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第二章 旅路〜新たなる剣士〜
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第三節 古の平原~久川政司郎~
銀次郎の元での鍛錬を終え、晴れて東雲隊へと入隊した鈴ノ介。鈴ノ介は、空翔とともに遥か西に存在する山森守神の住処とされる荒山へと旅立つのであった。二人は、険しい岩山を登っていく。ひたすら岩山を歩いていく二人。鈴ノ介は、やや息を切らしている。すると、空翔は言う。
「もうへたばったの?旅はこれからよ。」
空翔の持久力は高かった。かなり鍛えられているのだ。鈴ノ介は、空翔とともに長い旅路を歩んでいった。ひたすら山を歩いていると、空翔が股を押さえ、もじもじしていた。鈴ノ介に対し、空翔は「ちょっとそっち向いてて。」と言い、草の茂みで用を足した。
ひたすら、長い旅路を歩いていく二人。山を越え、谷を越え、川を越え。自然な道を二人は歩んで行った。そして、薄暗い山道を歩いていた次の瞬間だった。
何やら黒い人型の影のようなものが現れた。そう。この道こそが、空翔の口にした魔物の蔓延る道だというのだ。やや怖気付いた顔の鈴ノ介。しかし、空翔は一切物怖じすることはなかった。手にしている刀剣を取り出し、魔物を切り裂く。刀剣を構える空翔。すると、刀剣からは凄まじい水しぶきが現れる。その水しぶきを帯びた技を使い、魔物を一瞬にして切り裂くのであった。次々と迫り来る魔物。空翔は自慢の剣さばきで、次々と敵を切り裂く。鈴ノ介は、空翔の巧みな剣さばきに思わず圧倒されるのであった。空翔は言う。
「これは、自身に備わった力を反映させ、敵を切り裂く「シャナ」。東雲隊の剣士が使う上で一番重要な技よ。私は「水」のシャナ。あなたは「火」のシャナが携えられているわ。そのシャナを、己を守るために使うのよ。」
魔物の群れを掻い潜り、ひたすら道を進んでいく鈴ノ介と空翔。幾つもの山、川、谷を越えていくと、目の前には白く広大な平原が広がっていた。そう。これが、鈴ノ介の新たなる試練の地である「古(いにしえ)の平原」だ。この古の平原には、山森守神が妖術により、生み出したとされる三大子獣と呼ばれる存在が眠っているとされている。
「かなり広大な地だな。ここに魔物が眠っているのか。」
「次戦うものは、山森守神の妖術により生み出された三大子獣。さっき戦った魔物とは力が格別よ。心して戦うのよ。」
新たなる任務地である古の平原は、山森守神の存在上、極めて危険な場所だ。いつどこで魔物が出てもおかしくはない場所だ。鈴ノ介は、何事にも怖気付くことなく、空翔のように芯を強くし、いかなる魔物にも毅然たる態度で立ち向かおうと心に決めた。
ひたすら、古の平原を進んでいく鈴ノ介と空翔。すると、次の瞬間だった。突如として、巨大なダンゴムシのような怪物が、地鳴りとともに姿を現した。空翔は言う。
「あれは、蟲神(ムシガミ)。山森守神の妖術によって生み出された三大子獣の一種よ。こいつもかなり侮れない奴だわ。」
「ああ。絶対に逃げるなよ。俺。」
毅然たる態度で、突如現れた蟲神と真剣勝負を挑む鈴ノ介と空翔。二人は、刀剣を構え、蟲神と激闘を繰り広げる。蟲神は、かなり機敏な動きだ。巨体ながら、凄まじい速さで突進したりしてくるために、攻撃の余地がない。
「くっ!速い!何なんだこいつは!」
蟲神の凄まじい速さに、鈴ノ介と空翔は翻弄される。鈴ノ介は、負けじと蟲神に刃を振るう。銀次郎との特訓で得た力を発揮し、空翔と連携しながら、剣を振りかざし、急所を攻撃した。
まずは、空翔が蟲神の脚を切り裂く。すると、蟲神の移動手段はなくなり、蟲神は動体視力を失った。そして、目を切り裂く空翔。「今よ!鈴ノ介くん!」と叫ぶと、鈴ノ介は自身の刀剣に息を込め、勢いよく刀剣を振るい、炎を纏ったシャナを使い、蟲神を勢いよく切り裂くのであった。こうして、蟲神は倒された。一安心する鈴ノ介と空翔。しかし…
ズドドドドド!
