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12章
92話「光が導くその先へ」
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死者の塔の最上階、そこでランスロットを待ち侘びていたバルキットは人型の姿を維持したまま異世界を繋ぐ門の前に立っていた。ランスロットの気配を感じながらもバルキットの気分は酷く高揚しているのか、口元には笑みを浮かべ瞳は伏せているが身体が小刻みに笑いで揺れている。
バルキットの本来の肉体である異世界ディーオにある身体は既にこのガハランド大陸に召喚が可能なまでに回復をしている。あとはその肉体とランスロットの肉体を融合させて自人間の器に入れている魂を移動させれば問題はないだろうと考えていた。
だが、非常に問題なのはランスロットの身体には強い光の力を感じる事。だが、それすらもバルキットの計画にはなんら支障はないと考えている。
「私の魂は本来光に導かれていた魂。それが戻るだけの違いだろう。あの男の肉体さえ手に入ればきっと私はまた覇王として過ごす事が出来る……。そうなればディーオで私はまた再び国を治めて世界を掌握する事が叶うのだ……!」
「その野望を俺が叶えさせると思っているなら予想外の愚かさだと言えるぞバルキット。俺はお前にこの肉体を渡すつもりは微塵もない。お前の魂も肉体も全て神の名の下に討ち滅ぼすまでだ」
「……お前に俺が倒せるとは思わないがな。ディーオの肉体がこの異界に来ればお前の勝利など有り得ないのだから」
「そんなのは分からない。俺は決して諦めたりするものか。だからこそ、お前の野望も打ち砕く。そして、俺は帰るんだ……愛する女の元に」
バルキットの元に辿り着いたランスロットの言葉がバルキットの気分を急降下させていく。そして、同時にその人間の肉体が悲鳴を上げるかの様に鈍い骨の軋む音がし始める。
周囲には魔物の姿はなく、あるのはディーオと呼ばれている異世界の門が1つと人間の肉体を得ているバルキットの姿のみ。バルキットはその器にしている人間の肉体は短い黒い髪を徐々に白髪にさせていき、そして、身体の皮膚を引き裂いて骨が飛び出している姿を見なければ人間の肉体も少しはまともな姿をしていたのではないだろうかと思われた。
ランスロットの瞳がバルキットを捕らえるが、そのバルキットの人間の肉体は既に半分以上が人間の姿をしていなかった。肉は溶け落ち、骨は歪に肉体から飛び出して、骸化し始めている。
「この肉体も限界の様だな。よくここまで耐えたなとは思うが」
「お前の肉体はその異世界の門から呼び出せ。肉体もろとも滅ぼす」
「クックッ、ラオン如きに勝てたというだけで強気になっているようだが……所詮ラオンは捨て駒に過ぎない。お前の肉体を一番に欲しているのが私だとお前には以前伝えていた筈だ」
「仮にそうだとしても、俺はこの肉体を明け渡すつもりはない。お前の肉体になる位ならば滅ぼす方がマシだ。神々のご慈悲で俺の肉体は死んだらすぐに天上界に連れて行かれる事が定まっているのでな」
「ほぅ……天上界はそこまでしてお前の肉体を私に与えたくない、と……。そうなるならば天上界も滅ぼしていいようだな」
バルキットの背後にあったディーオからヌルっと巨大な両手が朽ち掛けているバルキットの肉体を掴む。そのままズルズルとディーオに引き摺り込んでディーオに飲み込まれていく。
その肉体が完全に魂を入れているだけの器にしか過ぎない事で、朽ち掛けている肉体には既に興味もないらしい事が伺えた。そして、ディーオに連れて行かれたという事は魂と本来の肉体が融合するという事だろうとランスロットの脳裏には浮かんでいる事実。
ここでバルキットの魂と肉体を滅ぼさなくては天上界までも戦いの中に巻き込む事になるのは避けたい。そして、その行為を阻止しなくてはフィンの故郷でもある天上界が滅ぼされてしまう。
ランスロットの両肩には天上界の命運も背負う事になった。だが、それでもランスロットの強さにブレなどないのは事実なのだが。
「来るか……?」
ランスロットの目の前でバルキットの肉体だろう巨大な腕と上半身がディーオから見えてくる。だが、そこまでの姿を見せておいて全貌を見せようとはしない。
