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第六十話 ペンダントとイヤリング 2/2
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「それにするのかい? 確かにこのエメラルド色の石に映えるね」
選んだジュエリークリップにクルバは笑顔で頷いた。セシリヤが手に取ったのは雪の結晶のジュエリークリップだ。色はゴールド。
「ペンダントでいいかい? って、すでに綺麗なペンダントつけてるね」
クルバの問いにセシリヤは胸元にあるペンダントへと触れた。それはかつてフランと呼んでいた友人から貰った物だ。
♦♦♦
『セシリヤ、手を出して』
首を傾けながらも素直に手を差し出したセシリヤへフランは握りしめていた手を開いた。幼いセシリヤの掌にアメジスト色の石が付いたペンダントが置かれる。目をしばたたかせたセシリヤへフランはにこり、と笑った。
『これ、あげる。大事にしてね……絶対に無くしてはダメだよ?』
当時意味の分からなかったセシリヤは『うん! 絶対に無くさない』と元気よく頷き、小さな手に収めた。役割を終えたペンダントをセシリヤは今も大事に身につけているのだ。
♦♦♦
ペンダントを二つつけるのもどうか、と悩んだセシリヤはペンダントを外して「クルバさん」とアメジスト色のペンダントを差し出した。
「なんだい?」
「このペンダントをイヤリングに変えることって出来ますか?」
「そりゃあ構わないけど、片方だけのになっちまうよ?」
石は一つだけだ。同じ物はないため必然的に片耳分しか作れない。それもでも構わない、とセシリヤは頷いた。
「セシリヤちゃんが構わないならいいよ」
そう言ってクルバはイヤリング用の石座を選び始めた。アメジストはペアシェイプと言って涙のような楕円形をしており、尖っている先端は細かいカット面で、反対は丸みを帯びている。カット面が多いため光に反射するたびに濃淡が変わっていた。石が落ちないように爪の付いた石座をテーブルへいくつか選んでクルバは置いた。
「どれがいいか選んどくれ」
促されてセシリヤが選んだのはシルバーの石座だった。クルバはうんうん、と満足そうに頷くと他のパーツを木箱へと仕舞った。
「作っておくからセシリヤちゃんは風呂にはいっておいで」
「あ、はい。では、行ってきます?」
タオルと着替えを持たされたセシリヤは部屋を後にする。
「さて、久しぶりに作ろうかね」
袖を捲ったクルバの弾んだ声をティルラだけが聞いていた。
選んだジュエリークリップにクルバは笑顔で頷いた。セシリヤが手に取ったのは雪の結晶のジュエリークリップだ。色はゴールド。
「ペンダントでいいかい? って、すでに綺麗なペンダントつけてるね」
クルバの問いにセシリヤは胸元にあるペンダントへと触れた。それはかつてフランと呼んでいた友人から貰った物だ。
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『セシリヤ、手を出して』
首を傾けながらも素直に手を差し出したセシリヤへフランは握りしめていた手を開いた。幼いセシリヤの掌にアメジスト色の石が付いたペンダントが置かれる。目をしばたたかせたセシリヤへフランはにこり、と笑った。
『これ、あげる。大事にしてね……絶対に無くしてはダメだよ?』
当時意味の分からなかったセシリヤは『うん! 絶対に無くさない』と元気よく頷き、小さな手に収めた。役割を終えたペンダントをセシリヤは今も大事に身につけているのだ。
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ペンダントを二つつけるのもどうか、と悩んだセシリヤはペンダントを外して「クルバさん」とアメジスト色のペンダントを差し出した。
「なんだい?」
「このペンダントをイヤリングに変えることって出来ますか?」
「そりゃあ構わないけど、片方だけのになっちまうよ?」
石は一つだけだ。同じ物はないため必然的に片耳分しか作れない。それもでも構わない、とセシリヤは頷いた。
「セシリヤちゃんが構わないならいいよ」
そう言ってクルバはイヤリング用の石座を選び始めた。アメジストはペアシェイプと言って涙のような楕円形をしており、尖っている先端は細かいカット面で、反対は丸みを帯びている。カット面が多いため光に反射するたびに濃淡が変わっていた。石が落ちないように爪の付いた石座をテーブルへいくつか選んでクルバは置いた。
「どれがいいか選んどくれ」
促されてセシリヤが選んだのはシルバーの石座だった。クルバはうんうん、と満足そうに頷くと他のパーツを木箱へと仕舞った。
「作っておくからセシリヤちゃんは風呂にはいっておいで」
「あ、はい。では、行ってきます?」
タオルと着替えを持たされたセシリヤは部屋を後にする。
「さて、久しぶりに作ろうかね」
袖を捲ったクルバの弾んだ声をティルラだけが聞いていた。
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