突如として、蟲神が群れを成して現れた。蟲神は、彼らが知らぬ間に子孫を繁栄させていたというのだ。それに驚愕する二人。すると、二人に向け、蟲神が突進してきた。その衝撃で、鈴ノ介が勢いよく吹き飛ばされた。空翔は俊敏な速さで、鈴ノ介をキャッチし、安全なところに避難し、蟲神の大群を引きつけると、刀剣を取り出した。
蟲神に向け、再び攻撃を放とうとした、次の瞬間。
「バカ野郎が!!俺の獲物に手を出すんじゃねえ!!」
突如として現れた少年が、蟲神を刀剣で勢いよく切り裂いた。驚く鈴ノ介と空翔。その少年は、黒い長髪に、前髪が隠れ、緑色の和服を身にまとい、更には切れ味のいい刀剣を帯びていた。
「美味そうなダンゴムシどもが!俺を舐めんじゃねえ!俺の剣がある限り、てめえらは、皆殺しだ!オラァ!」
荒っぽい口調の少年。勢いよく蟲神の大群へと攻め込んだ。巧みな剣さばきで、蟲神の大群を一網打尽に切り裂いていった。目にも見えない速さの俊敏な剣さばきだ。鈴ノ介と空翔は、思わずその勇姿に心を奪われるのだった。ひたすら、蟲神の大群を切り裂いていく少年。次の瞬間、更に襲いかかってくる蟲神の群れに向け、少年は、巨大な緑の草のような刃を形成し、蟲神の群れを勢いよく切り裂くのであった。こうして、目前の蟲神は一掃された。
鈴ノ介と空翔は、思わず少年の勇姿に圧倒された。しかし、少年は…。
「お前は、己の力を信じてない!」と、鈴ノ介を殴り、喝を入れた。どうやら、彼はプライドが高く、かなりの努力家のようだ。彼も、山森守神討伐のために活動している剣士であるというのだ。その発言を繰り出しながら、驕り高ぶった立ち振る舞いを続ける少年。自身は鈴ノ介よりも、空翔よりも剣士として優れているんだと自信満々に言う。そこで、鈴ノ介は言う。
「自己紹介しろよ。お前は剣士なのか?」
そんな鈴ノ介の言葉に答える少年。
「そうか。なら名前は名乗る。俺は、久川政司郎(ひさかわせいしろう)。改めて言うがお前たちと同じく、山森守神討伐のための剣士だ。お前たちは東雲隊だな?」
少年は、山森守神討伐の剣士であり、久川政司郎と名乗った。政司郎は、かなりプライドが高かりながらも、剣術はより優れている模様であり、かなり鍛えられた存在であるというのだ。鈴ノ介は、プライドが高く、驕り高ぶった言動が目立ちがちの政司郎をやや面倒臭いながらも、優秀な剣士であると信じる。そして、空翔も政司郎は優秀なので彼に情が移り、東雲隊の剣士に加えたいと伝える。そこで、政司郎は言う。
「お前たちが、自分を強いと信じているのなら、俺は東雲隊に加わってもよいのだぞ。」
そんな政司郎の言葉に頷く鈴ノ介。こうして、古の平原での戦いを通し、新たなる剣士、久川政司郎が仲間に加わった。これからは、政司郎も、山森守神討伐の旅の一行となったのだ。
第四節 花の都~蔵之内舞子~
古の平原において、蟲神との闘いを通し、鈴ノ介と空翔の一行に、政司郎が加わったことで、三人になった東雲隊。政司郎は、やや自己中心的かつ短気な性格ながらも、意志を曲げない威勢のいい剣士として、鈴ノ介と空翔から信頼を得ていた。三人は、険しい岩山を昇っていき、新たなる任務の地を目指した。しかし、政司郎は…
「ああ~、早く魔物は出んか。無性に切り裂きたい気分だぜ。」
