14 / 25
第二章 家督継承
第十三話 出世の兆し!!
しおりを挟む
俺、宇都宮和人が義父宇都宮秀和から仕事を受け継いで初出勤してみたら……
昨晩に起きた地震のおかげで大惨事になっていた。
書庫中を同僚が歩き回り、あぁでもないこうでもないと慌てながらうごめいていた。
「誰だお前は。」
しばらく慌てている様子を傍観していたらやっと一人が俺に声をかけてきてくれた。
「先日隠居した宇都宮秀和の養子和人で御座います。」
「あぁ。宇都宮殿の婿殿か。良く来てくれた。がこんな状況だ。お前さんも手伝ってくれ。」
「はい。」
俺は本棚に落ちた書物を一つ一つ丁寧に戻していく。しかし乱雑に並べられたものだ。この棚にはこの分類と決められて居ないため、今俺が並べている棚には小説があったり手引書があったりとなっている。
「本棚の分類ってしないんですか?」
先程俺に声をかけてくれた田川広重さんに聞いてみた。
「しようったって分類する方法がねえんだよ。上からは書物が保管されてればいいって言われてるだけだしな。」
ふ~んそうなんですね。と返したが、俺はいいことを思いついていた。
日本十進分類法……現代の図書館や図書室などで使われている分類法だ。これをアレンジすれば、江戸時代でも十分に活用できるかも知れない。
仕事が終わり千住の屋敷へと戻り自室でスマホを電源を入れる。最近は全然使ってなかったので若干懐かしく感じてしまう。
日本十進分類法は、0=図鑑、1=哲学・宗教、2=地理・歴史、3=社会(公民)
、4=自然科学、5=技術・工業、6=産業・交通、7=芸術・スポーツ、8=言語、9=文学………と言うふうに分けれらている。らしい。(カッコイイなと思って分類の名前だけ覚えてたヤンキー。)
「これ結構出来るな。」
俺は出世の為に早速家訓の毎日セックスの掟を破り深夜遅くまで日本十進分類法の江戸時代アレンジに取り掛かっていた。
そして出来上がったのだ。延宝書物分類法(仮)が!!
延宝書物分類法では、日本十進分類法を丸パクリ、いやそのまま受け継いで名前だけが変わったものになる。(まあ色々考えたけどバカなヤンキーには無理でした。)
俺は延宝書物分類法を大きな紙に書いて次の出勤日に田川さんに見せてみた。
「どうですかね?自分なりに考えて見たんですけど………」
田川さんが紙を穴でも開けようとしているのかぐらい見つめているので周りの同僚たちが野次馬になって集まって来ていた。
「これはいいじゃないか。」「分かりやすい。」などと野次馬たちの声が聞こえてくる。あとは田川さんがどういう反応を示すのだろうかに掛かっている。
しばらくの間、誰も言葉を発さなかった。いや発せなかった。余りにも田川さんが集中して考えていたので誰も音を建てることが出来なかった。
「良し。亀山様にご提案しよう!!」
亀山と言うのは、俺達の上司で書庫整理の頭である。
「しかしなぁ。亀山様は自分の保身しか考えてないからお聞きくださるかのう。」
同僚の一人が愚痴を漏らした。秀和からも亀山のいい話を聞いたことはない。
出世の兆しが見えたのはいいが、俺にまた一つ別の雲が雨を降らそうとしていた。
昨晩に起きた地震のおかげで大惨事になっていた。
書庫中を同僚が歩き回り、あぁでもないこうでもないと慌てながらうごめいていた。
「誰だお前は。」
しばらく慌てている様子を傍観していたらやっと一人が俺に声をかけてきてくれた。
「先日隠居した宇都宮秀和の養子和人で御座います。」
「あぁ。宇都宮殿の婿殿か。良く来てくれた。がこんな状況だ。お前さんも手伝ってくれ。」
「はい。」
俺は本棚に落ちた書物を一つ一つ丁寧に戻していく。しかし乱雑に並べられたものだ。この棚にはこの分類と決められて居ないため、今俺が並べている棚には小説があったり手引書があったりとなっている。
「本棚の分類ってしないんですか?」
先程俺に声をかけてくれた田川広重さんに聞いてみた。
「しようったって分類する方法がねえんだよ。上からは書物が保管されてればいいって言われてるだけだしな。」
ふ~んそうなんですね。と返したが、俺はいいことを思いついていた。
日本十進分類法……現代の図書館や図書室などで使われている分類法だ。これをアレンジすれば、江戸時代でも十分に活用できるかも知れない。
仕事が終わり千住の屋敷へと戻り自室でスマホを電源を入れる。最近は全然使ってなかったので若干懐かしく感じてしまう。
日本十進分類法は、0=図鑑、1=哲学・宗教、2=地理・歴史、3=社会(公民)
、4=自然科学、5=技術・工業、6=産業・交通、7=芸術・スポーツ、8=言語、9=文学………と言うふうに分けれらている。らしい。(カッコイイなと思って分類の名前だけ覚えてたヤンキー。)
「これ結構出来るな。」
俺は出世の為に早速家訓の毎日セックスの掟を破り深夜遅くまで日本十進分類法の江戸時代アレンジに取り掛かっていた。
そして出来上がったのだ。延宝書物分類法(仮)が!!
延宝書物分類法では、日本十進分類法を丸パクリ、いやそのまま受け継いで名前だけが変わったものになる。(まあ色々考えたけどバカなヤンキーには無理でした。)
俺は延宝書物分類法を大きな紙に書いて次の出勤日に田川さんに見せてみた。
「どうですかね?自分なりに考えて見たんですけど………」
田川さんが紙を穴でも開けようとしているのかぐらい見つめているので周りの同僚たちが野次馬になって集まって来ていた。
「これはいいじゃないか。」「分かりやすい。」などと野次馬たちの声が聞こえてくる。あとは田川さんがどういう反応を示すのだろうかに掛かっている。
しばらくの間、誰も言葉を発さなかった。いや発せなかった。余りにも田川さんが集中して考えていたので誰も音を建てることが出来なかった。
「良し。亀山様にご提案しよう!!」
亀山と言うのは、俺達の上司で書庫整理の頭である。
「しかしなぁ。亀山様は自分の保身しか考えてないからお聞きくださるかのう。」
同僚の一人が愚痴を漏らした。秀和からも亀山のいい話を聞いたことはない。
出世の兆しが見えたのはいいが、俺にまた一つ別の雲が雨を降らそうとしていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる