ギルド最弱と呼ばれているけれど、実は数年前、大厄災を起こした最強の能力者でした。最高のヒロインと一緒に隠していたチートの力を使って無双します

シア07

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第3話 クエストの準備

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「はぁはぁ……なんでそんなに早く行っちゃうんですか!」

「さっきも言っただろ。日が暮れるからだ。最初はリンも言っていたじゃないか」

「そんなに……早くは……暮れないって言ってたじゃないですか。ていうか走りすぎですよ。体力が……」

「別に走ってないだろ。ちょっとだけ早歩きにしただけだ」

「それが……早いんですって」
 
 走ったらしく、もう息が上がっている状態だった。
 俺からしたらまあまあゆっくりと歩いたつもりだったのだが、どうやらリンからしたらそうではないらしい。

 俺は仕方ないなと思い、リンに合わせて歩くことにする。
 少しだけイジワルのつもりもあったしな。
 リンは安心した様子で俺の方をみる。 

「さっきから思ってたんですけど、採取クエストなのに装備って必要なんですか? 別に危険なことはする気がないんですよね」

「危険なんてのはほぼないと言っていい。そもそも俺はモンスターと出会いにくいルートを通って行く気だしな」

「じゃあ……買いに行く意味ってなんかあるんですか?」

「単なる準備だな。もしかしたら強い敵がいる可能性も捨てきれない。それに近くにいる冒険者も襲ってくる可能性がある」

「げ、そんなこともあるんですか!?」

「ある。前に3回ほど襲われたことが」

「うわ……冒険者も大変なんですね……」

 俺だけかもしれないけど。
 
 そんな事を言い合っていると、目的地である武器屋と隣にある道具屋が見える。
 どっちも小さな家だが、品ぞろえは悪くないし、相場も他と比べて安い。
 冒険者ならだいたいここを使っているらしい。
 俺も武器は買ったことがないけれど、道具屋のついでになんかいかいったことがあるくらいだ。

 俺たちは最初に武器屋に入る。
 古臭い感じだが、腕は一級品でかっこよく、強い装備がそろっている。
 
「ここが武器屋ですか……」

 リンは初めて入ったらしく驚いているようだ。

「なにか欲しい武器でもあったか?」

「う~ん欲しい武器ですか……って、私が選ぶんですか!?」

「当然だろ。そもそもリンの武器を選びに来たんだからな。俺は武器使わないし」

 護身用だしな。
 リンがダンジョンで怪我でもしたら最悪だ。

「え、初耳なんですけど」

「そりゃ、いま言ったからな。最初そのつもりだったんだが、わからなかったのか」

「そういうのもっと早く言ってください……」

「まあ四の五の言わずに選べ。欲しいの買ってやるから」

「買ってやるって。結構高いですよ!?」

「子供が金のことなんて心配するな。それくらいの金はある。遠慮とかされると逆にウザい」

 貯金はたまっている。
 あんまり高い買い物をしないおかげかあまりにあまっている。

「……子供扱いしないでください!」

「いいから、選べ」

 そういうと、じっくりと観察するようになる。
 買うならちゃんとした奴がいいのだろう。

「これとか……欲しいです」

 リンが見せて来たのは軽くて持ちやすい短剣、いわゆる片手剣だった。
 2本で対になっていて、使い良さそうだった。

「わかった。これにするか」

 値段は2万シリル。
 まあまあといったところだろう。
 全然払える額だった。
 俺は短剣をカウンターに持っていく。

「おっちゃん。これください」

「はいよ! 短剣一丁だな!」

 元気よく返事する感じのいい人だった。

「この短剣は……おお、俺の自信作か。誰かに買ってほしくて安くしたんだが、なかなかいなくてな。選んだ奴はセンスある!」

「それならこの子が……」

「おお、この少女がか。ナイスだ!」

「あ、ありがとうございます」

 たじろぎながら言う。
 こういうノリに慣れていないのだろう。

「あとよ、少年。クエストにいくんだろ。彼女のことちゃんと守ってやれよ」

「か、彼女!?」

「いや、彼女じゃないです」

 俺は即座に否定する。
 するとリンから軽く俺の方を凝視してくる。
 
「まあ、とりあえずクエスト頑張れよ。応援してるぜ」

「……ありがとうございます」

 俺たちは短剣を受け取り、武器屋を出る。
 出るときにまた来てくれよなとデカい声で言われた。

「凄い店員でしたね……」

「だな。もしかしたらこれからもお世話になるかもしれないからいい人でよかった」

 俺たちはそのまま隣にある道具屋に入る。
 いろいろな道具が売っているが、求めるのは回復薬だけ。
 10個ほどとり、買った。

「よし、これで準備は完了だな」

「そろそろ行きましょう。ダンジョンへ!」
 
 わくわくしているように言う。
 腰には短剣が刺さっていて、すっかり冒険者のように見えた。
 そんな時だった。

「おーい、クソ雑魚」

「腰抜け野郎」

「昨日の採取クエストはちゃんとできたのかな? なんなら俺たちが手伝ってあげてもいいんだぜ」

「「「あはははは」」」

 そこにはいつものあいつらがいた。
 俺を小馬鹿にしてくる3人組のあいつらが。

「レンさん。……あれ……なんなんですか……」

「俺もよくわからない。いつも馬鹿にしてくる奴らだ」

 小声で会話する。

「あれ、今日はいつもと違って連れがいるのか」

「しかも女かよ」

「女とイチャイチャする時間はあるのに、討伐クエスト受けない腰抜けか」

「「「あはははは」」」

 下品で愚劣な笑みを浮かべて来る。 
 俺は無心でそれを見て、答える。

「別にそんなんじゃない。ただのパーティー仲間だ」

「うるせぇ、口答えすんじゃねぇ!」

 いきなり拳が俺の顔面に飛んでくる。
 俺は首を傾けてそれを避けた。
 それから立て続けに拳を振るってくるが、すべて避ける。

 リンはおびえた様子を見せ、俺の後ろに隠れた。
 初めてこんなのをみたらおびえるのも無理はない。

「……雑魚のくせに」

「暴力は良くないだろ」

「……っち、しょうがねぇ。今日はこれくらいにしてやるか。こいつらと違って時間もろくに無いことだしな」

「賛成!」

「よし、感謝しろよ。クソ雑魚。じゃあな」

 そういって三人組は消えていく。
 リンは俺の影から出てくる。

「……これでわかっただろ。俺は強くない。ギルドだったらあんな感じだしな。俺に関わるのはちゃんと今日で最後にしておいた方がいい」

「…………」

 これは彼女のためなのだ。
 最近こちらに引っ越して来たばかりと言っていた。
 もし、嫌われるようなことがあったら可哀想だろう。

 リンは悲しそうでしょんぼりとした様子のまま歩く。
 ある程度歩いた所で彼女は足を止めて言った。

「……私決めました。次あの人たちが来たらちゃんと喧嘩します!」

「は?」

「だって酷いじゃないですか。いきなりあんな悪口を言ったりするの。だから、喧嘩するんです!」

「……意味がわからない」

「とにかく、あの人たちにガツンと言ってやります!」

「…………」

 どうやら逆効果だったようだ。
 さっきよりも元気いっぱいになっている。
 
「ほら、レンさん。ダンジョン行きましょうよ。せっかくこの剣とか手に入れて冒険者らしくなったので早くクエストを体験してみたいです」

「…………仕方ない奴だな」

 俺はため息をついて、ダンジョンに向かって進みだした。
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