は大体玉座の間って決まっているからね。まずは玉座の間に突撃だ!」
「はいっ!」
アルフォッドとオルベも分かってくれて、エリッドは何故ランスロットがこの2人を連れてきたのか、それが分かった気がした。この若い騎士ならばどんな闇すらも打ち払うだけの光を持っていると信じているからだろうと。
それは、エリッドとトールデッドには凄く強く感じられていた。2人の騎士のお陰で部隊は落ち着いて行動が出来ているからだ。
そして、玉座の間に到着するとエリッドの読みは当たっていた。魔法陣が煌々と宙に浮かんで魔物の召喚を続けているではないか。
「この魔法陣を破壊する! 周囲の魔物を任せるよ!」
「俺達が倒します! エリッドさん、魔法陣を!」
「エリッド、行ける?」
「あぁ、行くぞ!」
エリッドの剣が光を帯びて魔法陣に向かって走り出す。周囲の魔物達はアルフォッドとオルベを始めとする騎士達が切り伏せていく。
トールデッドが風の魔法で魔物の塞ぐ道を切り開き、エリッドの足がその魔物達を土台にして空中に飛んだ。そして、光を帯びた剣を魔法陣に向かって……降り下ろす!
キィィィン……。そんな音が玉座の間に響くと魔法陣はバラバラに砕けてしまい、その場にいた魔物達が一斉に液体化してしまった。
「えっ……なんで液体化したんだ??」
「恐らく、この異界の”濃度”に耐えれないだと思います」
「”濃度”? それって僕達にも関係するんじゃないんですか??」
「いえ、魔物はロドの”濃度”が濃ゆいと身体を維持出来ない生態が主です。魔物はロドの”濃度”をエネルギーにして活動するのが本来の生命維持に欠かせない。これだけロドが濃ゆいと身体のエネルギーにするには過剰な濃ゆさになってしまっているんだと思います」
トールデッドの説明にアルフォッドとオルベは感心して液体化した魔物達を見下ろす。これで本隊を襲っている魔物達も液体化してくれていればいいのだがと願いながら。
本隊の方も魔物達が一斉に液体化した事で、魔法陣を破壊したのだと気付く。騎士達は各々で手当てをし始め、微かにロドを高めて回復魔法の効力を底上げして回復していく。
これでアレスの救出には時間と人手を使えるとランスロットは息を静かに吐き出す。そこにレーデアとアルディシアが合流してアレスの居場所を特定し始めた。
「この城の最上階にある部屋にいるみたい。でも、変ね……」
「えぇ、アルディシアも感じますか?」
「どうした?」
「アレスの光を感じはするのだけれど、位置が微妙に変わってるの」
「移動しているって事ではあるんでしょうが、部屋の中だとは思えなくて」
「……階段を全員、急いで探せ! 嫌な予感がする」
ランスロットは背筋に流れる冷たい汗を感じながら階段を探す様に命じる。そして、アレスは一体何が起こっているのだろうか――――?
一方、鉄巨人を撃破したエリッド達とハルウッド達も合流してガルドのサポートに回っていた。ハルウッドはガルドが何を確認しているのかを理解しているのか、エリッド達に魔法で回復を支援する様にとお願いの伝令を出していた。
「ガルドさんに何か考えがある、って事かな」
「そうじゃないと俺達に攻撃をお願いしてくるんだろうから、そうじゃないか?」
「でも、あのドラゴンを倒さないと先には進めないわ。早い所決着をつけないと時間が勿体ないわよ」
「……あのドラゴン、少し生態が普通のドラゴンとは異なる、そう感じます」
レーデアの言葉にエリッド達もドラゴンの動きや攻撃パターンを見ているが違和感は感じない。だが、レーデアはあのドラゴンが異なっていると告げている、何かが違うのだろうかと全員が注目しているとドラゴンが急に苦しみ始めた。
ハルウッドが全体の騎士達を下げてドラゴンが倒れ込んだ所を総攻撃するように激を飛ばす。ガルドの考えていた事が正解だったとハルウッドは確信する。
「やっぱり、ドラゴンと言えばの知能犯だったが……すこーし俺様の相手には不足気味だったようだな?」
「やはりこのドラゴンは……」
「あぁ、大地から再生能力を高める”根っこ”を生やした植物型ドラゴンだ。だから根っこを断ち切ってしまえば簡単に倒せる。むしろ、断ち切ってなきゃ永遠に再生されてこっちが死んでいただろうよ」
「流石の元ドラゴンスレイヤーの異名を持つだけの知識はありますね」
