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第四十二話 地下水路
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クルバ曰く、地下水路への立ち入りは役場の許可が必要で手順を踏まなければならないらしいが、水の供給が途絶えてすぐに許可すら下りなくなってしまったという。怪しんだ者たちが何度か申請を行ったがすべて却下されている。セシリヤはクルバから地下水路への入り口を教わっていた。モンタナのある通りから二つ目の角を曲がった道にある小さな建物。元は役場の人間が管理していたのだが、水の供給が途絶えてからは人通りが無くなり、誰も近寄らなくなったため管理の対象から外されたのだという。
(まさか部外者が侵入するとは夢にも思ってないでしょうね……)
扉には鍵が掛かっている。
「レリーズ」
セシリヤは解除の魔法を使って鍵を解除すると扉を開けた。その奥は地下へと続く階段。扉を閉める際に幻覚の魔法を掛けてあたかも扉は施錠されているように見せておく。
中に入ってすぐライトの魔法で照らして地下へと続くらせん階段へ視線を走らせたセシリヤは端に立つと「よっ」と言う声と共に到着地点まで約四十メートルほどある階段から飛び降りた。
「ちょっ、え⁉」
ポケットに入っていたティルラは突然の浮遊感に戸惑いの声を上げる。落下していると感じてすぐに落下速度が落ちた。
「浮遊魔法を使うに決まってるでしょ。このまま落ちれば大怪我確定なんだから」
「使うにしても一言“今から落ちます”くらい言ってほしかったんですけど……心の準備とか必要じゃない?」
「……」
「ねえ、何言ってんだ的な無言やめて」
「え? ああ。魔石に封じられていても落下とか浮遊感感じるんだなぁ~って思って」
セシリヤが興味深そうに言う。
「……そうよ。だからセシリヤが無茶な動きをすれば伝わるんだからね!」
気を付けて、と付け加えるティルラに「はいはい」と軽く返事をしている間に一番下へと到達したセシリヤは奥を見つめた。水路だと言うのにここは湿気がない。ひんやりとした空気が流れてきてはいるが、セシリヤが着地した地点には水滴すら残っておらず干上がっていた。
「この先に原因があるのよね……」
ごくり、と喉が鳴る。奥で待っているのは人か、それとも……。
「地下水路ってモンスターいるのかしら?」
ティルラからの純粋な質問にセシリヤも「うーん」と眉を寄せながら首を傾けた。人間が作った人口の地下水路。小動物が住み着いていても不思議はないが、街の外にいるようなモンスターは生息しているのだろうか。
「倒せばいいだけよ。……以外は」
「え? 今何か言った? 聞こえなかったんだけど……」
「ううん、なんでもない! ほら、さっさと行って帰らないと」
言葉を濁して先へ進もうとするセシリヤにティルラは怪しい、と内心思いながらも彼女に連れられるしか出来ないため口を噤んだ。
「アンディーン、聞こえる?」
歩きながらセシリヤがブレスレットに触れてアンディーンを呼んだ。すぐに返事が聞こえる。
――はい、セシリヤ様。お呼びでしょうか
「地下水路に来てるんだけど、水の気配とか分かる? ここ全く水がなくって」
もちろんです、と言いながらアンディーンは双眸を閉じた。意識を集中させて水の気配を辿る。
――分かりました! 案内しますので、指示通りに進んでください
アンディーンの言葉にセシリヤは頷いた。
(まさか部外者が侵入するとは夢にも思ってないでしょうね……)
扉には鍵が掛かっている。
「レリーズ」
セシリヤは解除の魔法を使って鍵を解除すると扉を開けた。その奥は地下へと続く階段。扉を閉める際に幻覚の魔法を掛けてあたかも扉は施錠されているように見せておく。
中に入ってすぐライトの魔法で照らして地下へと続くらせん階段へ視線を走らせたセシリヤは端に立つと「よっ」と言う声と共に到着地点まで約四十メートルほどある階段から飛び降りた。
「ちょっ、え⁉」
ポケットに入っていたティルラは突然の浮遊感に戸惑いの声を上げる。落下していると感じてすぐに落下速度が落ちた。
「浮遊魔法を使うに決まってるでしょ。このまま落ちれば大怪我確定なんだから」
「使うにしても一言“今から落ちます”くらい言ってほしかったんですけど……心の準備とか必要じゃない?」
「……」
「ねえ、何言ってんだ的な無言やめて」
「え? ああ。魔石に封じられていても落下とか浮遊感感じるんだなぁ~って思って」
セシリヤが興味深そうに言う。
「……そうよ。だからセシリヤが無茶な動きをすれば伝わるんだからね!」
気を付けて、と付け加えるティルラに「はいはい」と軽く返事をしている間に一番下へと到達したセシリヤは奥を見つめた。水路だと言うのにここは湿気がない。ひんやりとした空気が流れてきてはいるが、セシリヤが着地した地点には水滴すら残っておらず干上がっていた。
「この先に原因があるのよね……」
ごくり、と喉が鳴る。奥で待っているのは人か、それとも……。
「地下水路ってモンスターいるのかしら?」
ティルラからの純粋な質問にセシリヤも「うーん」と眉を寄せながら首を傾けた。人間が作った人口の地下水路。小動物が住み着いていても不思議はないが、街の外にいるようなモンスターは生息しているのだろうか。
「倒せばいいだけよ。……以外は」
「え? 今何か言った? 聞こえなかったんだけど……」
「ううん、なんでもない! ほら、さっさと行って帰らないと」
言葉を濁して先へ進もうとするセシリヤにティルラは怪しい、と内心思いながらも彼女に連れられるしか出来ないため口を噤んだ。
「アンディーン、聞こえる?」
歩きながらセシリヤがブレスレットに触れてアンディーンを呼んだ。すぐに返事が聞こえる。
――はい、セシリヤ様。お呼びでしょうか
「地下水路に来てるんだけど、水の気配とか分かる? ここ全く水がなくって」
もちろんです、と言いながらアンディーンは双眸を閉じた。意識を集中させて水の気配を辿る。
――分かりました! 案内しますので、指示通りに進んでください
アンディーンの言葉にセシリヤは頷いた。
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