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第二十二話 ミラ 1/2
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問えば、相手はキョトンとした。それも一瞬の事。すぐに笑顔に変わる。
「なんでって、それはもちろん……。セシリヤさんに会いに来たからです!」
(えぇ……⁉ それってつまりセシリヤの追っかけ?)
喋るな、と言われているティルラは心の中でツッコミを入れた。セシリヤの追っかけをしている人物がいるとは意外だ。
キリッとした表情で告げたミラにセシリヤの頬が引きつる。
「キリッとした顔で言うな! 仕事をしなさい、仕事を!」
ミラの頬を引っ張りながら言うセシリヤに「ひ、ひひゃいれす……」と言いながらもミラはまんざらでもない様子だ。セシリヤはミラの頬から手を離した。
「ちゃんと仕事で来たんですよ、僕。セシリヤさんに会いにくるついでに」
頬を擦りながらミラが言う。
「いや、そこは逆でしょう?」
間髪入れずに言うと、ミラは何故、と言わんばかりに首を傾けている。彼の中で本気でセシリヤに会いに来ることが目的で、仕事として本部からこちらへ訪れたのはついでらしい。セシリヤは深く重い溜息を吐いた。
「セシリヤさん、クエスト達成おめでとうございます!」
「え、ああ……うん。ありがとう……って! 思い出した!」
流されそうになったところでセシリヤは声を荒げた。首を傾けるミラにセシリヤは続ける。
「怪鳥討伐の件だけど、そっちの情報の倍の大きさだったんですけど⁉」
「へぇ~。倍あった大きさの怪鳥を一人で討伐しちゃうなんてさすがセシリヤさんです」
ニコニコと笑みを浮かべているミラにセシリヤの額へ青筋が浮かぶ。違う、そうじゃないと返したいが、ミラには無効だと自己完結してセシリヤは開きかけた口を閉じた。
ピィー、と後ろにいたピー助が鳴いてセシリヤがそちらを振り向いた。ミラもセシリヤの背後からピー助を見る。
「どうしたの、ピー助」
膝を折りピー助の頭を撫でながらセシリヤが問うと「ああー⁉」とミラが声を上げた。
「な、なに? 大声出さないでよミラ」
ピー助を抱きかかえながらミラの方を振り向いたセシリヤの眉が寄る。
「その鳥なんなんですか⁉ 僕のセシリヤさんに馴れ馴れしくしないでください」
(ピー助相手に何言ってんのこの人⁉)
我慢できずにティルラが内心ツッコミを入れた。姿は分からないが、ミラというのは声からして青年だ。彼がセシリヤに好意……でいいのだろうか、そういう感情を抱いているのは分かった。けれど、嫉妬相手がピー助というのはなんというか。どうりで勢いよく扉を閉めたわけだ。彼女の行動の理由にティルラはそっと同情した。
「なんでって、それはもちろん……。セシリヤさんに会いに来たからです!」
(えぇ……⁉ それってつまりセシリヤの追っかけ?)
喋るな、と言われているティルラは心の中でツッコミを入れた。セシリヤの追っかけをしている人物がいるとは意外だ。
キリッとした表情で告げたミラにセシリヤの頬が引きつる。
「キリッとした顔で言うな! 仕事をしなさい、仕事を!」
ミラの頬を引っ張りながら言うセシリヤに「ひ、ひひゃいれす……」と言いながらもミラはまんざらでもない様子だ。セシリヤはミラの頬から手を離した。
「ちゃんと仕事で来たんですよ、僕。セシリヤさんに会いにくるついでに」
頬を擦りながらミラが言う。
「いや、そこは逆でしょう?」
間髪入れずに言うと、ミラは何故、と言わんばかりに首を傾けている。彼の中で本気でセシリヤに会いに来ることが目的で、仕事として本部からこちらへ訪れたのはついでらしい。セシリヤは深く重い溜息を吐いた。
「セシリヤさん、クエスト達成おめでとうございます!」
「え、ああ……うん。ありがとう……って! 思い出した!」
流されそうになったところでセシリヤは声を荒げた。首を傾けるミラにセシリヤは続ける。
「怪鳥討伐の件だけど、そっちの情報の倍の大きさだったんですけど⁉」
「へぇ~。倍あった大きさの怪鳥を一人で討伐しちゃうなんてさすがセシリヤさんです」
ニコニコと笑みを浮かべているミラにセシリヤの額へ青筋が浮かぶ。違う、そうじゃないと返したいが、ミラには無効だと自己完結してセシリヤは開きかけた口を閉じた。
ピィー、と後ろにいたピー助が鳴いてセシリヤがそちらを振り向いた。ミラもセシリヤの背後からピー助を見る。
「どうしたの、ピー助」
膝を折りピー助の頭を撫でながらセシリヤが問うと「ああー⁉」とミラが声を上げた。
「な、なに? 大声出さないでよミラ」
ピー助を抱きかかえながらミラの方を振り向いたセシリヤの眉が寄る。
「その鳥なんなんですか⁉ 僕のセシリヤさんに馴れ馴れしくしないでください」
(ピー助相手に何言ってんのこの人⁉)
我慢できずにティルラが内心ツッコミを入れた。姿は分からないが、ミラというのは声からして青年だ。彼がセシリヤに好意……でいいのだろうか、そういう感情を抱いているのは分かった。けれど、嫉妬相手がピー助というのはなんというか。どうりで勢いよく扉を閉めたわけだ。彼女の行動の理由にティルラはそっと同情した。
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