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11章
85話「入ってきた闇の報告」
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フィンとルトが天上界から戻ってきた事で天上界の動きも次第に分かり始める。そして、保身派の神が1人だけでありまだラオンの魂を消滅させただけで済んでいるだけだと分かって、ランスロットは少し安心していた。
そして、死者の塔の最上階にいるだろうバルキットの事を本格的に考える必要がある。だが、これに関しては国を挙げて攻め込む必要性はないのではないかと考えていた。
ロゼットはロックと共にアベリオ国・ティールズ国・カナディルダ国の同盟を話し合いで決めていく為に使者の手配や親書の作成に忙しい。騎士団も市民達が戻ってきた事もあって防衛もしっかり務めなくてはならない。
そして、ランスロットは死者の塔へは少数精鋭で向かう事を考えていた。その為の人間の選別をし始めていたのである。
「本気で少数で行けるのか?」
「バルキットの動きを確認していないからハッキリとは言えないんじゃないか?」
「それでも、また国を挙げての行動をするには時間が足りないとお考えであるのでしょう」
「それもあるが、バルキットは……あくまで俺個人の肉体を欲している。無駄な戦闘は避けるだろうと思うんだ」
「ですが、ランスロット様の肉体を手に入れてしまったら、私達では太刀打ちは……」
ハルウッドの言葉にガルド、ロルゾも頷く。ラオンの時の様にランスロットの肉体を手に入れる為にアレスを狙ってくる事も考えられるのを踏まえたら、迂闊に少数で行くのは避けるべきではないかと言える。
だが、ラオンの魂を消した神の暴走が起こる前にどうしてもバルキットの存在と対峙しなくてはならない。神が暴走して困るのは間違いなく自分達とアレスである事をランスロットは理解しているのだ。
アレスは今日は屋敷で1人身体を休めているが、ランスロットはそんなアレスを守る為の騎士達の選別も行っていた。自分が留守の時はアレスの事を守れる信頼が置ける騎士を傍に置く必要がある。
「それじゃアレスの親衛隊を結成させるってのでいうなら同期組は絶対だろうな」
「あとはレイシアルもいいだろう。新人騎士の試験以来アレスの事を気に掛けているし」
「私もお傍にいましょう。占星術の私がどこまでお力になれるかは分かり兼ねますが……」
「ローレンスが他の騎士達の指揮を執ってくれれば俺も安心だ。ハルウッドはティクスの防衛隊長を頼む。ガルドとロルゾは連れて行く」
「ハルウッドは新婚だから嫁さんの傍から離すのはダメだからな。俺とロルゾがしっかりランスロットを守るさ」
「お願いしますよ。親衛騎士の名が折れない様にして下さい」
こうして、死者の塔へは少数精鋭で向かう事が騎士団内部で定まった。そして、その情報はすぐにロゼット達の耳にも入ってくる。
ランスロットの考えを知っているロゼットはロックにそれとなしにランスロットの決定を認める方向でお願いする様に進言する。実際、今ティクスの防衛を手薄にするのは得策ではないのである。
同盟に当たっている使者達の反応からして、アベリオ国の王は隙を見せればティクスを攻めようとしている事が伺えるというのが分かっている。そして、他の2国も同じなのでは? と疑心に囚われている状態なのである。
今ティクスを攻めてきてもエドゥル国との同盟もある以上は簡単に攻め落とされないが、それでも油断は出来ない。それをロゼットは知っているのである。
「ロゼット様」
「ガーベルか、どうしたのだ?」
「聖なる武器達が間もなく人型になる可能性が出始めております」
「それはタイミングがいいな」
「ランスロット様のご出立には間に合うかもしれません」
「そうだとありがたい。陛下もそれならば心配のご負担も幾ばくかは減るだろうしな」
「神々の方も一枚岩ではない様ではありますが、それでも少しだけでもランスロット様のご負担も減る事に繋がればよろしいのですが」
「そこばかりは正直なんとも言えないな。俺達が出来るのはランスロットのサポートだけだ」
ガーベルとロゼットはそんな言葉を交わしながら今のティクスの現状に頭を抱える。同盟がなったとしても油断できない現状では少々ランスロット不在も厳しいものがあるのだが。
だが、それでもランスロットが自分の手で決着を付けなくてはならない事実でもある。自分の身体を狙ってる異世界の魔王であるバルキットの存在はこのガハランド大陸においては恐怖でしかないのだから。
ロックは父、ルーディルと共に兄であるケンベルトの墓地に来ていた。妹のリーシルベも一緒である。
「兄様……」
「お兄様、今日はお父様もご一緒です。寂しくはありませんでしたか?」
「ケンベルト、お前の死に目に立ち会えなかった俺をあの世でいいから恨んでもいい。だが、今ティクスは微妙な立場にある。どうか、お前の力をロックやリーシルベに貸し与えてやってくれ」
献花をしながらルーディルはケンベルトの墓前の前で静かに祈りを捧げる。自分がケンベルトにはしてやれなかった事を今ロック達にしてやるのもある意味おかしいな話ではあるが。
そんな親子の心に光の声が届く。それはケンベルトの声であった。
『ロック、リーシルベ、そして……父さん。俺の事を覚えててくれてありがとう。だが、もう俺は死んだ国王だ。俺が出来るのは皆の幸せを願う事だけだよ』
「兄様っ」
「ケンベルト……お前は国王として立派だった、そう皆が話している。本当に成長したのだな……俺の跡を継ぐ事を受け入れたお前に心から感謝しゃしか浮かばない。……恨んでないか俺を」
『父さん、俺は父さんがどうして国を捨てて他の国に行ったか知った時に、本当は辛かった。でも、それが国王として最大に出来る判断でもあるのを理解していた。俺は父さんの自慢の息子として少しでも成長出来たかな……?』
「勿論だ。お前は最高の俺の息子だよ。ロックやリーシルベにとってもいい兄として、そして、お前のお陰でティクス国もこうして発展を遂げている。お前がしてきた事は間違いなんかじゃない」
『良かった……。ロック、リーシルベ、お前達が今後は国を守っていく。その中で間違いを選択する事もあるとしても、立ち止まるな。お前達の歩んできた道はきっと誰かの未来に繋がる大事な道標になる』
ケンベルトの若かりし頃の姿が墓石の上に現れる。その姿にリーシルベは涙を浮かべ、ロックは強く見つめ、ルーディルは瞳を細めて見つめる。
ケンベルトの瞳には優しい色が宿っていて、それが3人の家族を温かく見守っている。その視線こそが答えだとルーディルは思う。
誰よりも国を想い、誰よりも家族を想い、誰よりも……国王としてこの命を全力で燃やした息子をルーディルは心から愛おしいと思った。この息子を自分は愛してやれただろうか、そんな疑問が頭の中に何回でも回転して脳裏を占める。
だが、それはケンベルトに伝わっているのだろう。ケンベルトはルーディルに向かって言葉を紡ぐ、それはずっと言いたかった最初で最期の言葉。
『父さん。俺は、ずっと父さんの事を追い続けてきた。何が起きても父さんならきっと対処出来る筈だから、俺にも対処は出来るって言い聞かせてきて。でも、それが父さんの足枷にはなってなかっただろうか?』
「そんな事はない。ケンベルトの頑張りをエドゥル国にいる間いつも気にしていた。それは、お前が俺の一番の理解者であり、一番の自慢でもあったからだ。お前がいつか俺の背を追い抜いて国王として立派になったら……共に酒を飲みたかったぞ」
『ははっ、それなら良かった。俺……父さんに認められて初めて国王になれたと思っている。だから……ありがとう……ルーディルお父様』
ケンベルトの声と姿が消えるとロックは涙を流さない様に我慢し、リーシルベも必死に涙を拭っていた。そんな2人をルーディルはそっと抱き締めて包み込んでやる。
