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第13話 彼女が出来て初めての朝③
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「それで、これはどういうことなのか説明してくれるかなクソお兄ちゃん」
「クソはいらない気が……」
「な・に・か?」
「いえなんでもないです。クソお兄ちゃんです!」
「……なら説明してもらえるかな? もちろんできるよねそうだよね」
「……」
おい、これどうしよう。
目の前には大きい桜が佇んでいた。
一方、俺は正座をしながら下を眺めている。隣には理沙と凛音ちゃんも同じ体制で座っていた。
桜は俺のことを侮辱の目で睨んでいて、非常に居づらい。
というか居たくない……
「ちょっとなんでこうなってるのかわかんないんですけど……というかあなたは一体誰なんですかね……」
凛音ちゃんが言う。
来てばかりなのだから桜のことなんかわからなくて当然だ。
「え~なにかな。君は今の状況をわかっていないのかな」
「君? 私多分あなたより年上だと……」
「うるさい!! 黙れよ、キモ女!!!」
「ひぃ……」
桜が怒鳴ったせいで凛音ちゃんが怯えた声を出す。
かわいそうに……
「君みたいな空気読めない子って学校で嫌われてるよね絶対」
「……す、すいません、ごめんなさい……」
その場で凛音ちゃんが縮こまる。
「それでいいのよ。それで。いい子ね」
怒った顔から一瞬にして笑顔になった。
ないこれ、怖い! 女の子怖い!
「ちょっと桜ちゃん。それは流石に良くないと思うのだけれど。澤宮さんに謝ったほうがいいんじゃないかしら?」
そこで理沙が出て来る。
カッコイイ! もっと言ってやれ!!
「ほら、出て来た。こういうやつが世間一般からして便乗マンって言われるんだよ。ああ女だからウーマンか」
「便乗ではないし、ただの個人的な意見を述べたまでだけれど。そんなこともわからないから馬鹿なのよ」
「馬鹿……ふーん、そういう言葉遣いばかりするから幼馴染ってだけで負けヒロインだのゴミだのクズだの死ねだの言われるのよ。いい加減わかったら?」
「ま、負けヒロイン……」
あれ、ちょっと理沙さん。
大丈夫ですかね……勝てるよね……
というか最後の方悪口になってた気が……
「大体、理沙ちゃんなんて性格も言葉遣いも終わっててさらには幼馴染なんて……ちょっと同情するほどかわいそうな人種だわ。この負け犬」
「ま、負け犬……ああああああああああああああああああああああ」
その場で伏せて、身を引っ込める。
なにも言い返さない。
負けた。完全に負けた。
「それで、お兄ちゃ~ん聞こえてるかな?」
「き、聞こえてます!」
怯えたせいで声が高くなってしまう。
隣に助けを求めるが、二人とも。
「私って空気読めないやつなんだ……そうなんだ、皆に嫌われてるクソ女なんだ……」
「負けヒロイン、負け犬……ゴミ……」
参ってしまっているらしい。
ああ、終わった。俺の人生。さようなら……
「ならわかるよね。ていうかわかるよな! どういうことか説明しろよ!!」
「はい! もちろんです! えっとなんていうかその……」
「聞こえないよ! もっと大きな声で!!」
「……どちらも彼女というか……」
「え? なんだって?」
「ど、どちらも彼女なんです!!」
身を決して告白する。
「……うん、ごめん。私の聞き間違いかもしれないからもう一度話してくれるかな?」
「……どっちも俺の彼女なんです……」
「理沙ちゃんだけじゃなくて……この子もってこと?」
「……そう言う事です……」
「「……」」
沈黙が流れる。
やがてその場をかき消すように桜が。
「なるほど、お兄ちゃんが浮気っと。……もしもし警察ですか? お兄ちゃんが浮気を……」
警察に電話した。
「警察に電話するの止めて! ホントに止めて!!」
「え? なんで、浮気したんでしょ? 刑務所にぶち込まれに行きなよ、お兄ちゃん。いや、もう捕まるからお兄ちゃんっていうより犯罪者」
「いや、なんで浮気しただけで捕まらなきゃいけないんだよ。そんな法律ない……っていうかそもそも俺浮気なんかしてないんだけどね! 今回は本当だから! 信じて!!」
何とかして、携帯を取り上げる。
危ない危ない。ホントに警察呼ぶ気だっただろこいつ……
「それならちゃんとした理由があるんでしょうね。浮気とかじゃなくてちゃんとした理由が」
「実は……」
俺はこれまでの経緯を桜に話した。
告白され、一週間の期間をもらい、その間色々あったことも。
そして、ようやく返事をいって2人と付き合ったことも。
「ふーん、そうなんだ。なら仕方ないよね……」
「ふう、ようやくわかってもらえたか……これで万事解決……」
「じゃねーから!!」
「ぐふ……」
そう言うと飛び膝蹴りを顔面に入れられた。
痛かったです。
「クソはいらない気が……」
「な・に・か?」
「いえなんでもないです。クソお兄ちゃんです!」
「……なら説明してもらえるかな? もちろんできるよねそうだよね」
「……」
おい、これどうしよう。
目の前には大きい桜が佇んでいた。
一方、俺は正座をしながら下を眺めている。隣には理沙と凛音ちゃんも同じ体制で座っていた。
桜は俺のことを侮辱の目で睨んでいて、非常に居づらい。
というか居たくない……
「ちょっとなんでこうなってるのかわかんないんですけど……というかあなたは一体誰なんですかね……」
凛音ちゃんが言う。
来てばかりなのだから桜のことなんかわからなくて当然だ。
「え~なにかな。君は今の状況をわかっていないのかな」
「君? 私多分あなたより年上だと……」
「うるさい!! 黙れよ、キモ女!!!」
「ひぃ……」
桜が怒鳴ったせいで凛音ちゃんが怯えた声を出す。
かわいそうに……
「君みたいな空気読めない子って学校で嫌われてるよね絶対」
「……す、すいません、ごめんなさい……」
その場で凛音ちゃんが縮こまる。
「それでいいのよ。それで。いい子ね」
怒った顔から一瞬にして笑顔になった。
ないこれ、怖い! 女の子怖い!