何かがおかしいと感じたのはバルキットの方だった。その証拠にバルキットの声に怒りが滲んでいるのが聞こえてランスロットの方も異変に気付く。
『えぇい! 何故に私の肉体が不完全の状態で再生されている!?』
「不完全……?」
『ラオンの奴の仕業か。あいつは私の肉体に完全なる力を与えていなかったという事か!!』
「……」
ラオンとバルキットの間に何かの不和があったのは明白になった。だが、それすらもランスロットの前ではランスロットの有利になる出来事にしかならない。
そのバルキットの不完全なる肉体のお陰で、バルキットの肉体は異界でもあるこのガハランド大陸には来れてないのも事実。その不完全なる肉体では戦う事は出来ないと判断してもいいのだろうかとランスロットの脳裏に一瞬だけ浮かんだ甘い考えはすぐに打ち砕かれた。
バルキットの肉体に驚異的なスピードでロドが蓄積されていく。それは不完全の肉体を完全体にしていくだけの驚異的なスピードを見せている。
ランスロットはあえてそれを止めようとはしなかった。寧ろ完全体にさせる為に放置して、その間に自分の中にある光の力を高めていた。
『お前は余程私の完全体に恐怖すら覚えていない様子だな。いいだろう、その身体に恐怖を植え付けるのも覇王としての役目だ』
「覇王だろうが異世界の王だろうが、俺にはただ倒すだけの相手にしか過ぎない。お前の、バルキットの全てを越えてまで倒す事を優先するまでの事」
『面白い。だが、完全体になった私の力を少し見くびっているようだな? この程度の塔など破壊する事も可能だと分からないか』
「破壊するなら破壊してみろ。その時は外や下の方で待ってくれている仲間達もお前を倒す為に武器を手に取るぞ」
『いいではないか。多勢の相手を1人残らず殺す快感を私に与えてくれるのだろう!』
バルキットの太い腕がディーオから振り翳されて床を叩き割る。そこからひび割れが生じていくのと同時に、ひび割れにロドが流し込まれて爆発を誘発し始める。
爆発音と共にランスロットはその階から外に飛び出る。地上に降り立つには高さがあり過ぎて危険過ぎるが、ランスロットは迷いもなく空に身体を投げ出した。
光がランスロットの身体を包み込み、背に羽根を生ませる。天使の血を引くランスロットなら出来るとフィンに言われてイメージしたのがこの羽根であった。
淡い黄金色の光を帯びた羽根はランスロットの意のままに羽ばたき、ランスロットの身体を宙に浮かせてくれる。そのお陰でランスロットの身体は地上に降りるのがゆっくり出来た。
「ランスロット!」
「ランスロット様!」
「全員構えろ。あれがバルキットの完全体だそうだ。あれを撃破して終わらせるぞ!」
「なんちゅうデカさだ。ありゃ骨が折れるな」
「でも、僕達が倒さないといけないんですよ」
「俺達なら出来ます」
エリッド達も集まり、ガルドが武器を構えてランスロットの前に立つ。背後にロルゾ、隣にガルベルドとエリッド達が構える。
全員がバルキット完全体との戦いを身構える。だが、あまりの巨体であるが故に攻撃も当たったら即死レベルなのが緊張感を増させていく。
騎士達はバルキットの力に惹かれて集まってきた魔物の対応をしてくれている間に、ランスロット達はバルキットの攻撃を回避しながら間合いを詰めていく。ガルドは攻撃をパリィして盾役を引き受けると全ての攻撃を引き受けてくれていた。
ガルベルドがバルキットの攻撃を見極めて右腕を攻撃するが思っている以上にダメージが通らない。左腕にはエリッドとトールデッドが攻撃を仕掛けて少しだけのダメージが蓄積されていくのが分かる。
「いいか、バルキットの攻撃を見極めろ! 攻撃を使いながら魔法も唱えている奴だ。気を逸らすな!」
「私が盾役を代わります! ガルド様はランスロット様の守備を!」
「おう、任せるぞ! ランスロット、走れ!」
「攻撃、来ます!」
「うわっ、余波だけでこれだけの威力なのかよ!」
エリッドの足元には余波で出来た地割れが出来ており、それをロルゾが急いで腕を引いて引っ張って引き離す。ロルゾは後方支援をしながらバルキットの攻撃を見極めつつあった。
ガルドのパリィがある程度成功していたのと、ガルベルドが盾役を代わった事でバルキットの攻撃方法も若干の違いが見られている。ロルゾはそれすらも見極めてランスロットの方に言葉を飛ばす。
