最強竜騎士と狩人の物語

影葉 柚樹

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嵐の前の静けさ編

83話「触れ合う心と心」(R18)

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 アルスは朝から部屋の中でそわそわしていた。ハルトは不在、アルスはハルトの帰りを待っていたが何故かそわそわとしていて落ち着きが見られない。
 テーブルには2人の愛用のマグカップ、読み掛けの本、2人のお揃いの結婚ネックレス、それらが物語る様にアルスは落ち着きなく部屋の中を歩き回っていた。そこに気配を感じ取ったアルスがドアに顔を向けるとハルトが何かを持って帰って来る。

「ハルトっ」
「ごめんごめん、もう終わったから……ただいま」
「お帰り……もう何処にも行かないか?」
「うん。全て予定は終わらせてきた。もうアルスとの時間だ。待たせてごめん」
「ん……良かった」

 先程まで落ち着かない状態だったアルスが目に見て分かる程に落ち着く。ハルトはそのアルスに近寄り持って帰って来た物を片腕に抱いてもう片方の腕でアルスを抱き寄せる。
 至近距離になったアルスにハルトはそっと唇を重ねて甘い口付けをすると、アルスも首に腕を回して口付けを受け入れる。そのまま舌を差し込み歯茎を舐め上げればアルスの鼻から甘い声が漏れる。
 それが合図となって2人は唇を離すと寄り添ってベッドに移動するとドサリと2人して倒れ込む。アルスの脇腹付近にハルトが持ち帰った物がコロンと出てきてアルスはそれを右手に掴んで顔の前に持ってきて眺める。

「これで滑りが良くなるんだな……便利なのが出来たと思うわ」
「それの名称はローションって言うらしい。男女にも使えるし男性同士、女性同士でも使えるように調合されているらしいから大丈夫だと思う。でも、これでアルスの負担が少しでも減るならサンプルだろうと買えて良かった」
「ハルトがいきなり買いに行くって言って出て行ってから落ち着かなかったんだぞ。でも、こんなんで本当に滑り、良くなるのか?」
「原材料に、滑りが良くなる潤滑液を持つ植物が使われているんだって。とりあえず使って試さないと。アルス……こっち向いて?」
「植物、ねぇ……。ん、ハルト……」

 ハルトの右手に誘導されてハルト側に向いたアルスは脱がされていく服に身を委ね、白い肌を露わにするとハルトの舌がねっとりと鎖骨や胸を舐めていく。それだけでも感じるアルスは吐息を漏らしては胸を突き出してもっととしてしまう。
 アルスの胸にある飾りに吸い付いて舌先で舐め上げながらハルトも服を脱いでいく。お互いに下着姿になって愛撫を施しているとアルスの左手がハルトの股間をそっと撫で上げた。
 それにピクリと反応を示すハルトにアルスはうっとりとした顔を見せて、そのまま下着越しに息子を刺激していく。ハルトが素直にアルスの左手に感じている姿を見せる事でアルスの身体は無条件で火照り始めた。

「手、口、どっちがお望みだ……?」
「出来たら……口がいいかな……ん、感じる……」
「ふふっ、それじゃフェラしてあげるな……ハルトの久々に味わうな……んんっ、はふっ」
「はぁっ、アルスの口の中、温かい……そのまま舌を絡ませてっ……?」
「んふっ、じゅぷっ、じゅぼっ、んんっ」

 アルスがハルトの下半身に身体を寄せて下着を下げて息子を取り出すと、息子を口に含み唾液をたっぷりと絡ませて舌を這わせながら丁寧に愛撫していく。時折頬に当てて感触を楽しんだりしつつも右手で袋を揉んで刺激を増やすのも忘れない。
 ハルトは久々のフェラに感じ入りながら腰を揺らさない様にしつつ、アルスのアクア色の髪を撫でながら段々と息子に芯を持たせていく。勃起し始めてきた息子を喜ぶ様に先端の鈴口に舌先を捻じ込んで我慢汁を出させようとするアルスの瞳は既に情欲に染まっていた。

「はっ、んぅ……あ、るす……出そうっ!」
「ふわしていいぞ……んぶっ! んんぅ……っぷはぁ……沢山出たな……?」
「はぁ、はぁ、気持ち、良かった……アルスにもしてあげる」
「あっ、んんっ、ひゃあ……あっん」

 ハルトの息子が射精を終えると吐き出された白濁とした体液をゴクンと飲み干したアルスの身体をベッドの上部に寝かせると、足を大きく開かせてアルスの下着に収まっている息子を取り出す。そのまま微かに芯を持ち始めてフルフルと震えている息子を右手で扱きながら先端に口付けてそのままねっとりと口に招き入れる。
 ジュプジュプと音を立てながら愛撫していくと同時にアルスは腰を揺らして快感を味わい、ハルトは我慢汁を愛おし気に飲みながら根元から口から出ている部分を優しく、だけどしっかりと扱いて快感だけを与えていく。アルスの息子がパンパンに張り詰めてきてアルスの限界も近いのを感じ取ったハルトは一気に吸い上げて射精を促した。

「あっ! あぁぁぁ!!」
「……ん、濃いね……美味しかった。ご馳走様」
「はぁ……ハルト、こっちも……」
「早速ローション、使ってみようか。お尻向けて?」
「ん、こうでいいか……?」
「いい眺め。それじゃ垂らすよ? 冷たいとは思うから我慢して」
「あっ、つ、めたい……んんっ」
「っ」

 ボトルのキャップを開けて中に入っている潤滑油として開発されたローションをアルスの尻に垂らして穴付近を潤わせる光景にハルトは息を飲む。視覚的にも刺激されるその光景に鼻息を荒くして穴に右手の人差し指を挿入する時に、ローションのお陰で滑りがよく普段よりもすんなりと中に指を飲み込ませる事が出来た。
 アルスも初めての感覚に戸惑いはあるものの穴から感じる指の滑り良さに驚きを覚える。穴の中に挿入された人差し指が前立腺求めて抜き差しされ始めると、腰が勝手に動いて指を更に奥へと誘っていく。
 グチュグチュと音が響きながら腰をハルトに突き出しているアルスは枕を抱き込んで、必死に快感で理性を飛ばさない様にしていた。ハルトは穴の内部をしっかり解すと自分の息子を扱いて再度勃起させると人差し指を引き抜き、代わりに息子を挿入していった。

「あぁぁぁ、ハルトの、ハルトのチンポが俺の中に入ってっ」
「ん、久々なのに締め付けがいい感じ……アルス、バックのままじゃ辛いでしょ……こっちに向いて。愛してあげるから」
「はぁ、んんっふ、あっ、奥が抉れていいっ、ハルト、ハルトっ!」
「いいね……感じているアルスの顔見るの好きだ。ほら、こんなに美味しそうに僕のを咥え込んで……エッチなアルス、可愛い」
「あっあっ、アナルにハルトのデカチンポ感じる! もっと、もっと奥に来てっ、もっと犯して!」

 正常位になった2人は激しく腰を打ち付け合い久々のセックスに溺れていく。行為の激しさを知らせるかの様にベッドが大きくギシギシと音を立てても2人の激しさは止まらない。
 激しいながらも左手同士は指同士を絡ませる程にしっかりと握り合わされており、お互いの心が繋がっている様にも伺えた。前立腺を突き上げていくハルトの息子に穴からダイレクトにそれを感じているアレスは何回でも締め付けて射精を促しながらも、自分の息子からは白濁を交らせた我慢汁をただただ流す。

「っ、そろそろ……出すよ」
「っあん! あっあっ! ハルト、一緒に! 一緒に! あぁぁぁ!」
「くっ!」

 ドピュと射精をするお互いの息子から吐き出された体液はお互いの心を触れ合わせて繋げるのだった。身体を清める為に一緒に入浴していた2人は背中を預けているアルスの身体にハルトは大事に湯を掛けていた。
 温かい湯の中で愛する存在であるお互いを感じれるのは幸せ、そうアルスは心から感じていた。ハルトもまたそんなアルスと過ごせるこの時間が幸せで仕方ない。
 お互いの身体と心が寄り添いこうして共に過ごせる事に幸せを見出しているとハルトがそっとアルスの耳元で囁く。まだこうして触れ合うだけじゃ物足りない、そんな色を乗せた声でアルスを誘う。

「アルス……、もう一回シよ?」
「ん……今日は馬鹿になる位にしちまうか」
「アルスの事、もっと愛してあげたい」
「俺も愛されて愛したい」
「アルス、愛している」
「俺も愛している」

 寄り添っている身体の中心をお互いに刺激し合い始めれば身体は欲情していく。ハルトもアルスもこのままバスタブの中でお互いを激しく求め合い、結果アルスが意識を飛ばすまでセックスは続いた。
 2人の愛はいつまでも続く、それは静かに紡がれていく歴史の影で確かに存在していた事実でもあった。2人という人間がいたからこそこの世界に光が差し込んだのは言うまでもない。
 多くの愛し合う者達がいる中の1組だとしても、それでも2人はお互いを見つめ合い求め合い、そして導き出すのだろう。愛が2人を繋ぐのであればきっと答えはそこにあるのだろうから。

「アルス、僕だけの存在、僕だけの愛する人……どうか未来を共に」

 ハルトの呟きに答えるように眠っているアルスの手がハルトの右手をしっかりと握り締めていた。それをハルトは愛おし気に握り返して微笑みを浮かべるとアルスを抱き締めてたままで横になり一緒に眠っていくのだった――――。
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