ギルド最弱と呼ばれているけれど、実は数年前、大厄災を起こした最強の能力者でした。最高のヒロインと一緒に隠していたチートの力を使って無双します

シア07

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第5話 覚悟

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 俺のせいで、人が死ぬ。
 目の前にいる彼女が。
 こんな俺とパーティーを組んで欲しいといってくれた彼女が。

 頭にそのことだけがよぎる。
 出会ってまだ1日しか経っていないけれど、それはずっとこれからも一生印象に残り続けるだろう。

 だから、死ぬなんて……嫌だった。
 でもいまの俺に…………

「え、ちょ、レンさん!」

「……逃げろ。リン!」
 
 俺は大声で叫ぶ。

「あ、足が……動かない……」

「…………」

 後ろで【竜蛇】が物凄いエネルギーをためているのが見える。
 間違いなくヤバい攻撃が来る。
 ここから走ってリンを助けようとしても間に合わない。
 絶望感が漂う。
 
「もう……やるしか……ないのか」

 俺は自分の拳を見る。
 すると、あの時の思い出が自然と蘇ってきた。

 辺り一面が炎に包まれ、人も物もすべて存在しない、いいや……破壊した地獄をあらわしたような空間。
 俺が罪人だと理解して、力を隠しだしたあのいまいましい事件。
 3年前ある地にて起きた、あの最悪の出来事。
 通称≪ビックバン≫のことを。 
 
「わかってる……俺だってわかってる」

 俺がそんな事を考えている間にも次第に時間は過ぎていて、【竜蛇】が攻撃はまさに放とうとしていた。

「レンさん……助け……て」

「…………」

 リンはまだ動けていない。
 そういってくるが、俺はどうすることも出来ない。

 怖い。怖い怖い怖い。
 その言葉が俺を支配していく。
 胸を抑えると、痛くて、苦しく感じる。

「クソ……」
 
 俺だってわかっている。わかってはいるんだ。
 本当はただ怖いだけなのだ。
 あの出来事のようなことがもう一度起こること思うと怖くて使いたくない。
 単純にそれだけの理由なのだ。

 それを俺は罪とし、自分を罪人にすることで、律してきた。
 きちんと守ってモンスターすらも倒さなかった。
 
「……覚悟を……決めろ、俺」

 でも、そんな事は関係なく、いま助けなければ目の前のあの少女は死んでしまう。
 それは絶対に避けなければならない。
 あの時のように目の前にいた人が死んでしまうのは悲しく、辛く、苦しいから。

 だから、やらなくてはならない。
 だからこそ、今破らなければならない。

 俺は拳に力を入れる。
 かつてのように。あの日のように。
 
『ガヴォォォォォォォォォォォォォ』

 【竜蛇】から巨大なエネルギーが放出された。
 もちろんリンに向かってだ。
 近くのものをすべて破壊するくらいにはある攻撃だった。
 俺の体は攻撃がでるまでにすでに動き出していた。
 
 俺はひた隠しにしていた能力を使った。
 
 離れていたリンの所まで瞬間移動テレポーテーションし、リンを抱え、他の場所に移動する。
 つまるところ、攻撃を避けた。
 きちんと使えたことに安堵し、ため息をついた。
 そのまま【竜蛇】から離れるように逃げ出す。

「え、ええええええええええええ! 私……生きてる。……死んでない。ていうか、お姫様抱っこ!?」

「……話は後だ。とりあえずあいつから逃げるのが先だ」

「は、はい。いま、私なにも出来ないのでお願いします」

「まったく、他人に全部任せるなんていいご身分だな!」

 俺はいいながら【竜蛇】の攻撃を瞬間移動テレポーテーションで避けながら言う。
 これだけ走っているのに追い付かれるとは足が速すぎる。
 流石ボスと言ったところか。

「え、いまのなんですか。めっちゃ移動した気がするんですけど! もしかして能力《タレント》ですか!?」

「話はあとだって言っただろ。お荷物背負って逃げるのは意外と大変なんだ。静かにしていてくれ」

「お荷物って言わないでください! 私そんなに重くないです!」

「そういう意味で言ったわけじゃないんだが……」

 そんな事を言っていると、また攻撃が飛んでくる。
 それを避けて話す。

「……とりあえずだ。俺があいつを倒すから、あいつの注意を引かないようにどこかに隠れて、静かにいてくれ。隠れる場所は俺が探すから」

「でも、他のモンスターとかに襲われたら……」

「大丈夫だ。他の奴らもこいつが来たことに気づいているはずだ。少なくとも近くには来ない」

「わ、わかりました。待ってます」

 俺は走りって攻撃を避けつつ、場所を探す。
 いい場所を見つけ、そこに近づく。

「いいか、これを渡しておく」

 俺は道具屋で買っておいた回復薬を渡す。
 念のために買っておいて正解だったようだ。
 
「これを飲んでその辺に隠れていろ。俺があいつを倒すまで出てくるなよ」

 俺はそれを言い残して行こうとするが、リンが服を引っ張って俺を引き留める。

「あ、あのレンさん!」

「……なんだ?」

「……帰ってきてくれますよね。あのモンスター……倒せるんですよね」

「ああ、もちろんだ」

「本当ですか!?」

 少しかっこつけながら、

「俺の前ではこの世のすべてのものは塵と化す。あいつも例外じゃない」

「…………」

「ここで待っていろ。すぐに来るから」

 俺はそう言って【竜蛇】の近くまで移動する。
 
『ガルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ』

「…………はぁ、やるか」

 【竜蛇】は俺が近づいてくることに気づき、攻撃を放出してくる。
 俺は右手を前に出す。

 すると、攻撃が俺の体に触れる前に、消えていった。
 何発も飛んでくるが、消して進んでいく。
 少しだけ懐かしさを感じた。

『ギヤァァァァァァァァァァ』

 エネルギーの攻撃が意味がないと知ったからなのか、攻撃をやめて羽を広げてくる。
 そして、牙を突き出して俺に突っ込んできた。
 突進攻撃だ。

「俺の方に来るとか……こいつは馬鹿なのか」

 攻撃を瞬間移動テレポーテーションで避けて、奴の上に乗る。
 
「こうやって飛んでたのか。鬱陶しいわけだ」

『ギヤァァァァァァァァァァ』

 何度も俺を落とそうと身体を揺らしてくるが、そんな事では落ちない。
 俺は手で【竜蛇】に触れる。

「なんで10階層のボスがここにいたのかは知らないが、もう……震えて眠れ」

 その瞬間、【竜蛇】は消え去った。
 塵のように。
 いいや、塵ですらない。もう見えない。

 空中に浮くが、瞬間移動テレポーテーションして地面に降りる。
 俺は一つも攻撃を食らわずにあいつを倒した。
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