88 / 107
11章
87話「共に戦う者達」
しおりを挟む
ランスロットの出立3日前、ガーベルは数日前に聖なる武器の人型になる際に放った光を調査していたが、目的の者達を見つけ出す事に成功した。聖なる武器の4人がガーベルと共にランスロットの前に現れる。
4人の容姿を見た騎士達はその美しさに感嘆の溜め息を吐き出す程。だが、4人の聖なる武器達はランスロットの前に立つと深々と一礼するので、ランスロットの方も深々と一礼して挨拶を交わす。
銀髪の毛先が赤色の青年「アキュートス」、緑髪で毛先が銀色の女性「ボロスリア」、茶髪で毛先が蒼い青年「ガルダルス」、そして、ランスロットと縁が深い黒髪の毛先が白い男性「アルボリス」。この4人がランスロットに力を貸す為に人型になったのである事をガーベルが告げる。
「我々はガハランド大陸に危機が訪れた際に力を扱える者と共に困難に立ち向かう為に、こうして人の姿を模して貴方の前にいる。そして、俺は貴方の力に個人的になりたいと願っていた」
「もしかして……アルボリス、か?」
「そう。俺の名はアルボリス。聖なる武器の片手剣、貴方達エルンシア家が守護してくれていた事を俺は忘れている訳ではない」
「アルボリス、貴方だけズルいわよ。私達にも話をさせて」
ボロスリアがそう言いながらアルボリスの片腕に抱き着き、微笑みながらランスロットに笑顔を見せる。そして、アキュートスはランスロットにお礼を述べ始める。
「私はアキュートス。私をディズ国より本来あるべき場所に連れ戻してくれて感謝しています。あの国にて私は守護するべき相手に恵まれなかった。それを貴方は聖女と共に連れ戻してくれた。感謝しかありません」
「アキュートスは礼儀正しいのが売りだろうけれど、僕達の目的を忘れてないですよね? 僕達はこの方のお力になって異世界の魔王であるバルキットを倒す為に力を使わないといけないんですよ」
「ガルダルスは少し無邪気過ぎる。しっかりしてくれ、ランスロットの力にならなかったら怒るからな」
アルボリスを始めとする4人のやり取りにランスロットの心は冷静にそれぞれの特徴を掴んでいた。この4人もバルキットを討伐しに行くのに同行してくれるのであるらしい事に戦力強化には望ましい事だとランスロットは思っていた。
そして、ガーベルが4人のリーダーを決める必要性について話し始めるとガルダルスとアキュートスはアルボリスを推挙する。そこにボロスリアはアルボリスの事を誰よりも信用出来ると太鼓判を押してくれた。
4人の準備は既に整っている事もあってランスロットはガーベルに4人を任せてから、ロックの元に出立の意思を伝えに行く為に立ち上がる。団長室を出て玉座の間に向かっているとアルボリスが付いてきた。
「どうしたんだ?」
「貴方の傍を離れたくないと思った。何故か離れたら後悔すると思っている」
「そうか。まるで弟のようだな」
「では、貴方は俺の兄だな」
「それはなんだか新鮮だな。アルボリスは俺を恨んでいないのか?」
「何故? 貴方の家は俺を守ってくれていた。それは間違いない」
「だが、大臣達の手により一度は守れなかったんだぞ? それで恨まれても俺は受け止めるだけだが……」
「あれは仕方ない事だった。それによって貴方の父を苦しめたのを考えたら俺の方こそ悪いと思っている」
「アルボリス……。お前と共に戦える今回はありがたいとさえ思ってしまうな」
ランスロットはアルボリスを隣に歩かせながら玉座の間に向かっていた。アルボリスを連れてロックの元に辿り着くとロックはアルボリスを見て嬉しさから玉座から立ち上がりアルボリスの両手を掴み見上げている。
アルボリスもそんなロックに視線を合わせて戸惑っている状態ではあったが、ランスロットはロックに優しく告げる。自分達はバルキットのいる場所に向かう事を。
「陛下、3日後にティクスを発ちます。異世界の魔王であるバルキットを倒してきます」
「ランスロット様、アルボリス様、必ずこのティクス国に戻ってきて下さい。国の主としてお2人を始めとする方々の無事を心から神々に祈っています!」