「ランスロット! 次に右腕の攻撃がパリィされたら左腕がエリッド達を狙う! その隙に行け!」
「すまない!」
「来るぞ!」
ロルゾの見極めた通り、右腕の攻撃がパリィされると左腕の攻撃がエリッド達を狙う。それを見たランスロットがガルドと共にバルキットの胴体に向かって走り出す。
エリッド達のサポートをしながらアルボリス達の姿をロルゾは探していた。あの塔の崩落で巻き込まれているとは考えにくい。
姿を探しながら攻撃を見極めていくロルゾの視界の端に光る存在が入る。それがアルボリス達の姿だと気付いたのは白い生物がアルボリス達の姿を隠していたのがキッカケである。
「アルボリス! 無事か!?」
「皆、無事。今力解放しているから待ってて。ルピルピ、周囲のリーズ食べる」
『ルーンルン♪』
「とりあえず時間稼げばいいか?」
「うん。5分耐えて。そしたら光の力を集める」
「よし。エリッド達とガルベルドが残っている。ランスロットとガルドはあそこだ。行けるか?」
「ありがとう、行ってくる!」
「おう、行ってこい!」
アルボリス達はロルゾが指し示した場所に向かって走っていく。ルピルピはリーズをバクバク食べて行きながら周囲のリーズを少なくしていく。
ランスロットとガルドは胴体の一部に剣で切り付け傷を付けていたが、思っている以上にダメージが通らない。だが、2人は諦めたりしている訳ではなかった。
ガルドの魔法剣を傷口に差し込みそこからロドを吸収すると、肉体の一部が縮小していく。それを継続的に2人で行っているのであった。
「このまま行ければ完全体も怖くねぇな!」
「油断するなよ? リーズがあるんだからな」
「わかってらぁ。お? あれはアルボリス達じゃないか!」
「ランスロット! ガルド!」
「無事だったな。力を貸してくれ。バルキットのロドを吸収してこれに蓄えるんだ」
ランスロットとガルドが吸収したロドを蓄えていたのはフィンが天上界で受け取ってきた宝具の1つ。ロドを蓄えて爆弾に変えてしまう宝具でもあった。
これに蓄えたロドの濃度が濃いなら濃い程爆発の威力が増すという。全員でロドの吸収を開始すると完全体のバルキットのロドが段々と薄れていく。
ランスロットはもう少しで本当の最終決戦の舞台が整う事を悟り始めていた。そう、バルキットのロドが無くなった時が本当の最終決戦であると――――。
バルキットの本来の肉体である異世界ディーオにある身体は既にこのガハランド大陸に召喚が可能なまでに回復をしている。あとはその肉体とランスロットの肉体を融合させて自人間の器に入れている魂を移動させれば問題はないだろうと考えていた。
だが、非常に問題なのはランスロットの身体には強い光の力を感じる事。だが、それすらもバルキットの計画にはなんら支障はないと考えている。
「私の魂は本来光に導かれていた魂。それが戻るだけの違いだろう。あの男の肉体さえ手に入ればきっと私はまた覇王として過ごす事が出来る……。そうなればディーオで私はまた再び国を治めて世界を掌握する事が叶うのだ……!」
「その野望を俺が叶えさせると思っているなら予想外の愚かさだと言えるぞバルキット。俺はお前にこの肉体を渡すつもりは微塵もない。お前の魂も肉体も全て神の名の下に討ち滅ぼすまでだ」
「……お前に俺が倒せるとは思わないがな。ディーオの肉体がこの異界に来ればお前の勝利など有り得ないのだから」
「そんなのは分からない。俺は決して諦めたりするものか。だからこそ、お前の野望も打ち砕く。そして、俺は帰るんだ……愛する女の元に」
バルキットの元に辿り着いたランスロットの言葉がバルキットの気分を急降下させていく。そして、同時にその人間の肉体が悲鳴を上げるかの様に鈍い骨の軋む音がし始める。
周囲には魔物の姿はなく、あるのはディーオと呼ばれている異世界の門が1つと人間の肉体を得ているバルキットの姿のみ。バルキットはその器にしている人間の肉体は短い黒い髪を徐々に白髪にさせていき、そして、身体の皮膚を引き裂いて骨が飛び出している姿を見なければ人間の肉体も少しはまともな姿をしていたのではないだろうかと思われた。
ランスロットの瞳がバルキットを捕らえるが、そのバルキットの人間の肉体は既に半分以上が人間の姿をしていなかった。肉は溶け落ち、骨は歪に肉体から飛び出して、骸化し始めている。
