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9章
69話「選べ、生か死か」
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城の城内をくまなく探している騎士達の報告を待っている間もランスロットは嫌な予感が背中に流れていく汗と共に感じていた。アレスの事を狙っている者がいるのは間違いないのは事実だ。
「ご報告します! 階段を発見しましたが狭くて一気には上がれません!」
「ハルウッドは他の騎士達をまとめてくれ。ガルドとエリッドとトールデッド、アルフォッドとオルベは着いてこい!」
ランスロットは決めたメンバーを連れて階段を一気に駆け上がる。最上階まで駆け上ったランスロットはその異様なる光景に息を飲む。
窓から巨大な蔓が入り込んで何かの存在を包み込んでいるのが伺えた。その包み込んでいるのがアレスなのは光の力で分かる。
「あの蕾を蔓から切り落とせ! あの中にアレスがいる筈だ!」
「トールデッド!」
「はいっ!」
「アル、援護するから行って!」
「分かった!」
エリッドとアルフォッドが剣で蔓を切り落として行きながら突撃していく。オルベとトールデッドが援護しているが蔓の方が動きが早くて蕾は城の外に連れ出されてしまう。
ランスロットは窓辺に駆け寄り状況を確認する。蕾を連れ出した蔓は蕾を塔の方向に連れて行くのが見えたので追い掛ける為に階段へ戻ろうとした矢先、城の崩壊が始まった。
全員が階段を降りて本隊と合流して城を脱出、そして外で待っていたロゼットとの部隊と合流を果たして蕾の元へと全体的に動き始める。ロゼットに蕾に光を感じる事を伝えると険しい表情を浮かべてしまう。
「まるでこの城と心中させようとさせていた様にも思えるな」
「それだけならばアレスをこの城に置く必要はないだろう。だが、どうしてアレスを今また攫ったのかが気になる」
「お前が予想以上の力を持ち合わせていた、それを欲した為に人質としてまだアレスの利用価値があると考え直したという事も考えられる。それとは別に考えるなら、アレスの身体に何かを考えているって事も考えられる事もあるのだがな」
「そうだとしたら素早くアレスを取り戻す事が先決だ。アレスの光をこれ以上弱められたら神々の加護が受けれなくなってしまう可能性もある」
「とりあえず、この場所をなんとかする必要があるがな」
ランスロットはロゼットの言葉に眉を寄せたままで目の前の光景を見つめている。城が崩壊した際に地面も崩れてしまい、進行する為の道を人工的に作り出さないと進めない状態になってしまっていた。
ガルドやエリッド達も協力して道の補修をしているが、どう考えてもすぐに出来る状態ではない。時間のロスは痛いがこれで進めないままでいる訳にはいかない。
ランスロットは空を見上げて神々にアレスの無事を願うしかなかった。そして、蕾は塔の最下層の神殿の様な場所に安置される。
「ここは……」
アレスは蕾の外側が剥がされると目に入ってきた室内の様子を見回す。自分は何処に連れて来られたのだろうかと考えていると1人の男がアレスの前に姿を見せる。
一見すると普通の男性、の様に思えるがアレスの背筋には嫌な汗が流れていく。男はアレスの前に立つとニヤリと口元を歪めてアレスに言い放つ。
「城から連れ出されて困惑している様だが、そんなに愛しい男の腕に戻れなかったのが残念だったか?」
「その声は……ラオン!」
「この異界ならば生前の肉体の姿を維持出来るのでな。さて、お前には2つの選択肢を選ばせてやろう。その返答次第ではお前がこの場所から生きて帰れるかが決まる」
「何を……選択させるつもり?」
「この塔の最上階に俺はいる。その俺の妻としてこの塔の最上階に昇ってくるか、それかお前の愛する男の死に際を見て絶望し、この地で自害するか……どちらかを選ぶがいい」
「そんな……そんなの分かり切っている答えだわ! 私はどちらも選ばない! ランスロットは必ず私を助けに来てくれる! ラオン、貴方の目論見は潰える事を知るといいわ!」