「俺達も頑張ってくる。そして、ガハランド大陸に光を満たすから」
「必ず戻ってきます。それでは暫くの間留守にしますが、どうか陛下もご無理をなされないで下さい。それでは失礼します」
アルボリスと共に玉座の間から辞した2人は団長室に戻って行く。その途中でアルボリスをランスロットは手招きする。
アルボリスはランスロットの傍に近寄るとランスロットがアルボリスの肩に手を置いて何かの祈りをして力を与えていく。その力を感じてはアルボリスが嬉しそうに微笑みを浮かべる。
「ありがとう、ランスロット」
「治癒能力を付与している。怪我をしても大丈夫だろう」
「ランスロットの事は俺が守る。それが恩返しになる」
「そこまで考えなくていい。共にこのティクス国に戻る事を諦めないでいよう。皆で帰るんだ」
「そうだな。必ず帰る」
アルボリスが同じ様に決意を持ってくれた事にランスロットも嬉しかった。そして、出立前夜までハルウッドとカセルの指揮権を整えていたらあっという間に出立当日の朝を迎える。
アレスとフィンも城に登城して出立する一団を見送りに来てくれていた。ランスロットは鎧に聖女のアレスの祈りを受けてから騎乗する。
ガルベルドとロルゾ、ガルドを従えてランスロットは向かう一団の前に出て激を飛ばす。見送る騎士達はランスロット達の背に祈りを捧げていく。
「いいか、俺達は必ずこのティクスに戻る。異世界の魔王であるバルキットを撃破してガハランド大陸に平和をもたらすぞ!」
「皆、行くぞー!」
「おー!」
「いよいよですな」
「ガルベルド殿も気を引き締めて協力お願いします」
「はい。それでは参りましょう! いざ、異世界の魔王撃破へ!」
ガルベルドを右側に、ガルドを左側に、ロルゾを後方に置いて進軍を開始する。アレスはランスロットの姿が見えなくなるまで見つめ続けていた。
そして、神々に深い祈りを捧げていく。どうかランスロット達を無事にお守り下さいと願いを込めて。
ティクス国を出立したランスロット達は異界の入口が元々あった湖の傍に向かう。その途中で先行していたエリッド達と合流する。
エリッド達の話だと異界への道が開かれているのと、そこから魔物は出てきていない事を知らされる。
「ランスロットさんの肉体を確実に手に入れる為に待ち構えているんだと思います。それと同時に異界の門をアルディシアとレーデアが固定する為のキーパーになります」
「色々と準備もさせただろうが、助かる。エリッドとトールデッドだけが同行する形になるのか?」
「はい、僕達だけになりますが力になれる様に頑張ります」
「ランスロットさん、この戦いの前に一度本隊を休ませた方がいいと思います。アルディシアの話だと、異界の空気に慣れる為に数日異界の門の近くに滞在させたがいいとの事なんです」
「確かに、空気の違いで本領発揮が出来ないのでは意味はありませんな。私も賛成ですランスロット様」
「そうですね。それじゃ本陣を一時的に設置してくれ。異界の空気に慣れ次第進軍を再開させる」
ランスロットの決断に随行していた騎士達はすぐにテントを門の傍に設置し始めていく。長期戦は覚悟の上であるとランスロットは身構えていた。
ガルベルド、ガルド、ロルゾ、エリッド、トールデッドは張られたテントの中に集まり、今後の進軍について考えられる問題について話し合いをし始める。
そこに4人の聖なる武器達であるアルボリス達も同席を求めて、ランスロットはそれを許可して10人でテント内に広げられた資料を見ながら問題点を話し合う。最初に取り上げられるのは異界の中での光不足によるロド使用が減る事についてだった。
「元々、ロドは異界でも使えなくはありません。でも、光が足りないのを考えるとアルディシア達に光の力を送り込んでもらう事でなんとか解決は出来るのではないかなと思います」
「異界の魔物達はこのガハランド大陸にいる魔物だとランスロット様からお伺いしている。その魔物相手には私達カナディルダ騎士団が先頭を取りましょう。進路については随時指示を下されば、そちらに進みます」
