二卵性の双子。恋に落ちました。

今宵叫ぶ

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第一章 まさかの同居

第6裏話 入学式=戦場

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 入学式。それは今後の勉学に対する決意を固める場。

 なんて言うのはでまかせで、実際は戦場だと僕は思う。

 素晴らしい友達に囲まれて4年間というキャンパスライフを送るための戦場だと思う。

 僕は今までの小中高校すべての入学式で友達を2人は作っていた。大学ともなれば人の数は尋常じゃない。

 どれだけ出来るか楽しみだ。そんなことを考えながら歩いていると、大学までやって来ていた。

 校門の前には、「入学式」と大きく書かれた看板の前で写真を取る恒例行事が行われていた。

 僕たちは、この行事をやったことは無い。お兄ちゃんは恥ずかしがって嫌がるし、両親は二人とも仕事で忙しかったから…

 だから、僕はこのたった一枚の写真にとても憧れていた。

「鈴。ちょっと来い!」

 お兄ちゃんはいきなり、ぼーっとしていた僕の腕をとって、学校とは反対方向に歩いていく。

 そして僕たちが止まったところは、写真を取る家族たちの最後尾だった。

「どうしたの?お兄ちゃんこういうの苦手でしょ。」

テンパりながら僕は言う。

「いいんだよ。せっかくの記念なんだから。」

お兄ちゃんがいつもよりかっこよく見えた。

「ありがとう。」

 僕は嬉しいのと恥ずかしいので、小さくしか言えなかった。

 その後のことはよく覚えていない。写真を、とってもらって、そこから入学式が始まるまでの間がすっぽり記憶が抜けてしまっている。

 そして、入学式が始まった頃には意識も戻ってきていていたので。僕は早速調査に写った。

 新入生と言っても色々ある。金髪カラコンの明らかにチャラいヤツ。the・フツーの男子。茶髪メガネの清楚系女子。ピンク髪の美容女子。様々だった。

 式が終わり、僕は戦場へ向かった。

 相手は、男女3人のグループ。僕と同じような匂いがしたからだ。

 僕たちはすぐに意気投合して、噺に華を咲かせていると、一人、二人と集まってきて、姉妹には20人以上の集団になっていた。

「じゃあカラオケでも行こうか。」

誰かが言い出した。一行はその案にのり、駅前のカラオケへと歩みを進めた。

お兄ちゃんは、帰っちゃったか…残念。
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