「ちょっと桜ちゃん。それは流石に良くないと思うのだけれど。澤宮さんに謝ったほうがいいんじゃないかしら?」
そこで理沙が出て来る。
カッコイイ! もっと言ってやれ!!
「ほら、出て来た。こういうやつが世間一般からして便乗マンって言われるんだよ。ああ女だからウーマンか」
「便乗ではないし、ただの個人的な意見を述べたまでだけれど。そんなこともわからないから馬鹿なのよ」
「馬鹿……ふーん、そういう言葉遣いばかりするから幼馴染ってだけで負けヒロインだのゴミだのクズだの死ねだの言われるのよ。いい加減わかったら?」
「ま、負けヒロイン……」
あれ、ちょっと理沙さん。
大丈夫ですかね……勝てるよね……
というか最後の方悪口になってた気が……
「大体、理沙ちゃんなんて性格も言葉遣いも終わっててさらには幼馴染なんて……ちょっと同情するほどかわいそうな人種だわ。この負け犬」
「ま、負け犬……ああああああああああああああああああああああ」
その場で伏せて、身を引っ込める。
なにも言い返さない。
負けた。完全に負けた。
「それで、お兄ちゃ~ん聞こえてるかな?」
「き、聞こえてます!」
怯えたせいで声が高くなってしまう。
隣に助けを求めるが、二人とも。
「私って空気読めないやつなんだ……そうなんだ、皆に嫌われてるクソ女なんだ……」
「負けヒロイン、負け犬……ゴミ……」
参ってしまっているらしい。
ああ、終わった。俺の人生。さようなら……
「ならわかるよね。ていうかわかるよな! どういうことか説明しろよ!!」
「はい! もちろんです! えっとなんていうかその……」
「聞こえないよ! もっと大きな声で!!」
「……どちらも彼女というか……」
「え? なんだって?」
「ど、どちらも彼女なんです!!」
身を決して告白する。
「……うん、ごめん。私の聞き間違いかもしれないからもう一度話してくれるかな?」
「……どっちも俺の彼女なんです……」
「理沙ちゃんだけじゃなくて……この子もってこと?」
「……そう言う事です……」
「「……」」
沈黙が流れる。
やがてその場をかき消すように桜が。
「なるほど、お兄ちゃんが浮気っと。……もしもし警察ですか? お兄ちゃんが浮気を……」
警察に電話した。
「警察に電話するの止めて! ホントに止めて!!」
「え? なんで、浮気したんでしょ? 刑務所にぶち込まれに行きなよ、お兄ちゃん。いや、もう捕まるからお兄ちゃんっていうより犯罪者」
「いや、なんで浮気しただけで捕まらなきゃいけないんだよ。そんな法律ない……っていうかそもそも俺浮気なんかしてないんだけどね! 今回は本当だから! 信じて!!」
何とかして、携帯を取り上げる。
危ない危ない。ホントに警察呼ぶ気だっただろこいつ……
「それならちゃんとした理由があるんでしょうね。浮気とかじゃなくてちゃんとした理由が」
「実は……」
俺はこれまでの経緯を桜に話した。
告白され、一週間の期間をもらい、その間色々あったことも。
そして、ようやく返事をいって2人と付き合ったことも。
「ふーん、そうなんだ。なら仕方ないよね……」
「ふう、ようやくわかってもらえたか……これで万事解決……」
「じゃねーから!!」
「ぐふ……」
そう言うと飛び膝蹴りを顔面に入れられた。
痛かったです。
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