「ははっ、これでも騎士になる前までは流浪の冒険者だったからな俺様も。さて、ランスロットの方はどうなっている?」
「睨み合ったままの様です。迂闊に手出しは出来ないですね」
「する必要はねぇだろうよ。団長として、男として、ランスロットの戦いに水を差す事は許したくねぇ」
ガルドの言葉にハルウッドは大きく頷く。そこにエリッド達も合流してウィンドルと向き合っているランスロットの姿を見つめる。
ランスロットのラインハッドとウィンドルの剣は何回もぶつかり合い、火花を散らし、そして、お互いの力を探り合っている状態であった。ウィンドルは思っている以上に魔物がやられたとしても動揺をしている様には伺えない。
ランスロットの瞳にはウィンドルと言う男は魔族、と見えているが油断している事はない。逆に慎重にウィンドルを観察出来ていると言ってもいいだろう。
「どうした? お前ほどの男はこの俺の剣が怖いのか?」
「別に。お前の力を甘く見ていないだけだ。魔族、と呼ばれる種族に近いお前の底力を考えれば油断も出来ないんでな」
「魔族……そうか、お前達の記録にはその様に俺達の事が記録されているか。ならば教えてやろう。俺やラオンはこの世界の本来のあるべき神々である事をな!」
「!!」
ウィンドルの額から生えている角から雷撃が放たれる。だが、ランスロットの身軽な動きで回避されてもウィンドルの角からは雷撃がずっと出ている。
ウィンドルは自分達の事をあるべき神々、と言った。まるで自分達こそが正当なこのガハランド大陸の支配者の神であるかの様な言い方にランスロットの眉がピクリと動く。
だが、そんな戯言はどうでもいい。ランスロットの瞳に気合いの色が宿り雷撃を回避しながら徐々に間合いを詰めていく。
ウィンドルの剣がランスロットの首を狙う、それに対して回避したランスロットのラインハッドがウィンドルの角を切り落とす。素晴らしい切れ味のラインハッドは角を綺麗に横に切り落とし、ウィンドルはその切れ味の良さに舌打ちをして距離を取ろうとする。
「逃がすと思うか? 少し俺の事をサーチし足りなかったようだな?」
「なっ……!」
ラインハッドの効果でランスロットの身体能力は底上げされている。そして、同時に元々の身体能力の高さも相まってウィンドルの心臓に深々とラインハッドが突き刺さる。
口から鮮血を吐き出し、震える手でラインハッドを握り締めるウィンドルの瞳には憎悪が浮かんでいた。まるで神々に対する怒りの様な物をランスロットは感じ取る事が出来る。
「俺……達こそが……真なる……神々だっ……魔族とは……違うっ!」
「どんな怒りを神々に持っているかは知らないが、そんな私怨に俺達を巻き込んでもらっては困るんでな。アレスは返してもらう。お前達の手にはあまり存在だ」
「どう、せ……あの女の価値は……もはやないっ……一度穢れた魂は……神には愛されん……」
「例えそうであっても、アレスは俺の光に包まれて輝く聖女だ。闇のお前達の穢れは俺が掃ってみせる。……死ね」
ラインハッドを回して致命傷を負わせたランスロットはウィンドルの肉体を地面に捨て去る。地面に落ちたウィンドルの身体は徐々に溶けていき地面の中に吸い込まれていった。
入口の結界が解除しようとレーデアとアルディシアがロドを高めて突破を試みる。思っている以上に強い結界なのだろう、ロドの高まりがそれを示している。
ランスロットはハルウッド、ガルドを両サイドに配置し、アルフォッド達をすぐ前方に配置。エリッド達が先陣を切る形で突入できる様には配置を終わらせていた。
「行ける! レーデア!」
「はいっ!」
ロドが高まった瞬間、パリンと音が周囲に響き渡り入口を守っていた結界が解除される。レーデアとアルディシアはすぐ入口から離れてエリッド達が先頭に城内へと流れ込んだ。
遅れてランスロット達も城内に入るとそこは魔物の巣窟化している状態であった。当然の様に切り込んで行くエリッド達の士気につられて他の騎士達も手短な魔物から切り倒していく。
ランスロットはハルウッド、ガルドのサポートを受けながら城内に光を導く様に、ラインハッドに力を込めて光を満たしていく。だが、予想以上に魔物の量が多過ぎて先に進めない。
「厄介だな……どこからでも溢れ出ている感じだ」
「少しばかり量が多過ぎて疲弊させてこようってヒシヒシ感じるなぁ。ハルウッド、どうするお前さんならこんな場合」