「この肉体も限界の様だな。よくここまで耐えたなとは思うが」
「お前の肉体はその異世界の門から呼び出せ。肉体もろとも滅ぼす」
「クックッ、ラオン如きに勝てたというだけで強気になっているようだが……所詮ラオンは捨て駒に過ぎない。お前の肉体を一番に欲しているのが私だとお前には以前伝えていた筈だ」
「仮にそうだとしても、俺はこの肉体を明け渡すつもりはない。お前の肉体になる位ならば滅ぼす方がマシだ。神々のご慈悲で俺の肉体は死んだらすぐに天上界に連れて行かれる事が定まっているのでな」
「ほぅ……天上界はそこまでしてお前の肉体を私に与えたくない、と……。そうなるならば天上界も滅ぼしていいようだな」
バルキットの背後にあったディーオからヌルっと巨大な両手が朽ち掛けているバルキットの肉体を掴む。そのままズルズルとディーオに引き摺り込んでディーオに飲み込まれていく。
その肉体が完全に魂を入れているだけの器にしか過ぎない事で、朽ち掛けている肉体には既に興味もないらしい事が伺えた。そして、ディーオに連れて行かれたという事は魂と本来の肉体が融合するという事だろうとランスロットの脳裏には浮かんでいる事実。
ここでバルキットの魂と肉体を滅ぼさなくては天上界までも戦いの中に巻き込む事になるのは避けたい。そして、その行為を阻止しなくてはフィンの故郷でもある天上界が滅ぼされてしまう。
ランスロットの両肩には天上界の命運も背負う事になった。だが、それでもランスロットの強さにブレなどないのは事実なのだが。
「来るか……?」
ランスロットの目の前でバルキットの肉体だろう巨大な腕と上半身がディーオから見えてくる。だが、そこまでの姿を見せておいて全貌を見せようとはしない。
何かがおかしいと感じたのはバルキットの方だった。その証拠にバルキットの声に怒りが滲んでいるのが聞こえてランスロットの方も異変に気付く。
『えぇい! 何故に私の肉体が不完全の状態で再生されている!?』
「不完全……?」
『ラオンの奴の仕業か。あいつは私の肉体に完全なる力を与えていなかったという事か!!』
「……」
ラオンとバルキットの間に何かの不和があったのは明白になった。だが、それすらもランスロットの前ではランスロットの有利になる出来事にしかならない。
そのバルキットの不完全なる肉体のお陰で、バルキットの肉体は異界でもあるこのガハランド大陸には来れてないのも事実。その不完全なる肉体では戦う事は出来ないと判断してもいいのだろうかとランスロットの脳裏に一瞬だけ浮かんだ甘い考えはすぐに打ち砕かれた。
バルキットの肉体に驚異的なスピードでロドが蓄積されていく。それは不完全の肉体を完全体にしていくだけの驚異的なスピードを見せている。
ランスロットはあえてそれを止めようとはしなかった。寧ろ完全体にさせる為に放置して、その間に自分の中にある光の力を高めていた。
『お前は余程私の完全体に恐怖すら覚えていない様子だな。いいだろう、その身体に恐怖を植え付けるのも覇王としての役目だ』
「覇王だろうが異世界の王だろうが、俺にはただ倒すだけの相手にしか過ぎない。お前の、バルキットの全てを越えてまで倒す事を優先するまでの事」
『面白い。だが、完全体になった私の力を少し見くびっているようだな? この程度の塔など破壊する事も可能だと分からないか』
「破壊するなら破壊してみろ。その時は外や下の方で待ってくれている仲間達もお前を倒す為に武器を手に取るぞ」
『いいではないか。多勢の相手を1人残らず殺す快感を私に与えてくれるのだろう!』
バルキットの太い腕がディーオから振り翳されて床を叩き割る。そこからひび割れが生じていくのと同時に、ひび割れにロドが流し込まれて爆発を誘発し始める。
爆発音と共にランスロットはその階から外に飛び出る。地上に降り立つには高さがあり過ぎて危険過ぎるが、ランスロットは迷いもなく空に身体を投げ出した。
光がランスロットの身体を包み込み、背に羽根を生ませる。天使の血を引くランスロットなら出来るとフィンに言われてイメージしたのがこの羽根であった。
淡い黄金色の光を帯びた羽根はランスロットの意のままに羽ばたき、ランスロットの身体を宙に浮かせてくれる。そのお陰でランスロットの身体は地上に降りるのがゆっくり出来た。
