江戸時代にタイムスリップしたのでヤりたい放題ヤッてみます。

今宵叫ぶ

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第三章 出世をかけた戦い

第二十三話 亀の首

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 あれ?ここどこだっけ……返り血を浴びまくった全身、細かい刀傷をいくつか身体に作ってしまった。

 無我夢中で闘っていた。途中からは刀を振るう気力も体力もなくなってしまい結局拳で対処してしまった。

 もう……何でこうなったんだ??何故こんなことになってしまった!?

 物語は時計の針を半日前まで戻さなければならない………

「もう諦めなさい。宇都宮君にもいい経験になるから!!」

 俺は南町奉行と目付に引きずられながら南町奉行所まで向かっていた。自分の屋敷でもかなり駄々を捏ねていたが結局引きずり出されてしまった。

 はじめは結花も来ると言っていたのに二人に来なくても良いよ~と言われたら「あ、そうですか?」的なノリでお留守番する事になったしもう何がなんだか分からないことになっている。

 俺はなんとか七之助を連れて南町奉行所までやってくると所員たちの前で紹介され、その紹介もひどく大袈裟なものでなんか違うイメージをもがれた気がする。

「こちらは宇都宮和人殿。宇都宮殿の屋敷と田川邸に現れた忍を二人とも捕らえた力あるお方だ。」

 こう紹介されてしまっては注目の視線がこちらに集まってしまうではないか!?ふざけんなよ!?

 その後作戦を説明されたが俺は奉行所員10名を引き連れて前線に立たなきゃいけないだなんてもう……ねぇ。戦なんてやった事……あるけどさ。(一応地元一番の大喧嘩の総大将です\(^o^)/)

「大丈夫だ。死にかけた事はあっても死んだことはない。」

 目付様はそう言うけど俺普通ヤンキーな高校生だから!!間違えないでくれます!?

 口を開けていると不満とかいろんなのがボロボロ出てきそうだから必死に口を閉ざしている。

「殿……大丈夫ですか?顔が真っ青ですケド……」

 七之助に心配されるくらい焦っているのか。少し落ち着いてカッコイイところを見せなければ。朝詩、結花に何を伝えられるか分からない。空元気を最大限頑張ってみるがかえって変な感じかな?もう自分がどうすれば良いのか理解できない。

 午後早い時間に亀山屋敷を目標に南町奉行所より200の侍が出発した。その中には俺と七之助も含まれているわけであって………

 結局逃げ出すこともできないまま亀山高石が住まいまでやって来てしまった。部隊の一番前には遠山奉行、金本目付役、そして俺、平旗本の宇都宮和人が立った。義父よりお下がりしてもらった甲冑は明らかに場違い感を醸し出している。

「亀山高石よ!!南町奉行・遠山正孝である。昨夜起こった襲撃事件についての問答に参った。大人しく門を開けて出てまいれ!!」

「目付役の金本豊後守である。書物横領の件について参った。神妙に縛につけ!!」

 隣にいる二人が結構カッコええ事宣言する中俺は小さくなって立っているだけでやっとの状態だ。全く情けないにも程がある。

「儂には関係ないお話の様ですな。儂になんぞ関わらず不届き物を捕らえるよう励まれることを提案致す次第。」

 門の向こう側から亀山の声がする。どうやらこうなることは予想の範疇であったかのような余裕が感じられる。

「その結果お前に辿りついたのだ。早う門を開け!!」

「仕方ありませんな。門を開け。」

 あっさり門を開ける亀山の行動に違和感を感じた。あっさり投降するのであれば何故俺たちを消そうとしたのだ?何か企みがあって門を開くのではないか?

 ギギギと重い音をたてながら屋敷の門が開かれる。その細い隙間から弓矢がちらりと見えてきた。二人の上役はまだ気づいていないようだ。

 真後ろにいた侍の槍を奪い取り僅かな隙間をめがけて投げる。想像以上に思い作りをしていて矢手まで届くだろうか……確認はできなかったが敵は驚いている様子なので攻撃はまだ来ない。その間に俺は皆を守るために動いた。

 そのすきに俺は二人を塀の影まで飛ばす。それから盾部隊を最前列まで出して攻撃に備える。

 迫ってくる弓矢は全て盾に吸収されていく。いきなり突き飛ばされた事に怒りを顕にしていた遠山たちは今目の前で起こっている事に唖然としている。

 敵は一心不乱に矢を射掛けてくる。しかし、盾と盾の間から向こう側を見てみると矢の量はそう多くは無いようだ。これなら矢を打ち切るまで耐えれば戦える。

 20分ほど耐えて盾に振動が襲わなくなった。どうやら矢を打ち切ったらしい。俺は遠山たちと合流して攻撃に転じることに合意した。

 敵は刀を抜いて今か今かと待っている。恐らく門の脇に伏兵がいるだろう。かんたんに攻めに行っては返ってこちらが殺られてしまう。

 どう攻めるべきか思案していると屋敷の中から声が上がってきた。

「忍じゃ!!忍が出たぞー!!」

 忍?まさか結花が応援に来たのか?門の前に二人の忍の影が現れた。一つは結花のもう一つは田川邸を襲った忍の影だった。

「宇都宮君。彼らは。」

「はい。味方でございます。」

「かかれー!!」

 遠山の号令一下100を超える兵がドドーっと攻め寄せる。刀を振るう者、槍を突く者様々だが亀山をめがけて皆一生懸命だ。

 俺もはじめ刀を振っていたが10分もすると刀は2つとも敵の顔面に突き刺しいつもの肉弾戦に移った。七之助は負傷者の手当を中心に担当しているようで怪我をする心配はなさそうだ。

 無我夢中で全身を操る。右肘に深めの傷を負ってしまい使えなくなってしまったので蹴り技中心に戦う。

 気がつくと敵は亀山高石ただ一人となっていた。高石は怯えて屋敷の隅で丸くなっている。奉行所に運ばれる前に一発。一発だけでいいからアイツを殴らなければ俺の怒りが収まらなさそうだ。

 草履を履いたままひょいと床の上に飛び乗る。畳の上をわざと音をたてながら犯罪者かめやまへと近づいていく。

「命だけは助けてくれ。頼む!!頼むから!!」

「寝言は寝て言え。」

 俺は右足を振り上げると亀山の脳天めがけて振り落とした。



 これ以降、しばらくの間俺の記憶はない。
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