「ふふふっ、流石にこの状況でもそんな強気で言えるか。だが、お前は一度俺の手で穢されている。そんな穢された身体と魂の存在が神々の加護を受けて、あの男の腕に戻れると思うか?」
「な、何を……嫌っ! 離して!」
「その身体に俺の子種をもう一度注いでやろう。そしたら絶望に染まって俺の妻になる決意も芽生えるだろう」
「嫌っ、いやぁぁぁぁ!!」
ラオンの腕に捕まったアレスはそのまま床に組み敷かれ裸にされていく。また穢されると分かって身体は震えて、心は恐怖で光の存在を求める事も出来ない。
ラオンはそんなアレスの足を掴み開かせるとそのまま肉棒を突き刺す様に蜜壺に挿入していく。痛みと苦しみ、穢された悲しみとランスロットに見捨てられる恐れからアレスは唇を噛み締めてその行為に耐えるしかなかった。
アレスの中に子種を注いだラオンは血が滲む蜜壺から肉棒を引き抜けばアレスにもう一度問い掛ける。そう自分の腕の中に堕ちるまで何回でも穢すつもりではいたのであるが。
「さぁ、俺の手を取れ。そして、あの男に絶望を与え、俺の魂の肉体として受け入れる様に告げる役目を持て。そうすればお前は永遠にこの聖王ラオンの妻として輝きを持てるのだぞ」
「い、や……わたし、は……ら、んすろ……との……おんなだ……もの」
涙を流しながら痛む身体を起こしてラオンを睨み付けるアレスにラオンはニヤリとまた口元を歪ませる。これは調教のし甲斐があると考えていると魔物達の騒ぐ声が聞こえ始める。
予想に反してランスロット達の動きが早かったのだと察すると、アレスの身体を持ち上げて部屋を出て行く。アレスはどうにか逃げ出そうと抵抗しているがそんなのを気にした様子もなくラオンは塔の階段を登り始めていく。
「離してっ!」
「お前の愛する男の前でお前を穢せば、男の魂も穢せるだろう。その為には来てもらうぞ」
「そんな事っ!」
「黙っていろ」
「いやぁ!」
ラオンの手からロドが放たれればアレスの口に猿轡の様な物が生成されて声を封じられ、塔の中層に連れて行かれる。下層のエリアが賑やかになったのを感じ取ったラオンは小さく笑って更に上層にまで進んでいく。
塔の最下層には道を作り終えた騎士達が滑り込む様にしてなだれ込んでいたが、アレスの姿を探して下層エリアを調査し尽くしていく。だが、アレスが包まれていただろう蕾を見付けるとすぐにランスロット達はアレスの存在を探す。
だが、アレスは既にラオンの手により中層から上層に連れて来られている、が予想に反してラオンは下層のランスロットの状態を気にして下層の様子を見にアレスを置いて出て行く。これがラストチャンスだと思ったアレスは痛む身体を無理矢理立たせて、口にされた猿轡を剥ぎ取り最低限の服を着込み部屋を静かに出る。
「このまま捕まるぐらいなら……逃げてやるっ」
ラオンは下層まで降りてきてランスロットの前に姿を見せる。ランスロットとラオンは初めて対面するがラオンはランスロットの弱点であるアレスの事をまだ口にする事はなかった。
「お前がラオンか」
「俺の依代になる器の男よ。どうだ、俺の魂を受け入れてこの異界から支配をしていかぬか?」
「断る。お前の様な存在を受け入れてもロクな事になる事は無い。それに俺はお前が憎くてたまらないんでな」
「ほぅ……あの小娘を俺に穢された事がそんなに憎いか。まぁ、あの女にまた子種を注いでやったがどうなるだろうなぁ?」
「っ、お前……!」
「お前が俺の器になればお前もあの女も永遠の命を得る事が出来るんだぞ? それが魅力ではないのか?」
「永遠の命を欲しいと思っていない。お前の様な悪しき存在の言葉に魅力など感じる事はない。だから、お前を倒してアレスをこの腕に取り戻す。それが俺の目的だ!」
ラオンとランスロットの間に散らされる火花を他の騎士達も認めていた。そして、ラオンは口元を歪めてニヤリと笑ってから右手を空に掲げて魔物の召喚を始める。
ハルウッドがガルドと共に階段を駆け上がり詠唱を中断させる為に攻撃を仕掛けに掛かる。エリッドとトールデッドが援護で階段の下から魔法をまとめて放つ。