「大元があるとは思うのですが、そこを叩かない限りこの量は維持されるでしょう。突入班を編成して、大元を叩きに行きます」
「それがやはり一番の方法だな。……アルフォッド、オルベ!」
「はいっ」
「はい!」
「お前達はエリッド達と共に奥に行け。大元である恐らく魔法陣がある筈だ。それを破壊しろ!」
「「はいっ!」」
アルフォッドとオルベはエリッド達と共に城の奥へと突破し始める。他の騎士達もそれを援護して道を開き、残った魔物達の相手を続けていた。
ラインハッドの光を強めて回復を促しているとはいえ、敵もそれなりの強さを誇っている。簡単に状況が変わるとは言えないだろう。
ランスロットはハルウッドとガルドに目配せをして、一時的に陣形を縮小させる事にした。それの狙いは一点集中で他の騎士達の体力回復を狙っているのである。
ガルドとハルウッドが騎士達を守りながら敵の攻撃を捌いて状況を見極めている時。アルフォッドとオルベはエリッド達と共に城の最奥まで突き進んでいた。
入口よりかは量は少ないがベルベルやミノタウロス達も普通にいる通路を全員で走り抜けながら、大元である魔法陣を探して城の中を探し回っている所であった。
「まだ見付からない! 何処だ!?」
「焦るんじゃないよアルフォッド君。俺達は冷静に状況を見ながら魔法陣を探すんだ。大丈夫、ランスロットさんも俺達を信じてくれているからきっと本隊を守り通してくれる」
「アル、僕達が冷静じゃないとアレスも助けられないよ! だから落ち着こう?」
「……悪い。また熱くなっていた。よーし、まずは最奥から攻めるんですよね? エリッドさん!」
「こういう場合の王道は大体玉座の間って決まっているからね。まずは玉座の間に突撃だ!」
「はいっ!」
アルフォッドとオルベも分かってくれて、エリッドは何故ランスロットがこの2人を連れてきたのか、それが分かった気がした。この若い騎士ならばどんな闇すらも打ち払うだけの光を持っていると信じているからだろうと。
それは、エリッドとトールデッドには凄く強く感じられていた。2人の騎士のお陰で部隊は落ち着いて行動が出来ているからだ。
そして、玉座の間に到着するとエリッドの読みは当たっていた。魔法陣が煌々と宙に浮かんで魔物の召喚を続けているではないか。
「この魔法陣を破壊する! 周囲の魔物を任せるよ!」
「俺達が倒します! エリッドさん、魔法陣を!」
「エリッド、行ける?」
「あぁ、行くぞ!」
エリッドの剣が光を帯びて魔法陣に向かって走り出す。周囲の魔物達はアルフォッドとオルベを始めとする騎士達が切り伏せていく。
トールデッドが風の魔法で魔物の塞ぐ道を切り開き、エリッドの足がその魔物達を土台にして空中に飛んだ。そして、光を帯びた剣を魔法陣に向かって……降り下ろす!
キィィィン……。そんな音が玉座の間に響くと魔法陣はバラバラに砕けてしまい、その場にいた魔物達が一斉に液体化してしまった。
「えっ……なんで液体化したんだ??」
「恐らく、この異界の”濃度”に耐えれないだと思います」
「”濃度”? それって僕達にも関係するんじゃないんですか??」
「いえ、魔物はロドの”濃度”が濃ゆいと身体を維持出来ない生態が主です。魔物はロドの”濃度”をエネルギーにして活動するのが本来の生命維持に欠かせない。これだけロドが濃ゆいと身体のエネルギーにするには過剰な濃ゆさになってしまっているんだと思います」
トールデッドの説明にアルフォッドとオルベは感心して液体化した魔物達を見下ろす。これで本隊を襲っている魔物達も液体化してくれていればいいのだがと願いながら。
本隊の方も魔物達が一斉に液体化した事で、魔法陣を破壊したのだと気付く。騎士達は各々で手当てをし始め、微かにロドを高めて回復魔法の効力を底上げして回復していく。
これでアレスの救出には時間と人手を使えるとランスロットは息を静かに吐き出す。そこにレーデアとアルディシアが合流してアレスの居場所を特定し始めた。
「この城の最上階にある部屋にいるみたい。でも、変ね……」
「えぇ、アルディシアも感じますか?」
「どうした?」
「アレスの光を感じはするのだけれど、位置が微妙に変わってるの」
「移動しているって事ではあるんでしょうが、部屋の中だとは思えなくて」
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