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第三章
ハイム村の攻防戦1
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同日、ギュンターの元に北の村ハイムから緊急の報告が入る。エルン城にいるギュンターは、ドルフ、アジルと共に兵舎の前で訓練に励んでいた。
そこへ慌ててやって来た兵士が報告をするために走って来たため、3人とも兵士のほうに視線が集中する。
「ギュンターさま!先ほど、賊が我が領であるハイムを襲撃、略奪をしております!」
「どういうことだ!?」
ギュンターに緊張が走った。ルンデルの脅威は排除したはずである。ルンデル兵でなければ、やはり賊・・・・・・?周辺の野盗はフランツやガルダが見回り隊を結成して以来、ほぼ壊滅しているはず。
ほとんどの仲間が王都に集結しているこのタイミングで襲ってきたというのか?ギュンターの脳裏にアルスの顔が浮かんだ。何かあったのか・・・・・・。
「すみません。情報が足らず、我々もよくわかりません」
「わかった、すぐに行く。ドルフ、アジル付いて来いっ!」
ギュンターは兵を引き連れてすぐにハイムに向かう。ギュンターがハイムに着いてみると村から火が上がっており、市場は荒らされ、食料が散らばっていた。
「ふざけやがって!」
ギュンターは目の前で金品を略奪している賊を数人斬り伏せると、村の中央へ向かう。
「おら!さっさと火に投げ入れろ!」
「グズグズするな!」
中央には大きな火が焚かれており、野盗たちが住民に保存してある小麦を投げ入れることを強要していた。
「お願いします。これを燃やしたら家で食べるものが無くなってしまいます。どうかご慈悲を」
ひとりの老婆が男に向かって慈悲を乞うも、蹴り飛ばされ倒れる。そこへ周囲の住民たちが老婆を守って口々に抗議をした。
その抗議にキレた男は、抗議する住民の先頭にいた男性を斬り捨ててしまった。ちょうどその瞬間が目に入ったギュンターの怒りは頂点に達する。
「ドルフ、アジル、全員生かして返すなよ!」
「わかってまっせ、ギュンターの兄貴!」
ドルフとアジルがオーラを高めて衝撃波を放つと、あっという間にそこにいた賊たちは吹き飛ばされていく。続いてギュンターは住民を斬り捨てた賊に斬撃を飛ばして一刀両断。真っ二つになった男の身体は血しぶきを上げながら倒れた。
三人は次々と村の中央にいた賊を斬り捨てていく。ドルフが逃げようとする賊を追って斬りかかろうとしたその時である。その横から黒い影が解き放たれた矢のように、ドルフに襲い掛かった。
「おわっ!」
辛うじてドルフが襲い掛かった剣を弾き返すものの、影に蹴られて馬から落馬する。落ちたところを更に追撃されるも、転がりながら避けきって立ち上がった。
「兄貴!」
アジルが咄嗟に衝撃波を放ちながらドルフの傍に駆け寄る。
「ドルフ、大丈夫か!?」
ギュンターはその様子を見て馬で駆け寄ろうとした。が、ギュンターの前に立ちはだかったのは、巨体の賊。ギュンターの前の賊はニヤッと笑う。
「おっと、おまえの相手は俺だ」
「腕に覚えがありそうだな」
「ここに来りゃちったぁ楽しめるって聞いたから、わざわざこんな辺鄙《へんぴ》な田舎まで来てやったんだ。俺の敵になる奴はすぐに死んじまってな」
ハルバートを構え、腰には剣という出で立ち。見れば一目でわかる、どちらの得物も業物だろう。ギュンターはドルフとアジルを横目に剣を構える。隙が無い。こいつが賊の頭目か?
「戦う前にひとつ聞いておきたい。おまえらは、本当に賊か?」
「さあなぁ?おまえが勝ったら教えてやらんでもない」
「そうか」
「会話は終わりだ、さあ楽しもうぜっ!」
そう言い終わるなり、男はハルバートを構え突きを繰り出す。ギュンターは突き出されたハルバートを弾き返した。ハルバートは槍と斧を合わせたようなもので、形も色々あるが重さを抑えるため大概は斧の部分は小さくなっている。
しかし、男の使ってるハルバートは斧の部分が大きい。つまり、それだけの重さを振り回せるだけの身体能力の持ち主だということだ。
ギュンターはオーラを込めて斬撃を飛ばして反撃するも、軽く弾かれる。
「良いじゃねぇか、おまえ!」
男の身体からブワァっとオーラが立ち昇る。男が繰り出す突きの速度と圧力は上がり始めた。ギュンターも男に合わせる形で魔素を身体に巡らせ、身体強化のレベルを段階的に上げていく。
ぶつかり合う剣戟の音は次第に激しさを増し、武器に込められたお互いのオーラがぶつかり合うたびに爆発するような轟音が周囲に響いた。
一方、ギュンター達が戦っている横でドルフ、アジルのレフェルト兄弟は襲い掛かって来た影と対峙していた。影から影へと移動しながらレフェルト兄弟に迫る。
「兄貴!」
「わーってるよ!」
アジルが声を掛けると同時にドルフは仕掛ける。影が移動した瞬間を狙って剣を突き刺す。影はドルフの剣をナイフで受け止め、同時にもう片方に構えたナイフでドルフに仕掛けた。
