ギルド最弱と呼ばれているけれど、実は数年前、大厄災を起こした最強の能力者でした。最高のヒロインと一緒に隠していたチートの力を使って無双します

シア07

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第27話 リベンジ戦

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「じゃあ行くよ~」

 そう言った瞬間、鎌が投げられた。 
 この前と全く同じ鎌。
 どう戦えばいいかもわかっている。
 
 一度避けてから振りかえって分解セパレートする。
 とりあえず最初の攻撃を完封した。
 前と同じように服のなかからうり二つの鎌を取り出す。

「やっぱりいいよ、その能力タレント。私の好みだよ」

「それはなによりだな」

「じゃあ、もう一本行こうか」

 また攻撃を仕掛けてくる。
 今度は走ってきている。
 あの攻撃だ。

「もう俺にその攻撃は通用しない」

「ほんとかな」

 目に見えない速さで答えて来る。
 どこにいるのかさっぱりわからない。
 俺は目を閉じて、攻撃が来るのを待つ。
 音がした場所。そこから鎌が放たれている。

「そこだ」

 シュンと小さく音が聞こえてきた。
 俺は力を使う。
 攻撃が行われているはずの場所に移動した。
 目の前には少女の姿があった。狙い通りだ。

「そう来るか……」

「終わりだ!」

 腹を思い切り蹴飛ばす。
 少しだけ吹っ飛んで、倒れた。

「うわ、痛……いきなり女の子のお腹蹴るとかサイテーだよ」

「そんなの関係ない。そうされたくなかったら、このモンスターたちをどうにかしろ。そしたら見逃してやる」

「それは無理。私にとってどうしても【極玉】は必要だから」

「どうしてそれにこだわる。いったいなにがあるっていうんだ」

「あんたにはわかんないよ。黙って差し出してくれればいいのに」

「それは出来ない。あれがあったらもっとモンスターを閉じ込められるんだろ。なら根本的な解決にはならない」

「そう。じゃあ、戦うしか方法はないよ。私たちは敵同士やり合おう」

 刹那、その場の雰囲気ががらりと変わった。
 いいや、変わったのは雰囲気じゃない。少女のオーラだ。
 強者。それだけが伝わってくる。 

「一応言っておくけど、これからは本気だから」

「……まるで本気じゃないみたいな言い方だな」

「それはそうでしょ。なんでいきなりあった人に本気でやらないといけないの? 普通は隠すものでしょ」

「…………」

 あのレベルで本気じゃない。
 だとしたらこいつの力はどれくらいなんだ……
 固唾を飲む。

「怯えてるね。でもさ…………君も本気じゃないでしょ」

「え?」

「見たらわかるよなんとなくだけど。弱いっていうかさ、攻撃を全然してこないよね。なんか……人間と戦うのを怖がっているみたいで」

「……!?」

 そんなはずはない。
 怖がっているはずなんてない。
 怯えているはずがない。
 
「まあいいや。私はやるよ。君を殺して、あそこにある【極玉】を回収する。それが私の目的だから」

「…………」

 こいつはどういっても止まらない。
 説得は不可能だ。俺は理解した。
 戦いあうしか道はない。
 勝った者こそ、この戦いをおわらせられる。

「殺してあげる!」

 走り出した。すぐに目に見えなくなる。
 またあの攻撃だと思い、目を閉じてじっと待つ。
 すると音が聞こえた。
 俺はすぐさま聞こえた場所に瞬間移動テレポーテーションする。
 しかし。

「なに……もない」

 なにもなかった。 
 あの少女の姿は見えない。 
 俺はゆっくりと左右を眺めるが、本当になにも見えない。

「なんでだ……」

 たしかに聞こえたはずだ。
 シュッと小さく、投げた音がたしかにした。 
 はずなのに、そこにはなにもいなかった。鎌すらない。

「ん、なんだ?」

 だんだんと音が聞こえて来る。
 近づいてくるような。
 まさか。

「上か!」

 空を見上げると真上にくるくると回転した鎌があった。
 やられる!と思った瞬間体が動いていた。
 ギリギリのところで避ける。

「はい、終わり」

「…………は?」

 しかし、俺の腕の裏に鎌がぐさりと思いっきり刺さった。
 バキバキと体をむしばんでいく感じがする。

「ふぅ……いまの本当なら腹に当てるつもりだったんだけど、逆だったかあ」

 俺の攻撃を予測して、事前に鎌を投げていたのだろう。
 そうでなければ話がつかない。

「クソ……俺が避けることまで予測できるなんて……一体、どういうことだ……」
 
 それにしても、もろに当たった。
 腕から血が流れて来る。身体が動かないくらいに痛い。

「化け物が……」

 この傷を治すとすると物凄い時間がかかる。
 だから、とりあえず止血だけをしておく。
 止血くらいなら数秒で終わった。

「う~ん、大体いまので君の力はわかったよ」

「……なにがわかったっていうんだ。俺が弱いってことか」

 腕を抑えながら言う。

「違う違う。そうじゃなくて、どうして最初から力を使って鎌を壊してこないのかってことだよ。だっておかしいじゃん。君は破壊する力があるっていうのに、鎌が来ても避けるばかり。壊してしまえばいいって話じゃない? そしたら攻撃自体が聞かなくなるし、文字通り最強だよね」

「…………」

「だから今の今まで調べていたんだよ。どうして君が力を使わないのかを。力を使う条件を。それでわかった。…………君は無意識に力を封印してしまっているってことをね」

「封印だって…………」

「君はさ、きっと力を使うのが怖いんだ。だから最低限必要なところでしか使わない。君は弱虫なだけだよ」

 前まではそうだった。
 力を使うのが怖くて、こんな力を消してしまいたかった。
 でも、リンと出会ってそれを克服したはずだった。
 
 怖い。
 そんな文字が頭のなかに浮かんでくる。
 またあの恐怖で体が満たされる。

「私がさっき言った、まだ本気じゃないってのはそういうこと。君の力を身体中にまとったりすれば私の攻撃なんて意味をなさないっていうのに、ほんと残念な能力者。宝の持ち伏されだよ」

「…………」

 馬鹿にするような口調で言ってくる。
 俺はなにも言い返せなかった。
 
「ふぅ……まあ、そんなことはどうでもいいか。私の目的は達成できそうだしね」

「…………なに」

「外を見てごらんよ。面白いことになってるよ」

 そうだった。
 いま、外ではモンスターたちと冒険者たちが戦っている。

 俺は気になってそっちの方を向いた。
 そして、後悔する。

「なんだよ、これ…………」

「地獄絵図だね」

 死体の山だった。 
 モンスターも人間も。
 永遠に死んでいる。
 集中していて気づかなかったが、炎も上がっていた。
 この町という町が壊されていた。

「もう、終わりだよ。そろそろ諦めてもいいんじゃない。君のその力じゃ……私には勝てないよ」

 その言葉で俺は絶望するのだった。
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