ケンベルトに最期に呼ばれたお父様の言葉にルーディルは心からケンベルトを愛していて良かった、そう自覚するのであった。ケンベルトの導きがあればきっとティクスは大偉丈夫、そう思うルーディルは心から信じていくのである。
「お帰りなさいランスロット」
「ただいま。体調はどうだ?」
「今日は調子があまり良くないね。お婆様のお話だと悪阻……妊婦さんにはよくある事だって教わったよ」
「そうか。妊娠しているから吐き気が強い人もいるって今日ガルドに言われた」
「ガルド様のご家庭もお子様おられるよね? 確か……」
「養子だ。実子は小さい頃に病で亡くなったと聞いた」
「そうだったんだ……ガルド様のお子さんも天上界できっとガルド様の事を見守って下さっているよね」
「あぁ、そうだな。さぁ、身体を冷やすといけない。部屋に行こう」
「はい」
アレスの待つ屋敷に戻ってくると出迎えに来たアレスは少し大人し目に出迎えてくれた。悪阻と呼ばれる妊婦の初期症状が出始めているのだと聞かされて、本格的に妊婦対策を考えるべきかとランスロットの中では持ち上がっていた。
フィンも同席して、アレスの自室で着替えてきたランスロットの話を2人は聞く事になる。それは少数精鋭で死者の塔にいるとされているバルキット討伐隊を結成するとの言葉だった。
「それじゃ、本当に少数で行くの?」
「あぁ、それが一番確実だ」
「そうなれば、光の力を補う術が必要になりますね」
「聖女の私が一緒に……」
「アレスとお婆様はティクスに残す。純血の天使達に力を借りて光の力は補う。これが本当の最終決戦になる」
「ランスロット、決して死んではいけませんよ。貴方の死はガハランド大陸の終わりでもあります」
「分かっています。だから、お婆様……アレスの事をお願いします」
「ランスロット……」
「えぇ、分かっています。必ずアレスは守り抜きますよ」
フィンの言葉を受けてランスロットの心も静かに定まる。そして、アレスはそんなランスロットの心を理解して、静かにランスロットの手を握り締めて見上げる。
この愛おしい存在を笑顔にする為に、そして、愛する家族の元に戻る為に、ランスロットの心には強くて太い希望が色濃く刻まれていくのであった――――。
そして、死者の塔の最上階にいるだろうバルキットの事を本格的に考える必要がある。だが、これに関しては国を挙げて攻め込む必要性はないのではないかと考えていた。
ロゼットはロックと共にアベリオ国・ティールズ国・カナディルダ国の同盟を話し合いで決めていく為に使者の手配や親書の作成に忙しい。騎士団も市民達が戻ってきた事もあって防衛もしっかり務めなくてはならない。
そして、ランスロットは死者の塔へは少数精鋭で向かう事を考えていた。その為の人間の選別をし始めていたのである。
「本気で少数で行けるのか?」
「バルキットの動きを確認していないからハッキリとは言えないんじゃないか?」
「それでも、また国を挙げての行動をするには時間が足りないとお考えであるのでしょう」
「それもあるが、バルキットは……あくまで俺個人の肉体を欲している。無駄な戦闘は避けるだろうと思うんだ」
「ですが、ランスロット様の肉体を手に入れてしまったら、私達では太刀打ちは……」
ハルウッドの言葉にガルド、ロルゾも頷く。ラオンの時の様にランスロットの肉体を手に入れる為にアレスを狙ってくる事も考えられるのを踏まえたら、迂闊に少数で行くのは避けるべきではないかと言える。
だが、ラオンの魂を消した神の暴走が起こる前にどうしてもバルキットの存在と対峙しなくてはならない。神が暴走して困るのは間違いなく自分達とアレスである事をランスロットは理解しているのだ。
アレスは今日は屋敷で1人身体を休めているが、ランスロットはそんなアレスを守る為の騎士達の選別も行っていた。自分が留守の時はアレスの事を守れる信頼が置ける騎士を傍に置く必要がある。
「それじゃアレスの親衛隊を結成させるってのでいうなら同期組は絶対だろうな」