「相手はランスロットの身体を狙ってくるのは間違いないんだ。ランスロットの力を温存しておくのがベストだろうよ」
「俺達親衛の人間が必ず傍にいる時に動いてくれよランスロット」
「言いたい事は分かるが、相手もそんなに甘やかしてはくれないだろう。相手の得意な世界で戦うだけでも不公平だというのに。だから、俺達も全力で進む事を考えていくべきだ」
ランスロットの強い意思は揺るぎが無い。それこそ、何かの考えがあるかの様な決意の強さを見せている事にガルドやロルゾはそれがアレスに繋がりがある事を気付いていた。
テントからアルボリス達、エリッド達、ガルベルドが出て行くとロルゾがランスロットに問い掛ける。ガルドも興味があったのかロルゾの言葉にうんうんと頷く。
「ランスロット、お前さん何か秘策でもあるのか? やけに気合いが入っている様に思えたが」
「秘策って訳ではないんだが……お婆様に言われていな。俺がもしバルキットを倒せなかったら神々の力を以って俺の身体を天上界に即引き取ってもらう事になっている」
「死んだ後に悪用されない様に、ってことか」
「それだけの事だけで気合いが入っているんじゃないだろう? どうしたんだ?」
「……アレスのお腹の中にいる子供の性別が分かったんだ。その子達の為にも生きて帰る事を決めているだけなんだ」
「子達って事は……双子か?」
「双子で初産ならかなりキツイだろう? 俺の嫁さんも1人だけ産むのも大変だったんだぞ」
「だが、お婆様の言葉だと双子は縁起がいいっていう事でアレスも喜んでいた。男女の双子だそうだ」
「そりゃめでたいな」
「こりゃ、何がなんでも生きて帰らないとな!」
ガルドもロルゾも、自分の事の様に喜んでくれるからランスロットは嬉しく思う。アレスのお腹の中に宿ったのは2つの生命。
その子供達を腕に抱くまでは死ねないとランスロットは強く心に刻む。運命の戦いまで数日の猶予があるが、ランスロットはこの数日の間に色々としなくてはならない事をまだこの時は気付いていなかった――――。
4人の容姿を見た騎士達はその美しさに感嘆の溜め息を吐き出す程。だが、4人の聖なる武器達はランスロットの前に立つと深々と一礼するので、ランスロットの方も深々と一礼して挨拶を交わす。
銀髪の毛先が赤色の青年「アキュートス」、緑髪で毛先が銀色の女性「ボロスリア」、茶髪で毛先が蒼い青年「ガルダルス」、そして、ランスロットと縁が深い黒髪の毛先が白い男性「アルボリス」。この4人がランスロットに力を貸す為に人型になったのである事をガーベルが告げる。
「我々はガハランド大陸に危機が訪れた際に力を扱える者と共に困難に立ち向かう為に、こうして人の姿を模して貴方の前にいる。そして、俺は貴方の力に個人的になりたいと願っていた」
「もしかして……アルボリス、か?」
「そう。俺の名はアルボリス。聖なる武器の片手剣、貴方達エルンシア家が守護してくれていた事を俺は忘れている訳ではない」
「アルボリス、貴方だけズルいわよ。私達にも話をさせて」
ボロスリアがそう言いながらアルボリスの片腕に抱き着き、微笑みながらランスロットに笑顔を見せる。そして、アキュートスはランスロットにお礼を述べ始める。
「私はアキュートス。私をディズ国より本来あるべき場所に連れ戻してくれて感謝しています。あの国にて私は守護するべき相手に恵まれなかった。それを貴方は聖女と共に連れ戻してくれた。感謝しかありません」
「アキュートスは礼儀正しいのが売りだろうけれど、僕達の目的を忘れてないですよね? 僕達はこの方のお力になって異世界の魔王であるバルキットを倒す為に力を使わないといけないんですよ」
「ガルダルスは少し無邪気過ぎる。しっかりしてくれ、ランスロットの力にならなかったら怒るからな」
アルボリスを始めとする4人のやり取りにランスロットの心は冷静にそれぞれの特徴を掴んでいた。この4人もバルキットを討伐しに行くのに同行してくれるのであるらしい事に戦力強化には望ましい事だとランスロットは思っていた。