鈴ノ介は、政司郎に対し、「政司郎。お前少し我慢しろよ。こんな辺鄙な山道に魔物が出るわけなんかないんだから。」と窘めるが、政司郎は、「うるさい!俺は魔物を倒すと言ったら曲げない性分だ!魔物を呼び寄せろ!」と我儘を散らす。空翔は、呆れながらも「ほら。喧嘩しない。」と窘めながら、山森守神の待ち構える荒山へと歩んでいく。
ひたすら、山や川、谷を越えていく三人。すると、そこには新たなる魔物が待ち構えていた。政司郎は「よし来た!」と、思わず刀剣を取り出した。しかし、空翔は「そこは私に任せて」と言うが、政司郎は「いいや!俺がだ!」と意地を張る。魔物を前に言い合いを始めてしまう空翔と政司郎。その様子に呆れる鈴ノ介。
仕方がなく、鈴ノ介、空翔、政司郎は三人で力を合わせ、刀剣を取り出して魔物を退治する。次々と迫り来る魔物たち。三人は力を合わせながら、魔物を次々と蹴散らした。しかし、政司郎はいまいち納得する事がなく、「俺が全部倒したかったのに!」と憤慨した。鈴ノ介は、「みんなで倒した方が無難だ」と政司郎を窘めた。
魔物を倒し終え、鈴ノ介、空翔、政司郎は旅を続ける。三人は、いくつもの道のりを越え行き、華やかな都へと辿り着いた。三人が辿り着いた場所は、花が咲き乱れる「花の都」へと辿り着いた。そう。そこにも、新たなる剣士がいるというのだ。その剣士もかなり優れているといい、知恵烏の指令ではその剣士と合流しなければならないのだ。そして、知恵烏の指示に従い、花の都の宮殿へと向かう。
知恵烏の指示の元、華やかな宮殿へと辿り着く鈴ノ介達。そこで、新たなる剣士を紹介された。のだが、その剣士を名乗る少女は、入浴していた。かなり長い入浴だった。少女は、「こんなに忙しいのに、お客さん?」と呆れながら、風呂を出た。宮司とともに、鈴ノ介の前に出る少女。彼女の名は、蔵ノ内舞子(くらのうちまいこ)。花の都の宮司の娘であり、山森守神討伐のための剣士として育てられているというのだ。鈴ノ介は、舞子に挨拶した。舞子は、「やだ~!鈴ノ介くん?ちょうかっこいいわ~!」とかなりフレンドリーな様子を見せていた。更に、空翔とも上手く打ち解けていたが、政司郎は、「けっ」と顔を背けていた。宮司は「娘をよろしくお願いいたします。東雲隊の皆様。私たちはあなた方のご健闘を祈ります。」と声援を与えた。こうして、花の都の宮司の娘にして、優秀な剣士である蔵之内舞子も鈴ノ介たちの仲間に加わることになった。
宮殿を出て、 山森守神の討伐の旅へ出る四人。空翔と舞子は、旧知のように打ち解け、花かんむりを作って遊んだり、露天風呂に入ったりして遊びを楽しんだ。空翔と舞子は、かなりフレンドリーになっている。こうして、天真爛漫でフレンドリーな舞子は、旅の仲間として迎え入れられた。これからは四人で、山森守神討伐の旅へと向かうのだった。
舞子が旅の仲間に加わり、数々の旅路を歩んでいく鈴ノ介たち。そんな中でも、やはり魔物に出くわすことはあった。舞子は、「私の自慢の剣術を見せてあげるわ!」と刀剣を抜いた。しかし、政司郎は案の定、「いいや!俺の獲物だ!」と女性相手に張り合った。舞子は、政司郎に対し、「黙らっしゃい!」と窘め、自身の剣術を披露するのであった。舞子は、黄色い光などを利用したシャナを持ち、数々の剣技を披露し、周囲の魔物を単独で切り刻んでいった。舞子の剣術に驚く鈴ノ介たち。政司郎は「いやぁ、凄い。舞子の剣術。」と言い、思わず舞子に自身の感情を寄せた。
魔物を幾度も乗り越え、花の都を進んでいく鈴ノ介たち。広大な花の都を進んでいくと、その先には更なる脅威が待ち構えていた。知恵烏が、鈴ノ介のもとへと飛んできて言う。