「あとはレイシアルもいいだろう。新人騎士の試験以来アレスの事を気に掛けているし」
「私もお傍にいましょう。占星術の私がどこまでお力になれるかは分かり兼ねますが……」
「ローレンスが他の騎士達の指揮を執ってくれれば俺も安心だ。ハルウッドはティクスの防衛隊長を頼む。ガルドとロルゾは連れて行く」
「ハルウッドは新婚だから嫁さんの傍から離すのはダメだからな。俺とロルゾがしっかりランスロットを守るさ」
「お願いしますよ。親衛騎士の名が折れない様にして下さい」
こうして、死者の塔へは少数精鋭で向かう事が騎士団内部で定まった。そして、その情報はすぐにロゼット達の耳にも入ってくる。
ランスロットの考えを知っているロゼットはロックにそれとなしにランスロットの決定を認める方向でお願いする様に進言する。実際、今ティクスの防衛を手薄にするのは得策ではないのである。
同盟に当たっている使者達の反応からして、アベリオ国の王は隙を見せればティクスを攻めようとしている事が伺えるというのが分かっている。そして、他の2国も同じなのでは? と疑心に囚われている状態なのである。
今ティクスを攻めてきてもエドゥル国との同盟もある以上は簡単に攻め落とされないが、それでも油断は出来ない。それをロゼットは知っているのである。
「ロゼット様」
「ガーベルか、どうしたのだ?」
「聖なる武器達が間もなく人型になる可能性が出始めております」
「それはタイミングがいいな」
「ランスロット様のご出立には間に合うかもしれません」
「そうだとありがたい。陛下もそれならば心配のご負担も幾ばくかは減るだろうしな」
「神々の方も一枚岩ではない様ではありますが、それでも少しだけでもランスロット様のご負担も減る事に繋がればよろしいのですが」
「そこばかりは正直なんとも言えないな。俺達が出来るのはランスロットのサポートだけだ」
ガーベルとロゼットはそんな言葉を交わしながら今のティクスの現状に頭を抱える。同盟がなったとしても油断できない現状では少々ランスロット不在も厳しいものがあるのだが。
だが、それでもランスロットが自分の手で決着を付けなくてはならない事実でもある。自分の身体を狙ってる異世界の魔王であるバルキットの存在はこのガハランド大陸においては恐怖でしかないのだから。
ロックは父、ルーディルと共に兄であるケンベルトの墓地に来ていた。妹のリーシルベも一緒である。
「兄様……」
「お兄様、今日はお父様もご一緒です。寂しくはありませんでしたか?」
「ケンベルト、お前の死に目に立ち会えなかった俺をあの世でいいから恨んでもいい。だが、今ティクスは微妙な立場にある。どうか、お前の力をロックやリーシルベに貸し与えてやってくれ」
献花をしながらルーディルはケンベルトの墓前の前で静かに祈りを捧げる。自分がケンベルトにはしてやれなかった事を今ロック達にしてやるのもある意味おかしいな話ではあるが。
そんな親子の心に光の声が届く。それはケンベルトの声であった。
『ロック、リーシルベ、そして……父さん。俺の事を覚えててくれてありがとう。だが、もう俺は死んだ国王だ。俺が出来るのは皆の幸せを願う事だけだよ』
「兄様っ」
「ケンベルト……お前は国王として立派だった、そう皆が話している。本当に成長したのだな……俺の跡を継ぐ事を受け入れたお前に心から感謝しゃしか浮かばない。……恨んでないか俺を」
『父さん、俺は父さんがどうして国を捨てて他の国に行ったか知った時に、本当は辛かった。でも、それが国王として最大に出来る判断でもあるのを理解していた。俺は父さんの自慢の息子として少しでも成長出来たかな……?』
「勿論だ。お前は最高の俺の息子だよ。ロックやリーシルベにとってもいい兄として、そして、お前のお陰でティクス国もこうして発展を遂げている。お前がしてきた事は間違いなんかじゃない」
『良かった……。ロック、リーシルベ、お前達が今後は国を守っていく。その中で間違いを選択する事もあるとしても、立ち止まるな。お前達の歩んできた道はきっと誰かの未来に繋がる大事な道標になる』