咄嗟にドルフはバックステップで飛びのく。そこへ後ろからアジルの放った衝撃波が飛ぶ。一転して、影は両手のナイフで十字を作り衝撃波を飛ばし相殺する。
そこへ慌ててやって来た兵士が報告をするために走って来たため、3人とも兵士のほうに視線が集中する。
「ギュンターさま!先ほど、賊が我が領であるハイムを襲撃、略奪をしております!」
「どういうことだ!?」
ギュンターに緊張が走った。ルンデルの脅威は排除したはずである。ルンデル兵でなければ、やはり賊・・・・・・?周辺の野盗はフランツやガルダが見回り隊を結成して以来、ほぼ壊滅しているはず。
ほとんどの仲間が王都に集結しているこのタイミングで襲ってきたというのか?ギュンターの脳裏にアルスの顔が浮かんだ。何かあったのか・・・・・・。
「すみません。情報が足らず、我々もよくわかりません」
「わかった、すぐに行く。ドルフ、アジル付いて来いっ!」
ギュンターは兵を引き連れてすぐにハイムに向かう。ギュンターがハイムに着いてみると村から火が上がっており、市場は荒らされ、食料が散らばっていた。
「ふざけやがって!」
ギュンターは目の前で金品を略奪している賊を数人斬り伏せると、村の中央へ向かう。
「おら!さっさと火に投げ入れろ!」
「グズグズするな!」
中央には大きな火が焚かれており、野盗たちが住民に保存してある小麦を投げ入れることを強要していた。
「お願いします。これを燃やしたら家で食べるものが無くなってしまいます。どうかご慈悲を」
ひとりの老婆が男に向かって慈悲を乞うも、蹴り飛ばされ倒れる。そこへ周囲の住民たちが老婆を守って口々に抗議をした。
その抗議にキレた男は、抗議する住民の先頭にいた男性を斬り捨ててしまった。ちょうどその瞬間が目に入ったギュンターの怒りは頂点に達する。
「ドルフ、アジル、全員生かして返すなよ!」
「わかってまっせ、ギュンターの兄貴!」
ドルフとアジルがオーラを高めて衝撃波を放つと、あっという間にそこにいた賊たちは吹き飛ばされていく。続いてギュンターは住民を斬り捨てた賊に斬撃を飛ばして一刀両断。真っ二つになった男の身体は血しぶきを上げながら倒れた。
三人は次々と村の中央にいた賊を斬り捨てていく。ドルフが逃げようとする賊を追って斬りかかろうとしたその時である。その横から黒い影が解き放たれた矢のように、ドルフに襲い掛かった。
「おわっ!」
辛うじてドルフが襲い掛かった剣を弾き返すものの、影に蹴られて馬から落馬する。落ちたところを更に追撃されるも、転がりながら避けきって立ち上がった。
「兄貴!」
アジルが咄嗟に衝撃波を放ちながらドルフの傍に駆け寄る。
「ドルフ、大丈夫か!?」
ギュンターはその様子を見て馬で駆け寄ろうとした。が、ギュンターの前に立ちはだかったのは、巨体の賊。ギュンターの前の賊はニヤッと笑う。
「おっと、おまえの相手は俺だ」
「腕に覚えがありそうだな」
「ここに来りゃちったぁ楽しめるって聞いたから、わざわざこんな辺鄙《へんぴ》な田舎まで来てやったんだ。俺の敵になる奴はすぐに死んじまってな」
ハルバートを構え、腰には剣という出で立ち。見れば一目でわかる、どちらの得物も業物だろう。ギュンターはドルフとアジルを横目に剣を構える。隙が無い。こいつが賊の頭目か?
「戦う前にひとつ聞いておきたい。おまえらは、本当に賊か?」
「さあなぁ?おまえが勝ったら教えてやらんでもない」
「そうか」
「会話は終わりだ、さあ楽しもうぜっ!」
そう言い終わるなり、男はハルバートを構え突きを繰り出す。ギュンターは突き出されたハルバートを弾き返した。ハルバートは槍と斧を合わせたようなもので、形も色々あるが重さを抑えるため大概は斧の部分は小さくなっている。
しかし、男の使ってるハルバートは斧の部分が大きい。つまり、それだけの重さを振り回せるだけの身体能力の持ち主だということだ。
ギュンターはオーラを込めて斬撃を飛ばして反撃するも、軽く弾かれる。
「良いじゃねぇか、おまえ!」
男の身体からブワァっとオーラが立ち昇る。男が繰り出す突きの速度と圧力は上がり始めた。ギュンターも男に合わせる形で魔素を身体に巡らせ、身体強化のレベルを段階的に上げていく。
ぶつかり合う剣戟の音は次第に激しさを増し、武器に込められたお互いのオーラがぶつかり合うたびに爆発するような轟音が周囲に響いた。
一方、ギュンター達が戦っている横でドルフ、アジルのレフェルト兄弟は襲い掛かって来た影と対峙していた。影から影へと移動しながらレフェルト兄弟に迫る。
「兄貴!」
「わーってるよ!」
アジルが声を掛けると同時にドルフは仕掛ける。影が移動した瞬間を狙って剣を突き刺す。影はドルフの剣をナイフで受け止め、同時にもう片方に構えたナイフでドルフに仕掛けた。
咄嗟にドルフはバックステップで飛びのく。そこへ後ろからアジルの放った衝撃波が飛ぶ。一転して、影は両手のナイフで十字を作り衝撃波を飛ばし相殺する。
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