アルフォッドとオルベは他の騎士達と共に湧いて出てきた魔物に対応している。ランスロットの背後を守る様にロゼットが陣取り、ランスロットはラインハッドを構えた。
ハルウッド、ガルドがラオンに攻撃を仕掛けた瞬間に詠唱は完成し、塔の最下層の半分を埋める様に魔物の大群が生まれ始める。ラオンの高笑いが塔の中に響き渡る。
「この俺に立ち向かうのは威勢がいいが、この狭さの中でこの量の魔物にどう対応する?」
「俺の騎士達を舐めてもらっては困るな。……全員、神聖騎士団の底力を見せてやれ!」
「行きますよ!」
「1体ずつ確実に仕留めていくぞ!」
「ランスロット!」
「!、アレス!」
「ほぅ、出てきたか。だが、今お前に男の元に行かせる訳にいかぬ」
「逃げろアレス!」
「ランスロットっ!」
アレスは階段の中央に陣取るラオンの上に姿を見せる。そこからランスロットの姿を確認してつい叫んでしまいラオンの視界に入ってしまった。
ラオンは階段を上がり始めるとアレスを追い始める。アレスは階段を上がりながらラオンの追いから逃げようとしているが、このままではすぐに捕まってしまう事は明らかである。
ロゼットがランスロットの前に出て魔物を切り伏せる。そしてランスロットに振り向き告げる。
「行け!」
「悪い!」
「クククッ、さぁ、どうする? あの男の前でもう一度穢そうか」
「っ、嫌っ……絶対ランスロットの元に戻るんだから……!」
「アレスー!」
「ランスロット!」
「俺を倒さねばあの女は救えないぞ? さぁ、どうする? 上にいる俺を相手にするには分が悪いのではないか?」
「っ、アレス! 飛べ!」
「えっ……迷っている暇はないっ。ランスロットを信じるっ!」
アレスに向かって叫んだランスロットの言葉にアレスも迷わないで決意する。今の状況的にアレスが階段の上部から下層に降りなくては助ける事も叶わない。
そして、その場合受け止める側のランスロットの覚悟と、飛ぶ側のアレスの決意が噛み合わないとこの行動は取れない。それは2人の絆が強い事を示す事に繋がるのだが。
ラオンは足を動かしアレスに大股で迫る、そして、アレスは決意を秘めた瞳で下層のランスロットの姿を捉えて階段の淵に立った。さぁ、聖女はその覚悟を秘めて飛び立たん――――。
「ご報告します! 階段を発見しましたが狭くて一気には上がれません!」
「ハルウッドは他の騎士達をまとめてくれ。ガルドとエリッドとトールデッド、アルフォッドとオルベは着いてこい!」
ランスロットは決めたメンバーを連れて階段を一気に駆け上がる。最上階まで駆け上ったランスロットはその異様なる光景に息を飲む。
窓から巨大な蔓が入り込んで何かの存在を包み込んでいるのが伺えた。その包み込んでいるのがアレスなのは光の力で分かる。
「あの蕾を蔓から切り落とせ! あの中にアレスがいる筈だ!」
「トールデッド!」
「はいっ!」
「アル、援護するから行って!」
「分かった!」
エリッドとアルフォッドが剣で蔓を切り落として行きながら突撃していく。オルベとトールデッドが援護しているが蔓の方が動きが早くて蕾は城の外に連れ出されてしまう。
ランスロットは窓辺に駆け寄り状況を確認する。蕾を連れ出した蔓は蕾を塔の方向に連れて行くのが見えたので追い掛ける為に階段へ戻ろうとした矢先、城の崩壊が始まった。
全員が階段を降りて本隊と合流して城を脱出、そして外で待っていたロゼットとの部隊と合流を果たして蕾の元へと全体的に動き始める。ロゼットに蕾に光を感じる事を伝えると険しい表情を浮かべてしまう。
「まるでこの城と心中させようとさせていた様にも思えるな」
「それだけならばアレスをこの城に置く必要はないだろう。だが、どうしてアレスを今また攫ったのかが気になる」
「お前が予想以上の力を持ち合わせていた、それを欲した為に人質としてまだアレスの利用価値があると考え直したという事も考えられる。それとは別に考えるなら、アレスの身体に何かを考えているって事も考えられる事もあるのだがな」
「そうだとしたら素早くアレスを取り戻す事が先決だ。アレスの光をこれ以上弱められたら神々の加護が受けれなくなってしまう可能性もある」