「カァ~!西方より、三大子獣、確認~!急げ!急げ~!」
知恵烏は鈴ノ介たちに情報伝達した。花の都の西方に、新たなる怪物が潜んでいると。そう。それこそが、山森守神によって生み出された三大子獣の二匹目である。一同は、西の山岳地帯へと進んでいく。
数々の障害物を乗り越え、知恵烏に指示された離れの山へと辿り着く鈴ノ介たち。そこで待ち構えていたのは、鮮やか虹色の巨大な蝶々のような姿をした怪物だ。そう。空翔の情報によると、この怪物は、山森守神の妖術によって生み出された三大子獣の一体である「蝶神(ちょうじん)」と言うのだ。蝶神は、鮮やかな羽から、無数のエネルギー弾などを放ってくるなどといった、強力な戦闘力を持っていた。四人は、刀剣を抜き取り、懸命に、蝶神へと攻めかかる。蝶神は、俊敏な動きや、可憐な攻撃方法などで、四人にかなりの持久戦を強いる。次の瞬間、蝶神は、凄まじい速さで、鈴ノ介に突進してくるのであった。物凄い勢いで飛ばされる鈴ノ介。舞子は、俊敏な持久力で、鈴ノ介を上手くキャッチした。そして、蝶神は、次々とエネルギー弾を放ってくるが、鈴ノ介たちは四人で連携し、それをひょいひょいと交わし、蝶神に攻め込む。ひたすら、蝶神を追い詰めていき、空翔と政司郎が手を組み、蝶神の目を潰すのであった。こうして、蝶神は視力を奪われ、攻撃能力を失った。最後は、鈴ノ介と舞子が連携し、合体技を用いて、蝶神を切り裂いた。こうして、激闘の末、蝶神は倒された。
蝶神を倒したのちに、鈴ノ介たちは知恵烏の指示のもと、新たなる旅路である「神泉魔境」へと向かっていくのであった。こうして鈴ノ介は、旅の途中で出会った政司郎と舞子とともに、新たなる道へと一歩を踏み出した。山森守神討伐の旅はまだまだ続く。
銀次郎の元での鍛錬を終え、晴れて東雲隊へと入隊した鈴ノ介。鈴ノ介は、空翔とともに遥か西に存在する山森守神の住処とされる荒山へと旅立つのであった。二人は、険しい岩山を登っていく。ひたすら岩山を歩いていく二人。鈴ノ介は、やや息を切らしている。すると、空翔は言う。
「もうへたばったの?旅はこれからよ。」
空翔の持久力は高かった。かなり鍛えられているのだ。鈴ノ介は、空翔とともに長い旅路を歩んでいった。ひたすら山を歩いていると、空翔が股を押さえ、もじもじしていた。鈴ノ介に対し、空翔は「ちょっとそっち向いてて。」と言い、草の茂みで用を足した。
ひたすら、長い旅路を歩いていく二人。山を越え、谷を越え、川を越え。自然な道を二人は歩んで行った。そして、薄暗い山道を歩いていた次の瞬間だった。
何やら黒い人型の影のようなものが現れた。そう。この道こそが、空翔の口にした魔物の蔓延る道だというのだ。やや怖気付いた顔の鈴ノ介。しかし、空翔は一切物怖じすることはなかった。手にしている刀剣を取り出し、魔物を切り裂く。刀剣を構える空翔。すると、刀剣からは凄まじい水しぶきが現れる。その水しぶきを帯びた技を使い、魔物を一瞬にして切り裂くのであった。次々と迫り来る魔物。空翔は自慢の剣さばきで、次々と敵を切り裂く。鈴ノ介は、空翔の巧みな剣さばきに思わず圧倒されるのであった。空翔は言う。
「これは、自身に備わった力を反映させ、敵を切り裂く「シャナ」。東雲隊の剣士が使う上で一番重要な技よ。私は「水」のシャナ。あなたは「火」のシャナが携えられているわ。そのシャナを、己を守るために使うのよ。」
