江戸時代にタイムスリップしたのでヤりたい放題ヤッてみます。

今宵叫ぶ

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第二章 家督継承

第14話 遊郭編 前編

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 同僚のエ口康次郎えぐちこうじろう(20歳)に飲みに誘われたのは俺が延宝書物分類法を皆に披露したその日だった。

 エ口えぐちって……現代だったらクラスでイジメられてただろうな……と思った覚えがあり康次郎のことは認識していた。

 そんなエ口えぐちが帰り際に飲みに誘ってくれたのだ。俺も久しぶりに酒を飲みたい気分だったのでその誘いにのった。(和人は未成年ですが、決して未成年の飲酒を奨めるものではありません。)

「エ口さん。一体どこまで行くんですか?」

 職場の書庫からエ口さんの行きつけのお店まで連れ行ってくれると言うのだが行きつけと言うには随分と長いこと歩いている。

「昔、こっちの方に屋敷があってな。その関係でこっちの店にもよく来るんだよ。宇都宮くんみたいな若いのには特にオススメだよ。」

 俺とエ口さんは5つ違う。と言っても彼も20歳と大した差は無いので十分彼も若いと思う。

 日が段々と沈んでいき夜の寂しさが少しずつ顔を出して来た。あたりはもう暗くなってきているが遠くにゆらゆらと妖しく光る火の束が見えてきた。

「もしかしてエ口さんの行きつけのお店ってあそこにあります?」

「あぁそうだ。俺の行きつけ成田屋は吉原遊廓一の女郎屋だよ。」

 吉原に興味はあった。何なら江戸に出てきて一番に向かっても良かった。でも朝と詩と言う姉妹丼が提供されたのでそれを美味しく頂いていたのだ。まさかこんな形で向かう事になるとは全く考えてもいなかった。

 吉原の仕組みはバカなヤンキーの俺でも理解していた。(興味があったので現代にいるときから調べていた。)吉原には大きく分けて2つの店がある。女郎屋じょろうや揚屋あげやだ。

 女郎屋は名前の通り女郎つまり遊女が所属している店だ。遊女は基本女郎屋に待機していて客からお呼びがかかると客のもとへと向かうのだ。

 そして、遊女を呼び出して行為に及ぶには部屋が必要になる。その部屋を用意するのが揚屋になる。このようにして女郎屋と客、揚屋の3者が持ちつ持たれつを保って成り立っているのだ。

「エ口さんのお相手はどんな方なんですか?」

「あぁ。静江は凄いぞ。胸は大砲の玉くらいあるし身体も細い。」

 そうそう、吉原にはもう一つルールがあった。吉原で遊女と行為に及ぶには3回通って「馴染み」の関係にならなければならないのだ。馴染みになるには10両以上かかってしまうため庶民はそうそう通えるものでは無かった。

「でも俺今回が初回なんです。それじゃあ今日は楽しめないですね……」

「大丈夫だよ!!俺が女将さんに話つけてやっから。大船に乗ったつもりでいろよ!!」

 大船と言われて、かの有名なタ●タ●ック号が脳裏に浮かぶ。あぁどうせ駄目なんだろうなぁ。そんな予想は吹き飛ぶ事になる。

「あら、エ口様のご紹介ですか。」

 成田屋の女将・ゆえは目を光らせて俺によってくる。

「エ口様のご紹介でしたら大歓迎ですよ!!この前の段田様は与力になられたそうですね。」

「あぁ。俺の推薦で連れてきたやつは皆出世するからな。アッハッハ!!」

 そうか。エ口さんは出世する奴と出会いやすいんだ。たまにいるんだよ自分は出世できないけど目をかけた奴が次々ドーンと出世する人。多分その口だ。

「じゃあ一旦うちの部屋で待ってて下さい。新人ですけど上玉を拵えますから。」

「よろしく頼むぜ。」

 そうして指定された部屋で待つこと5分。女将が一人の遊女を連れて戻ってきた。

「これが新人の木葉このはで御座います。歳は15で、水上げ仕立ての上玉ですわ。客を取ったことはまだありませんが優秀な娘です。いかがですか?宇都宮様。」

 木葉の容姿をぐるっと見回す。背は低めだが可愛らしい童顔が後押しして彼女の魅力を引き出している。胸には身丈に合わない爆弾を抱えているなかなかの美少女だ。

「俺でいいんですか?初めてのお客なんでしょ?」

「いいも何も先行投資ですよ!!」

「じゃあ木葉殿。よろしく頼む。」

「はい。よろしくお願いいたします。」

 これは金欠になってしまいそうな予感がした。
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