「ランスロット!」
「ランスロット様!」
「全員構えろ。あれがバルキットの完全体だそうだ。あれを撃破して終わらせるぞ!」
「なんちゅうデカさだ。ありゃ骨が折れるな」
「でも、僕達が倒さないといけないんですよ」
「俺達なら出来ます」
エリッド達も集まり、ガルドが武器を構えてランスロットの前に立つ。背後にロルゾ、隣にガルベルドとエリッド達が構える。
全員がバルキット完全体との戦いを身構える。だが、あまりの巨体であるが故に攻撃も当たったら即死レベルなのが緊張感を増させていく。
騎士達はバルキットの力に惹かれて集まってきた魔物の対応をしてくれている間に、ランスロット達はバルキットの攻撃を回避しながら間合いを詰めていく。ガルドは攻撃をパリィして盾役を引き受けると全ての攻撃を引き受けてくれていた。
ガルベルドがバルキットの攻撃を見極めて右腕を攻撃するが思っている以上にダメージが通らない。左腕にはエリッドとトールデッドが攻撃を仕掛けて少しだけのダメージが蓄積されていくのが分かる。
「いいか、バルキットの攻撃を見極めろ! 攻撃を使いながら魔法も唱えている奴だ。気を逸らすな!」
「私が盾役を代わります! ガルド様はランスロット様の守備を!」
「おう、任せるぞ! ランスロット、走れ!」
「攻撃、来ます!」
「うわっ、余波だけでこれだけの威力なのかよ!」
エリッドの足元には余波で出来た地割れが出来ており、それをロルゾが急いで腕を引いて引っ張って引き離す。ロルゾは後方支援をしながらバルキットの攻撃を見極めつつあった。
ガルドのパリィがある程度成功していたのと、ガルベルドが盾役を代わった事でバルキットの攻撃方法も若干の違いが見られている。ロルゾはそれすらも見極めてランスロットの方に言葉を飛ばす。
「ランスロット! 次に右腕の攻撃がパリィされたら左腕がエリッド達を狙う! その隙に行け!」
「すまない!」
「来るぞ!」
ロルゾの見極めた通り、右腕の攻撃がパリィされると左腕の攻撃がエリッド達を狙う。それを見たランスロットがガルドと共にバルキットの胴体に向かって走り出す。
エリッド達のサポートをしながらアルボリス達の姿をロルゾは探していた。あの塔の崩落で巻き込まれているとは考えにくい。
姿を探しながら攻撃を見極めていくロルゾの視界の端に光る存在が入る。それがアルボリス達の姿だと気付いたのは白い生物がアルボリス達の姿を隠していたのがキッカケである。
「アルボリス! 無事か!?」
「皆、無事。今力解放しているから待ってて。ルピルピ、周囲のリーズ食べる」
『ルーンルン♪』
「とりあえず時間稼げばいいか?」
「うん。5分耐えて。そしたら光の力を集める」
「よし。エリッド達とガルベルドが残っている。ランスロットとガルドはあそこだ。行けるか?」
「ありがとう、行ってくる!」
「おう、行ってこい!」
アルボリス達はロルゾが指し示した場所に向かって走っていく。ルピルピはリーズをバクバク食べて行きながら周囲のリーズを少なくしていく。
ランスロットとガルドは胴体の一部に剣で切り付け傷を付けていたが、思っている以上にダメージが通らない。だが、2人は諦めたりしている訳ではなかった。
ガルドの魔法剣を傷口に差し込みそこからロドを吸収すると、肉体の一部が縮小していく。それを継続的に2人で行っているのであった。
「このまま行ければ完全体も怖くねぇな!」
「油断するなよ? リーズがあるんだからな」
「わかってらぁ。お? あれはアルボリス達じゃないか!」
「ランスロット! ガルド!」
「無事だったな。力を貸してくれ。バルキットのロドを吸収してこれに蓄えるんだ」
ランスロットとガルドが吸収したロドを蓄えていたのはフィンが天上界で受け取ってきた宝具の1つ。ロドを蓄えて爆弾に変えてしまう宝具でもあった。
これに蓄えたロドの濃度が濃いなら濃い程爆発の威力が増すという。全員でロドの吸収を開始すると完全体のバルキットのロドが段々と薄れていく。
ランスロットはもう少しで本当の最終決戦の舞台が整う事を悟り始めていた。そう、バルキットのロドが無くなった時が本当の最終決戦であると――――。
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