魔物の群れを掻い潜り、ひたすら道を進んでいく鈴ノ介と空翔。幾つもの山、川、谷を越えていくと、目の前には白く広大な平原が広がっていた。そう。これが、鈴ノ介の新たなる試練の地である「古(いにしえ)の平原」だ。この古の平原には、山森守神が妖術により、生み出したとされる三大子獣と呼ばれる存在が眠っているとされている。
「かなり広大な地だな。ここに魔物が眠っているのか。」
「次戦うものは、山森守神の妖術により生み出された三大子獣。さっき戦った魔物とは力が格別よ。心して戦うのよ。」
新たなる任務地である古の平原は、山森守神の存在上、極めて危険な場所だ。いつどこで魔物が出てもおかしくはない場所だ。鈴ノ介は、何事にも怖気付くことなく、空翔のように芯を強くし、いかなる魔物にも毅然たる態度で立ち向かおうと心に決めた。
ひたすら、古の平原を進んでいく鈴ノ介と空翔。すると、次の瞬間だった。突如として、巨大なダンゴムシのような怪物が、地鳴りとともに姿を現した。空翔は言う。
「あれは、蟲神(ムシガミ)。山森守神の妖術によって生み出された三大子獣の一種よ。こいつもかなり侮れない奴だわ。」
「ああ。絶対に逃げるなよ。俺。」
毅然たる態度で、突如現れた蟲神と真剣勝負を挑む鈴ノ介と空翔。二人は、刀剣を構え、蟲神と激闘を繰り広げる。蟲神は、かなり機敏な動きだ。巨体ながら、凄まじい速さで突進したりしてくるために、攻撃の余地がない。
「くっ!速い!何なんだこいつは!」
蟲神の凄まじい速さに、鈴ノ介と空翔は翻弄される。鈴ノ介は、負けじと蟲神に刃を振るう。銀次郎との特訓で得た力を発揮し、空翔と連携しながら、剣を振りかざし、急所を攻撃した。
まずは、空翔が蟲神の脚を切り裂く。すると、蟲神の移動手段はなくなり、蟲神は動体視力を失った。そして、目を切り裂く空翔。「今よ!鈴ノ介くん!」と叫ぶと、鈴ノ介は自身の刀剣に息を込め、勢いよく刀剣を振るい、炎を纏ったシャナを使い、蟲神を勢いよく切り裂くのであった。こうして、蟲神は倒された。一安心する鈴ノ介と空翔。しかし…
ズドドドドド!
突如として、蟲神が群れを成して現れた。蟲神は、彼らが知らぬ間に子孫を繁栄させていたというのだ。それに驚愕する二人。すると、二人に向け、蟲神が突進してきた。その衝撃で、鈴ノ介が勢いよく吹き飛ばされた。空翔は俊敏な速さで、鈴ノ介をキャッチし、安全なところに避難し、蟲神の大群を引きつけると、刀剣を取り出した。
蟲神に向け、再び攻撃を放とうとした、次の瞬間。
「バカ野郎が!!俺の獲物に手を出すんじゃねえ!!」
突如として現れた少年が、蟲神を刀剣で勢いよく切り裂いた。驚く鈴ノ介と空翔。その少年は、黒い長髪に、前髪が隠れ、緑色の和服を身にまとい、更には切れ味のいい刀剣を帯びていた。
「美味そうなダンゴムシどもが!俺を舐めんじゃねえ!俺の剣がある限り、てめえらは、皆殺しだ!オラァ!」
荒っぽい口調の少年。勢いよく蟲神の大群へと攻め込んだ。巧みな剣さばきで、蟲神の大群を一網打尽に切り裂いていった。目にも見えない速さの俊敏な剣さばきだ。鈴ノ介と空翔は、思わずその勇姿に心を奪われるのだった。ひたすら、蟲神の大群を切り裂いていく少年。次の瞬間、更に襲いかかってくる蟲神の群れに向け、少年は、巨大な緑の草のような刃を形成し、蟲神の群れを勢いよく切り裂くのであった。こうして、目前の蟲神は一掃された。
鈴ノ介と空翔は、思わず少年の勇姿に圧倒された。しかし、少年は…。