ケンベルトの若かりし頃の姿が墓石の上に現れる。その姿にリーシルベは涙を浮かべ、ロックは強く見つめ、ルーディルは瞳を細めて見つめる。
ケンベルトの瞳には優しい色が宿っていて、それが3人の家族を温かく見守っている。その視線こそが答えだとルーディルは思う。
誰よりも国を想い、誰よりも家族を想い、誰よりも……国王としてこの命を全力で燃やした息子をルーディルは心から愛おしいと思った。この息子を自分は愛してやれただろうか、そんな疑問が頭の中に何回でも回転して脳裏を占める。
だが、それはケンベルトに伝わっているのだろう。ケンベルトはルーディルに向かって言葉を紡ぐ、それはずっと言いたかった最初で最期の言葉。
『父さん。俺は、ずっと父さんの事を追い続けてきた。何が起きても父さんならきっと対処出来る筈だから、俺にも対処は出来るって言い聞かせてきて。でも、それが父さんの足枷にはなってなかっただろうか?』
「そんな事はない。ケンベルトの頑張りをエドゥル国にいる間いつも気にしていた。それは、お前が俺の一番の理解者であり、一番の自慢でもあったからだ。お前がいつか俺の背を追い抜いて国王として立派になったら……共に酒を飲みたかったぞ」
『ははっ、それなら良かった。俺……父さんに認められて初めて国王になれたと思っている。だから……ありがとう……ルーディルお父様』
ケンベルトの声と姿が消えるとロックは涙を流さない様に我慢し、リーシルベも必死に涙を拭っていた。そんな2人をルーディルはそっと抱き締めて包み込んでやる。
ケンベルトに最期に呼ばれたお父様の言葉にルーディルは心からケンベルトを愛していて良かった、そう自覚するのであった。ケンベルトの導きがあればきっとティクスは大偉丈夫、そう思うルーディルは心から信じていくのである。
「お帰りなさいランスロット」
「ただいま。体調はどうだ?」
「今日は調子があまり良くないね。お婆様のお話だと悪阻……妊婦さんにはよくある事だって教わったよ」
「そうか。妊娠しているから吐き気が強い人もいるって今日ガルドに言われた」
「ガルド様のご家庭もお子様おられるよね? 確か……」
「養子だ。実子は小さい頃に病で亡くなったと聞いた」
「そうだったんだ……ガルド様のお子さんも天上界できっとガルド様の事を見守って下さっているよね」
「あぁ、そうだな。さぁ、身体を冷やすといけない。部屋に行こう」
「はい」
アレスの待つ屋敷に戻ってくると出迎えに来たアレスは少し大人し目に出迎えてくれた。悪阻と呼ばれる妊婦の初期症状が出始めているのだと聞かされて、本格的に妊婦対策を考えるべきかとランスロットの中では持ち上がっていた。
フィンも同席して、アレスの自室で着替えてきたランスロットの話を2人は聞く事になる。それは少数精鋭で死者の塔にいるとされているバルキット討伐隊を結成するとの言葉だった。
「それじゃ、本当に少数で行くの?」
「あぁ、それが一番確実だ」
「そうなれば、光の力を補う術が必要になりますね」
「聖女の私が一緒に……」
「アレスとお婆様はティクスに残す。純血の天使達に力を借りて光の力は補う。これが本当の最終決戦になる」
「ランスロット、決して死んではいけませんよ。貴方の死はガハランド大陸の終わりでもあります」
「分かっています。だから、お婆様……アレスの事をお願いします」
「ランスロット……」
「えぇ、分かっています。必ずアレスは守り抜きますよ」
フィンの言葉を受けてランスロットの心も静かに定まる。そして、アレスはそんなランスロットの心を理解して、静かにランスロットの手を握り締めて見上げる。
この愛おしい存在を笑顔にする為に、そして、愛する家族の元に戻る為に、ランスロットの心には強くて太い希望が色濃く刻まれていくのであった――――。
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