そして、ガーベルが4人のリーダーを決める必要性について話し始めるとガルダルスとアキュートスはアルボリスを推挙する。そこにボロスリアはアルボリスの事を誰よりも信用出来ると太鼓判を押してくれた。
4人の準備は既に整っている事もあってランスロットはガーベルに4人を任せてから、ロックの元に出立の意思を伝えに行く為に立ち上がる。団長室を出て玉座の間に向かっているとアルボリスが付いてきた。
「どうしたんだ?」
「貴方の傍を離れたくないと思った。何故か離れたら後悔すると思っている」
「そうか。まるで弟のようだな」
「では、貴方は俺の兄だな」
「それはなんだか新鮮だな。アルボリスは俺を恨んでいないのか?」
「何故? 貴方の家は俺を守ってくれていた。それは間違いない」
「だが、大臣達の手により一度は守れなかったんだぞ? それで恨まれても俺は受け止めるだけだが……」
「あれは仕方ない事だった。それによって貴方の父を苦しめたのを考えたら俺の方こそ悪いと思っている」
「アルボリス……。お前と共に戦える今回はありがたいとさえ思ってしまうな」
ランスロットはアルボリスを隣に歩かせながら玉座の間に向かっていた。アルボリスを連れてロックの元に辿り着くとロックはアルボリスを見て嬉しさから玉座から立ち上がりアルボリスの両手を掴み見上げている。
アルボリスもそんなロックに視線を合わせて戸惑っている状態ではあったが、ランスロットはロックに優しく告げる。自分達はバルキットのいる場所に向かう事を。
「陛下、3日後にティクスを発ちます。異世界の魔王であるバルキットを倒してきます」
「ランスロット様、アルボリス様、必ずこのティクス国に戻ってきて下さい。国の主としてお2人を始めとする方々の無事を心から神々に祈っています!」
「俺達も頑張ってくる。そして、ガハランド大陸に光を満たすから」
「必ず戻ってきます。それでは暫くの間留守にしますが、どうか陛下もご無理をなされないで下さい。それでは失礼します」
アルボリスと共に玉座の間から辞した2人は団長室に戻って行く。その途中でアルボリスをランスロットは手招きする。
アルボリスはランスロットの傍に近寄るとランスロットがアルボリスの肩に手を置いて何かの祈りをして力を与えていく。その力を感じてはアルボリスが嬉しそうに微笑みを浮かべる。
「ありがとう、ランスロット」
「治癒能力を付与している。怪我をしても大丈夫だろう」
「ランスロットの事は俺が守る。それが恩返しになる」
「そこまで考えなくていい。共にこのティクス国に戻る事を諦めないでいよう。皆で帰るんだ」
「そうだな。必ず帰る」
アルボリスが同じ様に決意を持ってくれた事にランスロットも嬉しかった。そして、出立前夜までハルウッドとカセルの指揮権を整えていたらあっという間に出立当日の朝を迎える。
アレスとフィンも城に登城して出立する一団を見送りに来てくれていた。ランスロットは鎧に聖女のアレスの祈りを受けてから騎乗する。
ガルベルドとロルゾ、ガルドを従えてランスロットは向かう一団の前に出て激を飛ばす。見送る騎士達はランスロット達の背に祈りを捧げていく。
「いいか、俺達は必ずこのティクスに戻る。異世界の魔王であるバルキットを撃破してガハランド大陸に平和をもたらすぞ!」
「皆、行くぞー!」
「おー!」
「いよいよですな」
「ガルベルド殿も気を引き締めて協力お願いします」
「はい。それでは参りましょう! いざ、異世界の魔王撃破へ!」
ガルベルドを右側に、ガルドを左側に、ロルゾを後方に置いて進軍を開始する。アレスはランスロットの姿が見えなくなるまで見つめ続けていた。
そして、神々に深い祈りを捧げていく。どうかランスロット達を無事にお守り下さいと願いを込めて。
ティクス国を出立したランスロット達は異界の入口が元々あった湖の傍に向かう。その途中で先行していたエリッド達と合流する。
エリッド達の話だと異界への道が開かれているのと、そこから魔物は出てきていない事を知らされる。
