ギルド最弱と呼ばれているけれど、実は数年前、大厄災を起こした最強の能力者でした。最高のヒロインと一緒に隠していたチートの力を使って無双します

シア07

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第31話 ギルド長からのお言葉

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「ありがたいお話だと…………」

 なにを言っているのかさっぱりわからない。
 本当にあの人の考えは理解に苦しむ。

「なんなんだよ……いったい……」

「ってシンヤさん! モンスターです!」

「おっと危ねぇな。ありがとよ、リンちゃん」

「助け合いですから。私が危なくなったら助けてくださいね!」

「おうよ」

 周りも俺と同じ反応のようで、唖然とした様子で立っている者が多かった。
 しかし、モンスターはお構いなしにやってくる。

「…………うざったらしいな。消えろ」

 俺は近くにきたモンスターを手で触れて破壊する。
 モンスターはすべて消えてなくなった。
 
「ほんと…………疲れるな。これだけでも」

 減っては増えて、減っては増える。
 どれだけ倒しても永遠に続いているようで、辛い。
 ゆっくり話を聞いていたいが、どうやらそれは叶わないらしい。
 俺たちはモンスターを倒しながら聞くことにする。

 すると、ギルド長が話し出した。

『このレアルスタルにいるすべての民よ。いま現在、私たちの町はある人物たちによって襲撃されている。確認されているだけでもモンスターは1000匹以上。何故か、ダンジョンのボスも3体ほど出現している』

 ギルド長は続けて話す。

『まあ、そんなことは私が言わなくてもみたらわかるとは思う。実際ギルドにいる私の目の前で戦いは起こっていて、これだけ騒ぎになっているからな。知らない方がおかしいと言っていいだろう。ふふ、非日常的すぎて逆に笑えて来るくらいだからな』

 こんな状況なのにも関わらず、今度は少し微笑んでいるようだった。
 笑い声も町中に響き渡って、俺たちも首をかしげる。

「おい、そんな余裕そうに言う事なのか……」

「ほんとですよね。ちょっと笑っている感じもありますし…………」

「そうだな。これが終わったらギルド長には」

「流石ギルド長って感じだぜ」

「……そんなことはいいからサボらないでくれ。俺に負担がかかる」

「わかってるって。ライオネルこそ、その程度でやられるのかよ。もう少し力をつけたらどうだ?」

「ふ、なめてもらっては困るな。それくらいじゃ俺は負けたりしない。俺はただお前に自分の仕事をまっとうしてほしいだけだ。そっちの方が便利で楽だ」

「はぁ…………相変わらずの奴だぜ」

「はいはい、2人とも! 話なんかしてないで手を動かして!」

 シンヤとライオネルが喧嘩をしていると注意された。 
 2人がモンスターを倒さないせいでこの場所にいるモンスターが増えていたのだ。
 俺の方にまで来ていて、いい迷惑である。

 シンヤは熱心に、ライオネルは少し面倒くさそうにまたモンスター狩りを始める。
 俺の力、分解セパレートは対象に触れていないと発動できないので、凄く不便だ。
 さらにあの仮面の少女でそうとう体力を使った。
 今の状況ではリン以下になっている。

「クソ…………キツイな」

「……レンさん、頑張ってください。私もできるだけ倒しますから!」

「ああ、助かる」

 そんなことを言っていると、ギルド長の話が再び始まる。

『さて、その話は一旦やめておこう…………これからの話しは全員に聞いて欲しい。逃げている者もこれだけは聞いて欲しい。…………今言った通り、この町はピンチに陥っている。冒険者は死に、モンスターの死骸で溢れ、町は破壊されている。簡単に言おう。このままではレアルスタルは占領される』

「「!?」」

 聞いていた全員がビクッと反応する。
 みんなわかっていた。
 そんな事を言って大丈夫なのかと。
 
 これは不安をあおる発言だ。
 怯えていた人たちが逃げ出す恐れがある。
 戦力が…………さらに減るかもしれない。

 しかし、お構いなしにギルド長は言う。

『私たちが必死に作り上げた町が、君たちはそれを…………簡単に許してもいいのか? ……たしかに昨日までは平和だった。なにも恐れることなく生活できた。だが、今は違う。やらなくてはならない時が来たのだ!』

 さっきまでとは違って真剣さが溢れていた。
 俺の体は無意識に話しに夢中になっていて、背後からきたモンスターの姿に気づかなかった。
 噛みつかれそうになったのを避けて、破壊する。

「凄いな…………いつの間にかそっちに耳が傾いていたのか……」

 戦いをしたまま話なんて聞けないと思っていたが、戦いよりもそっちに集中してしまっていた。
 これがギルド長のカリスマ。人を引き付けれる。
 凄い力だ。 

『この町に生きとし生けるすべての民よ。……今こそ、団結してほしい。そして…………戦ってほしい。どんな人間であろうと構わない。女、男どちらでも構わない。剣を取り、モンスターを狩って欲しい。それだけをして欲しい。頼む、冒険者たちを…………助けてやってくれ』

『そしてすべての冒険者よ。ありがとうと言っておく。この町を守ろうとしてくれて。そして、いまもこの瞬間も戦ってくれて。…………私からの話は以上だ。是非、私のありがたい話を参考にしてこれから行動に移してくれ。……健闘を祈ろう』

 そういい終わると、これ以上ギルド長が話すことはなかった。
 
「凄い…………話でしたね」

「ああ、見ろ。あっち側じゃ士気が高まっている」

 ギルドの方へ指を差す。
 おおおおおおお!と雄叫びのような声が遠く離れたこっちまで聞こえて来る。

「これは…………期待できそうですね!」

「そうだな。このままおしきれればいいんだが……」

 流石にボスまではいかないだろう。
 しかし、普通のモンスターには効果的だった。
 士気があがったことで、前まではネガティブだった人たちが元気を出して、戦いにいった。
 これで、こっち側の負担もだいぶ減っている。
 シンヤたちもやる気になっていて、一気に楽になった。

「だが…………俺があのボスを倒しに行くにはまだ心細いな」

 減ってはいるもののすぐにモンスターは寄ってくる。
 一人でもかければ後々疲れた時には対処が出来なくなる。

「あとなにか……なにか一つだけでも要素があれば……なんでもいい。たった一つ…………」

 そんなことを思っていた時だった。
 近くにいたモンスターが一掃された。
 そっちの方へ視点を向けると、シンヤもライオネルも他の仲間もいなかった。
 代わりにいたのは、

「待たせたな……」

「任せろよ、兄ちゃんたち!」

「!? その姿……もしかして……」

「おう、この間ぶりだな。お前たちを助けに来たぜ!」

 武器屋の店主とあの時荷物を拾ってくれた人だった。
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