「お前は、己の力を信じてない!」と、鈴ノ介を殴り、喝を入れた。どうやら、彼はプライドが高く、かなりの努力家のようだ。彼も、山森守神討伐のために活動している剣士であるというのだ。その発言を繰り出しながら、驕り高ぶった立ち振る舞いを続ける少年。自身は鈴ノ介よりも、空翔よりも剣士として優れているんだと自信満々に言う。そこで、鈴ノ介は言う。
「自己紹介しろよ。お前は剣士なのか?」
そんな鈴ノ介の言葉に答える少年。
「そうか。なら名前は名乗る。俺は、久川政司郎(ひさかわせいしろう)。改めて言うがお前たちと同じく、山森守神討伐のための剣士だ。お前たちは東雲隊だな?」
少年は、山森守神討伐の剣士であり、久川政司郎と名乗った。政司郎は、かなりプライドが高かりながらも、剣術はより優れている模様であり、かなり鍛えられた存在であるというのだ。鈴ノ介は、プライドが高く、驕り高ぶった言動が目立ちがちの政司郎をやや面倒臭いながらも、優秀な剣士であると信じる。そして、空翔も政司郎は優秀なので彼に情が移り、東雲隊の剣士に加えたいと伝える。そこで、政司郎は言う。
「お前たちが、自分を強いと信じているのなら、俺は東雲隊に加わってもよいのだぞ。」
そんな政司郎の言葉に頷く鈴ノ介。こうして、古の平原での戦いを通し、新たなる剣士、久川政司郎が仲間に加わった。これからは、政司郎も、山森守神討伐の旅の一行となったのだ。
第四節 花の都~蔵之内舞子~
古の平原において、蟲神との闘いを通し、鈴ノ介と空翔の一行に、政司郎が加わったことで、三人になった東雲隊。政司郎は、やや自己中心的かつ短気な性格ながらも、意志を曲げない威勢のいい剣士として、鈴ノ介と空翔から信頼を得ていた。三人は、険しい岩山を昇っていき、新たなる任務の地を目指した。しかし、政司郎は…
「ああ~、早く魔物は出んか。無性に切り裂きたい気分だぜ。」
鈴ノ介は、政司郎に対し、「政司郎。お前少し我慢しろよ。こんな辺鄙な山道に魔物が出るわけなんかないんだから。」と窘めるが、政司郎は、「うるさい!俺は魔物を倒すと言ったら曲げない性分だ!魔物を呼び寄せろ!」と我儘を散らす。空翔は、呆れながらも「ほら。喧嘩しない。」と窘めながら、山森守神の待ち構える荒山へと歩んでいく。
ひたすら、山や川、谷を越えていく三人。すると、そこには新たなる魔物が待ち構えていた。政司郎は「よし来た!」と、思わず刀剣を取り出した。しかし、空翔は「そこは私に任せて」と言うが、政司郎は「いいや!俺がだ!」と意地を張る。魔物を前に言い合いを始めてしまう空翔と政司郎。その様子に呆れる鈴ノ介。
仕方がなく、鈴ノ介、空翔、政司郎は三人で力を合わせ、刀剣を取り出して魔物を退治する。次々と迫り来る魔物たち。三人は力を合わせながら、魔物を次々と蹴散らした。しかし、政司郎はいまいち納得する事がなく、「俺が全部倒したかったのに!」と憤慨した。鈴ノ介は、「みんなで倒した方が無難だ」と政司郎を窘めた。
魔物を倒し終え、鈴ノ介、空翔、政司郎は旅を続ける。三人は、いくつもの道のりを越え行き、華やかな都へと辿り着いた。三人が辿り着いた場所は、花が咲き乱れる「花の都」へと辿り着いた。そう。そこにも、新たなる剣士がいるというのだ。その剣士もかなり優れているといい、知恵烏の指令ではその剣士と合流しなければならないのだ。そして、知恵烏の指示に従い、花の都の宮殿へと向かう。