「ランスロットさんの肉体を確実に手に入れる為に待ち構えているんだと思います。それと同時に異界の門をアルディシアとレーデアが固定する為のキーパーになります」
「色々と準備もさせただろうが、助かる。エリッドとトールデッドだけが同行する形になるのか?」
「はい、僕達だけになりますが力になれる様に頑張ります」
「ランスロットさん、この戦いの前に一度本隊を休ませた方がいいと思います。アルディシアの話だと、異界の空気に慣れる為に数日異界の門の近くに滞在させたがいいとの事なんです」
「確かに、空気の違いで本領発揮が出来ないのでは意味はありませんな。私も賛成ですランスロット様」
「そうですね。それじゃ本陣を一時的に設置してくれ。異界の空気に慣れ次第進軍を再開させる」
ランスロットの決断に随行していた騎士達はすぐにテントを門の傍に設置し始めていく。長期戦は覚悟の上であるとランスロットは身構えていた。
ガルベルド、ガルド、ロルゾ、エリッド、トールデッドは張られたテントの中に集まり、今後の進軍について考えられる問題について話し合いをし始める。
そこに4人の聖なる武器達であるアルボリス達も同席を求めて、ランスロットはそれを許可して10人でテント内に広げられた資料を見ながら問題点を話し合う。最初に取り上げられるのは異界の中での光不足によるロド使用が減る事についてだった。
「元々、ロドは異界でも使えなくはありません。でも、光が足りないのを考えるとアルディシア達に光の力を送り込んでもらう事でなんとか解決は出来るのではないかなと思います」
「異界の魔物達はこのガハランド大陸にいる魔物だとランスロット様からお伺いしている。その魔物相手には私達カナディルダ騎士団が先頭を取りましょう。進路については随時指示を下されば、そちらに進みます」
「相手はランスロットの身体を狙ってくるのは間違いないんだ。ランスロットの力を温存しておくのがベストだろうよ」
「俺達親衛の人間が必ず傍にいる時に動いてくれよランスロット」
「言いたい事は分かるが、相手もそんなに甘やかしてはくれないだろう。相手の得意な世界で戦うだけでも不公平だというのに。だから、俺達も全力で進む事を考えていくべきだ」
ランスロットの強い意思は揺るぎが無い。それこそ、何かの考えがあるかの様な決意の強さを見せている事にガルドやロルゾはそれがアレスに繋がりがある事を気付いていた。
テントからアルボリス達、エリッド達、ガルベルドが出て行くとロルゾがランスロットに問い掛ける。ガルドも興味があったのかロルゾの言葉にうんうんと頷く。
「ランスロット、お前さん何か秘策でもあるのか? やけに気合いが入っている様に思えたが」
「秘策って訳ではないんだが……お婆様に言われていな。俺がもしバルキットを倒せなかったら神々の力を以って俺の身体を天上界に即引き取ってもらう事になっている」
「死んだ後に悪用されない様に、ってことか」
「それだけの事だけで気合いが入っているんじゃないだろう? どうしたんだ?」
「……アレスのお腹の中にいる子供の性別が分かったんだ。その子達の為にも生きて帰る事を決めているだけなんだ」
「子達って事は……双子か?」
「双子で初産ならかなりキツイだろう? 俺の嫁さんも1人だけ産むのも大変だったんだぞ」
「だが、お婆様の言葉だと双子は縁起がいいっていう事でアレスも喜んでいた。男女の双子だそうだ」
「そりゃめでたいな」
「こりゃ、何がなんでも生きて帰らないとな!」
ガルドもロルゾも、自分の事の様に喜んでくれるからランスロットは嬉しく思う。アレスのお腹の中に宿ったのは2つの生命。
その子供達を腕に抱くまでは死ねないとランスロットは強く心に刻む。運命の戦いまで数日の猶予があるが、ランスロットはこの数日の間に色々としなくてはならない事をまだこの時は気付いていなかった――――。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる