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龍は黒百合に魅了される

龍は黒百合に魅了される▲

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 隣の部屋から微かに聞こえる声や人の気配でサラザールは目覚めた。寝台に一人、全裸で寝ている自分に気付きシーツをぎゅっと巻きつけて、近くにあった夜着を取り身につける。


 体の節々が痛くて股間に違和感を感じる、途端に昨日の恥ずかしいアレコレを思い出した。優しい顔をしたナルシスは閨では鬼畜だった、初めてのサラザールを欲望の趣くままに抱いた。


 サラザールは昨夜の事を思い出す。




 ◆◇◆◇◆◇





「確か、荒々しい性技が好きなんですよね?、話では無理矢理される事に興奮して快感を感じたと」


「違います!、そんな事話してません」


「ふふっ、嘘の話をしたのか、それとも今嘘をついているのか、どちらにしても嘘つきな唇には罰を与えなくてはいけませんね」


 ナルシスの顔が近づき僕は唇を喰まれた、柔らかな唇が角度を変えて何度も重なり  ちゅっ ちゅっ と軽く吸われると気持ちが良くて自然と声が漏れる


「んっ、ふっ、ぅん」


 ナルシスは両手で僕の顔を固定すると口付けを深くして舌を入れてきた、僕の舌をさんざん嬲って唾液をどんどん口の中へ送り込んでくる、苦しくて顔を背けたくても、ナルシスがそれを許さない。

 
 ちゅっ   くちゅぅ  ちゅっ ちゅうぅ


 口付けも初めてなのに濃厚過ぎて息が苦しい、僕はナルシスの胸を叩いて抗議するが、彼は益々深く口付けてくる、彼から与えられる唾液を こくん と飲み込むが多すぎるソレは口の端から垂れる。


「ん、上手に出来たね」


 ナルシスが甘く囁いて垂れた涎を舐め取り、眼を合わせて僕の頭を優しく撫でてくる。彼のその行動が ゾクゾク とした甘い痺れを僕にもたらす、もっと褒めて欲しくて心が  ザワザワ する。


 家庭教師の言葉責め、護衛騎士の逞しい体、幼馴染みの荒々しく強引な態度、全部合わせたナルシスはサラザールの理想を具現化した男だった。


「制圧下の貴方は見せて貰いましたから制圧を解きました。今度は魅了の力を見せて下さい、魅了を使って私を誘惑して下さい」


「でも意識して使った事がないから、どうしたら良いのか解りません」


「私の事が欲しいと願うのです」





 ◆◇◆◇◆◇





 色々思い出したサラザールは、一人で赤面する、昨日初めて男性を受け入れた秘所が疼く。理想の男に出逢ったサラザールは、もうナルシス以外の男性に抱かれる事は考えられない。


 ナルシスの事を考えるだけで体中が熱く火照り、疼く穴を埋める彼の雄が欲しくなる、欲望がどんどん高まると彼と性交する事しか頭に無くなり、サラザールの体から魅了の魔力が溢れ出す。


 サラザールはナルシスが堪らなく欲しくなり寝室を出た、そしてナルシスに抱き付く。逃げようとしたナルシスを逃さないように体を巻き付けた。


「僕を襲って、貴方に抱かれたい」


 部屋に誰か居た様だったが、熱に浮かされたサラザールにはどうでも良かった、ただただナルシスだけを見つめて懇願すると、魅了に抵抗していたナルシスの瞳に欲望の光が灯る。


「サラザール、貴方は逃げる機会を逃しました私は貴方を抱きたくて堪らない、魅了の香りが私の理性を奪う、私を誘惑する貴方がいけない」


 ナルシスが今までの男達と同じ言葉を発した、サラザールは嬉しくて体が甘く痺れる。これまで三人から言われた時は怖気がしたのに、ナルシスが言うと嬉しい。


 彼はいま僕に魅了されている、僕が欲しくて堪らない筈だ。この事実にサラザールは興奮してゾクゾクする。この力は欲しい男を手に入れる為のものだったとようやく悟る。


 昨日ナルシスが僕を抱いた時は、まるで学者が被験者を見るみたいな冷めた目付きだったのに、今はギラギラとした欲望まみれの男になって僕を求めている。


「サラザール、ああ良い!、貴方の中は最高だ!!」


 ナルシスの肉棒が僕の疼く穴を埋める、彼は理知的な皇太子では無くなり、荒々しく腰を振り獣のように僕を貪る一匹の雄となった。


 欲しかった太くて大きいナルシスの肉棒が僕の中を乱暴に突いてくる、一番感じる場所を何度も抉られて堪らず捩って逃れようとする僕の太腿を、指が食い込む程に掴んで離さない。


 汗に塗れたナルシスは僕の脚を大きく開いて、硬くて太い肉棒を更に奥まで突き入れる、何度も何度も激しく突かれて中に出された、それが抽送を滑らかにして ナルシスが動くと じゅぼじゅぼ と淫らな音立てて僕を恥ずかしくさせる。


  「あっ あっ あっ あっ」

  「気持ちいいか?、サラザール?」


 僕の雄も快感でずっと白濁を溢し続けている、気持ち良すぎて辛いのにナルシスが触ってくる。


  「や、駄目、それ触っちゃ、いや」


「サラザール、また嘘をついたな。嫌なら私の雄をこんなに咥え込んで締め付け無いだろう?、そんなにお仕置きされたいのか、欲しがりな黒百合め」


 ナルシスは ふーっ と荒く息を吐き性欲の滲んだ眼を細めて僕の痴態を見つめている、ガチガチに勃起した肉棒をぎりぎりまで引き抜くと勢いよく僕の感じる所を抉った。


「あああ!!」


「どうだ堪らないだろう?、まだお仕置きされたいか?」


「あっ あっ、ナルシス、ナルシス」


 強烈な刺激を受けた僕は目の前がチカチカして、彼から与えられる快感に全身が支配されていた、ナルシスは僕の華奢な体を自在に動かし角度を変えて何度も攻める。


 僕を攻めるナルシスの真珠色の髪は汗でしっとりと濡れそぼり赤い瞳はギラギラ輝いている、僕を組み敷く逞しい体は汗できらきらと光り、はぁ はぁ と息をする昂った姿からは強烈な男の色気が漂よう。


 ナルシスの色気にときめいた僕は きゅん として中の雄を締め付ける。


「狂い咲きの黒百合め、まだ欲しがるか、やはり魅了ではなく淫魔だな。良いだろう私の精が続く限り貴方を愛そう」


         「あっ、あっ、あっ、あっ」


 言葉通りにナルシスは僕の意識が飛ぶまで愛してくれた。昨日まで未貫通だった僕の蕾みは、もうナルシスの太い雄を受け入れる喜びを覚えて、雄を失うと再び埋めて欲しくて疼いている。


「どうやら私が貴方を抱いた事によって、私だけを魅了する黒百合に変化したようだ。ふふふ、参ったな責任を取るべきかな?」


 ナルシスは昨夜と今日の事を照らし合わせて推断しながら、傍らに眠るサラザールに問いかける。


「私の制圧が魅了に弾かれて理性を奪われたのは初めてだ。貴方の力は面白い、側に置いて観察したいが、さてどうしたものかな・・・・・・」


 意識の無いサラザールからは、先程の理性を奪うほどの香りは出ていない。ナルシスは美しい黒百合の寝顔を見つめて今後の事を思案する。








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