「とりあえず、この場所をなんとかする必要があるがな」
ランスロットはロゼットの言葉に眉を寄せたままで目の前の光景を見つめている。城が崩壊した際に地面も崩れてしまい、進行する為の道を人工的に作り出さないと進めない状態になってしまっていた。
ガルドやエリッド達も協力して道の補修をしているが、どう考えてもすぐに出来る状態ではない。時間のロスは痛いがこれで進めないままでいる訳にはいかない。
ランスロットは空を見上げて神々にアレスの無事を願うしかなかった。そして、蕾は塔の最下層の神殿の様な場所に安置される。
「ここは……」
アレスは蕾の外側が剥がされると目に入ってきた室内の様子を見回す。自分は何処に連れて来られたのだろうかと考えていると1人の男がアレスの前に姿を見せる。
一見すると普通の男性、の様に思えるがアレスの背筋には嫌な汗が流れていく。男はアレスの前に立つとニヤリと口元を歪めてアレスに言い放つ。
「城から連れ出されて困惑している様だが、そんなに愛しい男の腕に戻れなかったのが残念だったか?」
「その声は……ラオン!」
「この異界ならば生前の肉体の姿を維持出来るのでな。さて、お前には2つの選択肢を選ばせてやろう。その返答次第ではお前がこの場所から生きて帰れるかが決まる」
「何を……選択させるつもり?」
「この塔の最上階に俺はいる。その俺の妻としてこの塔の最上階に昇ってくるか、それかお前の愛する男の死に際を見て絶望し、この地で自害するか……どちらかを選ぶがいい」
「そんな……そんなの分かり切っている答えだわ! 私はどちらも選ばない! ランスロットは必ず私を助けに来てくれる! ラオン、貴方の目論見は潰える事を知るといいわ!」
「ふふふっ、流石にこの状況でもそんな強気で言えるか。だが、お前は一度俺の手で穢されている。そんな穢された身体と魂の存在が神々の加護を受けて、あの男の腕に戻れると思うか?」
「な、何を……嫌っ! 離して!」
「その身体に俺の子種をもう一度注いでやろう。そしたら絶望に染まって俺の妻になる決意も芽生えるだろう」
「嫌っ、いやぁぁぁぁ!!」
ラオンの腕に捕まったアレスはそのまま床に組み敷かれ裸にされていく。また穢されると分かって身体は震えて、心は恐怖で光の存在を求める事も出来ない。
ラオンはそんなアレスの足を掴み開かせるとそのまま肉棒を突き刺す様に蜜壺に挿入していく。痛みと苦しみ、穢された悲しみとランスロットに見捨てられる恐れからアレスは唇を噛み締めてその行為に耐えるしかなかった。
アレスの中に子種を注いだラオンは血が滲む蜜壺から肉棒を引き抜けばアレスにもう一度問い掛ける。そう自分の腕の中に堕ちるまで何回でも穢すつもりではいたのであるが。
「さぁ、俺の手を取れ。そして、あの男に絶望を与え、俺の魂の肉体として受け入れる様に告げる役目を持て。そうすればお前は永遠にこの聖王ラオンの妻として輝きを持てるのだぞ」
「い、や……わたし、は……ら、んすろ……との……おんなだ……もの」
涙を流しながら痛む身体を起こしてラオンを睨み付けるアレスにラオンはニヤリとまた口元を歪ませる。これは調教のし甲斐があると考えていると魔物達の騒ぐ声が聞こえ始める。
予想に反してランスロット達の動きが早かったのだと察すると、アレスの身体を持ち上げて部屋を出て行く。アレスはどうにか逃げ出そうと抵抗しているがそんなのを気にした様子もなくラオンは塔の階段を登り始めていく。
「離してっ!」
「お前の愛する男の前でお前を穢せば、男の魂も穢せるだろう。その為には来てもらうぞ」
「そんな事っ!」
「黙っていろ」
「いやぁ!」
ラオンの手からロドが放たれればアレスの口に猿轡の様な物が生成されて声を封じられ、塔の中層に連れて行かれる。下層のエリアが賑やかになったのを感じ取ったラオンは小さく笑って更に上層にまで進んでいく。
塔の最下層には道を作り終えた騎士達が滑り込む様にしてなだれ込んでいたが、アレスの姿を探して下層エリアを調査し尽くしていく。だが、アレスが包まれていただろう蕾を見付けるとすぐにランスロット達はアレスの存在を探す。