知恵烏の指示の元、華やかな宮殿へと辿り着く鈴ノ介達。そこで、新たなる剣士を紹介された。のだが、その剣士を名乗る少女は、入浴していた。かなり長い入浴だった。少女は、「こんなに忙しいのに、お客さん?」と呆れながら、風呂を出た。宮司とともに、鈴ノ介の前に出る少女。彼女の名は、蔵ノ内舞子(くらのうちまいこ)。花の都の宮司の娘であり、山森守神討伐のための剣士として育てられているというのだ。鈴ノ介は、舞子に挨拶した。舞子は、「やだ~!鈴ノ介くん?ちょうかっこいいわ~!」とかなりフレンドリーな様子を見せていた。更に、空翔とも上手く打ち解けていたが、政司郎は、「けっ」と顔を背けていた。宮司は「娘をよろしくお願いいたします。東雲隊の皆様。私たちはあなた方のご健闘を祈ります。」と声援を与えた。こうして、花の都の宮司の娘にして、優秀な剣士である蔵之内舞子も鈴ノ介たちの仲間に加わることになった。
宮殿を出て、 山森守神の討伐の旅へ出る四人。空翔と舞子は、旧知のように打ち解け、花かんむりを作って遊んだり、露天風呂に入ったりして遊びを楽しんだ。空翔と舞子は、かなりフレンドリーになっている。こうして、天真爛漫でフレンドリーな舞子は、旅の仲間として迎え入れられた。これからは四人で、山森守神討伐の旅へと向かうのだった。
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魔物を幾度も乗り越え、花の都を進んでいく鈴ノ介たち。広大な花の都を進んでいくと、その先には更なる脅威が待ち構えていた。知恵烏が、鈴ノ介のもとへと飛んできて言う。
「カァ~!西方より、三大子獣、確認~!急げ!急げ~!」
知恵烏は鈴ノ介たちに情報伝達した。花の都の西方に、新たなる怪物が潜んでいると。そう。それこそが、山森守神によって生み出された三大子獣の二匹目である。一同は、西の山岳地帯へと進んでいく。
数々の障害物を乗り越え、知恵烏に指示された離れの山へと辿り着く鈴ノ介たち。そこで待ち構えていたのは、鮮やか虹色の巨大な蝶々のような姿をした怪物だ。そう。空翔の情報によると、この怪物は、山森守神の妖術によって生み出された三大子獣の一体である「蝶神(ちょうじん)」と言うのだ。蝶神は、鮮やかな羽から、無数のエネルギー弾などを放ってくるなどといった、強力な戦闘力を持っていた。四人は、刀剣を抜き取り、懸命に、蝶神へと攻めかかる。蝶神は、俊敏な動きや、可憐な攻撃方法などで、四人にかなりの持久戦を強いる。次の瞬間、蝶神は、凄まじい速さで、鈴ノ介に突進してくるのであった。物凄い勢いで飛ばされる鈴ノ介。舞子は、俊敏な持久力で、鈴ノ介を上手くキャッチした。そして、蝶神は、次々とエネルギー弾を放ってくるが、鈴ノ介たちは四人で連携し、それをひょいひょいと交わし、蝶神に攻め込む。ひたすら、蝶神を追い詰めていき、空翔と政司郎が手を組み、蝶神の目を潰すのであった。こうして、蝶神は視力を奪われ、攻撃能力を失った。最後は、鈴ノ介と舞子が連携し、合体技を用いて、蝶神を切り裂いた。こうして、激闘の末、蝶神は倒された。
蝶神を倒したのちに、鈴ノ介たちは知恵烏の指示のもと、新たなる旅路である「神泉魔境」へと向かっていくのであった。こうして鈴ノ介は、旅の途中で出会った政司郎と舞子とともに、新たなる道へと一歩を踏み出した。山森守神討伐の旅はまだまだ続く。
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