だが、アレスは既にラオンの手により中層から上層に連れて来られている、が予想に反してラオンは下層のランスロットの状態を気にして下層の様子を見にアレスを置いて出て行く。これがラストチャンスだと思ったアレスは痛む身体を無理矢理立たせて、口にされた猿轡を剥ぎ取り最低限の服を着込み部屋を静かに出る。
「このまま捕まるぐらいなら……逃げてやるっ」
ラオンは下層まで降りてきてランスロットの前に姿を見せる。ランスロットとラオンは初めて対面するがラオンはランスロットの弱点であるアレスの事をまだ口にする事はなかった。
「お前がラオンか」
「俺の依代になる器の男よ。どうだ、俺の魂を受け入れてこの異界から支配をしていかぬか?」
「断る。お前の様な存在を受け入れてもロクな事になる事は無い。それに俺はお前が憎くてたまらないんでな」
「ほぅ……あの小娘を俺に穢された事がそんなに憎いか。まぁ、あの女にまた子種を注いでやったがどうなるだろうなぁ?」
「っ、お前……!」
「お前が俺の器になればお前もあの女も永遠の命を得る事が出来るんだぞ? それが魅力ではないのか?」
「永遠の命を欲しいと思っていない。お前の様な悪しき存在の言葉に魅力など感じる事はない。だから、お前を倒してアレスをこの腕に取り戻す。それが俺の目的だ!」
ラオンとランスロットの間に散らされる火花を他の騎士達も認めていた。そして、ラオンは口元を歪めてニヤリと笑ってから右手を空に掲げて魔物の召喚を始める。
ハルウッドがガルドと共に階段を駆け上がり詠唱を中断させる為に攻撃を仕掛けに掛かる。エリッドとトールデッドが援護で階段の下から魔法をまとめて放つ。
アルフォッドとオルベは他の騎士達と共に湧いて出てきた魔物に対応している。ランスロットの背後を守る様にロゼットが陣取り、ランスロットはラインハッドを構えた。
ハルウッド、ガルドがラオンに攻撃を仕掛けた瞬間に詠唱は完成し、塔の最下層の半分を埋める様に魔物の大群が生まれ始める。ラオンの高笑いが塔の中に響き渡る。
「この俺に立ち向かうのは威勢がいいが、この狭さの中でこの量の魔物にどう対応する?」
「俺の騎士達を舐めてもらっては困るな。……全員、神聖騎士団の底力を見せてやれ!」
「行きますよ!」
「1体ずつ確実に仕留めていくぞ!」
「ランスロット!」
「!、アレス!」
「ほぅ、出てきたか。だが、今お前に男の元に行かせる訳にいかぬ」
「逃げろアレス!」
「ランスロットっ!」
アレスは階段の中央に陣取るラオンの上に姿を見せる。そこからランスロットの姿を確認してつい叫んでしまいラオンの視界に入ってしまった。
ラオンは階段を上がり始めるとアレスを追い始める。アレスは階段を上がりながらラオンの追いから逃げようとしているが、このままではすぐに捕まってしまう事は明らかである。
ロゼットがランスロットの前に出て魔物を切り伏せる。そしてランスロットに振り向き告げる。
「行け!」
「悪い!」
「クククッ、さぁ、どうする? あの男の前でもう一度穢そうか」
「っ、嫌っ……絶対ランスロットの元に戻るんだから……!」
「アレスー!」
「ランスロット!」
「俺を倒さねばあの女は救えないぞ? さぁ、どうする? 上にいる俺を相手にするには分が悪いのではないか?」
「っ、アレス! 飛べ!」
「えっ……迷っている暇はないっ。ランスロットを信じるっ!」
アレスに向かって叫んだランスロットの言葉にアレスも迷わないで決意する。今の状況的にアレスが階段の上部から下層に降りなくては助ける事も叶わない。
そして、その場合受け止める側のランスロットの覚悟と、飛ぶ側のアレスの決意が噛み合わないとこの行動は取れない。それは2人の絆が強い事を示す事に繋がるのだが。
ラオンは足を動かしアレスに大股で迫る、そして、アレスは決意を秘めた瞳で下層のランスロットの姿を捉えて階段の淵に立った。さぁ、聖女はその覚悟を秘めて飛び立たん――――。
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